真・恋姫無双  江東戦記 第6記・独立戦開始-1
[全4ページ]
-1ページ-

 

反董卓連合が解散されて半年の月日が流れた。

 

今の情勢こそは凪の様に静かであるがそれが嵐の前の静けさである事は誰もが分かる事であり、天下への野心を持つものは時を静かに待っていた。

 

そして遂に時代が動いた。

 

動かしたのは先の連合の盟主である袁紹だ。

 

袁紹は25万と兵を動かして幽州を攻め込み、大差の勝利を持って河北四州の覇者≠ニ名乗った。

 

そして呉の最大の邪魔者にして袁紹の従姉である袁術も焦りからか侵略戦の開始を決定する。

 

目標は徐州、孫呉の同盟国である。

 

しかし、袁術は同盟の事を知らず、孫策に徐州攻めの先鋒を言い渡す。

 

そして孫呉はこの戦いを利用して独立を果たす事を決定した。

 

-2ページ-

 

建業・北部

 

「………いよいよね」

 

「ああ、……長かったな」

 

「堅殿と別れて以来か……長かったような短かったような」

 

袁術の命令により、表向きの作戦で俺達(一刀・雪蓮・冥琳・祭)は建業より7万の手勢を引き連れ、北上して劉備軍と一戦交えるという事になっている。

 

しかし本当の作戦はまず出陣した俺達が劉備軍と一当たりし桃香達に下?城に偽装退却してもらう事になって居る。

 

すでに明命に作戦書を持って向かってもらっている。

 

そうしたらあの袁術の事だ、手柄欲しさに雪蓮を下がらせて自分で止めを刺しに出るだろう。

 

袁術が下?を攻め出したら兵3万で蓮華・思春・穏・亞莎が寿春城を制圧、その後北東へと進軍し、下?城を攻めている袁術の背後から雪蓮と蓮華の軍が強襲し、三方向の挟撃によって袁術の頸を揚げる、という作戦だ。

 

-3ページ-

 

「ところで一刀、劉備ってどんな子?」

 

馬にまたがり北上に進軍している途中で雪蓮が俺に尋ねて来た。

 

「どんなって…「そう言えば私も会ってはいなかったな」」

 

俺がどう答えようかと考えていると冥琳も尋ねるように聞いて来た。

そういえば冥琳は連合の時、呉の陣からは出てなかったな。

 

「そうだな、何となくだけど雪蓮とは仲良く出来ると思うよ」

 

「ん〜、その根拠は?」

 

「勘!」

 

はっきり告げると冥琳はため息を付き、「雪蓮みたいなことを……」と小さく呟いた。

 

「その勘は私も感じてたから大丈夫そうね。

 それじゃあその配下の武将は?」

 

「強いのがいっぱい居るよ美髪公・関羽∞燕人・張飛∞常山の昇り龍・趙子龍∞神速・張遼≠「ずれも雪蓮と同等かそれ以上の武人だよ」

 

「へ〜〜、ところで冥琳「却下!」

 ……まだ何も言ってないんだけど」

 

「どうせ、『袁術ちゃんを騙すなら武人同士が一騎打ちをした方がより信憑性が高まるわよね』とでも云いたいのだろ」

 

「すごい冥琳、冥琳も勘が良くなったわね」

 

「あなたの言いたい事なんてすぐ分かるわ。

 とにかく却下よ」

 

「ぶ〜〜」

 

 

要望を言えもせずに断金の相棒に却下を言い渡されたためかいつも以上に不機嫌な声を上げる雪蓮。

すると今度は祭さんも不満の声を上げて来た。

 

「む〜、公謹め武人の楽しみを奪うとは………」

 

「一応言っとくけど劉備軍に弓を使う武将は居ないよ」

 

蜀で有名な弓の名手と言えば老・黄忠≠セけどまだ仲間にはなってなかったし。

 

「……ワシは別に何でも構わん」

 

「つまりは悪食と言う訳ですか公覆殿」

 

ちょっとつまらそうな祭さんに追い討ちをかける冥琳。

黙り込んでしまった二人を共に軍は進む。

 

-4ページ-

 

下?城・玉座の間

 

「桃香様、孫策軍の姿が見えました。

 旗印は孫∞周∞黄∞十≠ナしゅ」

 

「そっか、それじゃあ皆作戦通りに行くよ」

 

報告を噛んでしまったはわわ軍師=B

しかしいつもの事なので気にしない桃香。

 

劉備軍は明命から作戦を聞き承知したと返事をし、その準備をすすめていた。

ちなみに明命は袁術の動向を計るためここより南西にある袁術の陣へと向かった後だ。

 

 

「「分かりました!」」

 

 

「なら先鋒は鈴々なのだ!」

 

「ちょ〜待て! 先鋒はウチや!」

 

「なにを言う、先鋒は私に決まっているだろう」

 

桃香の号令を受け、我先にと先鋒争いを始める鈴々、霞、星。

 

「ちょっと待て! お前達は何を言っている!

 孫策軍との戦いはフリをするだけだぞ」

 

「だったら将同士が当たった方が真実味が増すと言うものだろう」

 

「さらに向かって来とるんが一刀ならごっつ面白そうやん」

 

「だから鈴々がお兄ちゃんの相手をするのだ!」

 

雪蓮や祭みたいなことを言い出す三人に苦笑いの桃香、朱里。

呆れ果てる愛紗。

 

 

 

 

……だったのだが。

 

「一刀様の相手は私に決まっているだろう!!」

 

「「「「「えっ!!!?」」」」」

 

「……………っは!! -///-」

 

言ってしまった一言と瞬時に気付いて赤くなった顔で玉座の間は先鋒決めから愛紗いぢり≠フ場へと変わってしまうのだった。

 

 

 

場所は変わって一方その頃。

 

「鳳統様! 孫策の軍勢が来てますがどうしたら!?」

 

「あわわ! 兵3万を城門前に集めてください〜〜」

 

「軍師様! 城門前の陣形はどのように?」

 

「あわっ! え、偃月陣で迎撃重視に布陣してください〜〜〜」

 

 

「士元様!」 「鳳雛様!」 「あわわ軍師様!!」

 

 

「ぐすっ…、み、皆どこいったの〜〜〜?

 ふえええええぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」(大泣き)

 

 

 

説明
董卓連合より半年、その間に力を蓄えた孫呉が独立のために動き出します。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
6412 4727 71
コメント
雛里……可愛すぎるwww(kyowa)
武官全員がその発想とは…“駄目だこいつら”と思うとともに軍師勢の苦労が伺えるというものですねwそれに哀れなあわわ軍師…何故この様な状況にww(自由人)
ダメだこいつら…早く何とか(一刀による総デレ?)しないと…ってなにげに一般兵があわわ軍師よんどるw(闇羽)
この調子だと芝居じゃなく本気でドンパチ始めそうな気配www(村主7)
雛里涙目・・・、駄目だこの劉備軍・・・。次回を楽しみにしています。(睦月 ひとし)
タグ
真・恋姫†無双  

赤銅さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com