北斗の恋姫の拳 第3話 |
第3話 因縁の対決! 北斗神拳と南斗聖拳!
一刀達が黄巾党を壊滅させてから一ヶ月が経とうとしていた。
その間に霊帝の死、何進の死により、世は再び乱れていこうとしていた。
そんな時、一刀達はある場所へとたどりついた。
一刀「ここは何と言う街なんだ?」
人和「ここは洛陽よ」
一刀「洛陽!?」
洛陽と言う言葉に一刀は驚きの顔を隠せない。
地和「一刀、どうしたの?」
一刀「俺の読みが正しければ……あいつがいる」
天和「あいつって?」
一刀「俺が倒さねばならぬ相手だ」
人和「一刀さんが倒さなきゃいけない相手?」
一刀「ああ……。それとな……」
地和「何?」
一刀「この街では人と会うのはやめてくれ」
天和「何で?」
一刀「この街は血の匂いがするからだ」
人和「え?」
一刀「とにかく俺と一緒に行動をしてくれ」
天和「何で何で?」
一刀「あいつがいるとなると危険だからだ」
地和「そうなの」
一刀達は街の中を隠れながら、夜まで待った。
夜になり、一刀は行動を起こす。
一刀は洛陽にある城に潜入しようとしていた。
地和「ねえ、一刀。何でこの城に入ろうとしてるの?」
一刀「この城にはあいつが居るはずだからだ……」
天和「ねえねえ、その人って男の人? 女の人?」
一刀「女だ。それも二人……」
天和「二人もいるの?」
一刀「ああ……」
人和「その人達と何かあったの?」
一刀「何かあったと言えばあるが、理由は聞くな」
人和「……分かったわ」
一刀「時が来れば分かることだ……」
一刀は城の門を開き、潜入する。
一刀は城の一番上にある玉座の間を目指す。
その間に城の警備兵達が一刀に襲いかかるが、一刀は自分の行く手を阻む警備兵達を倒していく。
そして一刀達はその城の玉座の間の前の階段までに辿り着く。
???「久しぶりやな、一刀」
階段の一番上には胸にさらしを巻いた、一人の女性が立っていた。
一刀「霞。お前に会うために地獄の底から這い上がって来たぞ!」
霞「そうかいな……」
二人の間に緊張の空気が漂う。
一刀は霞の後ろに椅子に座る女性が居ることに気がつく。
一刀「愛紗!」
愛紗と呼ばれる長い黒髪の女性は黙っている。
一刀「愛紗、俺だ! 一刀だ!」
霞「愛紗はあんたのこと忘れたそうやで」
一刀はその言葉を聞いて涙を流す。しかしその涙は忘れられたのを悲しむための涙では無い。
一刀「忘れてもいい。生きてくれれば……」
その涙は愛紗が生きていたことに対するうれし涙であった。
天和「ねえねえ」
地和「あの人達とどんな関係……」
人和「姉さん達……、今は……」
霞「何や、何も話し取らんのか」
一刀「ちょうどいい。ならば話そう」
それは今から2年半前の事であった。
一刀は突然この大陸にやって来た。
その時の一刀は右を見ても左を見てもどこなのか分からない状態で彷徨っていた。
そんな時、一人の女性が一刀を助けた。
それが愛紗(愛紗は真名で名は関羽)であった。
愛紗はフラフラの一刀を介抱しただけでなく、とある道場に連れて行き、そこで一刀は北斗神拳を学んだ。
そしてそれから1年半ほどが経ち、一刀が北斗神拳伝承者となり、それからすぐに先代の継承者が死に一刀が愛紗と共に墓参りをしている時であった。
突然、霞(霞も真名であり名は張遼)が一刀達の前にやって来たのだ。
一刀は北斗神拳の修行中に霞と会っておりその際に真名を許してもらっている。
一刀「霞、どうした?」
霞「力こそが正義……、良い時代になったもんや……。
強者は心おきなく欲しい物を手に入れることが出来るんやから……」
一刀はその言葉で霞が何故自分達の前に現れたのかと悟った。
霞は愛紗を狙ってきたのだ。
一刀「霞、狂ったのか!?」
一刀と霞が跳ぶ。そして二人は互いの足を出し、空中で交差する。
霞「南斗獄屠拳!」
一刀「北斗飛衛拳!」
その言葉を言い終えると同時に一刀の両肘両膝から血が噴き出す。
一刀「ぐわっ!」
一刀は地面に倒れこむ。
愛紗「一刀!」
倒れこむ一刀に霞が近づく。
霞「一刀。何でウチに負けたか分かるか?
