今日から“覇”のつく自由業-今日から覇王-上と中の間の巻
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パチっパチ

最近、彼は全く睡眠を取っていない・・・

パチっパチ

眠りたく無いのだ。いや、違う。・・・夢を見たくないんだ。

 

・・・想像するのも恐ろしい。

最近、眠りにつく度に彼の夢には、身の毛もよだつ、ムキムキマッチョにお下げ髪という、訳の分からない化け物が出てくる。

そして何故かその化け物は、いつも、必死の形相で彼を追いかけて来るのだ。極めつけは、お姉口調で「ご主人様ぁぁぁぁ!!!」と来たものだ・・・

そんな化け物に捕まってしまえば、夢の中でとは言えどうなってしまうのか?

恐ろしい、少し想像してしまった、お尻の穴がキュウっとなる・・・。

 

パチっパチ

「(うつら〜)嫌だ。ここで眠れば、またアイツに追い回される・・・。昨日は逃げ切れたが、今度は分からない・・・。」

 

そんな訳で、彼は最近、何としても起きていたいのである。

しかし起きていれば、ついつい考えてしまう“あの世界”のこと。

 

あの時、華琳と別れ、この世界に帰ってきてから落ち込みはした。一度は、夢だったんじゃないかと疑った。けれど、彼女たちを愛している。彼女たちは確かに存在している。必死に生きてきたあの世界は夢なんかじゃ無い。彼の中には、確かな思いが有った。

それからは、ウジウジと考えることを止めた。いつまでも、ウジウジトして居るのは俺らしくもない。そのように切り変えて考え始めた。帰る方法何て有るかどうかも疑わしい・・・。そう、それでも、一刀は帰ることを諦めないと心に誓った。

 

それでも、夜に一人で居ると考えてしまうこともある。

本当に帰れるのか?戻れたとしてどんな顔をして皆に合えばいいのか?お別れも言わずに消えた俺が・・・

俺のお気に入りの店は、華琳の来店によって潰されていないか?

ベットの下の秘蔵のお宝はキレイに揃えられて机の上に置かれてはいないか?

帰ることを諦めないと誓った彼でも、心配事は尽きない・・・。

 

どうしても、夜は考え込んでしまう。眠れば化け物に追われる。

一刀には、起きていても、寝ていても心の休まる時は無かった。

ジグソーパズル

そんなこんなで、最近の一刀はパズルをちまちまと作っている。

手を動かしていると考え込むことも、余りなくなり。睡眠時間も削れる。

おかげで最近ふら付いていると心配されることも多くなったが、最早、趣味からライフワークへと進化していきそうな程にハマっている。

 

パチっパチ

「・・・嫌だ。寝たく・・・な、い。ぐ〜」

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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「んっ?ここは・・・、また結局、寝ちゃったのか」

ドドドドドド・・・

「やべ!早速現れたぞ!!!!!」

ドドドドドドドドドド・・・

「ご主人様ぁぁぁぁ!!!あぁ〜ん、何で逃げるのよ〜 今日こそ捕まえてワタシの熱ーい抱擁をぉぉぉ!!!!!」

「うわぁ〜!何でって、そりゃ逃げるだろうが〜」

 

そうして、今夜もチキチキ一刀のデットチェース!が開始される。

何度も、夢の中で追われ続ける中で一刀も、段々と知恵を付けてきていた。

ここは一刀の夢の中、言って見れば自分の想像でいくらでもいじることが出来るはずなのだ。

 

「よ〜し、考えろ考えろ。最強の武器、最強の-------」

ドロン!

効果音と共に一刀の手の上に現われたのは、3枚の紙きれだった。

「うわ〜ん!馬鹿!馬鹿!俺の想像力のバカ〜!」

 

今、嘆いた所で状況は変わらない。刻一刻と近づくその瞬間に・・・

「ドゥフフフフ、つ〜か〜ま〜え〜た〜」

「ギャ〜!!!」

ドボウ!

