恋姫のなにか 11
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いつもの亀更新です。歩んでるだけマシだと思いたい。

新キャラ一応は登場しますが、どうにも崩壊させずらかったので二番人気のバ華琳出張。

書いてて思いました。華琳可愛い。

いつもの【キャラ崩壊・原作ガン無視・煩悩のみ、千点】な内容です。

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ふんふふ〜ん、ふ〜ふふふふふ〜ん。と鼻歌を歌いながら、ケータイをピコピコ打っているツインロールの美女が灯を落とそうとしている喫茶店の前で佇んでいた。

そこに足音を立てながら走りよる男が一人、彼は此処で働いていた。

 

「すいません、いつも待たせちゃって」

「それはいいけどさ〜?何時になったら敬語なくなるのかなぁ〜一刀くん?」

「いや、普通に目上の人じゃないっすか」

「な〜んか距離取られてるようで悲しいんだよねぇ〜」

「いや、んな事はないですけど」

「ま、追々躾けてくとしよう♪」

 

ほら、いこいこ♪と待っていた美女は男の腕に抱きつくと満面の笑みで歩みを促す。

一刀ははいはいと頷くと抱きつかれた腕をそのままにして彼女の家へと歩き出す。

 

「今はまぁいいけどさ〜?正式に彼氏になってもそれだったらマジ怒っちゃうよ?」

「んな事言ってくれんの華琳さんだけっすよ」

「おや、皆見る眼ないねぇ?」

「華琳さんの眼が曇ってるんですよ、言ってて泣きたくなるけど」

「いや、アタシの眼は普通だと思う、うん」

「俺生まれてこの方告白された事なんか無いっすよ?」

「そんなのアタシもだよ!言ってて泣きたくなるからこの話禁止!」

「いや、華琳さんがってのはウソでしょ?」

「ホントだってー!何でこんな事力説させんのさっ!」

 

この!と腕を思い切り引き落とすと一刀はうお!と体勢を崩す。その顔が面白かったのか、華琳はケラケラ笑うと胸に凭れるようにして身を預ける。

 

「あ、そだ。明後日の土曜って空いてるー?アタシ久々のオフなんだよねー」

「あー、明日からねーさん泊まりに来るんで、悪いっすけど」

「ほえ、一気に五人もお世話すんの?」

「一番上の霞ねーさんだけなんですけど、いつも俺達下の面倒見てて疲れてるみたいなんで息抜きしてもらおうと思って」

 

この間、今腕を組んで歩いている華琳と月と初めて出会った日。冥琳と明命の姿に幼き日の自分をダブらせた一刀。

懐かしくなったのか、ホームシックになったのか。どちらでもいいが久々に電話を掛け、相変わらずはっちゃけている姉達と久々に話した。

その尻拭いをいつも一身に背負い、時には先頭に立ち、時には後ろから見守る長女の霞。

たかが弟から電話が来たというだけで盛り上がれる姉達の後始末をしたのは、やはりというか彼女だったわけで。

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「こないだ電話したんですけどその時に愚痴られて、帰ってみた時もなんか疲れてるみたいだったんで」

「良い子だねぇ。偉い!」

「いや、そんな上等なもんじゃないですよ」

「いやいや、偉いと思うよ実際? あ、そだ。そういう事ならコレあげる〜♪」

 

そう言って華琳は巻きつかせたままの腕でポーチをゴソゴソと漁り、そこから二枚の紙を取り出す。

 

「たらららったらー!スパリゾート優待券〜!」

「どしたんすか?」

「此処ウチの家が経営してるスパなんだけどさ?有り難い事に繁盛してるみたいで、この度改装する事になったのよ」

「ほうほうそれで?」

「良い合いの手。それでアタシも優待券貰ったんだけどさ、一刀くんと一緒に行きたいな〜と思ったんだけど、コレあげるよ」

「いや、流石にそんなもの貰う訳にはいかないっすよ」

「まぁまぁ、話は最後まで聞きなさいなお兄さん。流石にタダでって訳には行かないから、今度デートしてくれればチャラにしたげるよ」

 

ヒラヒラと優待券を振って微笑むその顔には打算も計算も見て取れず、デートが代価というのも言葉の綾だろう。

 

「やっぱ疲れてる人労ってあげたいなら温泉っしょ!でもここなら交通費ほぼゼロ!気合で歩いてきゃ完全にゼロ!」

「いや、でもやっぱ・・・・・・」

「もー!人の好意は受け取れって誰かが言ってた!アタシ間違ってない!」

「その言葉は聞いた事ありますけど・・・」

「それにアタシも一回行ってみたいしさ? そん時エスコートして貰えたら嬉しいなぁ〜♪」

「・・・・・・此処でまだ断ったら失礼、ですよね」

「そうそう♪ アタシもお姫様気分っての味わいたいし、しっかりみっちり予行演習してくる事!あと、水着選びも手伝って!」

 

そう言ってニヒヒ。と笑う華琳の顔を見て、この人良い女だよなぁと思った一刀。ルート突入の日も近いのかもしれない。

 

「あ、でも代価のデートは別件で!これ絶対だかんね?!」

「ぷっ! わ、分かりました。有り難く頂きます」

「よしよし♪ きっわど〜いビキニ選ぼっと♪」

「体系鑑みてくださいね、お嬢様」

「あー、酷いなぁ気にしてるのにぃ・・・」

「ご、ごめんなさい」

「うそうそ♪ 無いモノは無いんだからしょうがないってね? その代わりスタイルの良さでメッロメロにしてやんよ!」

(正直その人間のデカさに結構メロメロです)

「おや?スベった?」

「いやいや、華琳さん良い人だなぁ〜ってキュンとしてました」

「ん〜?ま、いっか♪ んじゃ別件のデートの場所アタシ決めるからね〜」

 

ど〜こ〜に〜し〜よ〜う〜か〜な〜と夜空に何とか見える星を指差しながらニコニコご満悦な華琳と同じ歩幅で、何時も通りゆっくりと二人は家路を歩む。

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てな具合の会話があった翌日。駅の改札前で姉を待つ学校帰りの一刀。

ホテルも併設されているようで、そこに泊まれば日帰りさせなくてすむなぁと思った一刀だったが、それは華琳に止めとけとアドバイスされた。

 

「部屋取るぐらいいくらでもキープしといたげるけどさ?面識無い人からのプレゼントって言われたらお姉さんも気ぃ遣うと思うよ?」

 

そんな具合のアドバイスに成る程。と思った一刀。

 

「それに、やっぱ弟の家の方が寛げると思うよ?」

 

合わせてそう言われ、やっぱまだまだ人生経験足りてないなぁと思った一刀は華琳のアドバイスに従い元々の宿(自分の家)に霞を泊める事にした。のだが。

 

「遅いなぁ?」

 

ポケットからケータイを取り出し、パチコンと勢い良く開けても、霞からはメールも無ければ着信も無し。

駐車場無いから電車で来てくれと言ってあるので、単車に跨っているのではないだろうけれど電車でも通話は不可である。

約束の時間までもう数分という時間だった、人を待たす事を良しとしない姉にしては異例の遅さである。

 

