幻想卿に男が降り立ったようです11
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「おい霊夢・・・」

俺の言葉にハァ〜ッとため息混じりに答える

「何よ。さっきから謝ってんでしょぉ〜?」

「謝ってどうにかなるなら警察はいらねんだよ!なんでだ!なんで怪我をして消毒液をつけたのに・・・」

そういって彼は言葉をのどの奥に溜め込んで吐き出す。

「こんなことになってんだーーーー!!!」

全身が脱色した様に色素が薄い。色が薄くなり、前を見てるはずなのに背中が確認できる。姿が確認しにくい。

つまり・・・。透明になっちゃった♪。・・・じゃねえか?

 

『幻想卿に男が降り立ったようです』

 

「しゃ〜ないでしょお!あんたが勝手に薬間違って使ったんでしょうが!」

「消毒液って書かれた容器に入れられた薬をノーマークでつけて何がわるい!そして霊夢!そこには俺はいない!後ろだ後ろ!」

訳が判らない方に説明しよう。前回。霊夢の神社に来た変な妖怪と戦う。(この時点でおかしいですね)。なんとかその場を凌ぐが、その後薬を霊夢に借りる。そして・・・透明になっちゃった☆(おい

 

正確に言うと、まだ神雅はまだ完璧に透明ではない。まだ目を見張ればその場で神雅の輪郭を確認できる程はまだ目に見える。しかし表情まで見取るには透明にはなりすぎていた。胸板を見ているはずなのに背中の筋が見える顔を手のひらを見ているのに、手の甲のしわが見える。

しかし、その体に例外が存在した。その異能の力の宿る腕だけきれいにクッキリ浮き上がっていたのだ。だが、それはそれでさらに奇妙にさせる要因になる。手が浮いてる〜?!といっている様なものである。

 

「しかもあれがあの医者の薬品だったって事だろ?!霊夢ぅもっと大事に扱ってくれ!そうしないともしかしたら俺みたいな人間がもっと出ていたかもしれない!」

「えー?」

「えー いただきましたー!いただきましたが えーっ!こっちがえぇ〜〜!?!?」

「あんたが透明なのはあんたが不注意で薬塗ったからでしょーが。しらんがな。あたし知らんがな」

「マジで性根くさってんなおい・・・」

俺の言葉を聞いてか聞かずか手に持っていたお盆をフリスビーの様に投げる。速度30キロオーバー。スパコーン!と木でできた木製お盆が脳天に決まる。意識が飛んだ。それから10分ぐらいと推測する。俺は起き上がり、そして霊夢がいなくなっているのを確認した.。

 

 

                        ***

 

「・・・霊夢。せめて飯の準備ぐらいしてから出かけてくれよなぁ・・・今日は霊夢の当番だろうに・・・」

こっちに来てから、神社の中である程度のルールが出来上がっていた。

1、 当番制。一週間の内の雑務(料理、洗濯、掃除など)を交代でする。

2、 サボらない

3、 風呂の水は一回で捨てない(もったいないから)

などなどいろいろあるが、ほとんど霊夢は守らない。特に1,2の場合。

1、 ほとんど俺、時々霊夢。

2、 霊夢は8割サボる

というデータが飛び出した。(計算期間7日)

結果、今日の当番である霊夢は料理の下準備もせずでかけ、俺はもうご飯を自炊し一人でいつもより豪華な食材を使って(少しもの仕返し)空腹を満たしている。

今日のウコッケイの卵はいつもよりうまい気がする。人に黙って何かをするってすんごい快感なのは俺だけじゃないとおもう。この快感は忘れられないなぁ・・・。少しゾクゾクする背徳感と、バレたらどうなるかと言う恐ろしさでテンションが上がるこの感じはまるでマゾヒストなのかと思ってしまいそうになる。

 

「ふぅ・・・食った食った・・・」

おなかを擦っているのだが、俺には自分の肉眼でそれを確認できない。おなかが見えない為、ただ見えている手が何もない所を撫でている様にしか見えない。

(ん〜・・・、なんか気味悪いなぁ〜。浮いている腕ってだけでも大問題だけど、自分の体が見えないってすんごいショッキングだなぁ〜)

 

と、内心うなだれ気分のまま食器を洗う。

水を受けたら腕のある部分が浮き上がり、腕の輪郭が存在するのがまだ腕があると安心させてくれた。水を止めたら、そこに存在するのはただ浮いてるだけの皿だけしかないのだが。

