真・恋姫無双 魏End -Re:TAKE 14-
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華琳「凪が発見した黄巾党の連絡文書の確認はどうなっているかしら?」

 

凪が発見した連絡文書とは、街の周辺を警戒していた際に捕まえた黄巾党が持っていた物で、

今までの黄巾党とは違い、文書として書かれた軍が使うような連絡手段だった。

その報告を受けた華琳はすぐさま斥候を放つよう命を出していた。

 

秋蘭「はっ。 斥候が確認しました」

秋蘭「結果、あの連絡文書に書かれた移動経路、補給経路などほぼ一致しておりました」

 

桂花「その補給経路から奴らの本拠地を割り出しました」

桂花「また本拠地内に張角達三人の確認も取れています」

 

春蘭「おおっ! では奴らの本拠地を直接叩けるということかっ!!」

 

<パンッ!>

 

桂花の言葉に春蘭が掌を拳で叩く。

 

秋蘭「しかし、何というか……張角達が歌っているのを皆で取り囲んで聞いていて」

秋蘭「異様な雰囲気を漂わせていたとか」

 

春蘭「歌だと? 奴らは宴の最中だとでもいうのか?」

 

秋蘭「宴とは少々違うようだ。 歌っている三人を応援しているように見えたそうだ」

 

春蘭「ますますわからん……」

 

華琳「(普通はそうでしょうね……ただ歌を聴いているだけなんて信じられないもの)」

 

凪 「(あれは実際見てみないとわからないだろうな……)」

 

桂花「何かの儀式なのかしら?」

 

秋蘭「もしかしたら士気高揚のための儀式なのかもしれん」

 

一刀「……"ライブ"みたいだな」

 

春蘭「"らいぶ"?」

 

一刀「俺の居た世界じゃ大人数で歌い手の歌を聴く集会みたいなものがあるんだ」

一刀「歌い手の人気にもよるけど千人や万人が集まることもあったよ」

 

春蘭「万人に歌を聞かせる術があるのか!?」

 

一刀「この世界じゃ無理だけどね。 俺も原理を知ってるわけじゃないし」

 

華琳「そこまでになさい」

華琳「奴らが何をしていようが構わないわ」

華琳「一箇所に留まっているのなら、今が好機」

華琳「この不毛な争いをこの戦いで終わらせる!」

 

全員「御意っ!!」

 

 

 

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曹操軍が黄巾党の本拠地周辺に到着し、

再度確認を行うと黄巾党の総数は30万ほどに膨れ上がっていた。

 

真桜「まぁそのうちまともに戦えるのなんて4、5万くらいのもんやで」

真桜「武器も食料も足りてるようには見えんし」

真桜「内輪モメなんかもしてたから指揮系統なんてあってないようなもんやろ」

 

偵察に行っていた真桜が簡潔に報告をする。

 

真桜「なんでこんな数だけの奴らに官軍は苦戦したんかわからんわ」

 

先日の戦、官軍がようやく重い腰を上げ黄巾党の討伐に乗り出したことを思いだして言う。

曹操軍が駆けつけたときにはすでに官軍の戦陣は崩壊し、本隊は逃げ出している始末。

残った兵は殿をさせられているのにも気付かず、

ただ"その場を死守せよ"との命に従うだけという酷いものだった。

 

凪 「言うな、真桜」

凪 「官軍は官軍。 私達は私達だ。 私達は華琳様を信じて戦えばいい。」

 

真桜「そうやな」

 

凪 「よしでは予定通りの作戦を開始する」

 

季衣「了解〜!」

 

凪 「許緒隊と李典隊は左翼から」

凪 「于禁隊、楽進隊は右翼から各個撹乱を開始」

凪 「本隊到着後、合流しそのまま攻撃を続行する」

 

凪 「ただし張三姉妹は生け捕りにせよ!」

 

凪 「総員戦闘開始っ!!!」

 

兵 「「「おおおおおおおおっ」」」

 

 

 

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華琳「あなたの北郷隊うまく動いているじゃない」

 

一刀「ああ……、凪が指揮を執ってるからな。 俺は何もしてないよ」

 

華琳「それでも凪達はあなたを支えにして一つに纏まってるわ」

華琳「部下に慕われる……それも上に立つ者には必要な資質よ?」

 

一刀「慕われてるねぇ……凪はまだしも、真桜や沙和にはたかられてる気がするけど」

一刀「でもいいのか? 俺はここにいて」

一刀「支えになってるっていうのなら俺も前線にいたほうが良くないか?」

 