「やっぱ他のねーちゃん達くっ付いてきてるのかなぁ?」

 

それが今回一番の懸念事項である。別に他の姉を蔑ろにする気は更々ないが、今回の作戦は霞を労る事である。

どれだけ他の姉達の協力を得ても、霞にしてみれば「危なっかしいのが集まって何企んどるねん」と言いたい所だろう。

まぁ待つしかないか。と今日の事を気にしてくれている華琳からのメールに返信をしながら、暫し待つ事にした一刀。

 

「悪い悪い、待たせたな」

 

メールに返信し、手持ち無沙汰気味に顔を俯かせ、かと思えばアチラコチラへと視線を彷徨わせる一刀の視界に飛び込んできた見慣れた顔。

見慣れたスポーツバッグを肩に担いで、ごめんなぁと申し訳なさ気に笑う姉にいいよいいよと返事をしてバッグを受け取る。

 

「なんや持ってくれんのか?」

「今日の霞ねーさんはお客様だからね」

「そーかそーか♪ ほなエスコートしてもらおか♪」

 

よ!と声を上げてスポーツバッグの肩紐を通すと、行こうか?と手を差し出して促す一刀。

 

「手ぇ繋いで歩くなんか、稟みたいで恥ずかしいなぁww」

「稟お姉ちゃんは規格外だろ」

「そやなぁ・・・いや、アイツも頑張ってんねんで?」

「まぁ知ってるけどさ」

 

傍から見れば少し歳の離れた遠距離恋愛中のカップルといった具合に見えるが、会話内容を聞けばあぁ姉弟なのかと納得するだろう。

ただ、恋人同士なのかと勘違いするぐらいには一刀は霞に優しく、霞はそんな一刀を優しく見守っていた。

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「そういや、何で今日遅かったの?」

「いやなぁ・・・途中の車内で女の二人組みナンパしだしたアホがおってな?まぁそれが強引やったんよ」

「あ、それ助けてたの?」

 

ちゃうちゃう。と眼を瞑る仕草は恋の行動に頭を悩ます時にそっくりだと一刀は思った。

しかし、昔見てきた仕草とは違い、今は眉をピクピクと痙攣させている。

 

「ウチも最初は助けよう思たんやけどな?ナンパされとった女の片割れが男シバき倒してもうてん」

「・・・・・・へ?」

「まぁそれだけやったら男の自業自得や。ウチも口出しせーへんかったけどなぁ・・・その女、気絶しとる男に追い討ちかけようとしだしたから慌てて止めたんよ」

「まぁ、霞ねーさんらしいね」

「そしたらその女何て言うた思う?!『コッチが絡まれた時は無視してたのに、今更の仲介ですか』やで!?アホかっちゅーねん!!

ウチかて男が無理矢理お前等連れて行こうとしたら止めとったわい!その前にお前が頭に蹴りぶち込んだんや!!」

「まぁまぁ落ち着いて。でも喧嘩っ早い女の人もいたもんだね?桃香姉さんみたい」

「途中で飽きる分まだ桃香の方が可愛気あるわ・・・しかも蹴ったんとはちゃう女もウチの事親の敵みたいな目付きで睨んでくるし!」

 

まだ信じられんわ・・・と溜息を溢す霞に、何と慰めていいやら頭を悩ます一刀。

一度話したら歯止めが利かなくなったのか、更に車内の女に対する愚痴を溢す霞。

 

「大事になってもうたさかい次の駅で降りたんやけど、何時の間にかウチまで関係者になってもうとるし・・・」

「ああ、それで時間掛かったのか」

「しゃーないから一応状況説明はしたけどな・・・

確かに二人とも外見はエラいべっぴんやったけど、あんなんと付き合う男の気がしれんわ・・・一刀もコロっと騙されたらあかんで?」

「まぁ早々出会う事もないでしょ。でも霞ねーさんってそういう系の同性って好きじゃなかった?男に負けるか!みたいな感じの」

「時と場合によるわ!泡吹いて気絶しとる男の喉踏み潰そうとするような女と誰が楽しくお喋りかますねん!

あー思い出してもうた!しかもな?!その女共自分が電車降りる時に態々ウチのトコに寄ってきて『正義感がお強いのは結構ですが、守る相手を間違えるのでは困ります』って喧嘩売ってきたねんぞ?!電車の中やなかったら喧嘩買ったっちゅーねん!!」

「うわ、それは無いわ」

「せやろ?!どう考えてもただの八つ当たりやん!!何でウチがお前等のストレス解消に付きあわなあかへんねん!!」

 

うがー!と吠える霞をどうどう落ち着け。と繋いでいた手を離して背中を擦る一刀。ついでに周りの人に頭を下げておく。

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「秋蘭もあんなんと一緒の学校通うとったとか大丈夫なんやろかていらん心配してもうたわ」

「へ?なんでんな事わかるの?」

「昔秋蘭の制服見たことあるけど、それとよう似とったさかいな。あんな女通うてたら、男共気が気やないやろなぁ」

「ということはウチの学校じゃないな。助かった」

「ホンマよ!一刀んトコの学校やったらウチ今頃お前引き摺って退学届け出しにいっとるわ!」

「どうどう。そろそろ家付くから落ち着こうね。愚痴なら家で聞くから」

「ホンマ敵わんわ・・・もし何かの間違いで一刀があの女を彼女やー言うて家連れてきたらお姉ちゃん叩き出すで!」

「大丈夫だって。ねーさん余計な心配しすぎ」

「お前どうも厄介な女引っ掛けそうでなぁ・・・ウチら皆気が気やないわ・・・」

 

姉の言葉に、ホント心配症だなぁと嘆息しながら鍵を回し、扉を開いて霞にどーぞ。と言う一刀。

 

「此処に来るんも引越し以来やなぁ。なんや緊張してきたわ」

「弟の部屋に入るのに緊張するとかねーよw」

「まぁそれもそうやな?ほな、ちょっと邪魔するでー♪」

 

途端、道中の出来事に憤慨していたのが嘘だったかのように満面の笑みを浮かべる霞。

その笑顔を見てホッと一息吐く一刀だった。

 

「此処に来るんも久しぶりやなぁ〜」

 

勝手知ったる。とまでは行かないが、それでも気心しれた弟の部屋という事で緊張する事無く霞はベットに腰掛ける。

それを横目で見ながら、姉の荷物を邪魔にならない様に隅に置くと霞用のマグカップを取り出しお茶を入れる一刀。

前もってお湯はポットに入れておいたので、待たせる事無く準備できた。

 

「そういや霞ねーさんは何時以来だっけ?」

「ん、あんがと。 せやなぁ、凪連れて来た時以来ちゃうか?」

「そっか。恋ねーちゃんは一回だけだね、居付いちゃうと困るからその一回だけだったなのが可哀想だけど」

「しゃーないやろそれは。あん時ウチ等総出で町中探したっちゅーねん」

 

