恋姫異聞録11
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「一体どういうことですのっ!」

 

麗羽の怒りの声が俺の耳に突き刺さる。軍議を開始するなりいきなり怒鳴られる俺に周りに

諸侯の目が集まる。当たり前だ、というか予想通りというか何と言うか

怒るのは解っていたがいざそうやって怒られるとさすがにきついな

 

「無茶を言うなよ、麗羽だってわかるだろう?呂布があそこまで食い込んできて

陣形は崩れてしまっていたんだ、俺たちが関を落とさなければもしかしたら関に戻ってきて

また篭城されてしまうかもしれないだろう?そうなったら洛陽は目指せないぞ」

 

「だったら貴方たちが敵が戻ってこないように関の後ろに回りこんで止めていればよかったんですわ」

 

おいおい、どうやって回り込むんだ?絶壁に囲まれてそこに関があるんだぞ、空でも

飛んでいけというのかよ?相変わらず無茶なことを言うな

 

「おちついてください、お兄さんの言うと通りですよ。ここでまた足止めを食ってしまえば糧食だってもたないかも」

 

「すまなかったな、約束通りにしたかったんだがここで返り討ちや連合が崩れたらそれこそ麗羽の盟主としての名が落ちてしまうと思ったんだ、本当に悪かった」

 

斗詩にフォローされたのに乗っかって素直に頭を下げると、それで少し溜飲が下がったようだ

 

「それで盟主殿、この先の洛陽に向けてどういった作戦展開をするのか盟主殿のすばらしい策を聞きたいのですが?」

 

との言葉に「そうでしょう、そうでしょうと」少し得意げになる。回りの諸侯もようやく軍議が始まるのかと少しうんざりした顔をしている。よかった、これで洛陽まではとりあえずの方針を決められる。そこからどう動くかは俺たちしだいだな

 

「華麗に前進!全軍で城壁を突破!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・作戦でもなんでもないな、まあ適当にやれと言ったところか、しかし袁術は多分前に出てこないな、さっきからカタカタ震えて小動物みたいに張勲にだきついてるなぁよほど呂布の猛攻が怖かったんだろうな、後ろに引っ込むなら孫策が前に来る

 

「麗羽、私達はこれで失礼するわ攻城戦の準備をしなければ、行くわよ昭」

 

俺は無言で頭を下げ曹操様の後を追う、他の諸侯たちもどうやら同じようにもう用は無いと

各陣営に下がっていく、とりあえずは流れに任せるか、動いてみてからでないとどう動くか

思いつかん、この連合は連携なんてあったものではないからな

 

 

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攻城戦から数日が経過、それでも城門を突破できない

桂花と真桜の兵器も出たり扉前で出たり入ったりを繰り返す呂布に破壊されてしまい

役に立たなくされてしまった。

 

きついな攻め手が見つからない、呂布の篭城がこれほど凄まじいものだとは、

出入りするだけで士気が下げられ兵も削られる。いつ出てくるか解らない呂布に兵もおびえてしまってる。洛陽の糧食はどうなのか?兵糧攻めというのもいけると思うが他の諸侯が持たないか?

 

「秋蘭、華雄は今回出てこないの?」

 

「はい、さすがに今回出てきたら見殺しにされるでしょう」

 

「華琳様、私に策がございます。」

 

そう答えるのは桂花。だが少しうつむき顔だ

 

「この洛陽は川に近く、真桜の螺旋槍と諸侯の軍を使い水を引けば洛陽を水攻めに出来ます。」

 

おそらくその策は前から頭にあったが曹操様の戦は覇道、誇りの無い戦い方、民を苦しめる

戦いをよしとするはずが無い、だからこそ今まで言わなかったのだろう。

だが今の手詰りの状態では確かにそれしか手は無い。

 

「だめよ、大地が洛陽が民が苦しむわ」

 

やはり、そういった顔で桂花は更に顔を暗くする。

仕方ない、その策は確かに有効だが俺たちは誇りを棄てるような戦い方を良しとしない

だからこそ曹操様に私達は命をかけられるんだ、そう思っているとそっと秋蘭が近寄ってきて手をつかむ

 

「昭、なにかいい策は無いだろうか?」

 

「あとは夜襲か潜入して内部から破壊工作をする、これはまだ水攻めよりは了承していただけると思うが、俺が行くしかなくなるな」

 

「だめだ、そうなるなら棍ではなく剣を持つことになる。なら私が行く」

 

