魔神達の幻想入り 第32話 |
太陽が昇り出る朝が来た。
俺はタマムシデパートの屋上でジュースを飲みながら空を眺めていると、階段のほうから人の足音が聞こえてきた。
薄黄色の浴衣に桜の花びらが描かれている女性がやってくる。
ジュウゴロウ「エリカ、突然の呼び出しですまなかったな」
エリカ「いいえ、こうしてまたお会いできるのもご縁ですわ」
彼女、エリカは明るい微笑を浮かべた。俺は本題にはいる前に軽い話でもしようと、空を眺める。
ジュウゴロウ「お前は確か、あのような太陽を浴びて眠るのが結構好きだったよな?」
エリカ「そういうときもありましたね。自然のある森の中でスヤスヤと眠るのが一番の幸せなんですよ」
ジュウゴロウ「・・・エリカ、俺は女ってなんなのかがハッキリ分かった気がするんだ。女ってのは好き勝手にやる奴だが、それだけの強い意志がある。周りの人達と遊び、喧嘩し合い、泣き合い、笑ってこの世界を生きていて、それは男も同じだ。それに俺は初めて、女とも向き合うことが出来た・・・」
俺は信じなかった真実をエリカに言うと、彼女も太陽を見て言った。
エリカ「・・・貴方はいつも優しいわね」
ジュウゴロウ「そうか?」
エリカ「そりゃそうよ。貴方の心は太陽みたいに温かくて、優しいもの」
ジュウゴロウ「優しいか・・・・・・だが、俺の笑顔はもうじき消えてしまう。俺達大魔神は1週間後に旅に出なきゃいけないんだ。その前日に記念の大会を行うんだけど、来てくれないか?」
エリカ「まぁ嬉しい。それでしたら喜んで行きますわ」
よし、あとは会場の貸切をして準備を整えようかと考えていたその時、階段からまた人がやってくる。
金色の長い髪、そして黒いコートの女性・・・ってかあれって、
ジュウゴロウ「シロナ!?」
シロナ本人だった。それもこちらに用があるみたいなので近づいてくる。
シロナ「久しぶりじゃない、ジュウゴロウ」
ジュウゴロウ「いやそれよりも、俺がここにいるって何故分かったんだ!?」
紫「ごめんね〜、彼女に見つかっちゃったのよ」
シロナの後ろから紫と咲夜がやってくる。見つかったって、まさかスキマから見つかったのだろうか・・・?
どうでいもいいけど、彼女の気配を感じたシロナも凄い、さすがチャンピオンだ。
シロナ「大会を行うって聞いたから、私が会場の貸切を頼んでみるわ。場所は何処になるかは分からないけど・・・」
ジュウゴロウ「いや、構わない。ってか紫と咲夜!俺1人で面談しに行くって言ったのに何故覗いてやがったんだ?」
紫「女の我侭よ、ワ・ガ・マ・マ♪」
咲夜「同感です」
これがエリカに言った女ということなのだ。見ていたエリカもクスクスと笑う。
エリカ「なるほどね、貴方をハッキリさせた張本人はこの方々ってことかしら?」
ジュウゴロウ「・・・一応、かな・・・?」
紫「一応?」
突然俺の背筋に殺気が走った。
イヤな予感・・・。
紫「一応、ねぇ・・・」
咲夜「それは私も同じことでしょうか・・・」
ジュウゴロウ「え、いや・・・その・・・」
2人は俺の目をジーッと見つめる。
ヤバい。非常にヤバい。
2人「じゃあ・・・試してみる(みますか)?」
ジュウゴロウ「断る!!断じて断る!!ってかそこの2人、なんで見てるんだ!?」
エリカとシロナは距離を開けて見守っていた。その理由はただ一つだけだった。
シロナ「男っていうのは、女を正面から受け止めるようなものよ」
ジュウゴロウ「オ、オンドゥルルラギッタンディスカ〜!!??」
その後に俺の記憶は無かった。目が覚めるとフランが遊ぼうとはしゃぎながら俺の顔を見ており、疲労困憊を背負った無限地獄に誘われてしまう。
ジュウゴロウ「畜生、女なんて・・・」
女なんて、大っ嫌いだあああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!
第32話でした。
今回はやけに短い話ですが、前話の続きと言うことで書いたつもりです。シロナさんご本人も登場なのはいいか、スキマ妖怪すら見つけてしまう彼女は恐るべし・・・え?ルカリオが反応したかって?そんなことはありません、ちゃんと彼女自身が見つけたんですよ!
最後に出ていたこのオンドゥル語は自分でもたまりません。恐らくだがジュウゴロウはこう言っている筈でしょう・・・
オリドカラダバボドボドダ!!(俺の体はボロボロだ!!)
まさにダディw
では、次回もお楽しみに
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 | ||
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