一刀が引越して一月も経たないウチに恋が病んだ事件は色あせる事無く姉妹の記憶に根付いている。

が、キチンと決まりと作らないとヤム○ャがジェ○ラルに負けるぐらいの確立(=100%)でこの家に住み着くのが恋クオリティ。

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「稟お姉ちゃんは結構来てるけどね」

「嘘やっ!」

「いや、流石に車でだけどね。あの人に電車移動させるとか恐ろしい真似させられないって」

「そ、そうか・・・ほならええねんけどな・・・って!アイツ走りに行くってお前のトコに行くんが目的やったんかい!」

「いや、そんなしょっちゅうは来ないけどさ。 恋ねーちゃん除けば一番此処に着てないの凪ねぇじゃない?」

「まぁ凪はなぁ・・・アイツ頭でっかちやからしゃーないわ」

 

少し前に会ってはいるが、何せ六人姉弟の上と下である。ゆっくり会話をする暇など実家では持てないのが常の事。

霞の横に座り、その途端に首をコテンと預けられながらコーヒーを啜り会話にしばし華を咲かせ―――一刀の腹が鳴った。

 

「なんや、腹ペコかいな?」

「あはは・・・明日は出かけるから外で食べるとして、今日はどうしようか?」

「出かけるんやったらそれでもええよ?」

「でも、また歩くって疲れない?一応何か作ろうと思ってたんだけど」

「一刀お手製か・・・なんや怖いから止めとくわ」

「ひでぇ」

「いや、ちゃうねん。お前の料理センスどうこうやのうてな・・・うん、色々あんのよ」

 

なんじゃそら。と溢した一刀に、額に手を当てふぅと溜息を溢して答える霞。触れない方が懸命のようだと一刀は弟のカンで判断した。

 

「それじゃ、俺のバイト先行く?一見さんお断りの店だけど」

「そんなトコ姉に進めんなや・・・」

「大丈夫だって、店長は結構変わってるけど料理はメチャ美味いから」

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「おや、客で来るとは珍しい」

「あー、姉ちゃんです。一番上の」

「どうも初めまして、霞言います。何時も弟が世話になってるみたいで。ええ機会なんで挨拶させてもらおか思いまして」

 

代金はバイト代から天引き。という言葉に引っ掛るモノはあった霞だが、まぁ弟の顔立ててやるかと財布を隠し持って歩く事十数分。

いかにも!な装いの店構えに一瞬腰が引けた霞だったが、平然とした顔で暖簾を潜る一刀に恰好悪い所は見せるまい。と後に続いた霞。

店内は―――言い方は悪いがこじんまりとしており、客の姿は見えず閑散としている。

五人ほどしか座れないであろうカウンター席でビール瓶と枝豆をお供に、気だるげに煙草を吹かしている妙齢の美熟女が一人。

 

「桔梗さんって言って、このお店の店長さん」

「桔梗です、よろしく」

「あ、これはご丁寧に」

 

立ち上がりツカツカと歩み寄って来て、ズイッと差し出された右手を握って握手を交わす霞。

 

「一刀。良い機会じゃ、お前そろそろ包丁握ってみい」

「は?! いや、今日の俺客なんすけど・・・」

「アホタレ、世話になっとる姉に手料理の一つでも振舞うのが弟っちゅうもんじゃ! ・・・いや、お姉さんの前で申し訳ない」

「へ?いや、ええんですけど・・・」

「それとお前、刺身包丁の磨ぎが甘かったぞ」

「すんません・・・」

 

どうぞ。と自分が座っていた席の隣の椅子を引かれ、あ、ども・・・と溢しながら進められるがまま、その席に腰を下ろす霞。

すると桔梗は一刀を引き連れてカウンターの内側に回り―――新しいビール瓶と、コップを持って帰ってきた。

 

「ちょ、店長。マジで俺がやるんすか?」

「適当に使って構わんぞ〜。ちなみにワシは刺身が喰いたい」

「それこそ自分でやって下さいよ・・・つか、素人厨房に放り込むとかありえないっすよ」

「門前の小僧なんとやらと言うだろうが。料理なんざ見様見真似から始めるもんじゃ」

 

この料理人ありえねーと溢しながら、それでも何かしらの嬉しさもあるのか、顔には笑顔が浮かぶ一刀。

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「さ、先ずは一献」

「あ、こりゃすんません」

 

何時の間にどう空けたのか定かではないが、新しくビールを開けるとそれを霞に注ぎ、自分は手酌で既に開いている方の瓶を傾ける。

 

「おぉ、良い呑みっぷりですな」

「いやー羽目外して呑めそうですわこの店の雰囲気」

 

座って見て分かったが、こじんまりとした店に客が居ない。という事実は貸切にしたような、隠れ家で飲んでいるような、そんな気分を霞に齎した。

 

「それは良かった。一刀、肴がきとらんぞ!」

「無茶苦茶言わないでくださいって酔っ払い! ええと、マジ勝手に使いました、よ?」

 

そう言って一刀が皿を持ってやってきた。一見するとアタリメだったが、この乾物が血の気が引くぐらいの値段だったのを一刀は覚えていた。

 

「構いやせん!丁稚の身内が客で来たとなりゃ、大盤振る舞いするのが主人の懐よ!」

「えらい豪快な人やなぁ・・・」

「時に霞さん。お主はノーブラ派か?」

 

不幸にも霞は一気に飲み干そうとコップを思い切り傾けていた。

そのためぶふぉお!とビールを逆流させ、げほっ!げほっ!と思い切り咽ている霞の背を、どれどれと桔梗が擦っている。

 

「なんじゃ、初いのぅ?」

「げふぉっ!!アンダ・・・いきなり・・・げほっ!・・・なにぬかしてんねん・・・」

「いやいや、被っていた猫が取れたようで何より。羽目外すなら降ろす荷物は降ろしておかんとな?」

「あ・・・」

「感動してるトコ悪いけど、この人そんな深い事考えてないからね」

 

テーブルを拭きながら一刀がジト眼で桔梗を睨む。

睨まれた桔梗を明後日の方向を向きながら煙草を吹かしていた。

 

「下着の色聞き出したら酔いが回ってきた証拠だから、そしたらお酒取り上げるよ」

「なーんじゃワシの楽しみを! 心配性じゃなぁお前は」

「『自分で飲んだからお前等に出す酒はない』って客に言い切る店長見たら心配ぐらいします」

「やれやれ、最初の頃は可愛気もあったのにのぉ」

「はいはい、もう暖簾下げますよ?今日はもう働く気ないでしょ?」

 

鍵も閉めていいぞ〜とビール瓶を傾けながら言う桔梗にはーいと返事を返しながら玄関口へ向かう一刀。

 

