東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜  プロローグ
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おばあちゃんが言っていた・・・。

 

 

 

 

 

 

世の中で覚えておかなければならない名前はただ一つ・・・。

 

 

 

 

 

 

天の道を行き、総てを司る男・・・。

 

 

 

 

 

 

天道総司(てんどう そうじ)。

 

 

 

 

 

 

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午後7時。 ZECT(ゼクト)本部、訓練場。

 

青年「うあっ!!」

男性「ぐおっ!!」

酷い痛手を負う青年と30歳代の男が突き飛ばされる。

相手にしているのは、二足歩行でなおかつ信じられない速度で動く蜘蛛に、緑色のグロテスクな生き物だ。

このZECTの者は皆、ワームと呼んでいる。

渋谷に落ちた隕石から長い時が経ち、現代の2006年にワームが渋谷の住民を襲うようになっている。

それらを守るために結成された組織がZECTだ。

ZECT部隊の隊長、 矢車 想(やぐるま そう)は新たな戦力を作り出す『マスクドライダー計画』を立て、現在のように強化人間を特訓させるためい捕獲したワームと戦闘を行わせている。

ワームは通常、サナギ体と呼ばれる緑色の姿をした体でいるが、時間が経つと脱皮し、成虫体へ姿を変える。この姿になると、通常を超える速度で移動が可能となる『クロックアップ』が使用でき、人間ではとられることは不可能かつ、なす術なく死に至ることとなってしまう。

それらを対抗するため、ZECTは2つのゼクターを開発した。

 

赤いカブトムシ、カブトゼクター。

黄いスズメバチ、ザビーゼクター。

 

しかしカブトゼクターはZECTではなく、ある男の手にわたったことで運命が変わる。

言っておくと、ゼクターは人を選ぶ。カブトゼクターは太陽に輝く男を選び、彼を仮面ライダーカブトへ変身させる力を与えたのだ。

残っていたザビーゼクターは矢車を選び、現在はこの2人がゼクターの資格者としてワームと戦っている。

しかし矢車は、強くなるワームにも対等するためにこうして強化人間を作り上げているのだ。当然、相応しい者を新たなゼクターの資格者にするつもりだ。

その一方で攻撃が収まると、男が青年へ、擦れた声を出しながら話しかける。

男性「知っているか・・・? この世界には・・・夢のような、国があるということを・・・俺は最初・・・嘘みたいだと思っていたが・・・なんだか俺も、行きたくなってきたんだ・・・」

青年「おっさん、俺達は生きなきゃ駄目なんだ!そんなことしたら死んじまうだろ!!」

ワーム「キシャァァァァァァァッ!!」

またワームがクロックアップで襲ってきた。青年と男は中を舞うように吹き飛ばされ、地面に叩きつけられると同時にブザーが鳴った。

『強化サンプル、及びワームを直ちに回収せよ。強化サンプル、及びワームを直ちに回収せよ』

ワームの頭上にネットが張られ、そのネットに電流が走り出した。ワームは隊員であるゼクトルーパーによってすべて捕獲され、青年と男は半殺しされたような傷と絶望を抱えながら息を切らす。

その影から男が寄ってくる。それはZECT部隊シャドウの隊長、矢車だった。

矢車「この男はもう用は無い。放り出せ」

隊員「ハッ!」

隊員は男の肩を掴む。「さっさと動け!」と男の背中を押し、残されたのはワームの回収を行っている隊員と傷つき疲れ果てている青年、そして矢車であった。

矢車は手を差し伸べて言う。

矢車「おめでとう、お前は50人の中から頂点をもぎ取った。今日からZECTの隊員に任命する」

青年「ッ!!」

青年は切れた顔で矢車の手をバチンと叩いた。

青年「ふざけるな!!こんなのは資格を決めるための試験じゃない!!ただ俺達を傷つけ、使えなくなった奴を捨てているだけの残酷な考えだ!!俺は確かにライダーになりたい、あの人にまた会えるんだから俺は嬉しい・・・だけど間違っている!!お前の考えていることは極端すぎる!!ライダーになれたからっていっても、そんなのでは俺は認めない!!」

青年は矢車にありったけの怒りをぶつけ、最後には彼を素手で殴った。矢車の口元に血が流れる。

もう一発殴ろうとするが隊員が多数で青年の身動きを止め、青年は離せと体をあちこち動かす。

矢車「・・・もったいない事をしたな。こいつを牢屋に入れろ」

隊員「ハッ!」

 

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狭い牢屋に放り込まれ、青年は涙を流した。青年は初めから、矢車の手に踊らされていたのだ。

その理由は青年の名前にある。

 

青年の名は・・・天野川 星司(あまのがわ せいじ)。

 

何かに似てはいないだろうか?

