真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第8.2話
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真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第8.2話

 

 

 

 

【桃香の日常生活】

 

「ん〜!今日も終わった〜」

 

一刀は背を伸ばしながら歩いていた

 

「愛紗は部活に行ったし、今日はのんびりと帰るかな」

 

一刀が廊下を歩いていると

 

『う〜ん、わからないよ〜』

 

「ん?今の声は……」

 

一刀は声が聞こえてきたであろう教室を覗くと桃香が机で本と睨めっこをしていた

 

「ん〜……これが、こうなって……あれ?違うかな〜」

 

桃香の顔は表情豊かに変わり、最後には

 

「もうだめーーー」

 

机に突っ伏していた

 

一刀は桃香の背後に立ち

 

「ははは、大変そうだね」

 

「!?きゃーーー!ちかーーん!」

 

「うぇぇ!?お、俺だよ!北郷一刀!」

 

「きゃーーっ!……え?一刀さん?」

 

桃香は片方の目を開けて確かめると一刀が苦笑いを浮かべていた

 

「あ〜、びっくりした」

 

「もう、びっくりしたのはこっちの方だよ〜。行き成り後ろから声かけられるんだもん」

 

「ごめんね、所で唸ってたようだけど、どうかしたのか?」

 

「あ、うん、勉強してたんだけどわかんなくなっちゃって」

 

「勉強って、学校の放課後に?家でやれば良いのに」

 

「うん、そうだんだけどね。なんていうのかな、ここだと落ち着いて勉強できるから。もう直ぐ試験だしね、赤点採らない様にしないと」

 

「あ〜……そう言えばもうそんな時期だったっけ」

 

一刀は壁にかかっているカレンダーを見てうなずいた

 

「そうだよ。これが終われば夏休みは目の前だよ!楽しみだね♪」

 

「そうだね。でも、その前に期末試験だけどね」

 

「ぶー、人が折角気分を盛り上げようとしてるのに、一刀さんって意地悪だよ」

 

桃香は頬を膨らませてぷいっとそっぽを向いてしまった

 

「そんな怒らないでくれよ。桃香ぁ」

 

「ふーんだ」

 

「桃香〜」

 

「……」

 

「桃香さ〜ん」

 

「そっか、嫌われちゃったな、わかったよ。もう、桃香とは会わないようにするよ」

 

「っ!?か、一刀さん!」

 

桃香は振り向くと目の前に笑顔の一刀が居た

 

「やっと振り向いてくれた」

 

「あ〜!騙したんですね!酷い!もう、本当にしりません!」

 

「あらら、本当に機嫌が悪くなっちゃった。せっかく、美味しいクレープ屋教えてもらったから一緒に行こうかと思ってたのに」

 

「クレープですか!行きます!もう早く言ってくださいよ、一刀さん!」

 

桃香は見る見るうちに机に広げていたノートと教科書、筆記用具を鞄に仕舞い、教室の入り口に立ち振り返ると

 

「一刀さん遅いですよ!早くクレープ食べに行きましょ〜♪」

 

桃香は上機嫌で一刀に手招きをしていた

 

「はいはい、今参りますよ。お嬢様」

 

一刀も入り口まで歩いていき一緒に下駄箱へと向かった

 

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桃香視点

 

「一刀さんまだですか?」

 

「確かここら辺って聞いたんだけど……あ!あそこだ」

 

一刀さんの指の指すほうを見るとほのかに甘い匂いが漂って来ました

 

「うわ〜すごい行列ですね」

 

「最近出来たばかりらしいからね。桃香はあそこのベンチで待ってて俺が買ってくるから」

 

「え、でも……」

 

「いいから、いいから、何がいい?」

 

「私チョコバナナがいいです!」

 

「了解。それじゃ、行ってくるよ」

 

「はい!行ってらっしゃい一刀さん」

 

「……」

 

一刀さんは手を振りながらクレープ屋さんの行列に並びに行きました

 

「楽しみだな〜♪」

 

私は近くにあったベンチに座り、一刀さんがクレープを持ってくるのを今か今かとワクワクしながらまちました

 