「も、もう閉めてまうんですか?」

「おや、また猫殿を被ってしもうたな。まぁ道楽半分趣味半分で益など度外視しとるからのぅ」

「いや、せやかて「無駄無駄。それより店長、ぶっちゃけ食材が手に負えないっす」

「なっさけないのぅ。何時もワシの尻ばかり見とる証拠じゃな」

「野菜切るの見てれば鮟鱇捌けるようになるなら、調理師免許って何のタメに存在するんですかね?」

「鮟鱇なんぞあったか?」

「店長が色仕掛けで手にいれたアレですよ」

 

あぁ、そういやそんなモノあったな。とブツブツ溢しながら煙草の火種を灰皿に押し付け、よいこらせと言いながら立ち上がる桔梗。

彼女と入れ替わりに席に着いた一刀は、開いたコップにビールを注ぎながら唖然としている霞を宥める。

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「ま、あんな性格だけど腕は確かだから、期待してていいよ」

「お前・・・凄いトコで働いてんなぁ・・・」

「うん。卒業したら正式に働かないかって言って貰ってるんだ。コレ初めて話すけど」

「はぁ・・・って、ごっつい重大な事さらっと話したな今」

 

バレたか。と言いながら乾物を千切って口に放り込む一刀。妙な顔をしながら食べているが、単品で食べてもそう美味いモノではないから当然である。

と、カウンターの向かいに割烹着を付けた桔梗が立ち小気味良い音を俎板と包丁で奏でだした。

 

「まぁまだ先の話だし。このまま此処に勤めていいのか不安も残るし」

「お前よぅそんな事喋れるなぁ・・・」

「全くじゃ、ワシの機嫌損ねるマネしてどうする」

 

ほれ、運ばんかいとせっつかれ、はいはいと席を立って小走りで厨房へ走りよる。

 

「いやホンマ・・・失礼なヤツですんません・・・」

「ハッハッハッ!可愛いモンじゃ! っと、勢いそのままに作ったが、嫌いなモンでもあったかの?」

「いえいえ、好き嫌いは許さへんのがウチの教育方針ですさかい」

「聞いたか一刀!お前はこのお姉さんから何を教育されてきたんじゃ!」

「普通の食卓にゲテモノは並びません。 はい、ねーさん」

 

お盆に乗って運ばれてきたのは鮮やかに盛り付けられた山盛りの刺身と白いご飯。

恐らくは霞用なのだろう、魚の煮付け、そして小鉢に乗った青野菜の数々。

 

「酒飲んでて米喰うのはどうかと思うが、空きっ腹で飲み続けるのは拙いからのぅ」

 

流石に鮟鱇煮付ける時間は無かったわ。と言って割烹着を脱ぐ仕草は堂に入っており、思わず霞を唸らせた。

 

「さて、肴も用意出来た事じゃし、秘蔵の古酒でも出すかの。50年物があってなぁ」

 

そう言うと鼻歌を歌いながら奥へ引っ込んだ桔梗に聞こえない様に小声で霞は一刀に耳打ちした。

 

「一刀・・・此処は一体どういう店やねん」

「まぁ、一言で言うなら定食のある酒場」

「お前学生やろが!何で酒場で働いてんねん!」

「俺だって最初は普通の定食屋だと思ってたんだよ!」

「ウチかて店の門構えみた時はそない思たわい!」

「だったら俺の気持ちも察してよ!」

「なんじゃ小声でボソボソと」

 

酒甕を抱えて帰ってきた桔梗を見て、霞は頬を引きつらせた。なんか大きい赤ん坊ぐらいのサイズだったからだ。

 

「あのー、店長さん?なんやえらい大盤振る舞いしてくれてますけど・・・ウチらそない持ち合わせないんですけど・・・」

「なんじゃ、金の心配なぞせんでもええ。身内から金巻き上げるなんぞせんわい」

「身内・・・?」

「さぁて、ワシも羽目外すとするかのぉ」

 

壁際から桔梗・一刀・霞の順に座り、甕から琥珀色の液体をナミナミと湯飲に入れて満足気に匂いを嗅ぐ桔梗。

一刀はケータイのアラームをセットし、霞はどうしたものかと、とりあえず白米からやっつける事にした。

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そろそろ日付も変わろうかという時間まで桔梗と霞は呑んだ。途中で何度もケータイのアラームが鳴ったが、ええトコやねんの一言で無かった事にされた。

泊まっても構わんぞとの誘惑を何とか振り払い、完全に呑み潰れた霞を背負って家に帰った一刀。

時間に換算すれば大体五時間ぐらいだろうか、桔梗は兎も角霞がここまで羽目を外して呑むのも珍しいと止めるタイミングを逃してしまった一刀。

その所為であろう、次の日起きた霞は完全なる二日酔いだった。

ヴァーと唸りながら座った目で水を飲む姿に、昨日早々に止めるべきだったなぁと一刀は今日の予定を修正する事にしたのだが―――

 

「ええ湯やねぇ♪」

「とりあえず持ったお猪口を置いてみようか?」

 

一日休ませよう。と一刀は思ったのだが、霞はフラフラの足取りで立ち上がろうとし『せっかくもろたモンやのにバチあたる』『フラフラの状態で何言ってんの』と押し問答。

余計な時間が勿体無い。との霞の一言に今回は折れてくれそうにないなぁと一刀も諦め、霞を負ぶって華琳の実家が経営する大型スパリゾートへとやってきた。

 

「それにしても凄いトコやねぇ? プールだけやったらいざしらず、スパも本格的な温泉もあるやなんて」

「俺もチケット貰っただけだから此処までとは思わなかったよ」

 

入場口でチケットを提示した時の受付の人の顔色が変わったのはある種見物だった。

すぐさま通常のお客さんが通る道とは別口の、所謂【VIP専用】な通路を通されホテルまで直行しそうになった一刀と霞。

「泊まらない、温泉に入りたいんだ」という旨を丁寧語で伝えたは良いのだが、案内してくれたスタッフさんがガッチガチな足取りだったのが妙に気に掛かった霞だった。

だがそれも『露天風呂に入りたかったけど温泉まで行くの面倒だから此処に作りました』と言わんばかりに本格的な露天風呂に通されるまでの話。

ご所望の物がありましたら何でも言いつけて欲しいと言われたので、とりあえず二日酔いには迎い酒だろうと熱燗を頼んだ霞だったのだが、姉弟と伝えていないのに混浴にしてくれるとは恐れ入った。

 

「せやけど、ウチら以外にお客さん見ぃひんねぇ? こんだけええトコやったら賑わっててもおかしないのにな」

「混浴だからじゃない? 他の場所行けば下みたいに一杯だよきっと」

 

一刀が指差す方向には此処の敷地内に立てられた大型プール。迷子の放送や波の出る時間帯などが交じり合って微かに聞こえてくる。

 

「でも歩いてても見んかったやろ? 我ながら庶民やなぁとは思うけど、他の人見んかったらなんや心細うて敵わんわ」

「まぁ、このチケットくれたの此処のオーナーの娘さんだしねぇ」

「お前、ホンマに脅されてるんやないやろな?」

「大丈夫だって、心配性だなぁ」

「弟に『チケットもろてん』言われていきなりこないなトコ連れてこられたら心配するっちゅーねん」

 

