東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第2話
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永遠亭にやってきた星司はその建物を見て考え事をしていた。病院だろうかと思っていたのだがそんなのではなく、屋敷である。そう思うと門の奥へ入っていく2人の後に続く。

鈴仙「師匠、今戻りました!」

玄関の前で鈴仙が声を掛けると、ナース帽を被り、赤と青の服を着ている女性が面に出てきた。この人が鈴仙の師匠で、医者ということなのだろう。

女性「2人共おかえり。もうすぐ夕飯にするから手を洗ってきてちょうだい」

おまけにタイミングよく夕飯もいただけそうだ。すると女性が星司に気づいて問いかける。

女性「そこにいる人は誰なの?」

鈴仙「見たことない妖怪が現れて助けてくれた人です。名前は・・・」

星司「星司です。ついでとして怪我の手当てをお願いしてもらいに来ました」

女性「そう・・・じゃあウドンゲ、代わりに手当てをお願い」

女性はすぐに台所へ戻っていった。星司の分も作ってくれそうで、大体の話を理解してくれる人だ。

星司「あの人が君の?」

鈴仙「うん、薬の開発が得意な薬師なんです」

早速あがって手を洗い、星司を救護室に案内した。服を脱いでその様子を見る鈴仙とてゐは思わず引きそうな顔でいた。殴られた跡が体中にあり、胸には痣がくっきりと見えている。

鈴仙「喧嘩でもしていたんですか?」

星司「それよりもっとハードなことさ。詳しいことはあとで言う」

消毒液を傷跡に2回ほどつけて手当てをする鈴仙を見て、星司は染みてくる痛みよりも彼女が治してくれる優しさが星司を落ち着かせていた。胸の痣も包帯で優しく包み込むように撒かれ、手当ては完了する。

星司「ありがとな。一応あの人は泊めてくれそうな顔もしてたから安心したよ」

この場所以外に泊めてもらえる場所なんてあるわけがないと思っている星司は、明日に備えて体をゆっくり休ませようと考えた。

リビングのほうからは「夕飯ができたわよ〜」と声が聞こえ、星司達はリビングへ向かうといい匂いがするカレーが食卓に置かれていた。先ほど会った女性以外に黒く長い髪をした少女も座っており、カードをじっと眺めている。

星司「よく見れば俺の分も作ってくれたのですか。どうもすいません」

永遠亭の家族構成は4人とされており、そこにもう1皿カレーが置かれている。紛れもない星司の分であった。

女性「妖怪を追い払ってくれたお礼よ。私は薬師の八意 永琳(やごころ えいりん)、こちらにいるのはこの屋敷の主の輝夜様です」

カードを眺めていた少女も星司の顔を見て自己紹介した。

輝夜「蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)、正真正銘のかぐや姫よ」

星司「かぐや姫?たしか、竹の中から生まれた赤子を爺さんと婆さんが育てて、成長した彼女が月に帰って行くあの?」

じゃあここにいるかぐや姫はどういうことなのかと質問をした。最低でもここは月ではない、空には月が見えていたからだ。

輝夜「事情を言うと難しくなるけど、私は月に帰るのを断って幻想郷に来たのよ」

星司「幻想郷・・・」

またもや謎が生まれた。幻想郷という言葉に疑問を抱く。

永琳「ここは人と妖怪が暮らす、いわゆる異世界です」

星司「なるほど・・・夢の国ってだけはたしかにあるようですね」

一同「夢の国?」

今度は星司以外の者が疑問を抱いた。

星司「俺は現実世界で痛めつけられて逃げてきたんです。着いた場所が竹林の中で、歩いているとそこの2人と出会ったわけで」

永琳「それて知り合ったのね・・・それじゃあ冷めないうちにいただこうかしら」

 

一同「いただきます」

 

お客だというのに、なんだか家族になったかのような感じになる星司はカレーをいただく。次の言葉が彼の口から出てきた。

星司「あの、すみません・・・俺をここで暮らしてもらえませんか?」

永琳の持つスプーンの動きがその言葉によって止まる。

星司「いきなりこんなこと言ってなんですけど、この竹林から出られる方法なんてない筈です。それに俺は、ここにいなければならない理由が2つあります」

永琳「理由・・・?」

星司はスプーンをおき、覚悟を決めたかのような目でみんなに言った。

星司「まず1つは、この世界にワームという生命体が出現しました」

鈴仙「私とてゐを襲った妖怪ですね?」

その質問に星司は頷き、話を続ける。

星司「ワームはその人と同じ姿、記憶をコピーする擬態能力を持ち、これを利用しながら関わりのある人を殺して次々と人間をワームに変えていきます」

永琳「見分ける方法はどうなの?」

星司「残念ながらありません。化けの皮を剥がすのも非常に困難なことですから・・・」

永琳「そう・・・じゃあ、もう1つは?」

星司「これは逆に、ワームと対抗するための方法です。俺が仮面ライダーとして、貴方達をお守りすることです」

てゐ「仮面ライダーって、星司が戦っていたあの?」

星司「そう、あれが仮面ライダー。名前はガタックと言い、複数のワームにも匹敵する戦闘能力を持ちます」

輝夜「けど私達だって外の世界にいる人間みたいなものじゃいわ。さっとやれば・・・」

星司「輝夜さん、相手はあなたの予想を覆すほど強い敵なんです」

輝夜「どういうこと?」

星司「ワームには超高速で移動する能力『クロックアップ』を持ちます。これは成虫体のみですが、人間の1万倍の速度で動き回れるんです」

永琳「つまり、目では見えないほどなの?」

星司「はい、肉眼では普通に捉えれません。けどガタックには、それを見ることのできるスキャンアイや、ワームと同じクロックアップが可能です。これを使ってすばやく動き回るワームと戦います」

