真・恋姫無双  江東戦記 第5記・休息-2
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反董卓連合の後始末としておよそ3ヶ月洛陽に止まった孫呉は久々に故郷に帰って来た。

 

先の戦と洛陽の復旧作業にて孫呉の名は天下に広まり、そのため袁術との関係にも揺らぎが出始めた。

 

遂に孫呉独立の機運が高まっていくのであった。

 

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其の一・孫呉

 

 

「ん〜〜〜」

 

今、俺は自室の机に向かって座っている。

だが今日は休みで仕事の日では無いし仕事が残っている訳でも無い、そしてわざわざ休みの日にまで机にしがみつく趣味も無い。

では何故か?

それは洛陽から帰って来た日に遡る。

 

 

5日前

 

「皆〜〜〜、おかえり〜〜〜〜〜♪」

 

洛陽から戻った俺達を真っ先に出迎えてくれたのは雪蓮だった。

 

 

「ただいま戻りました姉さま。

 早速ですが反董卓連合での報告をしたいのですが」

 

「あら蓮華、そんなの後で落ち着いてからでもいいのよ。

 それより一刀は?」

 

「ここだけど、何?」

 

呼ばれて前に出た俺に雪蓮はものっそい笑顔でこう言った。

 

「お土産は?」

 

「………これ一応洛陽の酒だけど」

 

良いツッコミが思い浮かばず黙って雪蓮と祭さん用のお酒をすっと手渡し報告書を作るため部屋に戻ろうとした。

しかし、雪蓮に上着を掴まれた。

 

「どうしたの? お土産が気に入らなかった?」

 

「ううん、とっても嬉しいわよ。

 けど他にない? たとえば私が頼んでおいた物とか?」

 

「??(雪蓮に酒以外で頼まれる事なんてあったかな?)」

 

「………二喬ちゃんの新しい服は?」

 

「……………あっ!!」

 

「あっ!!=H」

 

「あの…姉さま、その事もありましてご報告が」

 

笑顔で#マークを額に浮かべた雪蓮に蓮華がフォローを入れてくれた。

 

 

そして場所は執務室へと移り、戦いの結果と董卓の事情。

及び新しい服の行方を説明した。

 

 

「ふ〜〜〜ん、そう……」

 

一通りの説明を終えると雪蓮の不機嫌度は目で解るほど上がっていった。

やはり月を逃がしてしまったのが気にいらなかったのだろうか?

 

「その姉さま、姉さまの指示無しに董卓を逃がした事は私に責任がありますので」

 

「何を言ってるんだ蓮華! 

 提案をしたのは俺の我儘によるものだ、だから俺に全責任がある!!」

 

「それは違うぞ一刀、あの時の大将は私だ!

 だから私が」

 

「いや俺だ!!」

 

「私だ!!」

 

「うるさーーーい!!!

 そんな事はどうでもいいのよ!!

 

 皆が居なくて(特に冥琳)

 寂しく一人書類仕事をしていて(結構サボっていた)

 この渇きをいやしてくれるものは無く(喉が渇く度に酒を飲んでいた)

 それでも一刀が二喬ちゃんの可愛い服を作って帰ってきてくれると信じて(強制的にやらした)

 なのにそんな可愛い服が似合う可愛い娘を皆だけで愛でて私を除け者にするなんてひ〜ど〜い〜〜!!(結局これが言いたかっただけ)」

 

「「………」」

 

俺と蓮華は何も言えずにいた。

むしろ何も言いたくなかった。

 

「そんなわけで一刀、罰として皆の分の新しい意匠も考えなさい」

 

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……と言うわけで俺は結局大喬、小喬だけでなく冥琳、蓮華、思春、穏、明命、亞莎の服の意匠を考える事となった。

 

そして今まで生きててこれ以上ないというほど頭を使い、ようやく意匠を完成させ休みがつぶれた日からさらに5日が経ち。

遂にお披露目の日となった。

 

「そんな訳で雪蓮に祭さん、皆の準備が整ったって」

 

「ほう、いよいよじゃな」

 

「もう、待ちくたびれたわよ」

 

玉座の間で玉座に座らずに階段状の箇所で酒を一杯引っ掛けている二人が声を出す。

要するに居残り組の二人だ。

 

 

「それじゃまずは亞莎から」

 

俺の声でもじもじと入ってくる亞莎、服は白が眩しいエプロンドレスだ。

 

「か、一刀様。

 こ、これは一体どういう……… -///-」

 

いつもの様に顔を隠そうとするが俺の考えた服は袖がついておらず全く隠せていない。

そんな亞莎の姿を見て、雪蓮も祭さんもなお喜んでくれた。

 

 

「続いて2番の明命」

 

「はい!」

 

元気よく返事をして入ってくる明命。

明命の意匠は猫耳バンド+バニースーツ(猫の尻尾付き)+網タイツの新たなボーナスが付くコーディネートだ。

本人も大喜びの一品である。

 

 

「3番目、穏」

 

「はい〜〜♪」

 

穏はブルマの体操服だ。

別に俺の趣味じゃない、ただ少し運動不足らしいから選んだ服だ。

しつこいようだが俺の趣味じゃない!