グチグチと言いながらもお猪口を傾ける腕が止まっていないのを見る限り、適応力あるなぁとか思いながら気返事を返す一刀。

それに気付きながらもそこを突付く事はせず、代わりに愚痴を洩らしてお猪口を傾ける霞。

 

「こうなったら雪とか降って欲しいなぁ。露天風呂入りながら雪見酒とか一つの夢やってん」

「んじゃ冬に北の温泉行ってみようよ。今度は皆でさ」

「そうやなぁ。ウチだけええ思いするのもなんや悪いし、今度は・・・・・・皆・・・」

「・・・・・・・・・」

 

雪が降っていた。降る筈無いのに降っていた。

少し耳を澄ませば、ゴリゴリと氷を削る音と『氷足らないよ!!』と小声で要求する人の声が聞こえた。

 

「霞ねーさん・・・」

「とりあえず、滅多な事言わんようにするわ・・・」

「それが良いと思う・・・」

 

セレブすげぇ。金持ちパねぇ。お土産を買って家に帰った霞は、開口一番で妹達にそう伝えた。

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番外その1。前日・一刀の実家。

 

 

最近妙に妹達が自分に優しい。そう霞は感じていた。

 

「霞姉さん、こんな洋菓子を発見したんですが――」

 

次女の稟は毎日のようにお菓子をお土産に持って帰って来るし、それを取り合って戦う光景もない。

 

「恋やる」

 

三女の恋は家事を手伝うばかりか進んで風呂にも入るし布団も敷く。

 

「私が代わりに作りますから、霞姉様はテレビでも見ていてください」

 

四女の凪は何時も通りっちゃ何時も通りだったが、キラキラ期待の眼差しを向けてくる。

 

「私行って来るからいいよ〜」

 

稟のドジの後始末に向かおうとすると、決まって五女の桃香が代打を買って出てくれる。

 

(どいつもこいつも・・・わかりやすすぎるわっ!)

「あんなぁお前等・・・」

 

食事時、明日の昼過ぎに霞が一刀の家まで泊り掛けで羽休めに行く前日の事。

声を上げた瞬間、四人全てが救世主を見る目つきで自分を見てきた事に霞は嘆息した。

 

「どれだけええ子にしても、明日は連れていかへんよ?」

 

そう続けた瞬間、四人全てがその救世主が偽者だと分かった村人のような顔付きになって落ち込みだした。

 

「――――嫌ですね、姉さん。別に私は見返りを求めてお土産を買ってきた訳ではありませんよ?」

「ほーか、ほなそのケーキ入った箱を引き寄せる仕草はなんやねん」

「恋もだめ?」

「あかん。だいだい恋は一刀にお留守番頼まれ取ったやないかい。一刀怒るで?」

「わ、私は別に・・・日頃の感謝の気持ちを・・・」

「とりあえず涙ぐらいは拭きぃな?」

「えー!霞ねーさんばっかりカズちゃんと遊ぶのずるいよー!」

「桃香、そのなんも詰まってない脳味噌にねーちゃんは何叩き込んだらええんや?拳骨か?それとも踵か?」

 

四者四様の不平不満をぶつけられ、これで骨休めになるんかいな・・・とちょっぴり弟を呪った霞。

だが姉弟六人水入らずで出かけてもリフレッシュなど出来はしない事は霞自身嫌と言うほど分かっていた。

目を離せばその土地の詐欺師に引っ掛りそうになる稟を筆頭に一刀が居ないなら『お金っておいしい?』と言わんばかりに暴君化する恋。

凪は桃香に良い様に吹き込まれたホラを信じ込んで不良に喧嘩を売るのは何時もの事だし、問題児・桃香は因縁をふっかける天才だ。

流し目とエロい腰振りの歩き方で不良を路地裏に誘い込んでボコボコにするのは慈悲深い方法なのだと最近知った。

一刀は一人なのに問題児は四人、しかも四人揃ってシェアなんて考えない物達。霞は泣いて良いと思うんだ。

 

「じゃあさじゃあさ!明日私の部屋に忘れ物してよ!」

「・・・それをどないすんねん?」

「バカだなぁ、口実作って遊びにいくんじゃ〜ん♪忘れ物なら仕方ないよねぇ〜♪」

「「「それだっ!!」」」

「どれじゃっ!」

 

とりあえず拳骨×4を叩き込んでおいた。

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「む〜ん、どうしたら付いていっても問題ないと思う〜?」

 

殴られた妹達はタンコブを抑えながら桃香の部屋へ避難した。ちなみに恋は不貞寝中。一刀本人から来ない様に釘を刺され、留守番のお駄

 

賃を前倒しで貰っている恋はある意味中立だった。

 

「もう諦めてゆっくりさせてあげるのがいいんじゃないのか? 私は一刀の案に賛成だ」

「凪ちゃんはカズちゃんの案なら何でも賛成じゃん」

「忘れ物作戦は中々良い案だと思いましたが、本人にバラしてしまったのは痛いですね。確実に出かける前に確認されます」

「あ、じゃあその最中に恋ちゃんが凪ちゃんと喧嘩すればいいんじゃない?その間に荷物から何か抜き取るよ」

「それで、桃香だけが付いていくという事ですか?」

 

稟の指摘にチッ!と舌打ちしてベッドに倒れ込む桃香。やれやれと溢して頭を振る稟。

一息いれましょうと稟が買ってきたケーキを食べコーヒーを飲む凪。

 

「大体カズちゃんなまいき〜、お姉ちゃんが付いていきたいっ!て言ったら喜んでベロチューで迎え入れるのが弟でしょ〜」

「前半は聞かなかった事にしてあげます。後半は脳味噌揺さぶられる前にとっとと妄想欄から除外しておきなさい」

「桃香、下着が見えてるぞはしたない」

「カズちゃんじゃないから恥ずかしくないも〜ん」

 

凪の指摘に、これ見よがしにスカートを捲くれさせる桃香。何を言っても無駄かと溜息を溢す凪。

ケーキをフォークで切り分け口に運びながら、稟がおや。と声を上げる。

 

「何?!なんか思いついたの稟お姉ちゃん!!」

「情報は共有してこそです!!」

「いや、これ美味しいなぁと」

「座ってて役に立たないんなら部屋で寝てろよダ眼鏡!!」

「桃香、言いすぎだ。稟姉様だって一応生きてるんだぞ」

「アンタ達覚えてなさい、特に凪」

 

心のメモ帳の『弟と腕組んでお出かけリスト』の項目に、今日寄ったケーキ屋の名前を付け加えながら稟はジト目で二人を睨む。

 

「もーなんかないのー!いっその事霞ねーさんぶっちめて代打で遊びにいっちゃおうかなー!」

「桃香、それは最後の策ですよ。切り札は勝負所で切るからこそ生きるんです」

「・・・きっと、こんなだから皆呼ばれないんだろうなぁ・・・私も含めて」

 

