魔神達の幻想入り 第31話 |
あれから数日が経った。まだ暗い部屋の中で目を覚ました俺が時間を見ると4時56分と示していた。
ジュウゴロウ(こんな時間に起きるなんて・・・俺も相変わらずだな)
俺はそう思いながらまた眠ろうとしたその時、
「二度寝はいけませんよ」
ジュウゴロウ「ウェ!?」
心臓が止まるくらいの驚きが飛び掛ったので目を覚ますと、そこには咲夜がいた。いつの間にいたのかは知らないが何故こんな時間に起きているのかが気になった。
ジュウゴロウ「お前・・・レミリアやフラン用の食事を用意するから大変なのか?」
咲夜「ええ、何せ高級なものを調理しているので・・・」
ジュウゴロウ「そうか・・・けど実際、俺はお前よりも早く起きてるぜ。日の出がない午前4時前後を毎日と・・・」
咲夜「それって負けず嫌いですか?」
ジュウゴロウ「なっ!?俺はそんなことで言ってるわけじゃ・・・」
咲夜が鎌を掛けてやがるような笑顔になる。
咲夜「分かってますよ。私はその後くらいに起きますから、ジュウゴロウ様のほうが確かに早いですね」
ジュウゴロウ「・・・泣けるぜ・・・」
俺は自然で行動してしまったのか、体を起こしてベッドから降りる。
ジュウゴロウ「咲夜、こんなことを言ってはなんだけど、紫によって俺達以外の外来人がまだたくさんいるんだよな?」
咲夜「さぁ・・・。けどあの妖怪ならきっとするでしょうから・・・」
ジュウゴロウ「じゃあ、そいつが12〜16くらいの子供が幻想郷に来たのだったらそいつはどう思う?」
咲夜はこれを聞いて理解した。その答えを言う。
咲夜「・・・親や友達を思い出すことですね」
ジュウゴロウ「正直言って戻らなきゃならないと言うことがあるが、俺とエビスは無理だ。不老不死となった奴が現代で100年間生き続けてみろ。まるで幽霊じゃないかと誰も近づいてくれなくなるぜ」
咲夜「確かにそうですね・・・けど、今戻ってもたいそう変わらないということでは?」
ジュウゴロウ「ああ。だが俺は決めた、大魔神は現代から消え去ることにすると。そして、最後に俺のライバルと合わせてもらおうと紫に頼むつもりで・・・」
紫「気持ちもだいたい分かるわ、ジュウゴロウ」
スキマから今までの話を聞いていたのか、紫が俺達の前に現れる。
ジュウゴロウ「紫、朝からすまないが頼めるか?5分くらい1人で面談をしたい」
紫「ええ。それじゃあ、そのライバルっていう人を言ってくれるかしら?私には誰なのか分からないもの」
俺はそのライバルの名前を紙に書いて見せると紫は早速スキマを開いて、俺はその中へ入っていった。
エンジュシティ。ここはジョウト地方で太古の伝説が残されている町といわれており、そこに俺のライバルがいた。
ゴースト使いのジムリーダー、マツバである。
マツバは今、スズの塔の頂上を眺めている。1つの気晴らしなのか、隣にいるゲンガーが突然何かを察知してその方向に向く。
マツバ「誰だ?」
ジュウゴロウ「俺さ」
俺を見たマツバは懐かしそうな顔で近寄る。
ジュウゴロウ「久しぶりだな。お前がバトルキャッスルと出会った以来か」
マツバ「そうだな、お前の力は確かに凄かったよ。初めて会ったときよりも凄く強くなっていたのは今でも驚きさ」
ジュウゴロウ「あの時は力任せだったが、今じゃどれだけレベルが上がったのかが丸分かりなほどだぜ」
マツバ「違いないな」
互いに笑う俺とマツバ。俺はすぐに本題にはいった。
ジュウゴロウ「マツバ。突然なんだが、俺達大魔神は新しい旅に出なければならない。最強は誰もなることはできないことだから、これからまだ見ぬ場所へと・・・」
マツバ「そうか、いつ行くんだ?」
ジュウゴロウ「1週間後。その前日に解散記念の大会を開くつもりだ。付き合ってくれるか?」
マツバ「勿論さ。次は6日後に会おう」
ジュウゴロウ「ああ、またな・・・」