「これって、なんだかデートしてるみたいだよね♪きゃー!なに言ってるんだろ私!」

 

私は頬に両手を当てて首を振りながら思いました

 

ああ、一刀さんが本当に彼氏だったらいいのにな

 

確かに一刀さんには彼女は居ないみたいだけど、上級生の雪蓮さんや優未さん、同級生の琳さんに愛紗ちゃんと一刀さんのことが好きな人が一杯です

 

「でも、一刀さん全然気づいてくれないんだよね〜」

 

言葉で好きだと言ってみても

 

『俺も皆のことが好きだよ』

 

って、見当違いなこと言っちゃうし、乙女心がまったくわかって無いよ一刀さんは

 

「でも、そう言うところが一刀さんらしくていいんだよね、ふふふ」

 

女の子の列の中一人だけ並んでいる一刀さんを見て微笑んでいると

 

「っ!?」

 

「えへへ♪」

 

一刀さんが手を振ってきたので私も振り返した

 

「一刀さんって優しいよね、なんであんなに優しくなれるんだろ」

 

「まったくね、おかげでこっちは苦労しっぱなしよ」

 

「え?」

 

私の独り言に返事が返ってきてびっくりして振り返ったら琳さんが居ました

 

「琳さん、どうしてここにいるんですか?」

 

「ちょうどあなた達が公園に入っていくのが見えたのよ」

 

残念だけど一刀さんとのデートはここまでになっちゃいました

 

「安心なさい。一刀とのデートを邪魔するつもりは無いわ。私も用事があるから直ぐに居なくなるわ。」

 

「ふえ!?なんでわかったんですか?!」

 

「あなたの考えそうなことよ」

 

「うぅ〜」

 

琳さんは相変わらず鋭いな〜

 

「琳さんはこれからどこかに行くんですか?」

 

「ええ、夏休みに旅行に行こうかと思ってね。その為の買い物よ」

 

「ふぇ〜、今から買い物するんですか?夏休みまでまだ2週間くらいありますよ?」

 

「そうね、でも、旅行前日になってばたばたしては意味が無いのではなくて?」

 

「な、なんで私の顔を見ていうんですか?」

 

「別に?なんとなくよ」

 

「な、なんとなくですか……は、ははは」

 

うぅ〜〜!琳さんもしかして私の生活観察してそうで怖いです

 

「あなたの家なんて別に監視して無いから安心なさい」

 

「わ、私の心の中を読まないでください!」

 

「ふふふ、あなたがわかりやすいだけよ。それじゃ、もう行くわね」

 

琳さんはそのままデパートのある方へと歩いてきました

 

「……琳さん、恐るべし」

 

「?なにが恐るべしなんだ?」

 

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「ひゃ!か、一刀さん!なんでもないですよ」

 

「そう?はい、チョコバナナ」

 

「ありがとう!あ、お金」

 

「そんなのいいよ」

 

「え、でも……」

 

「いいからいいから、あむ……ん〜美味しい!桃香も食べなよ!」

 

「う、うん、はむ……あま〜い!美味しいね!」

 

「ああ、人気なだけあるな」

 

「うんうん♪はむ……ん〜!チョコとバナナは相性が良いよね!」

 

幸せ〜!やっぱり甘いものはやめられないよね!

 

「桃香のも美味しそうだな。一口いいか?」

 

「え?うんいいよ!はい!」

 

「あむ……うん、チョコバナナも美味しいな。はい」

 

「え?」

 

「桃香の貰ったから俺のも一口良いよ」

 

え?え?こ、これってか、間接だよね?ええええ!?

 

「どうしたの?」

 

「え?!な、なんでもないよ!そ、それじゃ……あむ」

 

「どう?」

 

うえ〜〜ん、緊張しちゃって味がわからないよ〜

 

「お、美味しいね」

 

「だよね!あむ」

 

「あ〜〜〜〜っ!」

 

「え?ど、どうしたの?」

 

「なんでもないよ!」

 

か、一刀さんが私の食べた所を……

 

一刀さんは不思議そうにしてたけど気にしないでそのままクレープを食べ始めた

 

「あむ……」

 

う〜、味がわからなくなっちゃったよ……あれ?そう言えば一刀さん私のクレープも……っ?!