桃香の策に反論する気が起きない辺り、姉不幸な妹だと凪は自嘲した。

と、そこに。

 

「ほー、そらええこと聞いたわ。桃香、お前が誰ぶっちめるって?」

「霞姉さん、私は無実です」

「姉様、桃香が無理矢理・・・」

「あぁ凪、可哀想に・・・」「ヨヨヨ・・・」

「ちょっ!ふざけんな二人とも!!つかアタシのケーキ食べたのはどっちだ!!」

「素直に謝ったら拳骨で許したるで」

「「「すいませんでした、夢見がちな年頃なもんでちょっと自分調子乗ってました」」」

 

拳骨×3発追加された三人だった。

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番外その2。当日・とあるカフェ。

 

 

(そろそろ一刀くん達着いた頃かな〜)

 

メールの返事がないのは返信する暇も無いほど話が弾んでいるか、ケータイを置いて遊んでいるんだろうと判断して、華琳は冥琳から呼び出された何時もの集合場所である喫茶店に入った。

 

「やっぽ〜ん。 なに、何が起こってるのこれ?」

 

そこで見たのは椅子の背凭れに踏ん反り返ってコーヒーを飲む冥琳と、俯く親友(バカ)二人。

 

「おぉ、来たか華琳」

「呼ぶのはいいけど、アタシ今日収録あるから途中で抜けるよ?」

「構わんさ。パフェでもケーキでも好きなだけ注文するが良い。二人が奢ってくれるそうだ」

「後がすっごい怖いんですけど。まぁいいや〜」

 

後は野となれ山となれ〜と店員を呼んでケーキ×3とカフェオレを頼んで何となく冥琳の横に座る。

 

「んで何やったの〜?」

「聞いてくれ、この二人は私の妹のドレスのお披露目を台無しにしてくれたんだ」

「だから、謝ったじゃない・・・」「冥琳は粘着質過ぎます・・・」

「いまいち分かりにくいんですけど〜」

「この間の礼をしようと一刀を呼んで食事をしたんだ。ウチの経営する某高級レストランに呼んでな。

当然フォーマルな服装が厳守だ。だがまぁ一刀が普通のTシャツにジーンズで来る事ぐらいは予想済みだったわけだから一刀のスーツを用意しておいた。

そこで『二人でお揃いとかカップルじゃないか』と妹を言い包めてようやく明命もドレスでおめかしする事を了承してくれたんだが―――そこのバカ二人が台無しにしてくれてな」

 

ギロリ。と絶対零度の瞳で睨まれ、雪蓮と月はツイと視線をずらす。

 

「あちゃ〜。んじゃ明命ちゃん落ち込んじゃったねぇ?」

「あぁ、雪蓮と自分のスタイルを見比べて溜息を溢し、月と自分のマナーを比べて涙目になり」

「だから明命にもちゃんと謝ったじゃない! それに、元はと言えば冥琳が私たちを焚きつけたのが悪いんでしょ!」

「そうです、原因は私たちにあるにせよ、元凶は貴女の遊び心ですよ」

「お前達・・・反省はないと理解していいんだな?」

 

お待たせしましたーと持ってこられたケーキを受け取り、一つ目をもっきゅもっきゅと口に含んで華琳は疑問を口にした。

 

「んぐんぐ。なんで二人はお礼の事知ってたの? 邪魔されたくないなら冥琳が教える訳ないもんね?」

「聞きたい?ねぇ聞きたい?」

「なんでこの子満面の笑みなの?すっげぇムカツク」

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心機一転。と言わんばかりに得意満面の笑みになった雪蓮と、満足気な顔になった月。

 

「ふふ・・・うふふ・・・♪ 私ねぇ、とうとう一刀くんの部屋に泊まっちゃった〜♪」

「雪蓮、事実をボカさないでください。私のついでに貴女も泊まっただけです」

 

どうだ!と言わんばかりの雪蓮の笑みと、不服そうに事実を付け足す月。泊まったという単語に渋い顔をする冥琳。

 

「あぁ雪蓮も月も泊まったんだ。結構一刀くん家って広いよね〜」

「なん・・・だと・・・?」×3

 

一つ目のケーキを食べ終え、さぁ二つ目だとフォークを突き刺そうとした所で皿をツイと動かされた。

 

「あー!何するのよー!」

 

文句は雪蓮のアイアンクローで顔と共に押さえつけられた。

 

「華琳。なんでアンタがそんな事知ってんのかしら?」

「店長さーん、今からちょっとこの店貸切るから此処に好きな額書いて〜」

「何、良い子にしていれば痛くはしない。正直が一番だぞ?」

「やだなにこれこわい」

「華琳、イエスかノーで答えなさい。アンタ、一刀くんの家に行った事あるのね?」

「い、いえす」

 

ギリ。と顔を掴む力が強くなった。

 

「それは一度ですか?複数回ですか?複数回ならその頻度を答えなさい」

「え、頻度って精々週一か多くて週二ぐらいだけど・・・」

 

ヤバい、割れる。華琳は本格的に暴れだしたが、その悉くを月が裁く。

 

「華琳、何故そんな頻度で一刀の部屋を訪れる機会が巡ってくる?」

「いたいいたいいたいいたい!!!」

「雪蓮、少し力を緩めろ。割るのは洗い浚い喋らせてからだ」

 

その言葉に力が緩まったが、助かった華琳が冥琳のセリフを聞き漏らしているのは幸運なのか不幸なのか。

 

「おーいたかった・・・んで、なんだっけ? あ、アタシのケーキは?!」

「ケーキなら幾らでも注文してあげますから、まずは質問に答えなさいね?」

「なんか月が優怖い・・・」

 

何時の間にか店内に人影は四人以外に無く、それを肌で感じてか冥琳がダン!と机を叩いて仕切りなおした。

 

「それで、どうしてそんな頻度で一刀の部屋を訪れているんだ?」

「へ? だって一刀くんアタシの仕事帰りに家まで送ってくれるもん」

「なん・・・だと・・・?」×3

「なんでそんなに皆驚くのよぉ!」

「なに?!じゃあアンタの送り迎えさせるために一刀くん態々呼び出してるってわけ?!」

「調子ぶっこいてんじゃねーですよ?華琳」

「違うよそんな雪蓮じゃあるまいし。 仕事終わりに一刀くんのバイト先寄って、それから一緒に帰ってるの〜!」

「まて華琳。お前さっき『雪蓮“も”月“も”』と言ったな? なら、お前も泊まった事があるのか?」

「上手い事都合付けば週末はだいたい泊まるけど?」

 

バキッと何かが折れる音がし、月の手にはヘシ折られたフォークがあった。

 

「―――なんで?」

「な、なんでって言われても・・・ホラー映画とか怖くて一人じゃ見られないもん。皆付き合ってくれないし」

「それで?それが何で一刀くんの所に泊まる理由になんの?」

「だってホラー映画見た後で夜道なんか歩きたくないもん! 一刀くん優しいから『泊まっていきます?』って言ってくれるし。

あ、そだ冥琳。此処って冥琳の系列の喫茶店でしょ〜?」

 