華琳「あら、私の隣にいるのは嫌?」

 

そう言い、一刀に艶やかな目線を送る。

 

一刀「うっ。 い、嫌じゃないけどさ」

一刀「皆が戦ってるときに俺だけ呆けてるのがさ……」

 

華琳「まぁ、隣にいるだけなのは冗談として」

華琳「(隣にいてくれれば心配しなくて済むのだけどね……)」

 

一刀「?」

 

華琳「こほん」

華琳「一刀には他にやってもらいたいことがあるのよ」

華琳「その為に残したの」

 

一刀「やって欲しいこと?」

 

華琳「時がきたら説明するわ」

華琳「おそらくあなたが一番適任だろうから」

 

一刀「? 了解」

 

 

 

 

 

一刀「……そのまま待機で終わるとかないよな?」

 

華琳「どうかしらね……ふふふ」

 

一刀「……」

 

 

 

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開戦から数刻後、曹操軍は桂花の予想以下の被害で黄巾党を制圧していく。

始めは数の違いから多少の苦戦が予想されていたが、

どこから嗅ぎ付けたのか曹操軍とは反対側から袁紹軍が、

 

「おーほっほっほっほっほっ! 華琳さんだけに手柄を立てさせるワケには参りませんわ!」

 

と現れ、奇しくも挟撃する形になったためであった。

 

華琳「あのバカの鼻の良さには感服するわね……」

華琳「まぁこちらの被害が少ないのは良いことだし」

華琳「(気になるのは以前は麗羽が現れることはなかった……)」

華琳「(黄巾党の数も段違いなこと……)」

華琳「(これは以前のような糧食を焼くことがなかったことが原因かしらね)」

華琳「(まぁここで張三姉妹を保護できれば変わりはないハズ)」

 

華琳「そろそろかしらね……一刀っ」

 

一刀「んっ。 どうした?」

 

華琳「一刀、連れてきて欲しい者達がいるのだけど」

 

一刀「いいけど、秋蘭か? さすがに最前線の春蘭はキツイぞ?」

 

華琳「あの二人ではないわ」

 

一刀「じゃあ誰だ?」

 

華琳「張角達三人よ」

 

一刀&桂花「!?」

 

桂花「か、華琳様? いくらこいつがいらない男だとしてもそんな大役を申し付けるなんて……」

 

華琳「あら? 一刀のことが心配?」

 

桂花「!? ななな何で私がこんな奴を心配する必要があるのですかっ!!」

 

一刀「それに春蘭や秋蘭が捕まえて来るんじゃないか?」

 

華琳「おそらくあの砦にはもう三人はいないわ」

 

桂花「なぜそうお考えになるのでしょうか?」

 

華琳「この戦闘は彼女達の本意ではないからよ」

 

桂花「どういうことですかっ!?」

 

華琳「季衣や一刀の話だと彼女達は元はただの旅芸人」

華琳「ただ人気を集めようとしただけで騒ぎを起こすつもりはなかった」

華琳「取り巻きが多くなりすぎて制御しきれなくなったというのが現状でしょう」

華琳「もちろん騒ぎを起こした者達は罪人だけど」

華琳「制御できなかった側にも罪はあるでしょうけどね」

 

一刀「……」

 

華琳「だから三人は自分達だけか、もしくは側近のみを連れて逃げ出すハズ」

華琳「それを見つけてここに連れて来なさい」

華琳「少数の黄巾党程度の敵なら問題ないでしょう?」

 

一刀「了解。 じゃあ本隊から少し兵を借りていくぞ」

 

華琳「桂花、準備してあげなさい」

 

桂花「……御意」

 

 

 

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天和「れんほーちゃーん……おねーちゃんもう走れないよう〜」

 

人和「天和ねーさんもう少し頑張って」

人和「もう少し離れれば、たとえ見つかっても言い逃れできるから……」

 

地和「はぁ〜これでまた振り出しかぁ……」

 

人和「これでよかったのかも知れないわ」

人和「あの人達いろいろな村を襲っていたようだから……」

人和「でもここで討伐されれば大人しくなるでしょう」

 

天和「ちぃちゃ〜ん〜、おねーちゃん疲れたよぅ〜」

 

地和「もうっ! 少し我慢してよっ!! ちぃだって疲れてるんだからっ!!」

 

人和「ちぃねーさんも少し静かにして。 見つかってしまうわ」

 

 

<ガサガサッ>

 

 

人和「!!」

 