それではだめだよ、俺以外に我が軍で潜入工作のできる人間はいない

俺が行くなら呂布やほかの将の行動を読んでそらし、中に入り込むなんてことが出来るが秋蘭では殺される。最悪、俺が戦うことになっても秋蘭が生き残ってくれさえすれば・・・・・・・・・・

 

「秋蘭いいかしら?昭、手を・・・」

 

そういって秋蘭に了解を得て、曹操様は私を呼び私の右手人差し指と中指を握る。

そしてブツブツとつぶやき眉根を寄せて考え出す。昔からの癖みたいなもので、深く考えを巡らすときは曹騰様か私の指二本をつかむ、そして頭の中で何度も戦場をシュミレートする。

こうなった曹操様はある意味軍師よりも頭が回る。その昔たった50の手勢で3000の賊を打ち破った

策を打ち出したこともあるが、これをするといつもの偏頭痛がひどくなる、多少は華佗の針でよくなってきたというのに

 

「ちょっとあんたっ!華琳様の手を握るなんてっ!!それになんでいちいち秋蘭の

了解を華琳様が取るのよっ!」

 

指を握る曹操様を見て不満を爆発させ俺を睨む桂花、というか俺は握ってないぞ

 

「ふぅ、いいのよ桂花、昭の両腕は春蘭と秋蘭のものなのだから」

 

曹操様の言葉に「え?」と驚く、春蘭は「両腕とも秋蘭のものです」と答え

秋蘭がなにか言おうとするのを手でさえぎり首を横に振る。

その行動に首をひねり疑問一杯の顔を桂花がする

 

「これより相手が休む間無く攻め続けるわ。昼夜問わず間断なく攻め続ける、他の諸侯に伝令を、責める順番を決めるのに一度軍議をと」

 

なるほど、昼夜攻め続けるなら敵は休むことが出来ない、途中で疲れきり打って出る。

いかに呂布が凄まじくとも一人では全ての時間、扉を守るなどできはしない、なら軍議には俺より

軍師の桂花が行ったほうがいいな、説明とへたに出し抜かれないように。

 

休める順番が来なければ意味が無い、俺ではうまく乗せることは出来ても変に順番を多く回されたりするかもしれない

 

「私は今から麗羽の陣営にいってくるわ」

 

「桂花、頼む俺より適役だ、曹操様といってくれるか?」

 

フンッ!と俺のほうを鼻で笑い「あなたなんかよりずっと役に立って見せるわ」

と目で言ってくる。やれやれ頼もしいよ桂花、それに俺なんかよりずっと役にたってるさ

隣を見ると秋蘭が顔をうつむかせて春蘭に向き合っている

 

「姉者、昭が言ったではないか、この身は民と華琳様に捧げるが、両腕は私達姉妹だけのものだと」

 

「いいや、私にそういってもらう資格は無いさ、いいんだ秋蘭」

 

俺はそういって顔を俯かせる秋蘭とそれを優しい目で見る春蘭の二人の頭を撫でる

 

「俺はお前達に口にしたことを違える気は無いよ」

 

「・・・・・・・昭・・・・・すまん。」

 

そういって春蘭は優しく秋蘭に笑いかける。それを見て秋蘭も顔を上げる

 

「さて、策の準備をしよう、前線で攻めてる凪たちを一度呼び戻さないと」

 

俺は近くにいる兵に凪たちを呼び戻すように伝えた、ここからが正念場だな

扉さえ開けられれば一馬がいる、洛陽に入ることは一馬一人なら出来る

一番乗りは出来ずとも王允殿との約束は守れる。

 

それから一刻ほどして曹操様が帰ってこられた。疲れた顔をしてらっしゃる

話からすると、麗羽と袁術にごねられたそうだ、はずれを引くのがいやだから

決戦近くになったら兵を出さないと、それで袁術は孫策に麗羽は劉備に

決戦近くになったら自分の代わりに出ろといったらしい

 

「で、兵を劉備に貸したのですか?間諜も仕込んで」

 

「そうよ、関羽の指揮を間近かで見られるし、あなたの鍛えた兵なら大丈夫でしょう?」

 

まったく、それだけではないでしょう?義勇兵を守るためにも貸し出したのでしょう。

俺達の鍛えた兵士ならば関羽の指揮で十分に守りながら戦える。なにせ義勇兵で

呂布をいなしたのだからな

 

「ええ、かまいませんよ。我らの兵が義勇兵といかに違うか見せ付けてやれます」

 