地域情報誌を取り出し、付箋の貼られたページに掲載されている店舗を指差す華琳。空気読めてないのか、読む気がないのか。どちらにせよ大物ではある。

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「今度デートするんだけどさ〜、コッチとコッチと、どっちのが良いふいんき?何故か変換できないけど」

「・・・・・・確認する、相手は一刀だな?」

「そだよ?」

「確認して連絡しよう、最大限のサービスも約束する。 その見返りといっては何だが、どうだ、妹も入れて四人で楽しくお茶を楽しむというのは」

「えー、まぁいいか」「五人!アタシも入れて五人!「六人です!友達ハブるとか何考えてるんですか!」

「アタシが誘っても二人来ないくせに・・・」

 

ジト目で拗ねた様にそう言われ、うっと詰まる雪蓮と月。冥琳はその間に件の喫茶店よりももう一つ高級なカフェに連絡を入れている。

 

「まぁいいけどさ。 そだ、その代わり月のトコで水着買うから割引してよ〜」

「何ならプレゼントしますよ?何故水着が必要なのかを説明してくれればですけど」

「一刀くんとウチのアミューズメントでデートするから」

「なんで・・・なんでこんなアホの子がポンポンデートの約束を取り付けられんのよ・・・」

「つーか雪蓮達普段会った時に何してんの?ソッチの方がありえないと思う」

 

グサッと二人に痛恨の一撃。そのままテーブルに突っ伏してビクビク痙攣している。

コレが自分を偽った側(雪蓮・月)とそのままの自分をぶつけた側(華琳・冥琳)の差とでもいうのか。

 

「流石は華琳だな、一撃KOとは」

「経験値入ってない〜! あ、聞いてよ冥琳。一刀くんね、水着選び手伝ってくれるんだよ〜♪これもうカップルだよねげっ?!」

 

頭を引っつかまれ、そのままテーブルに叩きつけられた。

叩き付けた雪蓮は頭を単純な握力だけで握り締め直すと、ゆっくりとソレを上げてギラついた瞳でしっかりと互いの目を合わせた。

【人に物を頼む時は相手の目を見てお願いしなさい】という亡き母の教えではあるが、顔面をテーブルに叩き付けた後にやれとは言われていない。念のため。

 

「ねぇ華琳、いえこの際華琳様と呼ぶことも吝かじゃあないわ。   連れて行ってください、私もソレに」

「華琳様、(ガスッ!!)か弱い月にどうか慈悲を下さいませ」

 

二人とも敬語でのお願いではあるが、片や頭をアイアンクロー。片やパイを切り分ける用のナイフをテーブルに一刺し。

 

「二人とも、お願いをする側の態度ではないぞ・・・・・・ それで華琳、日程だがどちらを先にするんだ?詳しい日取りを教えてくれ」

「割れる!色んなのでちゃう!!ってヤバいって今ミシッっていったよ?!」

 

冥琳は日程だけ聞き出して三人を出し抜く気満々である。

 

華琳逃げて!!超逃げて!!

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いつもの言い訳コーナー。

相変わらずの亀さん更新で申し訳ありません。待ってくださってた方ありがとうございます、ホントに。

 

今回はzero様のコメントを元に妄想を膨らませてみました。半分ぐらい関係ない華琳様が出張ってますけど。

書いてて思いました、華琳様パネェと。懐でかいしノリいいし、もうこの子ヒロインでよくね?とか思いました。

新キャラは桔梗さん。逆光源氏計画立ててる熟女さんです。

真面目にしすぎるとキャラ薄くなるし、かといってはっちゃけさせても原作のままだしの困った人でした。

パロネタも桔梗にやらせるにはちと歳がゲフンゲフン。

霞ねーさんリフレッシュの回のつもりでしたが、あんまりリフレッシュ出来てない気もします。

混乱される方も居られるかもしれませんので一応解説をつけておくと、電車の美人二人は魔性の尻と偏月刀です。

二人が暴れた理由は機会があればおいおい。まぁ一刀絡みなのは間違いありませんが。

あと桃香姉さんもちょこっと活躍。相変わらずしばかれてますけど。

ヤンキー口調は出し惜しみして凪と桃香にやらせれば良かったかなぁと思いましたが、そうすると月がキャラ薄くなります。ままならない。

 

今回異常に長くなりましたが、一刀サイドとその他サイドで二回に分けての更新しようと思ってました、コメントが分散するとなんか損した気分になるのでやりませんでしたが。

終わってみれば過去最長。多分なにかの1の三倍ぐらいです。煩悩って怖いねー。

 

追伸・皆【冥琳=鞭】いいすぎww

では言い訳はここまでにして、次ページで次回作を占う(かもしれない)お礼返信のコーナーです。

読んでくださった皆様のおかげで何とか今回の作品も出来上がりました。本当にありがとうございます。

-18ページ-

四方多撲様 【作品に影響が〜】 (´・ω・)【お気に入り 四方多撲】 

       ( ゚д゚)・・・      (゚д゚)

 

tyoromoko様 祝二桁ありがとうございます!!いや、妄想してみるもんですね。

       今回はバ華琳のそげぶを進めてみました。笑っていただけたら嬉しいです。

 

叢 剣様   ( ゚д゚)       ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

      なんなのこの緊張感、嫌な汗でまくり。昔からのコメントありがとうございます。

 

りばーす様  この外史での桂花は女の子してますよ。それは皆に共通してる事でもありますが。

       桂花の回で悶えさせるべく、参考文献(ギャルゲー)を進めたいと思います。

 

ちきゅさん様 なんか責任を感じます。受け止めていただけて何よりです。嬉しい。

       悪ノリだけはしないように注意してこれからも頑張ります。

 

MiTi様  この鞭属性どもめ!(違  きっと実弾込めてのロシアンルーレットですよ。

      不幸な風は可愛いと思うんです、ギャップ萌えは偉大。

 

zero様  はりきって周りの反応書いたらごらんのありさまだよ!!

     桃香も姉'sの中では出張れていないので今後に期待してください。

 

おやっと?様  雪蓮と月はいいですね、書きやすくて。

        もはや断金を超えたと思います、無論此処だけですけど。

 

masa様   ソンナコトナイヨ!!違和感アルデショ?!

      か弱さを演出するために今回は獲物持ちです。方向性間違えた感は否めませんが。

 

よーぜふ様  作品読みません!で半泣きになったのは内緒。Sだから打たれ弱いの。ガラスの剣なの。

       毎日更新チェックしていただけるほどのクオリチーは正直・・・ニヤニヤしてますが。

 

風籟様  きっとそれだけ恋姫†無双のキャラが魅力的な証拠です。

     パロネタは賛否両論受けるのを承知で書きましたが、受け入れて頂けて嬉しいです。

 

truth様 桂花の元ネタはまさに銀○でした。あそこまでクールじゃないですが。

     雪蓮と月のコンビに嫉妬! あと鞭言うなwww

 

jackry様 モニタについては当局では一切関知しておりません。

      そこまで笑っていただけて作者冥利につきるってもんです。

 

Night様 もう少し腕があれば【不審者続出SS】とタグをつけたのに!くやしい!