 

「うひゃ〜〜〜〜〜〜!」

 

「うわ!ど、どうしたの、急に立ち上がって」

 

「え、ええ、なんでもないよ……そうだ!私飲み物かって来るね!」

 

「なら俺が行くよ」

 

「いいの!私が行くから!か、一刀さんはここで待っててね!」

 

私は一目散に自動販売機へと走って行っちゃいました

 

うぅ〜〜顔が真っ赤になってないかな。恥ずかしい!

 

「はぁ〜……一刀さん、私のこと変な娘って思われなかったかな」

 

私は自動販売機で缶ジュースを二本買い一刀さんが待っていてくれるベンチへと向かった

 

「あれ?あそこに居るの桃香じゃない?お〜い!」

 

「え?……あ、優未さん」

 

途中で優未さんに声をかけられました。どうやら今日は雪蓮さんとは一緒じゃないみたいです

 

「桃香なにしてるの?」

 

「はい、最近出来たクレープ屋さんに来ました。優未さんはどちらへ?雪蓮さんと一緒じゃないんですか?」

 

「雪蓮も居るよ。今、そのクレープ屋に行こうとしてて二人で場所探してたんだよね」

 

「そうだったんですか。あ、一刀さんも居ますよ」

 

「本当?!一刀君も居るんだ!よ〜し、早く行こう!」

 

「え?あ、あの雪蓮さんはいいんですか?」

 

「そんなの後々!まず一刀君だよ!」

 

あ、あれ?私もしかして大変なこと言っちゃったかな?

 

「ところで、クレープ屋どっち?」

 

「あ、ははは……こ、こっちです」

 

私は苦笑いを浮かべながら優未さんを案内した

 

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「ここがそうですよ。優未さ、ん……あれ?」

 

いつの間にか後ろに居た優未さんは居なくなっていました

 

「か〜ずとく〜ん!」

 

「あれ、優未じゃないか、どうしたんだ?こんな所に」

 

「それはね〜。一刀君を食べに来たんだよ!」

 

「はい?!」

 

「にゃっはっは〜♪冗談冗談、クレープ食べに来たんだよ」

 

「そ、そうだよね。そんなわけ無いよね」

 

「ははは、そんなの当たり前だよ〜〜〜。……半分本気だけどね」

 

「ん?何か言った?」

 

「ううん!なんでもないよ〜」

 

……私にはちゃんと聞こえましたよ。一刀さんを食べさせませんよ!……ん?なんか後ろが寒いです

 

「ひっ!し、む〜〜〜!」

 

雪蓮さんが据わった目で私の口を押さえてきました。なんだか怖いです!ひ〜〜〜ん!

 

「少し、黙ってなさい。桃香」

 

(コクコクコクッ!)

 

もう、全力で頷きました。だって怖いんだもん

 

雪蓮さんはそのまま一刀さんと優未さんが居る方へと歩いていっちゃいました。一刀さん逃げて〜〜〜〜!

 

(ガシッ!)

 

「はぁ〜い、優未?随分と楽しそうね」

 

「ひゃ!し、雪蓮!?」

 

「あれ?雪蓮も居たんだね」

 

「ええ、優未から聞いてなかった?」

 

「え?うん、なんか優未に俺を食べにきた!なんて冗談言われてたところだよ」

 

「ちょ!一刀君それは!……はっ!」

 

「あらそうなの?私のことをほったらかししておいて、ね〜」

 

「あ、あの雪蓮?その〜〜、左肩が痛いんだけどな〜〜?」

 

「あら、ごめんなさいね、一刀」

 

「え、なに?」

 

「優未とクレープ買ってくるから待っててね♪」

 

「あ、うん。わかったよ」

 

「それじゃ、優未行きましょ。お話しもかねて、ね」

 

「ひ〜〜〜ん、冗談だったのに〜〜〜〜」

 

「……雪蓮どうしたんだ?」

 

「あ、あはははは、どうしたんだろうね」

 

優未さんは雪蓮さんに引きずられて行列に並びに行ったけど大丈夫かな?それにしても……

 

「ん〜!美味しかったな。クレープ」

 

一刀さんってどれだけ鈍感なんだろ?