「そんなことを言って、兵の違いで劉備に解らせるのでしょ?義勇兵はこんなところに連れてくるものではないと」

 

ええ、その通りですよ。いいように使われてしまうくらいの名声しか持ち合わせていないなら

義勇兵など連れてきてはいけない

 

「では、これより城の準備をします。春蘭の部隊と秋蘭の部隊に分け、我が軍の中でも交代で

攻めさせます。これで何時決戦を仕掛けてきても片方の部隊は十分に休むことが出来ていますので」

 

「ええ、それでいきましょう」

 

桂花が曹操様の声でうなずき、部隊わけをする。季衣、一馬、桂花が春蘭の部隊、凪、沙和、真桜が秋蘭の部隊、俺と流琉が曹操様の周りを交代で守る。

 

「一馬、ちょっといいか?」

 

「何でしょうか?兄者」

 

「俺はできる限り休まず戦場を見続ける。七星刀をお前に預けたのはこの後の展開を見てのことだ」

 

その言葉を聴き深くうなずく「はい、おまかせください」との言葉が返ってくる。

 

信頼してるぞ義弟よ

 

 

攻撃を開始してから数日、敵の反撃が大人しくなってきた。

いよいよ決戦だな、出入りをする呂布と張遼、華雄の動きは覚えた。

用兵術はさすがに城から出るわけではないから解らないが、予測はなんとなくできる。

 

「いよいよね、華琳様おそらく今日あたり仕掛けてくるでしょう」

 

「そうね桂花、順番がちょうど私達に巡ってくるとは幸運なのかしら?」

 

皮肉っぽく言う、だがそれは間違いではない、攻めて来るならばいくらでも対処の使用がある

一番乗りも狙いやすい

 

「曹操様、動きは見ました。春蘭と秋蘭に華雄か張遼を相手してもらい桂花に兵をそがせて捕らえましょう。呂布が来るようなら私が秋蘭、凪たちを率いて当たります。それと一馬を私のそばに置いてください」

 

「だめよ、桂花に呂布の動きを伝えなさい、それ以外は許しましょう」

 

「しかしっ!」そういうと俺は秋蘭に腕をつかまれ首を振られる

 

「涼風を悲しませるつもり?貴方から私が挙兵をするときに、条件で言ってきたのでしょう?夫婦が二人いなくなっては子が悲しむと、それに私も春蘭も秋蘭も貴方を前線に立たせる気は無いわ」

 

確かに自分が言った言葉だ、だが動きを知っていても春蘭と秋蘭、凪たち三人、季衣と流琉を合わせてあたっても勝てない、それに知っているだけじゃ桂花でも無理だ、どうしても対応が遅れる

 

「大丈夫だ、姉者と二人なら何とか抑えて見せるよ。」

 

「その通りだ、心配するな。私の武をよく知っているだろう?」

 

春蘭と秋蘭が心配するなと俺を見つめる。知ってる、知ってるが、顔をしかめる俺の手を二人が握ってくる。秋蘭は「必ずこの腕に戻ってくる」そういって春蘭は「秋蘭を任せろ」と、そんなふうに言われては、俺はうなずくしか無いじゃないか、俺は「解ったと」うなずき桂花に呂布の対応を教える。

 

対応は呂布一人を囲み矢を放ち、囲める手勢だけを残して他に当る、囲んだ兵を呂布の動きにあわせて蛇行、呂布の意識を一点に絞らせず途中犬槍を混ぜる。足場を悪くしてしまえばいかに呂布といえども動きが制限される。そこに秋蘭の矢と凪の気弾を槍と矢の雨に混ぜる、そうすればいかに呂布でも動きは止められる。

 

「それって私には難しいわ、呂布の動きを完全に見切って兵の動きを操るんでしょう?ちょっとでも失敗すれば包囲は破れて皆殺しよ」

 

「ああ、だが大丈夫だ、脚の動きをよく見てくれ動きは脚に出る。最悪、さっき言ったように春蘭と秋蘭が抑えてくれる、それと予備の槍と矢を持っていったほうがいい」

 

説明を終えると洛陽から声が上がる

 

「報告っ!城の正門が開きました」

 

その言葉に曹操様は立ち上がり、兵に向かい叫ぶ

 

「ここが正念場っ!この戦いに勝てば長い遠征もおしまいよ!必ずや王允殿との約定を果たし、洛陽の民を宦官どもから解放する!この戦いばかりの日々を終わらせるわよっ!総員戦闘準備っ!」

 

 

その言葉に兵士達の士気が一気に上がる。

手を握っていた春蘭と秋蘭が俺に笑いかけ兵士のほうへと走り春蘭が叫ぶ

 

「全軍突撃っ!!」

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

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兵士達は声をあげ二人に続き突撃を開始する。その後に桂花率いる凪たち三人が続き、

そして敵兵と激突、旗は?旗は何だっ?