 

苦し紛れに、一刀は一枚の紙切れを後ろに投げつけた、すると後ろに川が現れて、化け物は流されそうになった。

「いやぁ〜ん、これがワタシとご主人様の愛を隔てる障害なのねぇ〜ん。」

けれど、化け物は大口を開けると、川の水をガブガブと飲み干して、また追いかけくる。

 

「そんなのアリかよ!?」

一刀は、酷く困惑したが、この隙に逃げ出すと更に

「山火事になれ!」

と、言って、紙きれを後ろに投げた。すると後ろで山火事がおきて、化け物を通せんぼうしたが、

「ドゥフフフフ、これがご主人様の愛の熱さねぇ〜 漢女は燃えるものなのよん!ふんぬぅ!」

化け物は、さっき飲んだ川の水を吐き出すと、またたくまに山火事を消してしった。

 

「くっクソ!」

追い詰められた一刀が最後の紙切れに手を掛けようとした時・・・

「あらん。それはダメね!」

化け物の口調こそ、お姉口調だが・・・、急に底冷えしそうなほど低くなった。

「ご主人様、それは駄目よ。・・・逃げるご主人様が可愛くって、ついつい遊んじゃったわ。最後のお札を使っちゃったら、帰れなくなっちゃうわん。」

 

「な!」

後に言葉が続かず、口をパクパクさせていると、先ほどの雰囲気が幾分柔らかくなっていった。

振り上げた腕をゆっくりと下ろすと、恐る恐る、近づいてゆき、一刀は尋ねた。

 

「どう言うことなんだ?それに、お前は何者なんだ?」

「私の名前は、貂蝉。街のしがない踊り子よ〜ん」クネクネ

「・・・・・。御免、ちょっとだけ良いかな?」

「ええ〜良いわよん。」

 

一刀は断りを入れると、自らを落ち着かせようと深呼吸を数回した後に、ありったけの声量で叫んだのだった。

「嘘だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

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「さてと、ココからは真面目な、面白くもないお話よん。」

「あ、ああ。」

目をキュッと引き締めた自称、貂蝉の話は、何故あの世界から一刀が消えたのかというところから始まった。

 

「あの世界というのはね、ご主人様?コレみたいなものなのよん」

そう言って、貂蝉は自分のビキニパンツの中からあるものを取り出した。

「おい、今、ドコから出した!と言うか、それって俺が作ってた地球儀型の立体ジグソーパズルじゃねぇか!」

「そうよ〜ん。そして、この違うパズルのピースがご主人様よん。」

「おい!それも、さっきピースが一個だけ無くて完成しなかったヤツのじゃなか!!」

「うふふ、ちゃんと後で返すわよん。」

「お前のパンツに一度入った物などいるか!」

 

「いい?ご主人様はね、この地球パズルを構成するピースでは無いのよ。このパズルにご主人様のピースを加えると、どうなると思う?」

そう言うと、貂蝉は地球儀型パズル(一刀が2週間かけて制作した)に、一刀であると示したピースを、その逞しい腕の力でねじ込んでいく。

「ちょっ!待て、壊れる壊れるってば、俺のパズル(一刀が2週間かけて制作した)が〜」

「そうよ、世界は崩壊するわ・・・。」

そう貂蝉が宣言すると共に、バラバラと音を立てて崩れ去った。一刀の中の何かも崩れ去った。

 

「別に口で説明すればいいだろう・・・。」

もう、地面にのの字を書き始めた一刀をしり目に貂蝉は続ける。

「そうね、壊されるのは嫌よね〜 だから、ご主人様は世界が崩壊する前に弾きだされたのよ〜ん。それで、世界の崩壊は止まり全ては元に戻る“ハズだった”。」

「ハズだった?違うのか?」

「ええ。貴方は、世界を変えてしまった、深く関わり過ぎたの。もう、世界は元の姿に戻らないくらいに」

 

一刀が視線を落とすと、ふと貂蝉が力一杯ねじ込んだピースと、ねじ込まれたピースの形に穴のあいた地球パズルをが見えた、パズルは開けられた穴を中心に尚も崩壊を進めていた。

その様子を見たとたんに一刀は、バッと、四つん這いになったかと思うと、足もとに散らばったピースの一つ一つを必死に拾い集めた。

そして、地球儀パズルを一心不乱に直し始めた。・・・“あの世界”だと例えられたそのパズルを。

しかし、押し曲げられ、曲がったり破れたりした部分は、決して埋まらず、またそこを起点として崩れ出してしまう。

壊れては直し、また壊れれば直す、その手は何時までも止まらなかった。一刀にはその作業を止めることが出来なくなっていた、ここで手を止めると、もう二度と彼女たちの笑顔が見られなくなる。そんな気がしてしまったのだ。

気が付かないうちに一刀はボロボロと涙を零していた。

 