     御大に褒めていただけて嬉しいです。頑張ろう。

 

景様  仇はお姉ちゃんが取ってくれます>明命

    明命は良い子すぎるので、一回出すと恋ばりに無双させちゃいます。怖い。

 

自由人様 とっさの思いつきで【道徳】に変換しましたが、しっくり来すぎてなんだかなぁでした。

     後日談とか行くと風が国外逃亡せざるを得ない。あれ、何かがおかしい。

 

カズト様  風ちゃんの立ち位置は個人的にツボです。

      酷い事が何なのか、ありきたりな鞭じゃあつまらんなとか思ってます。

 

あお。様  原作ではキャラ設定の所為でウケなかったキャラ(主に思春)の為に妄想してます。

      いつも読んでくださってて嬉しい限りです。

 

ぼちぼちと長編の構想を固めてます。期待してる人なんざ皆無でしょうが。

凄まじく暗く、書いてて欝になる事が多いです。そんなものは更新しない方がいいのかもしれませんね。

なにかシリーズでも出てないキャラは多数いるので、まずはそっちをどうにかしようと思ってます。

 

いつも此処まで読んでくださってる方、本当に有難うございます。

説明
恋姫のなにかシリーズ。またまたいつもの亀更新です。
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コメント
「体系鑑みてくださいね、お嬢様」 → 体形(JohnDoe)
華琳可愛良いなあ。(readman )
華琳が華琳じゃない(VVV計画の被験者)
面白すぎる。何回か笑いかけたよ。続きを期待していますよ。(tanpopo)
なんというか、ここの華琳が凄く可愛く思う。(シズナ)
今回も堪能させて頂きました^^ 姉sといい、雪蓮・月・華琳(+冥琳)の友人連中といい、掛け合いがサイコーっすw とりわけ今回は華琳のKYっぷりがww(四方多撲)
体型の話で首がとばない、だと? とりあえずみなさんのはっちゃけ具合にコーヒーはおろかお鼻の分泌物までもが…  霞がんばれ、華琳いきて〜!(よーぜふ)
魔性の尻と偏月刀が一刀と一緒にいる霞と再会した時にどんな言い訳をするかが見物にw(あの激怒だと霞は絶対許さないでしょうがw)(kurei)
華琳、生き残れればメインヒロインの‘ふいんき’はキミの物だ。(tomi)
なにこの彼氏、彼女的な雰囲気を作ってる華琳w(arukueid)
zeroさん>説明ありがとうございますw。きっと「にゃん」や「にゅ~」っと甘えてないのはそういうことなんですねww。(Kito)
執筆お疲れ様です〜 月が凄いですね・・・原作でもこんな感じの場面があれば良かったんですが・・・次回も楽しみに待ってます〜(狩人)
この作品はもう、自分の作品より一刀争奪戦のタグをつけるべきだと思うんだ、次の更新期待してます、亀より更新が遅いナマケモノ更新の作者ですから・・・・(叢 剣)
華琳のおいしいとこどりでしたねw初出では影薄い感じでしたが今回はすごく可愛かったですw(あお。)
華琳可愛い 最後に全部さらってった(asf)
愛紗と蓮華こわいよー。 華琳の安否が気になる・・・(風籟)
頼む側がかなりの脅しを?!あぁ華琳・・・どうしてそんなに死に急ぎたがるの・・・?色々とキラーな二人が怖いじゃない・・・・。(りばーす)
更新お疲れ様です!今回もGJ!としか言いようのない出来です。アホの子は強いのさ。私の需要に本当に答えてくれている作品です。長編も大変興味深いです。(tyoromoko)
いつも作者様はぐっじょぶ! さようなら華琳、君の空気の読めなさは永遠に忘れないよ…(笑)(ちきゅさん)
この物語に出てくるお金持ちお嬢様ってだれですか?(rababasukan)
え!?華琳生きてるの????(詩)
桔梗・・あんまり変わってない・・あと華琳シンジャッタ・・・ハハハ(空良)
爆笑しました!やはり今回も思ったが、月は敵に回しちゃいけないんだぜ。恐いから。そして華琳・・・南無。(景)
VIPのニーズに応えるスタッフに称賛と爆笑ですが、霞ねーさんは夢の一つも叶った事ですし寛げましたかね。それに何時の間にか華琳さん急接近と空気を読めないとか補って余りある程の万能さにもう嫁で良いんじゃないかとさえ思う程ですw逆に愛紗達の未来は途絶えそうで不憫かな。あれだけ一刀君とは不遇な感じなのに霞ねーさん相手ではね…(自由人)
読むたびにお気に入りキャラ1が入れ替わる罠wwww 今回は華琳が最高でした。(yui)
P16 「ふいんき」じゃなくて「雰囲気(ふんいき)」w まぁ普段の発音的には「ふいんき」って言ってる人のほうが多いかもw影で活躍する愛紗と蓮華にツボったwww(おやっと?)
Kitoさん> こう考えるんだ。一刀の手料理を食べた後にそれを妹達、特に恋ねーちゃんと桃香姉さんに知られた場合を想像すると・・・こえええええwww(zero)
お疲れ様です!いやぁ、今回も笑いさしてもらいました。一刻も早く秋蘭の話がみてみたいですb(mighty)
ぬぅわんと!?桔梗の逆光源氏計画…驚きだwwwでも、この人でこれだと後二人ほど同じ計画立ててる人がいそうですね いつか熟女'sの大戦も見てみたいものだwww(MiTi)
更新楽しみにしていましたw。なぜ一刀のお手製に怖がるんだろう?(Kito)
無茶なリクエストにこたえていただきありがとうございます。もうここでの癒しは霞ねーちゃんと華琳ですねwwwそして今後の一刀争奪戦の模様も楽しみですwww初恋の人設定らしい翠の絡み含めてwww(zero)
桔梗さんの姐御臭が堪りません。 あと華琳のデフォルト能力が凄過ぎて一刀じゃなかったら一瞬で陥落しそうです。 追伸:蓮華と愛紗よ、“電車内”で刃傷沙汰は止めなさいwww(ロンギヌス)
↓wwwたしかにwwこれからが心配になってきたぞww(スーシャン)
↓↓あとがきにヒントあるぞ。三国一の良き尻に偏月刀を持つ黒髪の巨乳、あとはわかるな? 二人が霞に会うときを考えるとヒヤヒヤするぜ・・・(ロード)
お疲れ様です。『氷たらないよ!』で限界でした・・・。華琳が・・・自分の危機にすら空気読まない、そんな華琳が可愛すぎます(Night)
煙草を吹かしてる桔梗wwなんかかっこいいww 霞が電車であった少女気になりますねww一刀君の知り合いの匂いがしますww(スーシャン)
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