 

「安心なさい張遼よ、呂布ではないわ」

 

曹操様の声に俺は急いで望遠鏡を構える。本当だ、では呂布は?そのまま回りに目を向けると

呂の旗が劉備と一番乗りを狙い門に突撃した麗羽のほうの兵を叩いている。

だが近い、我らのほうに回ってくるかもしれない

 

「一馬、俺の側にいろ」

 

「はいっ!」

 

春蘭が張遼に向かい突進していく、兵たちはそんな春蘭の道を開くべく、無理やり張遼の兵を槍でこじ開けていく、槍を構え低い位置から張遼の騎馬隊を掬い上げるように馬に突き立て騎兵を馬から落とし、その上を春蘭が飛び越え張遼の頭上に大剣を振り下ろす。

 

ガキィィッ!!

 

「防いだか、張遼、悪いが相手をしてもらおう」

 

「へぇ〜なかなか重い剣撃、面白いなどうせこの戦うちらの負けや、あんたら引き付けておかなあの子ら逃げられんし、遊んだるわ」

 

「名乗らせてもらう、我が名は夏候惇」

 

「曹操の三夏か!中でも夏候惇の武は有名やで、ええなぁ!あんたいい目をしとる、来いやぁ!」

 

春蘭と張遼が激しく打ち合い、まわりの兵がその二人の気迫と凄まじい剣撃に動きが止まる

 

「いまだっ!一馬!」

 

「はい兄者、華琳様!我が真名は一馬っ!今こそ我が名に相応しい人馬一体の馬術をお見せしましょうっ!」

 

そういって曹操様から借りた名馬、絶影に飛び乗り一直線に正門へ向け走り出す。

絶影の脚と一馬の馬術が一つとなって戦場を走る。

一馬の馬術はまるで空馬の如くその速さは正に疾風、兵士をすり抜け張遼すぐの横を駆け抜ける。

 

「なにぃっ!!おまえらっ!!あの馬を追えっ!絶対に洛陽にいれさすなぁ!」

 

張遼は兵に叫び、反応した騎兵たちが追うが、追いつくどころか引き離されていく

 

「その程度の腕で私に追いつけるとおもうなぁっ!!」

 

まるで騎兵が馬に乗ってるのではなく、その脚で走っているのかのように一馬は騎兵達を置き去りにする。

 

「なんやてっ?あの速さ、うちの騎兵隊が追いつけへんやと!」

 

「はっはっはっ!あたりまえだ、一馬は我が軍で一番の馬の使い手!追いつけるものなどいないっ」

 

「それ真名か?なるほどな、うちも追いつけんなあれはっ!くっ!!」

 

ゴキンッ!

 

横に薙いだ春蘭の大剣をとっさに防いだ張遼だが、体ごと吹き飛ばされ

衝撃に顔をゆがめる、春蘭はお前の相手はこちらだぞといわんばかりの目を向ける

 

「フンッ、余所見をしていていいのか?」

 

「ちぃっ!あの子ら逃がすことも出来んのか、恋っ!たのむっ!」

 

その叫び声が届いたのか、呂布は包囲する劉備の軍を蹴散らして、はじかれるように飛び出して

一馬の前に立ちふさがる。一馬との間合いが詰まりすれ違う瞬間!方天画戟を横に凄まじい速さで薙ぐ

 

ブオンッ!!!!