地和「……もしかして見つかちゃった?」

 

 

<ガサガサガサッ>

 

 

茂みを掻き分けて出てきたのは黄色い布を巻いた三人の男。

 

人和「(巻いたと思ったのに……)」

 

地和「(どうするのよ〜)」

 

天和「?」

 

男1 「※△□※※▽……」

 

天和「なーに?」

 

男2 「張三姉妹には……」

 

地和「何なのよっ!!」

 

男3 「張三姉妹には"死"をっ!!」

 

張三姉妹「!? きゃ、きゃあーーーーーっ!!」

 

 

 

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??「きゃあーーーーーっ!!」

 

一刀「悲鳴!? こっちか!!」

 

兵 「北郷様どこへっ!」

 

一刀「張角達も気になるけど、救える者は救いたい!」

 

兵 「し、しかし、曹操様の命は……」

 

一刀「責任は俺がとる! 行くぞっ!!」

 

兵 「は、はいっ!!」

 

 

 

一刀が全速力で声のしたほうに向かうと茂みを出て少し開けた場所に出る。

そこでは薄紫の髪の女の子に剣を振り下ろそうとする黄巾党の男がいた。

 

??「駄目ぇっ!!」

 

薄紫の髪の女の子に剣が振り下ろされる瞬間、

別の女の子が飛び出して薄紫の髪の子を庇う。

 

??「人和! 天和ねーさんっ!!」

 

<ザシュッ>

<ドサッ>

 

薄紫の髪の子を庇った天和と呼ばれた桃色の髪の子が倒れこむ。

 

??「いやぁっ!! 天和ねーさん! お姉ちゃんっ! お姉ちゃんっ!!」

 

天和「……」

 

人和と呼ばれた子が天和の体を揺するがグッタリとしてまったく反応しない。

 

 

一刀「おまえらーっ!!」

 

一刀が剣を抜き手前にいた大男に斬りかかる。

 

大男「おおおおおっ!!」

 

<ガキィン!! パキィィン!!>

 

しかし大男の持つ大剣にあっさりと折られてしまう。

 

一刀「くっ! (頼むっ! 抜けてくれっ!!)」

 

折られた剣を捨て、お守りにと持ってきていた九字兼定に手をかける。

すると、今まで抜けなかったのが嘘のように九字兼定が鞘からその蒼銀に輝く刀身を現す。

 

一刀「! よし、これなら!」

 

大男「がぁぁぁぁぁっ!」

 

再度大男が大剣を振り上げ一刀に斬りかかる。

 

一刀「こんのぉーーーー!」

 

<ガキィ>

 

「<****>」

 

一刀の目の前で刃と刃がぶつかり合った瞬間一刀の中で声がする。

 

「<万物全て……絶ち斬れ……>」

 

一刀「!!」

一刀「絶ち斬れぇぇぇぇっ!!」

 

一刀が気合とともに九字兼定を振り抜く。

 

<ズ   バァッッッッ!!!>

 

その斬撃は大剣を斬り、それを持つ大男も両断し、

さらには空に浮かぶ雲すらも一文字に斬り裂く。

 

一刀「は……?」

 

その威力に放った一刀すらも唖然とする。

 

男 「がああああっ!!」

 

その隙を突くかのように残った二人が獣のような雄叫びを上げながら一刀に襲い掛かる。

 

一刀「っと! せいっ!!」

 

<ザシュッ! ザシュッ!!>

 

<ドサッ>

 

男 「ぐおおおおっ!!」

 

一刀「浅かったかっ!?」

 

一人は倒すも、もう一人の黄巾党が再度一刀に襲いかかる。

 

兵 「北郷様っ!!」

兵 「食らえぃっ!!」

 

<ドスッ!!>

 

遅れて到着した桂花が副将としてつけてくれた男が黄巾党の一人を一突きにし、

その勢いのまま近くの木に槍ごと男を磔にする。

 

一刀「すまん、助かったよ……あれ?」

 

輝きが薄くなり、そして斬った相手の血糊すらついていない九字兼定を見て、

首を傾げながら鞘にもどす。

 

副将「いえ、荀ケ様に申し付けられておりましたから」

 

一刀「一応心配はしてくれてたみたいだな」

一刀「じゃあ、全周警戒。 このあたり一体に不審人物がいないか確認してくれ」

 

副将「了解しました!」

 

 

 

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一刀「っと、怪我人がいるんだった!」

一刀「大丈夫かいっ? ……って、あれ?」

 