理由を話し終え、永琳は大体の事象を理解する。

永琳「分かったわ。けど、ワームはここにくるとは限らないわよ?」

星司「分かってます。おそらくは世界中に・・・」

約束はされたが世界中に潜むワームを排除しなくてはならない。星司1人だけで戦っても少ない被害にしたいと願うのが彼の今後のやるべきことで、拳にその気合と集中を込めた。

その後に星司はこの世界のことを永琳から教えてくれた。幻想郷のいたるべきところ、人と妖怪のこと、さらには弾幕ごっこのことも星司に教える。

星司「なんだか不思議ですね、特に皆さんは空を飛べるっていうのが驚きです」

永琳「フフッ、そう思ってくれるなら嬉しいわ。それと、まだ彼女達の名前を聞いてないわよね?」

そういえばと星司は思いついた。鈴仙とてゐって名前を少しだけは聞いているが、一応聞こうと尋ねてみる。

鈴仙「鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげいん・イナバ)。鈴仙でいいわよ」

てゐ「私は因幡 てゐ(いなば てい)、よろしく」

星司「うん、よろしくね」

星司はこの4人に歓迎された。彼も永遠亭の家族として認められた証拠である。

残っているカレーを食べ終えると台所に持って入りながら洗い流す。彼は独り暮らしをしているので皿洗いをするのも当たり前のことだ。

てゐ「星司、よかったら私の部屋に来てもいいよ」

星司「おっ、ありがとな」

洗い終えた星司はまたリビングに戻ると、また輝夜がカードを眺めている様子があった。

星司「輝夜さん、さっきから気になっていたんですけどそれは?」

輝夜「これね、夕方に郵便で届いてきたのよ。誰からかは書かれてなかったけど、中身にあったのはこのケースとカードだけだわ」

ケースは片手で握れるくらいの大きさで、蝙蝠のマークがついていた。カートのほうは、剣や盾、蝙蝠の怪物の絵や、同じマークをしたカードがある。

星司「何かのパワーアップとかではないですか?」

永琳「私も相談してみたらそう思っていたわ。きっと何かに使うためのカードよ」

話の中にはスペルカードというもので攻撃することが出来るらしいが、このカードはそうでもないものだった。カードはとりあえずケースに入れ輝夜の懐に閉まった。

星司「それじゃあ、俺は明日に備えて寝ますか」

永琳「お風呂はあっちにあるからゆっくりしていってね」

こうして星司の新しい生活が始まった。

しかしこれは彼の闘いの始まりでもある。その一方として、赤く染まった一軒の屋敷、紅魔館の門の前ではワームが潜入しようとしていた。

門番である妖怪、紅 美鈴(ほん めいりん)は格闘の達人とはいえ、多数あるワームに少々らちの明かない様子でいる。彼女にも当然に弾幕やスペルカードを撃つことが可能であるが、実は緊急事態に陥っていた。

美鈴「くっ・・・スペルカードが急に使えなくなったうえに弾幕も撃てず、そしてこの数・・・キリがない・・・!」

なんとスペルカードや弾幕が撃てなくなっているのだ。ピンチであるところに「どきなさい」と蝙蝠の翼を持つ少女、レミリア・スカーレットが門から出てきた。

美鈴「お嬢様!ここは危険ですので下がって・・・」

レミリア「いいえ、下がるのは中国、貴方よ。 咲夜」

指をパチンと鳴らすと、その後ろにメイドの十六夜 咲夜(いざよい さくや)がスウッと姿を現す。手にはトランクを持っており、中には携帯電話、ベルト、双眼鏡、カメラ、銃が入っている。咲夜はベルトをレミリアの腰に装着し、銃を右腰、カメラを左腰、双眼鏡を後部に取り付けて携帯電話を渡す。

咲夜「お気をつけて」

レミリア「ええ、」

レミリアは携帯電話を開いてテンキーに入力を開始した。

 

『9・1・3 ENTER』

≪STANDING BY≫

 

レミリア「変身・・・」

 

≪COMPLETE≫

携帯電話をセットすると全身にフォトンストリームが流れ、レミリアの姿は紫と金色の仮面ライダー「カイザ」へと変身する。

レミリア「今夜の月はまたいちだんと輝いてるわね、フフッ・・・」

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第2話の完成です。新しくカイザの登場ですが、このカイザは原作と同じように複数の装着者が出現します。レミリアが主な装着者となりますが、原作キャラである草加雅人は登場しませんし、それ以外の装着者はネタバレですがオルフェノクになります。

なお、レミリアにはオルフェノクの記号が埋め込まれているために灰化しません。(何処でそうなったかは後ほど知らせます)

そして輝夜に届いてケースとは何なのかと思っている皆さんはもうお分かりでしょうけど、次回かその次かで正体は分かるはずです(都合悪く変わる場合もあるため)

※第3話より新しくデータの紹介をします。

【ライダーデータ】

◇仮面ライダーカイザ

登場作品:仮面ライダーファイズ

備考:永遠に紅い幼き月、レミリア・スカレーレットの変身するライダー。カイザギアは不適合者を変身解除後に灰化・死亡させるために別名「呪われたベルト」と呼ばれるが、レミリアの右手に刻まれたオルフェノクの記号の影響で問題なく変身が出来る。

運命を操る能力と合わせて敵に隙を見せない好敵手であるが、趣味の無いものには立てつかない性格なのか、ライダーバトルや強敵怪人以外に雑魚相手は戦わない。

必殺技は多数ある中、カイザブレイガンをエクシードチャージして繰り出す「カイザスラッシュ」。

 

それでは、第3話に続きます!

説明
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。
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仮面ライダー ガタック レミリア・スカーレット 東方PROJECT 

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