 

「そうだね。……ねえ、一刀さん」

 

「ん?何」

 

「一刀さんにとって私「あ、ごめん、ちょっと待ってて」え?」

 

一刀さんは立ち上がりそのまま歩き出しちゃいました

 

もう、折角勇気をだして聞こうとしたのに!一刀さんのバカ……あっ

 

「どうしたんだい?ほらほら、泣いてちゃ判らないよ。はい、これで涙拭いて」

 

一刀さんは泣いている女の子に近づいていきました。迷子になっちゃったのかな?

 

一刀さんはそのまま頭を撫でていつもの笑顔でお話してるみたいでした

 

「やっぱり、一刀さんはやさしいな……」

 

「そうね、だから好きになったのよね」

 

「でも、本人はまったく私たちの事わかって無いけどね」

 

いつの間にか雪蓮さんと優未さんがクレープを買って戻ってきていました

 

「なんであんなやつを好きになっちゃったのかしらね」

 

「そうですね……きっと、誰にでも優しいからじゃないですかね」

 

「……そうかもね。でも、あなた達には負けないわよ」

 

雪蓮さんは獲物を見るような目で一刀さんを見ると

 

「っ?!」

 

一刀さんは何かを感じ取ったのかあたりをキョロキョロと見回していました

 

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「あ、見て見て!あれあの子のお母さんかな?」

 

「そうみたいね。見つかってよかったわね」

 

「そうですね。一人ぼっちは寂しいもんね」

 

一刀さんは女の子に手を振りながら笑っていました。女の子もお母さんと手をつないで一刀さんに手を振り返していました

 

「ごめんごめん、それでなんだっけ桃香」

 

「ううん、なんでもないよ!」

 

「え?」

 

一刀さんは首を傾げました

 

「ふふふ、一刀は天然の女たらしってことよ」

 

「ええ!そんな事無いと思うけどな。だって俺告白とかされたことないんだぞ?」

 

「「「……はぁ〜」」」

 

「え!な、何三人して溜息なんかつくんだよ」

 

やっぱり気づいて無いみたいです。あんなにアタックしてる娘が居るのに本人はまったく気づいて無いんだから。まあ、私も気づいてもらえてない一人なんだけどね

 

「一刀はやっぱり一刀ってことよ」

 

「?よくわからないけど」

 

「わからなくていいんだよ。私達がわかってればね」

 

「そうですね。一刀さんは一刀さんですもんね」

 

「なんだよ。教えてくれよ」

 

「だ〜め、ほら一刀!あ〜ん!」

 

「ええ!?ここでするの?!」

 

「そうよ。なに恥ずかしがってるのよ」

 

「そうだよ〜。雪蓮の次は私のなんだからね」

 

「ええ!?」

 

さっきはあんなに大胆に私の食べたのに何が違うのかな?

 

「一刀さん、さっき私と食べ比べしたじゃないですか」

 

「なんですって!」「なに〜〜〜〜!」

 

あ、あれ?私、今言っちゃいけない事いったかな?

 

「ちょっと!桃香のは食べれてなんで私のは食べれないわけ!」

 

「それより食べ比べってどういうことかな一刀君!ちゃんと説明してよ!」

 

「いや、だからね?桃香のが美味しそうだったから一口貰おうと」

 

「だったら私のも美味しそうでしょ!だから食べなさい!」

 

あ、それ私が食べてたチョコバナナだ

 

「雪蓮が食べてるのはさっき桃香が食べてたからもう食べたよ」

 

「なら私のはどうよ!美味しそうでしょ!」

 

今度は一刀さんが食べてたイチゴカスタード……

 

「そ、それはさっき俺が……」

 

「「むきーーーー!良いから食べなさい!」」

 

「むがぁぁぁ!」

 

「か、一刀さん!」

 

一刀さんの口にチョコバナナとイチゴカスタードのクレープが無理やりねじ込まれちゃいました

 