 

しかしその方天画戟は空を切るだけ、一馬は間合いが詰まる瞬間、絶影と共に上に跳躍し

呂布の頭上を越える。それに反応した呂布が後を追うが馬と人、先ほどのたとえのように

見る間に離され、一馬の姿に洛陽の兵は扉を閉めようとするが

 

「今頃気がついたかっ!遅いっ!」

 

その姿は閉じきる寸前の洛陽の門に吸い込まれる。

 

「よくやった一馬!曹操様、一馬が洛陽内部に入り込みました。」

 

「ええ、後は一馬に任せましょう。こちらは目の前の敵に集中します」

 

戦場に響く剣撃、何度合わせたかわからない合数、まるで美しい舞のような

二人の剣撃に周りの兵士はただただ見とれてしまう

 

「はああああああああああああっ!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

張遼の神速の名に恥じぬ早く鋭い剣撃、それをいなし、そらし隙を見ては

強烈な一撃を叩き込む春蘭、両者は一歩も引かない

 

「面白いっ、あんたおもしろいなぁ!本気で戦える相手なんてそうそうおらん!血が滾るっ!」

 

「フフフッ私もだ、貴様ほどの相手なら捕らえた時、華琳様もお喜びになるだろう」

 

そういうと間合いをあけた春蘭は手に持つ剣をクルクルと指先で回す

 

「おっと、いかんいかん癖が出てしまった」

 

「姉者っ!」

 

「おお、秋蘭大丈夫だ、もうすぐこやつを華琳様の下へ連れて行ける」

 

そういうと剣を両手でしっかりと構え、張遼に向ける

 

「ならば周りの敵は私が対処しよう、姉者は張遼を頼む」

 

それに首を縦に一つ、さっきよりも更に春蘭の気迫が増す

 

「なんや?まだまだいけるってことか?あんた最高やなぁ!!それなら遠慮なく、

いくでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

ヒュッ

 

「・・・・・・・・・ぐ・・・・・・・・・っ」

 

どこからか矢が放たれ春蘭の左目に突き刺さる

 

「姉者っ!」

 

「フフフッ、心配するなこの程度、うろたえれば兵の士気にかかわる」

 

不敵に笑い、そういうと春蘭は秋蘭を手で制して兵士達に振り返り、目に突き刺さった矢を目ごと抜き取る。

 

「全ての兵よきけぃ!父の精、母の血、棄つるべからざるなりっ!

この身全て民と華琳様のものっ!無断で棄てるわけにはいかぬっ!」

 

自分の目のついた矢を掲げ、そう言うと抜き出した左目をその口にいれ平然と飲み込む。

 

「夏候惇、あんた・・・・・・・・・・・・・。」

 

「ああ、姉者っ!大丈夫かっ!」

 

「たいしたことは無い、それより目に当てるものはあるか?血が流れて邪魔だ」

 

そういうと秋蘭は携帯していた包帯を震える手で春蘭に巻きつけ、それを見て春蘭が秋蘭に微笑む

 

「フッ、これは昭の為にもってきたものだろう?よいのか?」

 

「ああ、かまわないっ!昭もそうしろというはずだ」

 

そのやり取りをみながら張遼の武器を握る手が怒りで震えカタカタと音を立てる

 

「だれじゃぁ!うちらの戦いに水差しやがったんはぁ!うちが叩き斬るっ!!」

 

「待たせたな、どうした?そんなことより私との勝負が先だろう?」

 

叫ぶ張遼に春蘭は何事も無かったかのように張遼に剣を構える

 

「と、惇ちゃん!あんたそんなことって・・・・・・・クックック、だめやあかん、あかんでぇ、そんなん修羅やんか!熱いなぁ、熱いっ!うちは幸せ者やっ!最後にこんな相手と戦えるなんてっ!!」

 

「修羅か、面白いことを言うな。ならば修羅として貴様を完膚なきまで叩き潰してやろう」

 

「おおおっ!いくでぇぇぇ!あんたを倒せればうちは本望やっ!」

 

そういってまた二人は激突する。もはや誰も二人の戦いを邪魔するものはいない

誇り高い猛将二人の美しい剣撃の音色に皆ただただ聞きほれるだけになっている

 

説明
董卓連合
洛陽攻略辺その@

一馬が頑張ってくれました、もうちょっと
かっこよくしてあげたかった;;力不足です
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コメント
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ブックマン 様コメント有り難うございます^^原作どおりですよー><本当は嫌だったのですが;;(絶影)
鐵 恭哉 様読み返して頂いているようで何と言いましょうか恥ずかしいです><(絶影)
おお、ここに伏線(脚の動きをよく見てくれ動きは脚に出る)があったのか。読み返してやっと分かった。(鐵 恭哉)
春蘭の目は原作どうりですね。(ブックマン)
逢魔紫様申し訳ない、コメント間違えて消してしまいました><ごめんなさい(絶影)
逢魔紫様指摘ありがとうございました><修正しました。確か言うとおりは通りでも正しかったはずですが?記憶違い?(絶影)
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