あそこのあの子 |
普通の女の子達が憧れる様な・・・
甘くて、苦くて、少し切なくて・・・
メチャクチャカッコいい彼氏。
が欲しいとかそう言う恋はあたしは嫌い。
どっちかと言えば…
普通にご飯食べてから普通に会って普通に登校して、
普通に「おはよう」って皆に言って笑い合う。
甘いとか苦いとか切ないとかじゃなくて“極普通”の恋をしたい。
そんな憧れをもつあたしの名前は、「橋本 知夏(ハシモト チナツ)」
17歳高校2年生。
今日も制服の袖に自分の腕を通して朝食を食べ始めるトコ。
『ママ!行ってきます』
「お弁当忘れてるわよ、行ってらっしゃい」
『卵焼き入れた?』
「もちろん」
『じゃあOK』
あたしはそう言って家の大きなドアを開けた。
一気に照りつける夏の日差し。
ギンギン熱いと家の中も外も変わらない位。
ドアを開けた瞬間に掛ってくる風に
少しだけ心地いい気持ちを感じた。
今年で告白された回数は約10回。
それが普通だって言っても皆は凄いとしか言ってくれない。
あたしは自分がそこまで凄い何て・・・
思いたくないんだよね。
ステップ良く弾みながら走ってるあたしのスカートは
下りる度にフワッと広がる。
――そして…あたしが初恋をするのは
まだまだ2時間も経たない後の事でした。
『皆!おはよう!!』
あたしは出しきれる大きな声で
教室のドアを無造作に開け皆に挨拶をした。
「あ、知夏!」
「おはよう知夏ちゃん」
そして直ぐに女子達があたしの周りを囲む。
周囲には髪をアップにした小柄な子や
ロングの長身の子、普通の子って皆普通か・・・
まぁそんな独特に可愛い子しか居ない様な気がする。
そして男子と言えば・・・
「おっ、橋本様のご到着〜」
「昨日何人に告白されたのー?」
何て変な質問や紹介しかロクにしない。
『毎日告白されてるワケじゃないっつーの!
あたしもあたしで普通の1人の女子生徒何だから!!』
「あら?告白されなかったから
ストレス溜って爆発デスか???」
『意味不な質問受け付けません』
「おぉ〜ストレスの所為で
もう聞ける事まで可笑しくなってんじゃね?」
『・・・煩い!』
大きく叫ぶ。
さっきの出しきれる声を出したハズの挨拶よりも
数倍大きかったと思う。
告白何て…そんな簡単でもない事を
どうして何回とか聞く必要があるのよ?
相手だって一応ちゃんと決心つけて
告白してるんだからね!!?
されても教えないからっ
『んもうっ!嫌ッ』
「まぁまぁ知夏ちゃん。落ち着いて」
『うぅ・・・うん。』
癒されてるあたしはまるで小さな赤ちゃんの性格。
何も考えられてないって感じ。
ハァーと溜め息を吐いて
窓の外側を見てみた。
すると丁度その時!!
渡り廊下を歩く1人の1年生に目が入った。
『あ、あの子!!』
「え?どの子?」
そうして女子達が窓にどんどん集う。
『あそこの渡り廊下歩いてる子!!』
「あぁ。あの子ね。名前知ってるよ。」
『え?あたし知らないョ』
「それはアンタいつも告白されて
名前もロクに覚えられてないからでしょ?」
『あたしあの子に告白されてないもん。
ってか名前何て言うか教えて!?』
「確か…蔵那智 遠矢(クラナチ トオヤ)って
名前だったハズ何だけどね?忘れちゃったわ」
『遠矢君かぁ〜
あたしあの子好き!!』
「えぇぇぇぇぇぇ?!」
『告白する!!』
それはあたしの急な恋の始まりでした。
説明 | ||
学校で1(イチバン)持てる知夏と極普通よりは少しイケメンでも有る様な気がする遠矢のハートフルと言えそうで言えない様なラブコメディー | ||
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