恋姫異聞録3
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-陳留ー

 

 

「劉封、悪いが涼風をつれて先に行っていてくれるか?事後処理があるから少し待たせてしまうと思う」

 

「よいのですか?涼風ちゃんを私に預けて、まだ出会ったばかりだというのに」

 

少し驚いた顔で聞いてくる、礼儀正しいな邑にいたとは思えないもしかしたら出身は違うのかもしれないな目も濁っていない

さすが劉備の養子に迎えられただけはある

 

「目を見れば信用できるかわかるよ、涼風、お父さんの変わりにお兄ちゃんを連れて行ってくれないか?」

 

そういって頭を撫でるとえへぇ〜と言う笑顔を浮かべて

 

「にくま〜ん、おにんぎょう〜!」

 

と答える、我が娘ながらしっかりしていると苦笑しながら「わかったよ、お母さんには内緒だぞ」といって頭を撫でる

3歳になる娘だが言葉もしっかりしてこちらの話はちゃんとわかっている、なんと利発で可愛いのだろう

 

「聞いてるぞ、あまり甘やかすなと言っているだろう?まったく」

 

その声に振り向くと真後ろに秋蘭があきれたようにたってこちらを見てため息を一つ

しかたないな、とあきれた声を漏らし事後処理をするぞと俺の手を引く「いってらっしゃ〜い」と手を振る娘に手を振り返しながら

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おかえり〜兄ちゃん、春蘭さま」

 

城内に入るとそこには自分たちよりも遠方の賊討伐に出ていた季衣が出迎えをしてきた

 

「おお、季衣ではないかずいぶんと早かったな」

 

そういうと春蘭は季衣の頭をなでる、しかしたのこんなに早く戻ってくるとは何かあったのだろうか?

 

「なあ季衣、俺達より遠方に出かけたはずだが早すぎないか?何かあったのか?」

 

その言葉に同意するように曹操様が季衣にたずねる

 

「そうね、賊どもに返り討ちにされたなんてことは季衣に限って無いでしょうけど報告をして頂戴」

 

それを聞いた季衣は困ったような表情をし、えへへ〜と言いながら横に立つ季衣より少し背の高い少女、李通に目を向ける

 

これを見た俺はああ何と説明していいかわからくて困ってるなこれはと李通に話を促した

 

「は、李通が報告させていただきます。賊討伐出立し道中に文官の一人から策の提案と糧食の削減提案を受け許緒将軍はこれを受諾、兵の3分の1を糧食を持たせ城に戻し残りで賊を討伐いたしました結果、策は成功し糧食は十分に持ち予定より早く帰還いたしました、以上です」

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報告を受けた曹操様と秋蘭は驚いたが・・・・・ああそうですよね曹操様、貴方は「そういうの」が大好物でいらっしゃる、その笑みは愛でる才を見つけた目だならば俺のすることはひとつだな

 

「李通、その者をここへ曹操様がお会いになる」

 

包拳礼をし走り出す、さてどんな奴が来る?俺の知っている歴史とちょっとづつだが違う、だが本筋はそう変わらないはずだ良き将が来るなら良し曹操様に仇名す将ならば・・・・・・・

 

「ふふっ顔が笑ってるわよ、だんだん私に・・・と言うよりも曹騰お祖父さまに似てきたわね、あの人も相当な変わり者だったけれど」

 

気づけばクスクスと笑いながら曹操様はこちらを見つめている、ハテ?俺は笑っていたのか?

いや、そうだなきっと俺は楽しんでる楽しいに決まっている、俺の目の前にいるのは乱世の英雄

その周りに集う猛将たち、次はどんな英雄にあえるのか?こんな時代に落とされたって言うのに

俺って奴は・・・・・クックック

 

「曹操様、お待たせいたしました」

 

李通の声で曹操様と春蘭、秋蘭の顔が素に戻り、俺も連れてこられた少女に目を向けその立ち居振る舞いを見る

 

「貴方が討伐の策を?顔を上げ名をなのりなさい」

 

品定めをするように曹操様はその少女を見る、少女は臆することなく顔を上げ曹操様の目をまっすぐに見つめ返す

 

曹操様を恐れず見返すとは面白い、しかもあの目は相手の力量を測り試すものの目だ

 