人和「おねーちゃん……おねーちゃん……」

 

地和「ちょっと天和ねーさん冗談やめてよ……返事してよ……」

 

人和と青い髪の女の子が天和に縋りつき泣いている。

 

一刀「……なぁ。 ちょっといいかい?」

 

地和「なによっ!!」

 

人和「ねーさんが死んだのにまだ私達に何かするつもりですか!?」

 

二人は錯乱しているのか一刀に対して怒りに満ちた視線を向ける。

 

一刀「う……。 まぁ落ち着いてくれよ」

 

地和&人和「落ち着けないわよっ!!」

 

一刀「……だってその子生きてるよ?」

 

地和&人和「えっ!?」

 

一刀に言われ、もう一度二人が天和を見る。

 

天和「すぅーすぅー、ん……もう食べられないよぅ……ムニャムニャ……」

 

地和&人和「……」

 

<ビビシッ!!>

 

二人が天和の頭に手刀をいれる。

 

天和「痛っ!! うぅー……痛いよぅ〜」

 

地和「はぁ〜心配して損した」

 

人和「でも斬られたのにどうして?」

 

天和「え〜とっ……」

 

天和が懐を探ると鞘に入ったまま真っ二つになった小刀が出てくる。

 

人和「小刀が盾になったから傷が浅かったのね……でも何で小刀なんか」

 

天和「ん〜、だって私お姉ちゃんだもん。妹を守るのは当然でしょう?」

 

地和「ねーさん……」

 

一刀「まぁ無事でよかったよ、俺は北郷一刀。 君達は?」

 

人和「先ほどは取り乱してしまい申し訳ありませんでした」

人和「私は……人和と申します。 助けて頂いてありがとうございます」

 

天和「私は天和! よろしくね、カッコいいおにーさん♪」

 

地和「……地和よっ!」

 

一刀「それ真名だよね? いいのかい?」

 

地和「それは……」

 

人和「いろいろ事情がありまして……」

 

一刀「(もしかしてこの子達が……三人姉妹みたいだし)」

 

副将「ほっ! 北郷様っ!!」

 

一刀「ん?」

 

副将が指差す方を見ると、

先ほど斬った男達の遺体が砂となり崩れていく。

 

一刀「なっ!?」

 

人和「なにこれ……」

 

天和「ちぃちゃん、おねーちゃん怖いよぅ」

 

地和「ちょっとねーさん! ちぃに抱き付かないでよ〜」

 

一刀「なんだったんだ一体……」

 

 

 

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**「ふむ……、前回夏侯姉妹を始末できませんでしたからね」

**「彼女達の影響力は捨て置けないゆえ、張三姉妹ならと思いましたが……」

 

**「しかし、北郷一刀……あの力は一体……」

 

 

 

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一刀「とりあえず傷の手当もしないと……ウチの陣に来ないかい?」

 

人和「北郷さんの陣というと……」

 

一刀「曹操軍の陣だね」

 

地和「曹操っ!? あ、様……」

 

天和「ちぃちゃん、れんほーちゃん、行こう」

 

地和&人和「ねーさん!?」

 

天和「北郷さん良い人だもん! きっと大丈夫っ!」

 

地和「でも……」

 

人和「ちぃねーさん。 北郷さんと一緒に行きましょう」

 

地和「人和までっ!!」

 

人和「ねーさんの手当てもしてあげたいし……さっきみたいなことになったら私達だけでは……」

 

地和「……わかったわ」

 

天和「じゃあよろしくね! 北郷さん!」

 

地和「変なことしたらただじゃおかないんだからねっ!」

 

人和「すいません……よろしくお願いします」

 

一刀「(あんまり人目に付かないほうがいいな)」

一刀「ん、了解。 じゃあ、あとは任せる」

一刀「この森を捜索して怪しい者が見つからなかったら戻ってくれ」

 

副将「了解しました! 北郷様もお気を付けて」

 

 

 

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陣に向かう途中天和は一刀にいろいろなことを話し掛け、

地和は警戒するように一刀を睨み付ける中、

人和ずっと黙っており、何かを考えているようだった。

 

人和「……」

 

天和「? どうしたの? れんほーちゃん」

 

人和「……北郷さん。 先ほど誰かを捜索していると言っていましたよね」

人和「差し支えなければ誰を探していたのか教えていただけないでしょうか」

 

一刀「張三姉妹っていう今回の戦の中心人物だよ」

 

地和&人和「っ!!」

 