俺はその場から立ち去ろうと、マツバに背を向けて歩き出していった。
タマムシシティ。カントー地方でとても有名といわれている町にも、俺のライバルがいた。
草使いの女性ジムリーダー、エリカ。彼女は自分の部屋でまだ眠っており、どうも話すことは出来ないと思った俺は置手紙を書いておいた。
『タマムシデパートの屋上で待っている』と彼女の枕元に置くと、俺はスキマの中へと去っていく。その場には誰もいなかったかのように、静かにと・・・。
シンジ湖。感情の神が守っているこの湖に1人の男が仁王立ちしていた。
男はクロツグ。タワータイクーンと呼ばれる強豪トレーナーで、そのポケモンも実に強力だ。彼の隣にいる3匹のポケモンは全て伝説のポケモンで、左からレジギガス、ヒードラン、クレセリアが湖を眺めている。
そこへ俺がやってきて、一声挨拶する。
ジュウゴロウ「クロツグ、久しぶりだな」
クロツグ「おお、誰かと思ったら君か。随分逞しくなったじゃないか」
ジュウゴロウ「俺は前より顔が怖くなった感じがするけど?」
クロツグ「そんなことあるもんか。もしかすると、彼女でもできたのかな?」
ジュウゴロウ「できてない」
クロツグ「ほんとか?」
ジュウゴロウ「ほんとにだ」
くそっ、相変わらずな野郎じゃねぇかよ。
ジュウゴロウ「そういえば、お前のガキはどうしてるんだ?」
クロツグ「息子のことか、フフフ・・・」
何故か笑うクロツグ、これは自慢という奴だろうなと俺は思った。とりあえず答えを待っていると、俺の方を掴んで言った。
クロツグ「聞いて驚くなよ、実はな・・・・・・息子もフロンティアブレーンになったんだ!」
ジュウゴロウ「へぇ〜・・・」
俺は興味ゼロの顔でいた。
クロツグ「おいおい!そんな顔はないだろ!」
ジュウゴロウ「驚くなって言ったんだろ?」
クロツグ「・・・単純に理解してないでくれ・・・」
ジュウゴロウ「ヘッ・・・でも凄いじゃねぇか、ネジが抜けているあいつが物凄く強くなったんだろ?」
クロツグ「まぁな。いつか俺に追いつき、追い越すときも来るはずだ」
ジュウゴロウ「あとを継ぐものがよく成長するって展開を漫画で見たことあるけど、それもあり得ることだな。あいつならきっと・・・」
俺は本題のことも話した。できるなら息子も来て欲しいと頼んでみれば良しとの答えが出て、俺は安心が出来た。あとは当日で悔いなく戦うだけだ。
6日後。その日が俺達の最後の戦いになる・・・
第31話でした。
どうも更新に遅れが出てすみません。もうじきこの物語が終わる予定だったので、次回作品の下書きをしていました。
今回はジュウゴロウのライバルの紹介ということで、以下の3名を本編に出しました。実際にはまだいるのですが、この3名は主なライバルにしています。余計なことですかその関係も教えて起きましょう。
◆マツバ・・・ジュウゴロウが始めて正々堂々と戦ったライバル。まだ力任せのために無駄が出ている為に追い詰められるが、相打ちを犠牲とした攻撃の連発でブッちぎりを見せ付けた。
◆エリカ・・・女性以外はジムに入れないが、男の意地を見せるために真っ向勝負を仕掛ける。ジュウゴロウはエリカの葉緑素コンボに翻弄されるが動きを見切り、見事に勝利する。
◆クロツグ・・・まだエビスとベンケイを仲間にしていない頃、伝説の力に押されていくジュウゴロウはまさかの敗北。しかし真実を極めたジュウゴロウは再戦し、勝利を収める。
ライバルというのはドラマがあっていいですねぇ、ほんとに感動があっていいですよ。
それでは次回もお楽しみに!
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 | ||
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