三人の御遣い プロローグ
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聖フランチェスカ学園の二年生のとある教室。この教室に三人の少年がいる。

 

 

??「う〜〜ん」

最後の授業が終わり30分位過ぎたころ一人の少年が起きた。

??「ようやく起きたか、一刀」

椅子に座っている少年が読んでいた本を閉じ、今起きた少年に声をかける。

一刀「んっ・・・おはよっ、友樹」

寝ぼけながらも返事を答えると、

??「もう放課後だけどな」

後ろから声をかけられる。

一刀「あれっ?京もいたんだ?」

答えながら後ろを振り向くと、京は机の上に座っていた。

京「ああっ。起きたんなら早く帰ろうぜ」

京は机からおりて、自分の机に向って歩き出す。

友樹「それもそうだな」

友樹も帰る支度を始める。それを見た一刀は急いで帰る支度を始める。

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帰る支度を終え、学校を出て、寮に向い歩いていると、一刀は疑問に思ったことを二人に訊いてみた。

一刀「そういえば、なんで二人とも教室にいたの?」

友樹「ん?」

京「は?」

突然の質問に二人はついていけなかった。

一刀「いや〜、なんで残ってたのかなぁ〜と思って」

その問いに友樹が先に答える。

友樹「俺は本をゆっくり本を読みたかっただけだ」

一刀「寮でも読めるんじゃないの?」

一刀の疑問に友樹は「はぁ」とため息をつき答えた。

友樹「寮だとお前たち二人がうるさいだろ。だからお前が寝ている間に読んだだけだ」

友樹がそう答えると、

一刀「ごめん」

本を読めない理由が自分だと知り素直に謝る。

友樹「別に迷惑だと思っていない。むしろ楽しいと思っているから気にすることはないさ」

友樹は落ち込んでいる一刀に答える。

一刀「・・・そっか。ありがと」

少し明るくなった一刀を見て、友樹は京に話を振る。

友樹「お前はどうなんだ?京」

京「ん?俺か?」

友樹「ああ」

京は少し悩んで答える。

京「俺はちょっと考え事かな」

そう答えると、

友樹「お前が?」

一刀「考え事?」

予想外の答えだったのか二人は京を凝視した。

友樹「・・・まぁ、いくらお前でも悩みぐらいはあるか」

少し冷静さを取り戻した友樹が答える。

京「何気にひどいな、お前。・・・まぁ、知ってたけど」

そう答えると京は少し遠い目をした。

一刀「けど、どうしたの?」

心配そうに一刀が話しかけてくる。

京「いや、最近思うんだけどな、お前たち二人がいなかったら、俺はどうなってたのかなぁてさ」

歩みを止めた京が話し始める。

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一刀「・・・京?」

友樹「・・・」

二人とも足を止め京のほうを向く。

京「そう難しい事じゃなくてさ。ただ俺はさ、恥ずかしいけどお前たちの事を友達だと、親友だと思ってる。だから今とても楽しい日々を過ごしているって思ってる。けどお前たち以外に友達と呼べるやつはいないと思って。そりゃ、今は話す相手くらいクラスメイトに何人かいるけど、遊びに行く関係じゃないからな」

そこまで言い、一息ついてまた話し始める。

京「二人とも知ってると思うけどさ、・・・最近じゃまともに授業出てるけど、前はさぼってばっかりだった。それが当たり前って感じで。この世の全てがつまらないと、だから授業に出ても・・・正確には教室にいても意味がないと決めつけて。・・・でも、二人に出会って変わった・・・いや変われたかな?・・・だからさ、ときどき思うのさ。二人に会わなかったら昔のまんまだったのかなぁと・・・」

