真・恋姫無双 〜春華秋刀〜  冬が消える
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〜そう遠くない、ある未来の物語〜

 

 

「追え!奴らを逃がすな!」

 

『オオオオォォォォォ!!』

 

ここ荊州・長板では兵士たちが走っていた

 

「今ここで奴らを逃がせば、桃香様を、蜀を危険に晒すかもしれん!全軍なんとしても逃すな!」

 

今ここでは、艶やかな黒髪をしたポニーテールの美しい女性が偃月刀を片手に持ちながら周りの兵士達に指示を飛ばしていた

 

「愛紗よ、そう熱くなるな。冷静に物事を対処せねばこちらが痛い目に会うぞ?」

 

後ろから声がし、黒髪の女性は険しい顔で声の持ち主の方を見た

 

「星か、別に私は熱くもなっていないし、私は至って冷静だ!」

「なら声を荒げるな。そのよう状態で“例の者”に挑んで勝てるのか?」

 

そう言って、澄み切った青髪で華麗な白い服の女性が口に手を置いて微笑んでいた

 

「そんな事!!……くっ、すまない星。少し興奮し過ぎてたみたいだ」

「解かってくれれば、もう何も言うまい」

 

愛紗と星は前を向き、馬を走らせた

少ししてから星が口を開いた。

 

「それで先に行った鈴々は?」

「鈴々なら、この先にある橋に着いてる頃だろう」

「そうか。では“例の者”は?」

「それが先ほどから姿を見せていない。先ほどの部隊にいると思ったのだが確認できなかった」

「ふむ。……愛紗、急ごう。私の推測が正しければこの先の橋に“例の者”、【 黒衣を纏いし将 】がいるはずだ」

 

「……【 黒衣を纏いし将 】か」

 

愛紗はそう呟き、馬の速度を上げた。

 

 

 

 

場所が変わり、長板橋付近

 

「みんな〜、急ぐのだ〜!もうすぐ橋に着くのだ!」

 

『応!』

 

騎馬隊の先頭を走っている赤い短髪の少女が後ろにいる兵士達に話しかけていた

するとその隣にいた副官が

 

「張飛将軍、橋が見えてきました」

「にゃ?解かったのだ!みんな気を引き締めるのだ!!」

 

『応!!』

 

兵士達が橋に着くと

 

「止まるのだ!!」

 

赤い短髪の少女が叫ぶと、周りの兵士たちは馬の手綱を引き止まった

 

「いかがなさいましたか、張飛将軍?」

 

副官の兵が尋ねると

 

「橋の所に……いるのだ」

「は?」

「橋に人がいるのだ」

 

兵士たちがその言葉を聞いて、一斉に橋の方を見た

するとそこには黒い仮面を被り、全身黒い服を纏った一人の男が立っていた

その男がこちらを見て

 

「張飛か。悪いが俺の相手をしてもらうぞ」

 

男は腰にあった刀を抜いた

 

「こいつ強いのだ。鈴々がこいつと闘うからお前たちは隙が出来たらここを突破するのだ!」

 

鈴々は話し終えると馬から降り、槍を構え、その男に突貫した。

 

「……来い!」

 

 

 

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長板橋付近

 

 

「もうそろそろ橋が見えてくる所か」

「あぁ、そうだ――――!!」

 

そこで愛紗と星の顔が強張った

 

「星」

「愛紗も感じたか。どうやら私の先ほどの推測が当たったようだ」

「鈴々一人では【 黒衣を纏いし将 】の相手は少しきついだろう、急ごう!」

「承知した!」

 

 

長板橋

 

 

「はっ!」

「うにゃ!?」

 

鈴々は男が横薙ぎに払った斬撃を受け止め、飛ばされた

 

「………」

「うぅ〜、悔しいがこいつ鈴々より強いのだ」

 

鈴々は痺れたのか、手を振っていた

そこに後ろから

 

「鈴々!無事か!?」

「おやおや鈴々、どうやら苦戦してる様だな」

「にゃ?あっ、愛紗!それに星!」

 

愛紗と星は馬から颯爽と降りて、武器を構えた

男は三人を見て、確認し

 

「関羽と趙雲、それに張飛か……」

 

