魏√風END 猪々子編 |
この日、魏・呉・蜀の三国の争いが魏の勝利に終わった。
魏の王、華琳は大陸を一つにするのではなく三国で同盟を組む事を選んだ。
そして今、戦が終わった事を祝う祝勝会が行われていた。
「はぁ〜、やっとおわったんだな。色々あったけどまた斗詩や麗羽様と前の様になれるし、なによりだぜ」
猪々子は季衣や鈴々との大食い対決を終えて一人、宴の様子を眺めていた。
「あれ?アニキがいねぇや。何処行ったんだろう?探してみっか」
猪々子は辺りに一刀がいないのに気付いたのでどこにいるか探しに行った。
「あら、猪々子。どうしたのかしら?」
「あっ、華琳様。アニキをみませんでした?」
「一刀なら河原の方に行ったわよ」
「そうですか。わかりました。行ってきます」
華琳に場所を聞いた猪々子は河原に走っていった。
「・・・後は任せたわ、猪々子」
華琳の頬には一筋の涙が流れていた。
猪々子は河原に着き、一刀の姿を探した。
「アニキはどこかな〜・・・おっ、いた。おぉい、ア二・・キ!?」
一刀の姿を見つけた猪々子は一刀の事を呼びながら近づいていったが、近くに来て一刀の姿を見て驚愕した。
「猪々子か。まずい所を見つかってしまったなぁ」
「アニキどうしたんだよ、それ。なんでアニキが光ってるんだよ」
一刀の体は淡い光を放っていた。
「・・・三国での争いが終わったから、どうやら天の御使いとしての役目も終わってしまったみたいなんだ」
「!?なんだよ、それ。じゃあアニキは天に帰っちまうのかよ!そんなのやだよ!!」
「ああ、俺もいやだよ。もっと猪々子や皆と一緒に居たいけどどうにもならないみた・いな・んだ」
一刀と話してるうちにだんだんと一刀の言葉が途切れ途切れになり体がすけてきた。
それに気付いた猪々子は走り出し一刀に抱きついた。
「いやだ!やだよ、アニキ。消えちゃあ、やだよ!!やっと戦が終わったんだぜ。これから平和の為にやらなきゃいけない事が沢山あるんだぜ。アタイ、馬鹿だからさ。グスッ、アニキに教えてもらわないと出来ない事が沢山あるんだよ。それに・・・それにもっともっとアニキと一緒にいろんな事をしたいよ!!グスッ、うぅ・・・だから」
「ああ、そうだな。俺も一緒にいたいよ。け・ど・どうに・も・でき・な・いみた・いだ」
「!?アニキ、アニキ」
「大好きだ・よ、猪々子。愛・して・る・・・だ・から・待ってい・て猪々子。ぜったい・にもど・てく・るからさ」
「絶対だよ、アニキ。絶対に戻ってきてよ、かっ一刀!?」
「あ・あ・や・く・そ・く・だ・・・・・・」
「!?一刀!一刀ーーーーー」
一刀の体が光になってその姿を消してから猪々子はずっと泣いていた。
その姿は武将の面影などなく、ただの大切な人を失った一人の少女だった。
三国同盟が組まれてから数年後・・・
コンッコンッ
「はーい、入っていいぜぇ」
ガチャ
「久しぶりだね、文ちゃん」
「おお、久しぶりだな斗詩。ちょっと待ってな、今お茶出すから」
斗詩を確認した猪々子は立ち上がりお茶の準備をしだした。
「それにしても変わったよねぇ文ちゃん」
「んんっ?そうかな?」
「そりゃあ変わったよぉ。なんたってあの文ちゃんが戦争が終わったからって武器を捨てて文官になっちゃうんだもん。あの麗羽様と一緒に私に書類仕事を押し付けてた文ちゃんがだよ」
「はは、そういえばそうだったなぁ。あの頃はゴメンなぁ斗詩。・・・でもさ、約束なんだ。仕事をしてずっと待ってるてさ・・・あの人と」
「・・・そっか。ねえ文ち「たったいへんですの。大変ですのよ猪々子さん!?」どっどうしたんですか麗羽様」
「それが大変なんですの。刀々子(とうしぇ)ちゃんと遊んでましたら河原の方に流星が落ちるのが見えましたの。そしたら刀々子ちゃんが「ととさまが帰ってきたぁ」て走っていちゃいましたの」
「!?それは本当なんですか麗羽様?」
「ええ、この私が嘘を言うはずが「バタン!!」あっ、待ちなさい猪々子さん。はぁ、まったく。
とりあえず斗詩さんはこの事を華琳さんに報告してくださる。私は念の為連れて来た兵を連れて後をおいますわ」
「はっはい」
「ううっ、ここはど「ああ!?やっぱり居たぁ」えっ?」
青年が声をした方を見ると茶色い髪をバンダナで留めた女の子が立っていた。
「ねぇ、お兄さん。お兄さんのお名前ってひょっとして『北郷一刀』ていうの?」
「!?そうだけど君はいったい・・・!?」
一刀はなぜ少女が自分の名前を知っているのか不思議に思っているとふいに、此方に近づいてる人影に気付いた。
「本当だ、本当に帰ってきたんだな。グスッ、うぅ、アニキ〜」
一刀が戻ってきたのを目にした猪々子は迷わず一刀に抱きついた。
「ああ、帰ってきたよ猪々子。もう何処にも行かないよ。ずっと一緒だ」
「グスッ、うぅ、ぼ、ぼんどうがぁアニギィ〜〜〜」
「ああ、ほんと「わーい、ととさまだぁ。本当にととさまがお星様に乗ってきたぁ」え!?そっそれじゃあこの子って」
「ああ、そうだぜ。アタイとアニキの子供だよ」
「・・・そっか。俺も父親かぁ。初めまして、お嬢ちゃん。お父さんだよ。お名前は?」
「刀々子!!アタイの名前は刀々子だよ、ととさま」
「そうか、おいで刀々子」
一刀は刀々子を呼んで抱いてあげた。
「あっ、そうだ。アニキ」
「んっ?どうした猪々子?」
「お帰りなさい、一刀様」
「!!ああ、ただいま。猪々子」
後書き
つい、書いてしまった猪々子ENDでしたがどうだったでしょうか?
自分ではうまく書けたほうだと思いますがこの魏END風のネタは偉大な先生方が素晴らしい作品を書かれてるので自信がもてません。
もし御支持を得られるようでしたら、また本編の「外史をかける一刀」の合間に他の先生方が書かれていないキャラで書いてみたいと思います。
「外史をかける一刀」の方は土曜日ぐらいまでには出来るよう頑張りますので楽しみにしていてください。
説明 | ||
「外史をかける一刀」の方が煮詰ってしまったので、以前思い付いていた魏√風ENDの話を書いてみました。 ヒロインは魏以外のキャラで一番好きかもしれない猪々子です。 このネタは多くの先生方が書かれているので自信はありませんがよろしければ読んでください。 注)話の都合上、猪々子だけ魏に降った事にしてます |
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コメント | ||
目指せ!!全制覇!!!!(おやっと?) 蜀だけじゃなく呉もやってください!!!(空良) 猪々子のチョイスに愛を感じたwww(ロンギヌス) |
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