一刀「・・・」

友樹「・・・」

ひと時の沈黙が訪れる。その沈黙を破ったのは京だった。

京「とまぁ、こんな感じかな。簡単にいえば孤独に生きてるパラレルワールドの自分に同情ってやつだな」

それを聞いた一刀は

一刀「・・・はぁ?」

と素っ頓狂な声をあげた。それに対して友樹は

友樹「くくく」

と笑っていた。

一刀「友樹?」

京「そんなに面白いか?」

一刀は笑った友人に疑問を抱き、京は不機嫌そうに友樹に声をかけた。

友樹「違う違う。まさかお前と同じ考えをしてるとは思わなくてな」

そう答える。

京「はぁ?」

一刀「えっ?どうゆうこと?」

こんどは京が素っ頓狂な声をあげ、一刀は意味がわからないと声を上げる。

友樹「どうゆう意味だと思う?」

友樹が二人に質問をする。

一刀「???」

一刀は考え込む。一方京は

京「細かいとこは違うが、大雑把にいえば同じってことか?」

と答えた。

一刀「???」

それを聞いても一刀はわからないようだ。

京「え〜とだな」

どんなふうに言ったものかと考えていると、

友樹「俺が話す」

そう言って友樹は話し始める。

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友樹「俺も京と一緒で、お前たちに会うまで友達と呼べるやつはいなかった。・・・俺の家は厳しくてな、勉強を強制的といってもいいくらい無理やりさせられてた。当然それはいやだったがどうすることもできなかった。・・・気が付いたらその苛立ちがほかのやつらに向ってた。・・・暴力ではなく態度でな」

一息つき、夕陽を見ながら再び話し始める。

友樹「自分より頭の悪い奴は無能だと決めつけ、周りのやつらと壁を作り友達がいなくても一人でも大丈夫だと思ってた。・・・当然今は違うけどな。今はお前たちと勉強するのが楽しいし、毎日充実してる。そうゆう意味では俺も変われているんだろう」

一刀「・・・」

京「・・・」

友樹の話が終わり再び沈黙が訪れる。今回沈黙を破ったのは友樹だった。

友樹「俺は寝る前にたまに考える。俺たちの関係がいつまで続くのかと。・・・まぁ、パラレルワールドなんてものは信じていないがな」

その答えに京が反論する。

京「パラレルワールドは存在するっての」

友樹「そんな証明できないものを信じられん」

一刀「・・・」

京「って、さっきからどうした一刀?」

さっきから黙っていた一刀に声をかける。

一刀「・・・いや、二人ともそんなこと考えていたなんて知らなくて。俺はそんなこと考えてもいなかった。今の関係が当たり前だと思ってたから・・・」

友樹「・・・」

京「・・・」

二人は一刀の話を聞き

友樹&京「「お前はそれでいい」」

同時に答えた。そして

友樹「ふっ」

京「ははっ」

二人はお互いの顔を見て笑い始めた。

一刀「え?」

二人がなんで笑ったのか分からず首をかしげる。

友樹「いや、お前が悩む必要がない。お前がお前のままでいるのであれば、俺は・・・いや、俺達は俺達でいられる」

京「そうそう。お前は今のままでいい。俺の・・・俺達の悩みは今まで友達がいなかったからだ。その反動だな」

一刀「う〜ん」

一刀は二人の言葉に納得がいかない感じだ。

京「だから悩むなっての。別に毎日考えてるわけじゃないからな。ただ、ふと思う時があるだけだ。こんなこと毎日考えるくらいだったらお前とこうして一緒に帰ってないさ」

一刀「けど」

まだ納得がいかない一刀に

友樹「無理に悩まなくてもいい。京の言うとおり関係が壊れるのを恐れるならば、最初から距離をとっている。お前が今のままでいられると思うのであれば何も問題はない。・・・それともお前は俺達と距離をとりたいか?」

友樹の問いに一刀は

一刀「そんなわけない!」

と、いつもより大きな声で答えた。

友樹「だったら悩む必要はない。京が言っただろう。ただの反動だ。だから気にすることはない」

一刀「・・・分かった」

京「分かったのであればそれでいいさ。それにお前に悩む姿は似合わないっての」

一刀「・・・京に言われたくない」

京「なんだと」

京は一刀の首に腕をまわして、じゃれあい始める。

友樹「ふっ」

それをみた友樹は笑みを浮かべた。

友樹「さぁ、じゃれてないで早く帰るぞ」

京「だな」

一刀「だったらコンビニに寄ってから帰ろうよ。食べ物と飲み物買って、俺の部屋でゲームしよ。この前の続きをさ」

一刀との提案に二人は賛成し、コンビニに寄ってから寮に帰る。

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京「今度こそ負けないからな一刀」

一刀の部屋の前で京が一刀に向かってそう言う。

友樹「お前はいつもそう言ってるな」

京「なんだとっ」

一刀「ははっ。勉強では友樹、運動では京に勝てないからね。唯一勝てるとしたらゲームくらいだから。だから悪いけどこれだけは負けられないかな」

そう言ってドアノブに手を触れた瞬間

一刀「わっ」

友樹「くっ」

京「なっ」

一瞬で周りがまぶしい光に包まれた。

一刀「うわぁぁぁ」

友樹&京「「一刀!?」」

一刀の悲鳴が聞こえ二人はその方向へ手を伸ばすが、届かない。

友樹&京「「かずとぉぉぉ」」

 

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こんないいところで終わりですか?(ブックマン)
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