「あわわ、どうしよう!どうしよう!」

 

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「ん?どうしたのですか?桃香さま」

 

「あ、愛紗ちゃん!お願い!雪蓮さんと優未さんを止めて!」

 

「は?……っ!一刀さま!おい!雪蓮殿に優未殿!止めるんだ!それでは、一刀さまが死んでしまうぞ!」

 

「へ?愛紗?……うわ!一刀、顔が真っ青だよ!」

 

「一刀君!しっかりしてそしてそのまま私のクレープ食べて!あいた!」

 

「何を言っているのだ!優未殿!冗談も過ぎるぞ!」

 

ちょうど部活帰りだったのか愛紗ちゃんが通りかかったおかげで一刀さんは窒息死しなくてすみました

 

「げほげほ……助かったよ愛紗」

 

「いえ、無事で何よりです。では、私はこのお二人に少々『お話』があるのでこれにて失礼します」

 

「いや〜〜、一刀助けて〜〜」

 

「一刀君!私だけでも助けて!」

 

「では、一刀さま、桃香さま、また明日お会いしましょう」

 

「うん!愛紗ちゃんもまた明日ね!」

 

「愛紗も気をつけてな!明日部活に顔出すから一緒に帰ろうな」

 

「はい!楽しみにしてます!では、これにて」

 

「こう見えても私達上級生なのよ。少しは労わりなさいよ〜〜〜」

 

「そうだ、そうだ!雪蓮の言うとおり私達を労われ〜〜〜!」

 

愛紗ちゃんは雪蓮さんと優未さんを無視して襟を掴んで帰って行っちゃいました

 

「愛紗ちゃん何か部活に入ったんですか?」

 

「あれ、知らないんだっけ?」

 

「はい」

 

「愛紗は俺と同じ剣道部に入ったんだよ」

 

「ええ!一刀さんと同じ!」

 

「ああ、不動先輩に気に入られたみたいでさ。愛紗すごい強いんだよ!」

 

む〜……なんだか面白くないよ。一刀さん愛紗ちゃんのことすっごい褒めてるんだもん!こうなったら……

 

(むに)

 

「あ、あの桃香?」

 

「うん?なに」

 

「う、腕にその……当たってるんだけど」

 

「え〜、何が?」

 

えへへ、一刀さん困ってる困ってる♪愛紗ちゃんのことばっかり話した罰だよ

 

私は別れるまで一刀さんの腕に抱きついたままでした

 

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「ふ〜……やっぱり一日の疲れを取るのはお風呂だよね〜」

 

私は浴槽に浸かり背伸びをする

 

「それにしても……一刀さんってどうしてあんなに鈍感なんだろ?」

 

「あそこまで迫られたら普通気づくと思うんだけどな〜」

 

でも女の子の気持ちはわからないくせに、変なところは直ぐに気づくんだよね

 

「まあ、そこが一刀さんの良いところなんだけどね〜」

 

「あ、そっか、琳さんも言ってたけどもう直ぐで夏休みなんだよね。そうなると一刀さんと会う機会がなくなっちゃうよ〜」

 

「そう言えば、愛紗ちゃん剣道部に入ったって言ってたよね」

 

「いいな〜、クラスの中だけじゃなくて部活でも一緒なんて」

 

……そっか!

 

「そうだよ!私も剣道部に入れば!一刀さんと一緒に居られるよ♪」

 

「うん!私って頭いい♪えへへ、よ〜し!明日、剣道部にいってみよ〜♪」

 

……うん、私には無理みたいです

 

翌日、放課後に剣道部に行って見たんですが

 

「み、みんな怖いよ〜」

 

「と、桃香?何しに来たんだ?」

 

「あ、一刀さ〜〜〜ん!うえ〜〜〜ん!私、無理みたいです!」

 

振り向くと一刀さんが立っていたので思わず抱きついちゃいました。えへへ、一刀さん暖かいです♪

 

「えっと、どういうこと?」

 

「あのね……」

 

