城の中庭で冥琳はその腕に小さな赤ちゃんを抱きながら、子守唄を唄う。

赤ちゃんは冥琳の腕の中でスヤスヤと寝ており、冥琳はその顔を見ながら自然とその顔に微笑みを浮かべていた。

赤ちゃんから寝息が聞こえてくると、冥琳は子守唄を唄うのをやめる。

そこに、一人の男がやってくる。その男は冥琳と赤ちゃんの姿を見るとその顔に満開の笑みを浮かべていた。

冥琳「北郷か……仕事は片付いたのか？」

冥琳がそう問いかけると、一刀は大きく頷く。そして、一刀は冥琳の横に腰掛けると赤ちゃんの顔を覗きこむ。

一刀「幸せそうな顔をして寝てるな」

そう言いながら一刀が赤ちゃんの手を弄っていると、一刀は赤ちゃんに指を掴まれた。

指を掴まれた一刀はその顔になんとも幸せそうな表情を浮かべ、そんな一刀と赤ちゃんとのやり取りを見ている冥琳もまた笑顔だった。

見れば、いつの間にか赤ちゃんは目覚めており、綺麗な瞳で真っ直ぐに一刀の顔を見つめていた。

一刀は赤ちゃんに微笑みかけると顔を上げて、冥琳の方を見た。すると、冥琳も赤ちゃんと同じように一刀の顔を見ていた。

一刀「どうかしたの？　俺の顔に何かついてたかな？」

一刀がそう訊くと冥琳は首を横に振る。

冥琳「いや、この子は将来どんな風に育つのだろうなと思ってな…。北郷のように武に秀でた子になるのだろうか？」

冥琳がそう言うと、一刀は顎に手を当てて赤ちゃんを見つめながら少し悩んだ後

一刀「いや、どちらかと言えば冥琳に似てるから、冥琳みたいに智に秀でた子になるんじゃないかな」

一刀がそう言うと二人は同時に赤ちゃんに視線を向ける。すると赤ちゃんは、その顔に可愛らしい笑みを浮かべながらキャッキャッと楽しそうにしていた。

そんな赤ちゃんに二人は笑みを返す。そして、冥琳は顔を上げて空を見上げながら

冥琳「なぁ北郷。この子の名前なんだが……」

冥琳が空を見上げたままそう言うと、一刀は黙ったまま続きを促す。すると二人の間には赤ちゃんの笑う声以外に音はなくなった。

空から一刀に視線を移した冥琳はゆっくりと口を開く。

冥琳「この子の名前は―――」

冥琳が赤ちゃんの名前を言うと一刀は、『良い名前だね』と言って冥琳に微笑みを向ける。冥琳もまた、『そうか』と言ってその顔に笑みを浮かべる。その笑みは幸せに満ち溢れていた。

冥琳「これからもよろしく頼むぞ……一刀」

一刀「俺なんかでよければ……冥琳」

一刀がそう言うと、冥琳は小さく笑う。そして二人は静かに、優しく口付けを交わす。

そして、そっと離れた二人は同じ事を願う。

それは自分と大切な仲間達の幸せ――

自分達を慕ってくれている民達の幸せ――

そして何より――

冥琳の腕の中で笑みを浮かべている子が幸せであるようにと――

どうもｋａｒａｓｕです。

いかがだったでしょうか？　楽しんでいただけたでしょうか？

今回もアンケートを行おうと思ったのですが、さすがにアンケートのみのものをそう何度も投稿するのは検索などの邪魔になるだろうと思いましたので、短いですが一応単発ものを書きました。

今回の作品はこのサイトに投稿されているイラストを見た際に浮かんできたものです。

誰の作品なのかは、その作品のイメージを私の作品のせいで壊してしまうかもしれないので言いません。大佐がたもコメントなどに作品名等を入れないようにして下さい。お願いします。もし見かけた場合は削除させていただく場合もありますので、あらかじめご了承下さい。

最後にそのイラストを書いた作者様。本当に素敵なイラストをありがとうございました。これからも応援させていただきます。

次のページは明命√のアンケートとなっております。

ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。

これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います。