・・・そう、天道 総司と天野川 星司。似たような2人だがこれは偶然と出会い、星司は天道に憧れて天の道へと歩むということになった。

かと言って星司はあれ以来に天道とは会っていない。けど思っていた、ライダーになれば会えることができるかもしれない・・・そういうことで星司は特訓を始めるが、ある日にZECTに無理矢理連れてこられ、今のようになっている。

星司「天道さん・・・俺は、どうしたら・・・・・・」

こぼれる涙は地にしみこみ、たちまち星司の視界が見えにくくなる。泣いていに彼は疲れが重くのしかかり、眠くなりそうになった。

その時、彼の脳内にある言葉が浮かび上がる。

星司「夢の国が本当にあるのなら、行ってみたいかもな・・・」

星司は壁にもたれながら眠りにつこうとしたその時だった。扉から青いクワガタが突き破り、牢屋の中に入ってきたのである。

なんだと思っている星司だが、クワガタは星司の腰に巻かれているベルトにくっ付く。

 

≪HENSHIN≫

 

音声が鳴り、星司の体は鋼のアーマーを纏った戦士、仮面ライダーガタックへと変わった。鋼に加わる青のボディ、両肩はバルカンが装備されている。

星司「これは・・・!」

焦る星司だがクワガタはまだ動く。今度は角が右へレバー操作されるようにガチャンと折れ曲がる。

 

≪CAST OFF≫

 

次の瞬間にアーマーが弾け飛んだ。そこにはクワガタの角を特徴としたガタックになっており、≪CHANGE STAG BEETLE≫と音声がなる。

 

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その一方である司令室では騒動が起きていた。

矢車や隊員一同は監視カメラでこの状況を見て驚く。矢車は握りこぶしをして腹を立てた。

矢車「おのれぇ・・・総員戦闘配備!!牢屋の前で待機せよ!!」

隊員「ハッ!」

隊員が牢屋へ向かう中、矢車は右手を天井へ翳すとザビーゼクターが飛んできて、矢車は左腕につけているブレスにセットする。

矢車「変身」

 

≪HENSHIN≫

 

矢車はスズメバチ型仮面ライダー、サビーに変身して隊員の後を追いかける。先に行ってた隊員はマシンガンブレードを発砲して攻撃するが、星司の纏うアーマーにはぜんぜん効かずにその場から逃げていた。脱出しようと考えており、人気のない地下まで来るとクワガタの尾の部分にあるフルフロットルを3回連続で押す。

 

≪ONE,TWO,THREE≫

≪RIDER KICK≫

 

角を左に戻しては右へ操作すると、右足にタキオン粒子が貯められる。星司はその足で壁にドロップキックすると見事に大きな穴が開き、そこには夜の景色が見えていた。

今なら抜け出せれると思っていたその時、

矢車「キャストオフ」

 

≪CAST OFF≫

 

後ろから飛んできたアーマーを星司は回し蹴りで弾き返す。そこに立つのは構えている隊員と、ザビーに変身する矢車だった。

矢車「そのゼクター、いつから持っていた」

星司「俺は知らない!勝手に入ってきて、無理矢理俺のベルトに着いただけだ!」

矢車「じゃあ何故ゼクターがお前を選ぶんだ?このまま逃けるようじゃZECTの新しい戦闘員が誕生しない、故にもったいないことだ。戻ってくるというのなら殺さずに許してやろう」

星司「だから言ってるんだ、俺はZECTにはならない!天道さんに会いに行く!!」

 

≪CLOCK UP≫

 