私は剣道部に入部しようと思って見学に来たことを話しました。一刀さんと一緒に居たいからと言う事は言ってませんよ。だって恥ずかしいじゃないですか

 

「あ〜、確かに桃香じゃ無理かもね」

 

「そうですね、私には無理みたいです。でもみなさん、こんなに厳しいのに良く続きますね」

 

「そうだね、結構厳しいんだけどみんな良く続くよね」

 

「そう思うのなら北郷殿ももう少し真剣に部活動に励んで頂きたいものじゃの」

 

「あ、不動先輩!こんにちは、用ってなんですか?」

 

「うむ、そろそろそのギブスも外れるだろうと思ってな、特別にメニューを組んでやったぞ」

 

「え゛……マジですか?」

 

「うむ、いたって本気だぞ。隣の彼女にも良いところを見せてはどうじゃ?」

 

不動さんは私の方を見て微笑んできました。って、え?私が一刀さんの?

 

ええ〜〜〜!わ、私が一刀さんの彼女に見えてるんだ!えへへ♪うれしいな

 

『……』

 

あ、あれ?なんか剣道部員さんの人達の動きが止まって私のこと睨んでるんですけど

 

「ち、違いますよ!桃香は彼女なんかじゃないですから」

 

む〜、一刀さんったらそんなに否定しなくてもいいのに……心なしか部員の皆さんの睨みが無くなった様な気がします

 

「ふむ、まあ、北郷殿がそう言うのならそうなのじゃのうな。よかったの、皆のもの北郷殿はまだフリーのようじゃ!」

 

「「……っ!」」

 

部員の皆さんの顔が赤くなり一刀さんへ目線を向けてる人が沢山います

 

「これこれ、今は部活動中じゃぞ色恋ごとは終わったあとじゃ」

 

え、その一言で終わらせちゃうんですか?

 

「さて……おっと逃がさんぞ、北郷殿」

 

「さ、流石にこのメニューは勘弁してください!」

 

「ふむ、それを書いたのは私ではないのだがそんなに厳しいのか?」

 

「え?不動先輩じゃないんですか?」

 

「うむ、関殿が考えたものじゃ」

 

「……」

 

一刀さんが黙っちゃいました。私は横から練習メニューを見てみました

 

-----☆一刀さま特訓めにゅー☆-----

 

1.校庭500周

 

2.片手腕立て500回

 

3.片手素振り500回

 

4.片手懸垂500回

 

5.30分間よけ続ける

 

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……なんですかこれ?

 

「あ、あの一刀さん」

 

「え?なに?」

 

「これ一日で出来るんですか?」

 

「無理無理!出来るわけ無いよ!」

 

「ですよね。流石に500回は無理ですよね。一刀さんは怪我してるんだから100回が限度ですよね」

 

「いや、100回でもこれ全部はきついですから」

 

「ふえ?そうなんですか?」

 

特訓メニューについてはなしていると

 

「一刀さま!お待ちしました!」

 

愛紗ちゃんが剣道場にあらわれました

 

「では、どれからはじめましょうか。今日は初日なので一つだけにしましょう」

 

「え……じ、じゃあ、簡単そうな5番で」

 

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「ひーーー!あ、愛紗!タンマ!まじでやばいって!」

 

「何を言いますか!選んだのは一刀さまですよ!」

 

「あわ!あわ!か、一刀さん、大丈夫ですか!」

 

私は端で心配そうに一刀さんと愛紗ちゃんの特訓を見守っていました

 

「これが、うお!大丈夫な、おっと!ようにみえるか?!ぎゃーーー!」

 

わわ、喋りながらも避けてる一刀さん、すごいです。そしてなぜ剣道部なのに愛紗ちゃんは薙刀なのでしょうか?