「はい、性は荀、名はケ、字を文若、真名を桂花をと申します」

 

「いきなり真名まで、まだお目通りがかなっただけだぞ」

 

真名まで語りだした荀ケに春蘭は驚いて声を上げる

 

「ふん、私は真名を預ける相手を見誤ったりしないわ、陳留外の流言、討伐隊の編成、陳留内の流通、警備体制を見ればいかに曹操様が素晴らしく真名を捧げるに値するかわかると言うものよ」

 

そういうと自身ありげにまた目線を曹操様に向け私の力は見ていただけましたか?と言わんばかりに試す目を向けているがその目を笑みで返し曹操様は貴方の欲求には乗ってあげない、と意地悪な目をしこちらに目を向けてきた

 

そう、貴方は欲求を流し荀ケを今ここで可愛がるつもりだドSの放置、しかもここで俺に目を向けるとはいつものことをさせるつもりだろう

 

「昭、貴方の評価を聞かせなさい」

 

荀ケの顔が驚きと苦悶に染まり跳ね起きたように立ち声をだす

 

「な、何故ですか!私は曹操様の目にも掛けられないとそうおっしゃるのですか?!しかもこんな男なんかにっ!汚らわしいっ!!」

 

そんな悲痛な声を完全に無視し、俺の言葉を待っているさぞかしその放置は楽しいのでしょうね

曹操様満足そうな顔をしてらっしゃる、しかし汚らわしいとはな

 

「はい、評価ですが三つ、一つ王佐の才、二つ崇拝者、三つ男嫌いです」

 

その言葉で荀ケは顔を複雑にしてこちらを見てくる、まあ予想していた通りだけどあの顔は低い評価をしてくると思っていただろうな、その相手から王佐の才などとほめられたら何と言っていえば良いかわからなくなって当然だ

 

「王佐の才ね、貴方がそういうのならこれは素晴らしい人物を見つけたわ、でも男嫌いは春蘭でもわかるとして崇拝者というのは?」

 

華淋さま〜と春蘭が泣きついてくるのを頭を撫で理由を聞いてくる

 

「崇拝者、崇拝する対象ができれば崇拝者はその信仰のため命を落とすことも厭わないでしょう」

 

「なるほどね、では忠誠においては春蘭や秋蘭、そして貴方と同じと見てよいのね?」

 

俺は首を縦に一つ、しかし荀ケとはな俺の知る人物とは似ても似つかないな、儒教に対して崇拝者というイメージだったんだがな儒教が曹操様に代わってしまったみたいだ、これなら後の対立も無いだろう、そんなことを考えていると荀ケの声が思考を途切れさせる

 

「ちょっと待ってください、王佐の才は当たってるとしてもそこの男の評価はそんなに信用が出来るものなんですか?納得が出来ませんっ」

 

まるで視線でこちらを殺そうとせんばかりににらみつけてくる、ははは!王佐の才を否定しないとな、だがよく知りもしない相手にいきなり評価され、真名を捧げた相手がその言葉を信じようとしている睨んでくるのも当たり前だ、曹操様は口を笑みにしさっきから顔を白黒させている様を十分楽しんだようで

 

「昭はね橋玄様に人物評が出来ると言われてるの、それに許緒 を知ってるでしょう?あの子も彼が見つけてきたのよ」

 

荀ケはえっ?と驚きの表情を浮かべた、それもそうだ橋玄様は名の通った人だし人物評も確かな

ものだそこに付け加えるように秋蘭が言葉をつなげる

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「もっとも許子将には凡人、凡夫と評価されていますが」

 

「ふふっ秋蘭、たまには夫を立ててあげたら?許子将の人物評は好き嫌いがハッキリと出るからね」

 

「華琳さま、お言葉ですがこやつは褒めれば調子に乗るだけですから」

 

笑いあう二人を見ながら俺はおいおい、ちょっとは褒めてくれたっていいのになんて思ったりするのだが実際にそうだ、俺は武術なんかヘタクソで全然だし知など比べるまでも無く凡人、一般市民そのままだからな、俺のとりえと言えば知識を利用した人物評くらいなもんだそれでも知識じゃなくても人を見る目ってのはあるつもりだ

 