天和「私達が起こした戦いじゃないもんっ!!」

 

地和&人和「天和ねーさんっ!?」

 

一刀「やっぱり君達が張三姉妹だったんだね」

 

地和「気付いてたの?」

 

一刀「多少は。 あんな場所にいて名を言えずに真名を教える三姉妹なんていったらね」

 

人和「そうですか……」

 

天和「♪〜〜」

 

地和と人和は自分達の正体がばれていたことに落ち込むが、

天和は我関せずといった感じで一刀の腕に抱きついていた。

 

一刀「///// あ、あのさ張角さん……(あたってるんですけど)」

 

天和「天和でいいよ〜♪ さっき助けてくれたし〜♪ 私も一刀って呼ぶから♪」

 

地和「ねーさん! こいつ私達のこと処刑するつもりなんだよっ!!」

地和「なんで仲良くしてるのよっ!!」

 

人和「……」

 

天和「一刀〜、私達処刑されるの?」

 

一刀「そんな話は聞いてないな。 俺は連れて来いって言われただけだし」

一刀「それに華琳……曹操は君達の事情にも気付いてたみたいだしね」

 

人和「えっ!?」

 

一刀「君達の本意で起こした戦いじゃないから逃げ出すだろうって言われて探しにきたんだよ」

一刀「罰則はあるかもしれないけど、処刑されることはないと思うよ」

 

天和「ほら〜♪」

 

地和「でも罰があるって……」

 

人和「私達が起こした戦いではないと知りながらですか?」

 

一刀「君達が起こした戦いじゃなくても、君達を支持した者が起こした戦いだろう?」

一刀「なら君達にも責任はあるんじゃないかな」

 

天和「たしかにちーちゃん"大陸獲るわよ〜"とか言ったもんね」

 

地和「ちょっ!? 私だけ!? ねーさんだって……」

 

人和「たしかに私達がもっと言い聞かせていれば起こらなかったかもしれませんね……」

 

一刀「まぁ起こったことを悔やんでも仕方ないさ」

一刀「それよりもこれからどう世界に貢献するか……じゃないかな」

一刀「君達の歌で」

 

地和「また歌えるのっ!?」

 

一刀「それを決めるのは華琳……曹操だけど」

一刀「また歌えるよう俺からも進言してみるよ」

一刀「まぁ当分は曹操の治める土地のみとか監視付とかになると思うけどさ」

 

人和「それでもまた三人で歌えるのなら……」

 

天和「私も二人と一緒に歌えるなら我慢するよ〜」

 

 

 

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桂花「華琳様。 残念ながら北郷が三人を捕らえて帰って参りました」

 

華琳「そう、ではその三人も一緒にここに呼びなさい」

 

桂花「はっ」

 

桂花が心底残念そうに報告した後、天幕を出て行く。

 

華琳「無事に保護することができたわね……」

華琳「雲が割れたときは何事かと思ったけど」

 

一刀「華琳? 入るぞ」

 

華琳「ええ。 入りなさい」

 

天幕の入り口をくぐって一刀が入ってくる。

 

華琳「一刀、お疲れさ……ま……」

 

天和に腕を抱えられたままの一刀を見て華琳の気が変わる。

 

華琳「それはどういうことかしら……一刀?」

 

桂花「変態欲情男、死ねばいいのよ」

 

一刀「て、天和! 腕離して……」

 

天和「ええ〜やだ〜。 私一刀のこと気に入っちゃったし〜♪」

 

華琳「……(怒)」

 

一刀「(や、やばい……) ほ、ほら! 曹操様の前だからさ」

 

地和「そうよっ! ねーさんばっかりズルイっ!!」

人和「そうよ、天和ねーさん。 失礼のないようにしなきゃ」

 

地和と人和が同時に声を上げるが、内容は合わない。

 

天和「一刀はおねーちゃんが先に目をつけたんだもん」

天和「ちーちゃんにはあげないよ〜」

 

地和「むかぁっ!! ちょっとおねーちゃんっ!!」

 

人和「ちょっとねーさん達、静かにしてっ!」

 

華琳「……(怒)」

 

桂花「(ニヤニヤ)」

 

一刀「(どうしたらいいんだよ……)」

 

 

華琳「静まれっ!!!」

 

 

<ビクゥッ>

 

 

華琳「あなた達が、張三姉妹ね」

華琳「あなた達の内情は大体理解しているつもりだけど」

華琳「これからあなた達の処遇を決めるわ」

華琳「その処遇を断るのなら朝廷に差し出すから、そのつもりで聞きなさい」

 