 

「その調子です。一刀さま!」

 

「こ、こんなの、ひっ!30分も、あぶね!避けられるか〜〜〜〜〜!」

 

「はっはっは、良いぞ関殿!北郷殿の根性を叩きなおすのじゃ」

 

「はい!一刀さまもう少し本気を出しますね。はぁぁぁ!」

 

「ちょ!無理だから!うぉ!は、早くなった!だ、誰か助けてーーーーーー!」

 

なんだか、愛紗ちゃんは楽しそうです。それに比べ一刀さんは避けるので必死みたいです

 

「うん、やっぱり剣道部に入るのは止めよう」

 

「ん?なんじゃ、入部したかったのか?」

 

「はい、そうなんですど。あれを見てると私には無理かなって」

 

「まあ、あれは極端じゃがな。それでもあの攻撃を避けている北郷殿はすごいのじゃがな、本人は気づいておらんがな」

 

「あ、ならマネージャとかなら!」

 

「すまんが、うちにはマネージャといったものは無いのじゃ」

 

「そうですか。それは残念です」

 

「うむ、まあ、『北郷殿』の見学ならいつでも来てよいぞ。追っ払うのも面倒になってきたからの」

 

「は、ははは……」

 

苦笑いを浮かべるしかありませんでした

 

「と、とりあえずこれをなんとかしてくれ〜〜〜〜!」

 

「一刀さま!まだ15分も経っていませんよ!」

 

「ひっーーーーーーー!」

 

「あ、あのとりあえず止めなくて良いんですか?」

 

「うむ、面白そうだから放っておこうかの」

 

「そ、そうですか……一刀さん、ガンバですよ!」

 

「む、無理だーーーーー!」

 

そういいながら避けてる一刀さんはすごいと思います

 

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「ひ、酷い目に遭った……」

 

「お疲れ様です。一刀さん」

 

あの後、一刀さんは無事?愛紗ちゃんの攻撃を避けきりました

 

「うぅ〜、こりゃ明日筋肉痛になら無いように揉んでおかないとな」

 

「一刀さま!明日は二つほど挑戦してみましょう!」

 

「ま、まだ続けるの?!」

 

「当たり前です!腕が完治するまで続けますよ!」

 

「な、治ったら?」

 

「治ったら私との手合わせで鍛え上げます!一刀さまを不動殿とわたりあえる、いえ、勝つまでに鍛え上げて見せます!」

 

愛紗ちゃんはなんだか生き生きしています。それだけ一刀さんと一緒なのが嬉しいのかな

 

「うぅ〜、お手柔らかにお願いします……」

 

「お任せください!」

 

一刀さんは肩を落としてうな垂れちゃいました

 

「一刀さんがんばってください!私、応援しますから!」

 

「うん、ありがとう桃香」

 

「はう〜〜〜♪」

 

一刀さんに頭を撫でられちゃいました!えへへ、恥ずかしいけどとても気持ちが良いです

 

「う〜……私だって一刀さまの為に頑張っていると言うのに……」

 

「愛紗もありがとうね。頑張って愛紗の特訓についてこれるようにするからさ」

 

「は、はい!」

 

愛紗ちゃんも頭を撫でられて頬を赤くして照れちゃってます

 

「む〜、一刀さん私ももっと撫でてくださいよ〜〜」

 

「え、うん」

 

「えへへ♪」

 

「か、一刀さま、その私も……」

 

「あ、はいはい」

 

「〜〜♪」

 

む〜……

 

「一刀さん!」

 

「一刀さま!」

 

「お、俺、今片手しか使えないんですけど!」

 

「「なら同時に撫でてください!」」

 

「そんな無茶苦茶なーーーーーー!」

 

なんだかんだで色々ありましたけど、今日も一日とても楽しかったです

 

「これからも一刀さんと楽しく出来たら良いな」

 

「ん?なんか言ったか、桃香」

 

「ううん、なんでもないですよ!さ、帰りましょ、一刀さん!」

 

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葉月「ども〜!ダメダメシナリオライターもどき葉月です」

 

雪蓮「はあ〜い、世界の美少女!雪蓮ちゃんでーーーす!」

 

葉月「誰が世界のび、ぶほぉ!」

 

雪蓮「は〜い、葉月は放って置いて今回の主役!桃香よ!」

 

桃香「は〜い!天然のどじっ子、桃香です!……って誰がどじっ子ですか!それに天然って!」

 

雪蓮「あら、まさにあなたの為にある肩書きじゃないかしら」

 