「あーっ!!思い出した!あんた夏侯淵の夫、人物評の出来る天の御使いね?!」

 

突然思い出したように荀ケがこえをあげた

 

「そうだ、御使いにして我が夫、それが夏侯昭だよ」

 

納得がいったように荀ケは話し出す

 

「なるほど!人物評の出来る人間には名を上げたい人物が集まってくる、そこに天の御使いの名前が入れば有能な人材が黙っていても集まってくるということ、それはこれから大きく名を上げようとする曹操様にとっては重要!さすがは曹操様!!」

 

一息に語りつくすと目をキラキラさせうっとりとした表情を曹操様に向ける、完全にこれは信仰対象が曹操様に決まったな

 

「ふふっ私のことは華琳と呼びなさい桂花、貴方を軍師として迎えるわ」

 

その言葉にいっそう目を輝かせ頬を染める

 

「はい、この荀文若!命を掛けて華琳さまにお使えいたします!」

 

これで荀ケも仲間になったな、さらに地盤を固め曹操様の名を上げ力を付けなければ生き残れない、この先に黄巾党に董卓、待っているのは群雄割拠の時代だ

 

「なあ?荀ケ、聞きたいことがあるんだが」

 

なによっ!あんたみたいなのが気安く話しかけてこないで!といわんばかりに睨んでくる、男嫌いはわかるんだがこんなにきらわなくったって良いのにと思いながら

 

「歳の離れた姪に荀攸ってのがいるだろう?ここに呼んでくれないか?」

 

「な、何で知ってるのよ変態っ!」

 

おいおい、聞いただけなのに変態扱いかよ、まあそれは良いとしてもここで荀攸を入れて内政の出来る人材の強化と秋蘭の負担を更に減らしとこう

 

「俺は人物評ができると言ったよな、だから中央の人間とも繋がりがあるし一度麗羽、袁紹のところにいたろう?」

 

むぐぐぐぐぐと口から声を漏らす、この感じは多分荀攸とあまり仲が良くないと思ったほうがよさそうだな、さてどうするかな

 

「昭、荀攸というのはどのような人物なのかしら?」

 

横で聞いていた曹操様が興味津々と言った様子で聞いてくる

 

「はい、人づてなのですが王佐の才とまでは行きませんが軍事、人事、法制などに通じているようで一角の人物といったところでしょう」

 

「なるほど、内政面で力を発揮する、秋蘭の負担を軽くするつもりね?」

 

「はい、たまには夫婦でゆっくりしたいもので」

 

それを聞くと目を見開き曹操様は大笑いをする、貴方は相変わらずねと少し涙をにじませる、よほどおかしかったようだその後バカと言う言葉と共に少し頬を染めた秋蘭に睨まれる、まあ本当のことが5割あとは曹操様の地盤強化のため、だが曹操様の様子も見れば荀攸を迎え入れることも難しくはないだろう

 

 

説明
文章が分かりづらいかもしれません
私の力不足です、しかし次に繋げてよいものに
していきますので、皆さん生暖かい目でみてください
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コメント
まだこの時点では、目よりも知識のほうが比重が多いかったんだな(DAIKN)
桂花参戦…しかしコレ読んでると娘欲しくなるなぁ…(ねこじゃらし)
O-kawa 様修正いたしました^^ご指摘有難うございます(絶影)
2p、「崇拝する対象できれば」→「崇拝する対象が出来れば」or「崇拝する対象があれば」では?(O-kawa)
ブックマン 様コメント有り難うございます^^秋蘭の笑顔は昭に力をくれます!(絶影)
秋蘭の笑顔がいいですね。(ブックマン)
トーヤ 様、指摘ありがとうございます><修正しました楽しんでいただけて何よりです、更新のことそういっていただけるととてもありがたいです(絶影)
pomuo 様そのように言っていただけるなんてがんばって書いた甲斐がありました、ありがとうございます><(絶影)
3P私の事は華淋と呼びなさい⇒華琳   更新お疲れ様です。毎回楽しみにさせて頂いてます。ペースは人それぞれなので気になさらない方がよろしいかと…(トーヤ)
くやいい・・・嫌いなオリキャラ物なのに・・・秋蘭可愛いじゃねえか・・・面白いじゃねえか・・・(pomuo)
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