星司は右腰のスイッチを押してクロックアップを起動。超高速で離脱するが、矢車も逃がすまいとクロックアップで追跡する。

川原のところまで移動した2人は互いに殴りあった。どちらとも格闘に向いているライダーで、その実力はどちらも互角。カンフー映画でも見ているかのようなアクションもあるが、特に星司はその拳に怒りも込められている。そのせいで無駄も出てしまい、矢車は隙を見切って頭のフルスロットルを押した。

 

≪RIDER STING≫

 

矢車「ハッ!!」

ゼクターニードルをガタックの胸部に突き刺すと火花が散り、星司は苦痛のあまりに地に倒れる。

矢車「耐え切ったか・・・次をくらったらお終いだな」

矢車はゼクターニードルを構え、2つの選択を問いだす。

矢車「選べ。ZECTに戻るか、このまま死ぬかの2つを・・・」

星司「・・・いや・・・俺はその2つは選ばない・・・」

星司は起き上がり、右手の人差し指を空へ上げる。

星司「天道さんが言っていた。星は無限の数を持つ、俺はその数だけ強くなれるってな・・・」

矢車「フンッ、何をいまさら・・・ !?」

矢車は星司の左腰に出現したカブトムシ型のアイテムを見て目を疑う。星司はすかさず角を下へ押した。

 

≪HYPER CAST OFF≫

 

ガタックの体中に電流が流れ、装甲に新しい鎧が付け加えられる。

 

≪CHANGE HYPER STAG BEETLE≫

 

ガタックの最強形態、ハイパーガタックに変身した星司はハイパークロックアップスイッチを押す。

矢車「貴様・・・!!」

星司「じゃあな隊長さん。ハイパークロックアップ!!」

 

≪HYPER CLOCK UP≫

 

緑色の光が星司を包み、爆発するような音を立てて姿を消した。時空間へ逃げたのである。

「クソォッ!!」と拳を地面に叩きつける矢車は、その場で自らの無念を描いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから俺はどうしようか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天道さんは今何処にいるのだろう・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそんなので迷ってても、しかたがない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行こう、夢の国へ・・・

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はいどうも、ダークボールです。第2作品はまた東方なのですが今度は仮面ライダーとのクロスです。最近ではこれが人気らしいので、本作ではガタックを主役として物語を進めていく方針です。

この作品では地霊殿や星蓮船等に登場するキャラクターは本作には登場しませんが、勇儀、天子は登場の予定であり、天道 総司を例えとして原作ライダーも登場します(但し、少ないです)。

短い文章で申し訳ないですが、応援をよろしくお願いしていただければ嬉しいことです。

※第3話よりライダーデータを紹介します。

【ライダーデータ】

◇仮面ライダーガタック

登場作品:仮面ライダーカブト

備考:本作の主人公、天野川 星司の変身するライダー。マスクドフォームでは脅威の肉弾戦とガタックバルカンでの砲撃を得意とし、ライダーフォームでは超高速で動くクロックアップとガタックダブルカリバーでの斬撃が得意。

戦いに勝った後に言う台詞は彼のモットーなことで、主に「強さというものにゴールは無い」が有名。

必殺技はタキオン粒子を右足に蓄えて飛び蹴りする「ライダーキック」とタキオン粒子をダブルカリバーに蓄えて挟み切る「ライダーカッティング」。

 

◇仮面ライダーガタック ハイパーフォーム

登場作品:仮面ライダーカブト

備考:ハイパーキォストオフにより強化したガタックの最強形態。ダブルカリバーの切れ味やアーマーの強化の他、過去や未来に移動できるハイパークロックアップが可能。

しかしこのフォームになるために必要なハイパーゼクターは、彼の気持ちに呼応して出現するのでいつでも出るわけではない。

必殺技はマキシマムライダーパワーでパワーアップした「ハイパーキック」。

 

では、次回をお楽しみに!

説明
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。
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コメント
おぉぉぉ、新作はライダーですか。カブトは僕は好きでしたよ。いろいろと期待してます!頑張ってください!!(ニルヴァーシュ)
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仮面ライダー ガタック 東方PROJECT 

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