期間限定・極上男の娘!!(おとめ)3
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「こ、高校デビューってもしかして…中学生までは一般人だったけど高校入学と同時に不良になっちゃうって言うあれ?」

「……そうだ………」

 

お父さんは絞り出すような声でそう言った。

 

「そ、それでどうなったの?」

 

命は不安そうに聞いた。

 

「…優しかった……」

『へ?』

「みんな、優しかったんだ。女生徒達は笑顔で受け入れてくれて男子生徒にも笑って馬鹿にする連中は居なかった」

「あはは…そ、それは…痛そうだねぇ……」

 

ボクと命の口からは乾いた笑いしか出てこなかった。

 

「痛いなんてもんじゃないぞ。お父さんは一年間で学校を掌握して他の地区のチームからも一目置かれるほどだったんだ。しかし、二年になり女生徒として過ごさなくならなくなってからは喧嘩を仕掛けてくるチームは一つも無くなった。街中で出会っても笑顔で挨拶して来るんだ」

『痛い!!痛すぎる!!』

 

目の幅涙を流しながら優紀は聖に詰め寄る。

 

「だからこそお父さんは聖に可愛く育ってもらったんだ。この日が来てもお父さんの様な痛さを感じてもらわない様にと」

「お、お父さん…そうだったの?ボクの為に……ありがとう、お父さん!!」

「聖ーー!!」

 

二人は泣きながら抱き合う。一見感動的な場面だが…

 

(聖ちゃん、騙されてるよ…)

 

命は話の真相に気付いていた。

 

「さあ、この制服を着て可愛い姿を見せておくれ」

「うん。じゃあ着替えるね」

 

聖は着替える為にパジャマに手をかけると、

 

「あ、あの〜、見られてると着替えられないんだけど」

「え〜〜、気にしなくていいのに」

「そうだぞ聖。家族じゃないか」

「とにかく、出て行って〜〜」

 

真っ赤な顔をして聖は二人を部屋から追い出す。

 

「悪どいですな、お代官様」

「何の何の」

『フフフフフフフフフフ』

 

二人は黒いオーラを出しながら笑っていた。

 

 

十数分後、着替えを終えた聖が部屋から出てきた。

 

「うわ〜〜。可愛い!!聖ちゃんやっぱり可愛いよ〜〜!!」

 

女子制服に着替えた聖に命は抱きついた。

 

「ちょっと、命〜〜!離れて〜〜」

「えへへ〜、聖お姉ちゃん〜〜」

「お兄ちゃんだろ!!」

「ほらほら、早く食事をして学校に行かないと遅刻だぞ」

『は〜〜い』

 

食堂へと走っていく二人を見ながら優紀は語りかける。

そこに、一人のメイドが話しかけてくる。

 

「首尾は?」

「はっ、問題はありません。何時も通りにパネルにして隠し部屋に」

「ありがとう、神楽君」

「いえ。そ、それと……」

「解ってるよ。成功報酬として何枚かは君にあげよう」

「有り難うございます!!」

「何、いつもながら君の撮影は素晴らしいからね。当然の報酬だよ」

 

何という事でしょう。

優紀はメイドの神楽さんに聖の写真を隠し撮りさせていたのです。

 

 

 

『行ってきまーーす』

「ああ、行ってらっしゃい」

 

そして二人は仲良く登校して行った。

 

「聖ちゃん、手を繋ご♪」

「いやだよ、恥ずかしい」

「ぶ〜〜、じゃあ腕を組む」

「もっと恥ずかしいだろ」

「も〜〜、聖ちゃんワガママ!!」

「どっちがだよ!!」

 

そんな二人を優しげに見送った後、優紀は隠し部屋へと向かった。

 

 

其処には聖が赤ん坊だった頃からの写真がいくつも飾られていた。

そして新たに加わった写真は丁度、着替えが終わった瞬間の物だった。

 

「さすがは神楽君、ナイスチョイスΣd」

 

この男、高校時代の女装の弊害で無類の可愛い物好きになっていたのだ。

 

「やはり似合っているよ聖。何しろこの日の為にデザインした制服だからね。そしていずれは……」

 

そう言い目をやった先には純白のウエディングドレスがあった。

 

この親父、何とかしないと。

 

 

 

学園編に続く…

 

 

 

説明
今回で第1章完成。
次回からは学園編になります。

……例の法案可決されるとこれも書けなくなるのかなあ?
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コメント
聖に幸あれ・・・(TT)(D,)
おやじいいいいいいいいいい!(笑) そして神楽さん――いえ、神楽様。私目にも是非写真を1枚……(伏宮真華)
ふ・・・腹筋崩壊〜!!(睦月 ひとし)
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