男はフッと笑った。

それに気づいた愛紗が

 

「何がおかしい!?」

「いや、別におかしくて笑ったわけじゃない。歴戦の猛将三人を相手にするのは骨が折れるなと思っただけだ」

 

そこで、ふと星が神妙な顔した

 

(こ奴の声、どこかで聞いたことが……)

「まさか!?」

 

星は急に声を出した

「なっ、星!いきなり大声を出すな」

「び、びっくりしたのだ」

 

愛紗と鈴々は星の方を見た

 

「な、なぜお主がここにいる!?」

 

星は驚愕の表情をして男の方を見ていた

男はその意味を理解し

 

「さすがだな、趙雲。まさかこうも簡単に見破られるとは、仮面を着ければ気付かれないと思ったが」

 

「そんなことはどうでもいい、なぜ貴方が此処にいるのです!?それに私は貴方に真名を預けたはず、なぜ真名で呼んでくだされないのですか!?」

 

「せ、星?一体どうしたというのだ?」

 

星が叫んでる隣で心配そうに愛紗が尋ねた。星は愛紗の言葉を無視した

 

「私は貴方の事を…、貴方の事を……。なぜです、――!!」

 

 

 

その言葉が辺りに響き、愛紗、鈴々、兵士たちも時が止まったかのように固まった

男は何事もなかったかのように

 

「ふん。今はそんなこと、どうでもいい」

 

刀を鞘に収め

 

「行くぞ!」

 

柄に手を添え、男から闘気が溢れ出ていた。

 

 

 

 

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「どうした?お前たちの力はこんな物じゃないだろう?」

 

男が右手に持っている刀を下げながら、愛紗達に話しかけた

 

「はぁ、はぁ、私は―――とは刃を交えたくありません!」

 

愛紗は肩で息をしながら答えた。星と鈴々は槍を地面に立て、呼吸を整えていた

 

「そうか。なら君の主、劉備が討たれてもいいのかい?」

「そんなことはさせません!」

 

二人が会話をしていると

 

 

ドドドドドドッ

 

 

後ろから、軍勢が来ていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、どうやら後詰の部隊が、はぁ、来たみたいですな」

 

星はチラッと後ろを見た。

 

 

その先頭に艶やかな黒い長髪の隻眼の女性が立っていた。

 

「…………やっぱりお前だったか、――」

「しゅ、春蘭!?」

「………」

 

春蘭は馬から降り、男の方に向かって歩き出した

するとそこに秋蘭が後ろからやって来た。

 

「姉者いきなり馬を走らせてどうした?そのおかげで魅月(みつき)が……って、姉者?」

 

秋蘭の呼びかけにも答えず、春蘭は黙って歩を進めた

 

「なぜなんだ、――?」

 

春蘭の言葉を聞き、男は後ろを向き、歩いた。橋の真中に立つと息を吸い

 

「聞けぇぇぇーーーい!!」

 

男は振り返り雄叫びを上げた

 

「ここより先は何人たりとも通さん!!」

 

 

「来い、夏侯惇!!通りたければ、俺を超えて逝けぇぇぇぇい!!」

 

男は刀で空を斬り

 

 

「――、もうダメなのか?」

 

春蘭は桜色の刀を構えた。

 

 

 

――――――

 

――――――――――

 

―――――――――――――――

 

 

この物語は定められた運命、例え神でも変えられない運命。

 

彼女たちは知らない、この先の終焉を。

 

それは果たして幸せが待っているのか?

 

それとも………

 

 

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あとがき

 

 

皆さま、ごめんなさいなのです

 

拠点の方が中々思うように進まなかったので、気まぐれでこの作品を書いたら進むのなんの

 

拠点の方はもう少し待ってください

 

こんな話を書かずに拠点出せと思ったかた、まっことすみません!!

 

 

 

 

説明
今回はお気に入り限定にさせてもらいました。
この作品はちょっと、この外史の未来の話です。
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コメント
黒衣をまといし将は誰だ?一刀かな?(VVV計画の被験者)
thule さん、コメントありがとうございます! (mighty)
更新お疲れ様です〜♪(thule)
タグ
真・恋姫無双 魏エンド 春蘭 秋蘭 愛紗  鈴々 

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