 

 

「それじゃあ4番目思春」

 

……………。

 

………。

 

…。

 

「おーい、思春ーー?」

 

「殺してやる!!」

 

いきなり入って来て切りかかる思春。

 

「変わった服ね」

 

「そうじゃの」

 

思春の意匠、それはスク水、色は白。

思春用に実用性のある物を送ったんだが…。

何で怒ってるんだろう?

 

 

「次、5番蓮華」

 

呼ばれてから少しして現れた蓮華。

今回俺が一番考え抜いた意匠だ、淡い水色の上着に薄いピンクのスカート(無印の服)。

上品さと可愛さを考えた一品である。

 

「あ、あの…一刀。

 その……、に、似合っているだろうか? -///-」

 

だんだん尻すぼみになる蓮華。

作ってよかったと俺は心から思った。

 

「どうかしたのか策殿?」

 

「な〜んかつまらないような」

 

 

「そろそろ最後も近づいてきました、6番冥琳」

 

静かに入って来た冥琳に超反応の雪蓮。

 

「ちょ、冥琳かっこいいーー!!」

 

「ぬう、よく似あっとる」

 

冥琳の意匠は執事服に小物で片眼鏡(恋姫夢想より)、背筋の良さからもホント良く似合っている。

連合の時にやった自分の執事なんかより色々と負けた気分、というか完敗だ。

 

 

「えーー、それでは最後に二喬の二人です」

 

ようやくここまで来た、思えばこの二人の服からはじまったんだよな〜〜〜。

彼女らの意匠は白を基調とした襟付きのTシャツにスカート。

そして薄いピンクのエプロンである。(謝謝無双のディスクカバー裏に描かれている意匠)

 

「あ、あの…。 似合ってますでしょうか雪蓮様?」

 

「もうすごく可愛いわーーー♪♪」

 

 

「どうですか冥琳様?」

 

「すごくよく似合ってるわ小喬」

 

抱きしめられる大喬に頭を撫でられる小喬。

二人ともすごく喜んでくれているようなので多少理不尽に押し付けられた仕事でもあったが充実感が湧いてきた。

 

 

 

「ありがとう一刀、ようやく満足したわ」

 

礼をしに来る雪蓮。

 

「まあ、満足してくれたなら良かったよ」

 

「もう大満足♪

 あとついでに思春の意匠を大喬ちゃん達の分も仕立ててといてね♪」

 

と言うだけ言って再び大喬の元へ。

 

「結局満足してないのか」とか「また仕事を押し付けられた」とか色々思ったがなんかもう声も出なかった。

………今日はもう寝よう。

 

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其の二・劉備軍

 

 

「はぁ………」

 

反董卓連合の戦いにより徐州の州牧となった劉備。

そしてその下?城の城壁にてため息ばかり吐いている女性が一人。

美髪公としてその名をとどろかす関雲長・愛紗である。

 

そしてその周りで愛紗を見ている影が3組。

 

 

星・霞組

 

「なんや愛紗はまたため息ばっかやなぁ」

 

「仕方あるまい、愛しき人を想う女が通る道よ」

 

「という事はやっぱり一刀か?」

 

「他に誰かいるか?」

 

洛陽の地で復興支援をしている頃から愛紗は一刀に会うと人が変わった様にガチガチになるため、最早皆が知っている事であった。

愛紗が一刀に惚れていることなど。

 

「まあ確かに月を助けてくれる優しさや華雄を倒したっちゅう武も持っとるし惚れる気持ちもよう分かるけど」

 

「おや? もしやお主もか?」

 

「いや〜、ウチはどっちか言うたら愛紗の方が好みやねんけどな。

 けど男の中なら1番やし」

 

「ほう、なるほど。

 しからば今晩にでも酒の肴にして一杯飲もうではないか」

 

「ええな! それやったら愛紗も誘おうやないか」

 

「うむ、それでは早速極上の酒を探しに街へ繰り出そうではないか」

 

「よっしゃ! 善は急げや!!」

 

 

朱里・雛里組

 

「朱里ちゃん、朱里ちゃん見える?」

 

「うん、見えるよ雛里ちゃん。

 愛紗さんは相変わらずため息ばっかだよ」

 

「そっか〜、やっぱりまだ一刀さんの事考えてるのかな?」

 