その様子を貂蝉は何も言わずに見ていた。そして、何とも言えない表情をした後にスッと一刀の横に来ると、先ほどのピースを開けられた穴に差し込んだのだった。

すると、さっきまでボロボロと崩れていたパズルは、ピタリとその崩壊を止めた。一刀はこの意味を理解すると驚いた顔を貂蝉に向けた。

「・・・これって、まさか。」

「ええ、そうよ。」

「・・・それじゃ崩壊は、華琳たちは?」

「止められるわ。・・・でも。」

「じゃあ!すぐに俺をあっちへ送ってくれ!すぐにだ!」

 

縋るように頼みこむ一刀の肩を支え、一度体を起こすと貂蝉は目を覗き込むようにして話した。

「焦らないで。ちゃんと最後まで聞かないと後悔する選択になるかもしれないわ。」

 

貂蝉の目は、深淵のようで、まるで飲み込まれるのではないかという気にさせる、不思議なものだった。

「あ、ああ。でも俺の気持ちは変わらないと思うよ。」

「・・・ええ。私もそう思うわ、それでも聞いて。」

貂蝉は少し悲しい顔をしてそう言った。

 

「このパズルは一見安定したように見えるわね、でもそれは、止まっているからよね?」

「ああ、そうだね。少し動かしたら、さっきみたいに崩れるね。」

「外史も同じよ、常に動き続けているわ。このパズルをキチンと動かせるようにするには、接着剤かなんかで補強しなきゃいけないの。」

「・・・出来るんだね?同じ事が。」

「ええ。出来るの・・・あなたには。」

「その接着剤の役割には、何が使われるのかな?」

 

この穏やかな一刀の顔をみて、貂蝉は、彼がもう理解していることを悟った。そして、静かに宣言した。

 

「あなたの一切の記憶よ。」

 

「ああ、やっぱりか・・・」

「やめるなら今よ?」

「ハハ、やめると思う?それに、あのパズルを見る限りでは、記憶は無くなるって言うけれど存在自体は残るみたいだし。違う?」

「いいえ、合ってるわ。」

「それなら、十分さ。例え記憶なんか無くったって、この手が腕が心が皆の温もりを覚えてる。それに絶対に帰るって約束したからね。」

 

この子は強い、貂蝉は思った。常人ならば笑っていられるような場面では無い。そして、ブレる事無く注がれる仲間への信頼が感じ取れた。

「ええ、それなら。思い浮かべさい、彼女たちと過ごしたあの世界を。思い描きなさい------」

 

「・・・華琳、皆、今帰るよ。」

 

貂蝉が何ごとかを呟くと、一刀のてに残っていた紙きれは強い光を放ち、彼を包んでいった。

 

 

 

ああ〜繋げなきゃよかったのかな?

何か中の巻と下の巻の間の話考えなきゃいけない感じになったのかな?

まあ、あればタイトル通りのお話になって分かりやすくなるんだろうけどなぁ・・・

もう、真面目な話はしばらく書きたくないなぁ・・・

あれ?可笑しいな〜俺は日常の小ネタが好きなだけだったのに

 

戦後(上の巻)→記憶喪失(上と中の間の巻)→帰還(中の巻)→記憶喪失解消と何故こんな世界になったのか(その中で戦も有り?)→始まり(下の巻)

 

 

説明
上と中の間の巻ってことにしますよ!

後は、中と下の間の巻を新たに書いて・・・私は大好きな日常の話に戻るんだ!!!

因みに、中と下の間の巻って真面目な方がいいですか?
真面目な話は個人的に苦手意識を持っているのですが・・・
私の中では、ギブアップも視野に入れて検討中?

次の話はどんな感じにすれば良いんだろうか?
御意見があればコメント等でお知らせください。

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コメント
これでわかりやすくなりました。(ブックマン)
>>jackryさん 実は貂蝉は初めから伝えたくて追いかけていたって感じにしたかったんですが・・・書き上げてみたらただの変態テでした・・・ (pomuo)
>>自由人さん “pomuo様が良いと思うもの”が分らなくなってきて来ておりますw(pomuo)
夢で脅かすならもっと早くに教えてやればいいのに…不憫な一刀(T T) 間の巻は必要だと思うので真面目であってもそうでなくともpomuo様が良いと思うものを書いてくださればそれで良いと思いますよ。(自由人)
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