気を失っている間に、完全に残っているのは腕だけになってしまっていた。

もう鏡をみても、体に輪郭は存在していない。服すら透けてしまっていて、服を脱いだらその服はいきなり空間から色を取り戻したが、俺が服を着込んだ瞬間、空に溶ける様に消えた。今の所ここまでが俺に置かれている状態の理解した状態である。

「こりゃ・・・自宅待機・・・かなぁー・・・?」

自分で自分にため息を付く。ハァ〜〜、とまるで生きがいが無くなった存在が吐く様な弱弱しい漏れる息。

その瞬間、障子越しにある廊下から音。

ドタドタと音が聞こえる。それは素早く近づいてくる。そして障子をスパーン!と解き開き、満面の微笑みで言った。

「れええええええいむううううう!かみまああさあああああああ!飯を食いに・・・じゃなくて。暇だろうから遊びにきたぜええええええええええええええ!!!」

予想通りの存在。そして俺はいつもどおりのやり取りをしようとした。

今まで通りのやりとり→神「おいおい、また来たのかよ・・・ただご飯食べに来ただけなんだろ〜?」魔「そ、そんなことはないぜ!その証拠に!ほら、良いキノコを見つけたんだ!これを食べると何故か体が火照ってなんかむしょうにムズムズしてそれに何故か棒を見ると凄まじく恋しくなる不思議のきのこなんだが・・・!」神「よし魔理沙!そのきのこをすべて俺に渡せ!全て焼き捨ててやる!」

のはずなのだが・・・

今回の場合、→神「おいおい魔理沙・・・また来たのかy・・・」魔「怪異はっけんだZE!霊夢をぶったおしたようだな!!この神社でどうどうといやがるとは・・・っ!だがこの魔理沙!霊夢程度じゃ測り切れないパワァでお前をふっとばしてやんZEEEEEEEEE!!!!!!!」神「え、ちょ!?な、魔、魔理沙?!」魔「スタアアアアアアアレヴァリエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」神「ぎゃあああああああああああ!!一瞬で茶の間が黒こげにぃいいいいいいいいいいいい!?」

こうなり今、「くっそぉ〜。どこいきやがったあのやろぉ〜」魔理沙が俺を探し回り、

(ぎゃああああああああああああ!!!)俺は心の中で叫びながら階段をくだり、一気にその場を後にした。

 

                  ***

 

 

 

 

 

「ったく・・・ま、魔理沙の野郎・・・っ!マジでころす!女とかそんなんじゃなくてマジでギタギタにする!!」

ぜぇ〜、はぁ〜、ぜぇ〜、はぁ〜、とただの漏れる息にしかなっていない言葉を吐き出しながら木にもたれ掛かる。木が少しギシッと音を立てる。息を整えるとやっと脳に酸素が回ってきた。

まさか、あそこを離れた後、ルーミアに見つかって逃げ回り、チルノに見つかり、音水に見つかり、音水が「何奴!?」と木刀を振り回し追いかけてきて、逃げ切ったかと思えば「明日は休日なんですよぉ〜」と昨日喜んでいた世間話仲間中国さんに見つかり「変なの発見です!危険分子滅殺〜!!」と拳を握りこみながら突っ込んできた。それらすべてを巻けたのは全て運だと思える。てか運だった絶対!!

「・・・ここどこだ・・・?」

あまりに無我夢中で逃げたものだったから、今現在自分がいる位置がわからなくなってしまっていた。たくさんの木。それは森の中だった。夜も吹けていて、まさに月が木の合間を通って降り注ぐ月光は神秘的と言えた。月夜が照り、そちらを見るとまたそれとは違う光があった。もっと人工的な光。ランプの光だった。

「・・・こんな所に?」

魔理沙は森の中で暮らしていると言っていた。もしかしたら魔理沙宅かもしれない。

そんな考えがあうかんだ瞬間、俺の脳にピキーン!とひらめきがひとつ。

(魔理沙は今神社にいるはず!それなら今の魔理沙宅は誰もいない!アイツの弱点がひとつは見つけられるかもしれん・・・!!!)

期待に胸が躍る。俺はいたずらぼうやなのかもしれない。

俺は半ばスキップで魔理沙宅を目指す。ここから見える魔理沙宅のあったかいランプが、なぜ点いているのか考えもしないで入った事が、この後の神雅を不幸の渦に巻き込む前兆である事を誰も告げなかった・・・。

 

説明
何ヶ月ぶりの投稿か・・・!!TAT
放置すいませんでした!再開しますお!
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幻想卿  透明人間 

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