「それはそうだよ。

 今だって南の方を向いてるもん。

 きっと一刀さんの方角を見てるんだよ」

 

「………何とかできないかな?」

 

「何とかって?」

 

「その…、私達の軍師としての力で……」

 

「だとすると兵法に則ると相手(一刀)の事を知る事が必要です」

 

「けど男の人の事なんて私達じゃわからないよ…」

 

「……封印を解くしかないのかな」

 

「あわっ! も、もしかして朱里ちゃんあれを!?」

 

「うん、今しかないんだよ。

 かって水鏡女学院で闇の神器と云われた二つの書

 

 禁書・八百一≠ニ魔技・房中術百選≠フ封印を解くのは!!」

 

「あわわ!! で、でもあれだけは封印を解いちゃダメっだって水鏡先生が……」

 

「わかってるよ雛里ちゃん。

 けど他に私達に何が出来るの初心者向けの本でも探せと言うの?」

 

「……愛紗さんに見てもらうならそっちの方がいいよ、きっと。

 それに街の北の地区に新しい本屋さんがあるらしいから二人で初心者向けの本を探そ」

 

「そ、そうだね早速行こう雛里ちゃん。

 それで今夜愛紗さんに一緒に見てもらお」

 

タタタタタ………。

 

「あ! 待って朱里ちゃ〜ん」

 

タタタ………。

 

 

桃香・鈴々組

 

「にゃ〜、愛紗はまたため息ばかりなのだ」

 

「ほんとだよね、ため息を吐くと幸せが逃げていくのに」

 

「鈴々達で何とかできないかな?」

 

「何とかか〜〜〜、私も考えてはいるんだけどね?

 う〜ん、けど男女の関係は私達じゃ分からないし……」

 

「けどお兄ちゃんも人間だから美味しい物を作れる人がきっと好きなのだ!!」

 

「なるほど一つの花嫁修業と言うわけだね」

 

「そうなのだ! 早速愛紗に料理してもらうために山に猪を獲りに行くのだ!!」

 

「待って鈴々ちゃん。

 私も料理用の山菜を採りに行くから」

 

 

愛紗

 

「はぁ〜〜〜」

 

近頃私はため息ばかりだ。

理由は分かっている、そしてそれはどうしたらいいかも。

 

そしてそれは私一人では解決できない。

だからこそ考える。

どうすれば、どうすれば………。

 

 

皆が真面目に政務に勤しんでくれるのだろうか?

 

 

まずは星と霞。

この二人は調練は真面目にしてくれるのだがいかんせん書類仕事を持っていくと少しだけやっては(1割未満)すぐに街に下りて酒を飲む。

しかも日の高い真昼から飲む、なお始末に悪い。

 

次に朱里と雛里だ政務にこそ力を発揮する二人が平原に居た頃より仕事が遅くなっている。

何か悩みでもあるのかと朱里の部屋を訪ねてみるとなにやら書物の様な物を慌てて背に隠しては苦笑い。

 

最後に私の義姉妹である桃香様と鈴々だ。

桃香様は政務の途中で筆を止めて何かを考えだす事がしばしばある。

そしてそれは政務と全く関係無い事のようだ。

鈴々に至っては論外だ調練の時間ですらお腹がすいたらご飯を食べにその場を離れてしまうほどだ。

 

今日は私以外は皆仕事が1日中あるはずなのだが………。

せっかく暗い気を晴らそうと太陽に身体を向けているのに一向に温かくならぬ。

 

「はぁぁぁ〜〜〜〜〜」

 

 

説明
やっと…更新できた……。
2/27・作品のいくつかに一部修正、ねんど様ありがとうございました。
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コメント
みごとな勘違いですw(ブックマン)
2p洛陽にから;洛陽から 思春のスク水・・あれは破壊力ありますねw(ねんど)
流石に思春に猫グローブ・尻尾はウワ、マテナニヲ(ry チリーンザシュッ ドサッ(村主7)
↓↓いや、祭殿にはネコ耳バニーです!(よーぜふ)
親(愛紗)の心子(愛紗除く蜀武将)知らず ww(sk)
>yosiさん  ⇒殺してでも うばいとる  あえて祭に白スク水を!!!(激しくマテ(闇羽)
待ってました!&お疲れ様です。きっとどんな衣装を着せるか悩んでいたんですね?いや〜、ナイスチョイスでした♪確かに蓮華や穏、亞莎たちは良かったです〜。しかし明命の猫耳スーツと思春の白スク水に大半を持っていかれましたwwそれと冥琳にもですね♪雪蓮のスク水追加発注…雪蓮や冥琳も着てくれないかな〜♪(ゲフン 御報告 3pの亜莎→亞莎 ではないかと?(自由人)
ねんがんのしろすくみずをてにいれたぞ!!(AA略)(yosi)
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