張三姉妹「……」

 

それを聞いてさすがの天和も一刀の腕を離し、地和と人和と並んで立つ。

 

 

華琳「それと"それ"は私のものだから」

華琳「私の許可なく所有権を主張するのは許さないわ」

 

 

 

天和「え〜……」

 

地和「横暴よっ!!」

 

人和「はぁ……ねーさん達静かにして」

 

桂花「変態、死ねば?」

 

一刀「物扱いですか……」

 

 

 

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華琳が三人に言い渡したことは、

曹操軍に協力し、徴兵のために国を回ること、

定期的な音楽活動による軍への慰安、民への娯楽提供を行うこと。

その活動のための護衛等は軍で行うため、

活動範囲は当分の間は華琳の治める国に限定されることなどだった。

 

護衛や活動範囲など多少不満もあるようだったが、三姉妹はこれを了承した。

 

地和「歌える場所が限られるのは嫌だけど……まぁしょうがないわね」

 

人和「定期的な活動を許可して頂けるのなら、一定の収入も望めるわ」

 

天和「護衛は一刀がいいなぁ♪ 強いし、カッコいいし〜♪」

 

華琳「それは駄目」

 

天和「ちぇっ」

 

人和「ねーさん、曹操様に失礼よ」

 

地和「用が済んだら殺すとかないわよね?」

 

華琳「用済みになったら支援を打ち切るだけ」

華琳「でも用済みになる頃には大陸は私のものになっているのだから」

華琳「あなた達は大陸一の歌い手になっているのでしょう?」

華琳「せいぜい私の国を賑やかにしてくれればいいわ」

 

地和「……私達次第ということね。 面白いじゃない!」

 

天和「またみんなで歌って旅ができるね♪」

 

地和「今度こそあの太平何とかって本がなくても大陸一の歌い手になってみせるわよ!」

 

華琳「そういえば太平要術のこともあったわね……忘れていたわ」

 

人和「? 太平要術ですか?」

人和「あれなら本陣の天幕に置いてきてしまいましたが……」

人和「恐らくすでに灰になっているかと……」

 

華琳「つくづく縁がないようね、あの本には……」

 

一刀「探してこようか?」

 

華琳「不要よ」

華琳「その代わり、春蘭にあの陣にもう一度火をかけるように伝令を」

華琳「他の誰かに拾われてはまた同じ事態になりかねないから」

 

一刀「了解」

 

 

 

 

曹操軍の手により黄巾党の本陣に火が掛けられたことで、

張三姉妹の生死は闇の中となり、

諸侯を悩ませた黄巾党の乱は治められたのだった。

 

 

 

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あとがき的な

 

お久しぶりですorz

 

ずいぶん放置してしまいました……。

更新してない間も応援メッセージをたくさんいただき、

いつの間にやらお気に入りに登録して下さった方も1100人を超えるとは……。

いやはやありがたいです。

それにしてもこれだけ期間が空くと書き方忘れますねー(笑)

 

 

14話で黄巾党戦を終わらせました。

真・恋姫だと黄巾党本隊と戦う前に、

官軍と黄巾党の闘いに参戦していますが、

あれって雪蓮様と春蘭の繋がりを作るエピソードがないと、

すごく書きづらくて……。

一刀が最前線にでない以上、霞とも会わないし……。

華琳様が知ってて春蘭を暴走させることはないかなと思い外してしまいました。

 

ということで、次は反董卓編でしょうか。

苦手な戦闘パートです……。

1対1とかだとそうでもないのですが、

軍対軍とかだとまだ慣れませんねー。

 

 

ではでは、読んで頂ありがとうございました〜♪

 

説明
おひさしぶりですorz

やっと投稿できました…。
Re:TAKE本編の更新です。
黄巾党の乱…彼女達の登場です。

久しぶりの執筆なので、ちょいと緊張してますよーwww
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コメント
更新まだかなぁ。(迷い猫@翔)
後はあの二人か、はやくでてこないかな(sink6)
桂花がどストレートすぎて逆にすがすがしいなw(伏宮真華)
待ってましたー!華琳様はプチ嫉妬くらいが一番可愛いですよね。桂花はやっぱり純度100%のツンでなきゃ。(だめぱんだ♪)
桂花wwwオマッ本音本音!!ww(空良)
お待ちしておりました。 嫉妬華琳は大好きです。ペタかわいいです。前話の甘え?てるのも大好きですがw(よーぜふ)
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