魔神達の幻想入り 第34話 |
5分くらい辺りを探してみたのだが、どうも操作している足跡が見つからないままで文達の元に集まった。
ジュウゴロウ「そっちはいたか?」
文「いや、誰もいませんでしたけど・・・」
椛「私もです」
どういうことだろうか。空に飛ぶのは無しだから空に隠れるわけは無いのに・・・
ジュウゴロウ「・・・しかたない、みすちーはあとにして他の奴を探すとしよう。8時方向に足音が聞こえたからそこへ向かう」
魔神移動中・・・
その場所までやってきた。近くに来るまでに足音がならなくなったのでおそらく隠れた様子であるだろう。
俺の目には木の陰に隠れている赤いオーラが見えていた。まるでこっちにいるぞと伝えるかのようだ。
俺は姿勢を低くした状態で隠れている木に接近する。
あとは瞬時に肩をタッチすれば2人目を捕まえたことになる、ようやくその距離まで近寄ると手に神経を込めて照準を合わる。
シュッ・・・
ガブッ
ジュウゴロウ「・・・カブッ?」
何の音なのかと思っていたが突然体に恐怖が走り出した。手の先を見ると、ルーミアが俺の手に噛み付いているのだ。
そして・・・
ジュウゴロウ「・・・いっっってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
大爆発。森中に断末魔が響いた。
結局ルーミアを捕まえることが出来た俺だが、手は見ての通りに出血の有様だ。てめぇは猛犬かとツッコミたいくらいだ。
ジュウゴロウ「あと3人だがどうも動く様子が見当たらない。またルーミアのように隠れているんだろうな」
椛「・・・はい、終わりました」
幸い椛が包帯を持っていたので手当てしてもらった。これで傷が治ったとしてもこり心の傷は治らないかもな・・・と思っている俺だが動かなくてはならないのは事実だ。
ジュウゴロウ「さていくか・・・って文、どうかしたか?」
文の見ている先を辿ってみる。そこにいるのは他でもないチルノ、大妖精、みすちー、そして捕まったリグルがいるではないか。
ジュウゴロウ「見つけたああああああああああ!!!」
こんなすぐ近くで見つけられるとどれだけの苦労をしたのかの反面、物凄くラッキーだった。即効で3人の肩をタッチして全員捕まえた。
見たか小僧共!!これが俺の本気というものなのだよ!!
・・・と心に叫んだ瞬間に緊張は途切れた。見事なオチです。
ジュウゴロウ「んじゃ、楽しかったから俺行くわ」
5人「ちょっと待って!」
去り際に呼び止められる。やはり2人使いだとズルだったのだろうと思っていたが・・・
チルノ「あたいと大ちゃんは移動してたら急にここへたどり着いちゃったのよ!?」
みすちー「私だって移動してたら・・・」
ジュウゴロウ「それって、お前達が自ら向かってきたんじゃ・・・あれ?確かあの時は・・・」
俺は頭の中でこの様子を整理した。チルノ、大妖精、みすちー、そしてリグルはそれぞれ別の場所にいた、それも距離はあるところだ。それを一瞬でここまでくるなんてテレポートでもしたのかと思うくらいで可笑しい。
次の瞬間に俺の頭が叩かれる音がした。思わす驚く。
ジュウゴロウ「誰だ!!俺の頭を叩きやがった奴は!!」
文「わ、私じゃないですよ!?」
椛「違います!」
ジュウゴロウ「じゃあチルノか!?」
チルノ「あたいはこんなところから一歩も動いてないわよ!」
結果では誰も叩いてないと言う。じゃあ誰なのかと思うと、少しだけだか犯人が分かった気がする。ラジコンの操縦者、チルノ達がテレポートしたこと、そして背後から叩いた者、まさかと思って俺はあるポケモンを繰り出した。ルカリオである。
瞑想して波動を探知した、グルッと一周する世界は青白いが、木の上に3つの赤い波動が流れていることに気づいたルカリオは目を開け、その方向に向いた。
ジュウゴロウ「はっけいだ!!」
ルカリオは衝撃波を木にぶつけた。メキメキと音を立てて倒れたその瞬間、
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
誰かの悲鳴が聞こえた。3人で全員女の子であると予想すると、その正体はやはり3人の女の子だ。
「ちょっとスター!また見破られちゃったじゃないの!」
スター「なによ!ルナが決めたことでしょ!?」
ルナ「ちょ、もとはといえばサニーが・・・」
ジュウゴロウ「よぅお前等」
3人はピタリと硬直、互いに顔を横にゆっくりと向けると、そこには鬼と化した俺がいた。
ジュウゴロウ「お前等、少し あ た ま ひ や そ う か」
3人「ご・・・ごめんなさぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!」
その後で事情を説明したところ、この3人はサニーミルク、スターサファイヤ、ルナチャイルドと呼ばれる悪戯妖精で、森に迷う人々をこうして森の中に閉じ込めているらしい。
俺は20分間の説教を行って元に戻れるようにしてくれた。
ジュウゴロウ「これにて一件落着だ。だがもし、お前等がこのかくれんぼに参加していたなら実に面白かったかもな・・・」
サニー「え?」
ジュウゴロウ「サニー、お前は盲点の中に隠れることが出来るみたいだな。それだと見つけるのは難しい・・・実に興味深い」
少しいいすぎた件もあったのでこれでチャラにしようとする俺は、サニー達もかくれんぼに混ぜてやろうと考えた。
といいたいが、昼になったから俺は館に戻らなければならない。
ジュウゴロウ「サニー、スター、ルナ、ちゃんと仲良く遊べよ?」
サニー「はーい♪」
スター「分かってまーす♪」
ルナ「ジュウゴロウさんもお元気で〜♪」
ジュウゴロウ「おう。んじゃあチルノ、文、椛、また会うとしよう。帰るぜ、ルカリオ」
俺とルカリオはもと来た道へと辿りながら館へ帰っていった。後ろには皆が手を振って見届けており、俺も振り返らないままで手を振る。
もうあの3人は悪戯することは少ないだろう。けどそれでいい、悪戯するこそ人間の善と悪のバランスを保てれるのだからな・・・。
と言いつつも館に戻ったのだか、なんと美鈴がいない。まさかサボったのかと中に入り、心当たりで食堂の前まで来る。すると向こうから賑やかな声が聞こえたので扉を開けてみた次の瞬間、俺の胸にフランが飛びついてきたのでその拍子に尻餅をつく。
フラン「ジュウゴロウおかえりっ☆」
ジュウゴロウ「お、おい、何を・・・」
一同「お誕生日おめでとう〜〜〜!!」
パーティークラッカーの音が鳴り、俺は「えっ?」と固まった。
しかし何だ?誕生日って・・・・・・あ!