桃香「酷いです!私はそんなドジじゃないです!」

 

雪蓮「あらそうなの?なら、あそこまで走って戻ってきて頂戴」

 

桃香「?わかりました!行きますよ!」

 

雪蓮「……本当に行っちゃったわ」

 

葉月「雪蓮、酷いですね」

 

雪蓮「だってだって〜、今回のお話、私いいところなかったんだもの!」

 

葉月「良いじゃないですか、来週は雪蓮が主役ですよ。と、言いますかこのお話はあなたが主役少しは控えてください!」

 

雪蓮「それは無理よ」

 

葉月「即答ですか……」

 

桃香「はぁ、はぁ、走ってきまし、あ!……」

 

雪蓮・葉月「……」

 

桃香「うぅ〜痛いです〜」

 

雪蓮「やっぱ天然のどじっ子ね」

 

葉月「ですね」

 

桃香「ふえ〜〜、酷いです〜〜〜」

 

雪蓮「それより葉月」

 

葉月「なんですか?」

 

雪蓮「私の記憶っていつ戻るの?なんだか、ラブコメまっしぐらになってないかしら?」

 

葉月「一応メインストーリーは記憶を戻す話で行っていると思うのですが」

 

雪蓮「それでもサブが恋愛まっしぐらじゃない、メインがちゃんと進行しててもサブでこれだけラブラブじゃね」

 

葉月「そう言われましても……そうなるとサブストーリーを無くさないとダメになっちゃうじゃないですか」

 

雪蓮「それはダメよ」

 

桃香「ダメです!」

 

葉月「じゃ、このまま進めるしかないじゃないですか」

 

雪蓮「なら、及川の悲惨ストーリーでも良いじゃない」

 

葉月「あ〜、でも貂蝉との絡み以外に悲惨な話って無い気がしますが」

 

雪蓮「……それもそうね」

 

葉月「まあとりあえず次回は雪蓮さんの夏休み前のお話です」

 

雪蓮「みんな!楽しみに待っててね!」

 

桃香「それじゃ、次回で会いましょ〜〜〜」

説明
投票第2位の桃香のお話です
桃香の日常的を書いてみようと思って書きましたが
なんだか終わり方がグダグダ気味ですが、楽しんで呼んでいただければ幸いです
2010/03/08:誤字修正
2010/03/10:誤字修正
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8537 6601 104
コメント
readman様>甘甘過ぎて見ているほうが恥ずかしいですよね。でも、そんな日常もきっといい思い出になるんですよ。二人には。(葉月)
甘〜い!(readman )
今一体何角形な関係になってるんだろう…意識して無くても好意を抱いている人も含めたらどれだけ角が増えるのやら…でも桃香さんなら現代に溶け込めやすいイメージがありますので、これはこれで納得。果たして他の人の巻き返しはどうなるのか、楽しみにさせていただきます。(レイン)
いやいや、及川は貂蝉以外でも結構悲惨な思いをしてますからwwやはり桃香はこういう時代でこそその性格が活かされますね。それに意外なほど順調にデート出来ていましたし(邪魔者は次々排除され…)一刀君が鈍感でなければとっくに落ちてますねwまぁ、それを言ったら他の方でも落ちてますけどねww雪蓮√ですが桃香も良いなと思う今日この頃…(自由人)
御報告 3p:俺の一口良いよ→俺のも 緊張したって味がわからないよ〜→緊張しちゃって 入って行っちゃいました→走って行っちゃいました 5p:手を振り替えして→振り返して 6p:雪蓮と言う通り→雪蓮の言うとおり ではないかと?仕様でしたらすみません。(自由人)
あえていわせてもらおう ホントに雪蓮√でおわるんですか? 不純物100%の自分からしたら一刀が全員くっちまうぜぇ!になってほしい気がでてしまいそうでw(よーぜふ)
女の子に関しては全方位に抜かり無い事に定評の在る一刀くんですね、分かります。まあ・・・璃璃もねえ・・・ベタボレだったからねえ・・・w(まーくん)
食べ物につられる桃花も可愛いな~♪(杉崎 鍵)
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