ジュウゴロウ「思い出した!今日俺の誕生日だっけ!?」
そうだ、俺の誕生日は7月7日で今日がその日だった。と思っていると、
文「なんとジュウゴロウさんの誕生日でしたか!これはスクープですね!」
ルーミア「そーなのかー」
チルノ「じゅうごろー!あたいもまざせて〜!」
サニー「私達も〜!」
かくれんぼの続きでもしていたチルノ達がなんと着いてきていたのだ。悪戯にしてはなかなかじゃねぇかよ。
レミリア「随分賑やかになってきたわね。運命通りだけど、」
ジュウゴロウ「・・・お前も相変わらずだな」
レミリア「あら、そうかしら?」
そうじゃなきゃどうなんだ?
フランは抱きつくのをやめて、俺の手を引く。ケーキが置かれている場所にはサイ、バルト、エビス、ベンケイにそれらを関係する慧音、妹紅、早苗、神奈子、諏訪子、にとりも出席していて、食堂はまさにレストランの賑やかさを現していた。
ちゃんと20本の蝋燭が立てられているケーキにはきっとだけど、咲夜が作ってくれた心がある。フランもにこにこと俺を見ており、蝋燭に目を向けると目を瞑った。
親父、御袋、俺は晴れて成人なったぜ。俺はこの世界で幸せに暮らしていくから、見守ってくれよな・・・。
この先の未来はどうなんだろうと思った。もしかしたら彼女が出来て結婚するかもしれないけど、未来というのは誰も見えることではない。当然レミリア以外だけど、俺達は未来に向かって歩いている。きっとこの場所は、俺たちにとっていい暮らしの出来る場所だ。
静かに目を開けた俺は息を吹きかけた。20本の火は消え、周りに壮大な拍手が喝采される。
ジュウゴロウ「んじゃ、一口いただくか」
ケーキを口へ運びその味を確かめる。俺は口の動きを止めてふと思った、この味は今までよりも美味さがある。甘さも良くて落ち着くような感じになる。
ジュウゴロウ「咲夜、やっぱお前の作る料理は最高だぜ・・・!」
咲夜は笑顔で答えてくれた。今日はいい幸せになれそうだと思っているが俺には何かお返ししようと思っていると、俺は今日のことで忘れていることを思い出す。
7月7日といえば・・・七夕だ!
ジュウゴロウ「お前等、今夜に備えていい竹を持ってきてくれるか?」
サイ「竹?・・・あ、そういえばそうですね!」
文「何かあるのですか?」
ベンケイ「今日は確かに会長殿の誕生日となされておりますが、我輩等のほうではもう1つ、七夕と呼ばれる行事があるのです」
レミリア「七夕・・・それってどういう宴会なの?」
大魔神一同には驚く一言だった。それ以外にも皆は七夕のことを知らないらしいので説明する。
ジュウゴロウ「七夕は短冊に願い事を書き、竹に吊るして叶えるのさ」
ルーミア「そーなのかー」
チルノ「あたいもやってみたい!」
ちびっ子軍団はやってみたいとの好奇心を沸かしている。その一方でパチュリーも黙ってはいられなかった。本気で叶えようとしている顔をしているが、まだ諦めてなかったんだその願い事・・・。
ジュウゴロウ「よーし!今は楽しんで、その後で今夜に宴会に備えて幻想卿中の皆を集めてやろうぜ!!」
その意見に皆は同意する。今夜もまた楽しめそうだと、俺はケーキを食べ続ける。それから皆もいろいろと話し合いながら2時間くらいが過ぎ、俺はフラン達と遊んでいた。
第34話でした。
実際にはジュウゴロウの誕生日なんて決めていませんけど、自分の思いつきでこうしました。これで彼は二十歳となって成人の仲間入りです。
そんな自分も2月1日に誕生日かあったので今年で19歳になりました!やっぱ自分にとって一番でいたい年は19歳だと思います。
蓬莱の薬さえあればいいのになぁ・・・
永琳「じゃあ、飲ませてあげてもいいわよ?」
あれ、何時からいて・・・ってか、マジですか!?
永琳「そのかわり、このデカい注射器をうたなきゃね・・・(キラリーン)」
え!?ちょっとそんなデカいのだったら死ぬんじゃ・・・GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
作者は力尽きました▼
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 | ||
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