執念、欲望。あんたはそれが無いんや」
霞が手を上に上げる。
霞「愛紗、ウチを愛してるって言うてみ」
愛紗「な、何故だ!?」
霞「じゃないと一刀を殺すで」
霞の眼は本気の眼であった。
愛紗「分かった。愛する」
霞「何? 聞こえへんなぁ!」
愛紗「愛する! お前とどこへでもついて行く!」
そう言うと霞は手を静かに下ろした。
霞「そうかい……。それじゃあな、一刀」
霞はそう言いながら、愛紗を連れて立ち去った。
一刀「愛紗……」
一刀は地面に倒れながらも、空を眺め、つぶやいた。
そして涙を流したのであった。
人和「そうだったの……」
一刀「ああ。しかし、終わらせてもらうぞ。霞!」
霞「ええやろう」
一刀は階段を上り、霞の元に近づく。
霞「でゃあっ!」
一刀「あたぁっ!」
二人の拳が互いの顔にぶつかろうとするが、二人は紙一重で拳をかわした。
霞「うりゃあ!」
霞は間髪いれずにまた拳を一刀にぶつけようとするが、一刀は霞の手首を持って止める。
霞「昔の一刀やないな。この凄みは……」
一刀「霞、それはな……。お前が教えてくれた執念だ。
お前じゃ、今の俺には勝てない。もうやめてくれ」
霞は何とか振りほどき、すぐに一刀を切り裂くように攻撃するが、一刀はすぐにその攻撃をかわす。
一刀は顔に少し傷がついた程度であった。
一刀「霞。お前の技は既に見切っている。お前の負けだ」
霞「一刀。ウチを見下すようなセリフを言うな!」
霞が拳のラッシュを一刀に当てようとするが、一刀は自分の手でそれをうまく受け流す。
次に霞は跳び上がり、一刀もそれに合わせるように跳び上がる。
二人は1年前のように互いの足を前に出す。
そして二人は着地する。
霞「南斗獄屠拳」
一刀「北斗飛衛拳」
その対決は一刀の方に軍配が上がり、霞は右肩を手で押さえる。
霞「くっ!」
一刀「安心しろ。秘孔は外してある」
霞「しゃあない」
霞はそう言うと座っている愛紗のところに近づく。
次に霞が取った行動は、なんと愛紗に向かって南斗の拳を当てたのだ!
愛紗は椅子から倒れる。
一刀「愛紗!」
霞「死に顔も美しいやないか」
霞は倒れた愛紗を床におろして、一刀に告げる。
霞「一刀。もうウチを倒しても愛紗は戻らへんよ。
これであんたの執念も半減するってもんや!」
一刀「霞……」
一刀は上着を脱ぎ捨てた。
一刀「お前だけは許さん!」
一刀が荒々しい闘気を纏いながら、霞に近づく。
霞「覚悟しい! 一刀!」
霞が指を突き立てて一刀を攻撃する。
一刀はその攻撃をただ前に手を広げただけであったが、一刀は霞の手が到着したと同時に自分の手を閉じ、無理矢理霞の手を封じた。
一刀「ほあたぁっ!」
一刀が霞の手を握りながら、開いている手で霞を攻撃しようとする。
霞はその攻撃を自分の開いている手で防ぐが、その衝撃は強く、拳その物は自分の手で受け止めれたもののその拳から放たれた風圧の拳が霞に直撃する。
霞「っ!」
一刀「ふぅううううううう!」
よろめいた霞の手を離し、一刀は体を震わせる。
一刀「ああああああたたたたたたたたたたたた!!!
おおおおおおおわったあああああああああああ!!!」
一刀が霞の体を十字架を刻むように両拳を当てる。
一刀「北斗十字斬!」
そして最後の一発を入れると同時に霞ははるか後方の壁に吹き飛ばされる。
霞「がふっ! な、何でや……」
一刀「お前の奥義を破ったのは執念に勝る俺の怒り……。
そしてお前の悲しみだ」
霞「?」
一刀「霞、気付かないと思ったのか?」
霞「な、何の事や?」
一刀「その愛紗は人形だろ?」
天和「え?」
霞「何や気付いとったんかいな」
霞は観念したからのように鼻で笑った。
一刀「最初は気付かなかったさ。だが戦っている最中でもその愛紗は何の反応もしなかった。
俺の知ってる愛紗はそんな訳が無い。何かしらの反応はするさ。
それに愛紗が無抵抗に霞の拳を受けるはずもないしな……」
霞「そうやな……」
一刀「霞。愛紗はどうした?」
霞「愛紗はな……」
霞の目から涙が流れる。
霞「愛紗はもうおらへんのや」
一刀「……どういうことだ?」
霞「ウチが愛紗を連れ去った後、ウチは愛紗に与えられる物を与え続けたんや。
けど愛紗は喜ばへんかった。そんで愛紗はここから飛び降りたんや……」
霞がなんとか立ち上がり、その愛紗が飛び降りたとされるところに向かう。
霞「最後までウチは愛紗の心を掴めへんかった。愛紗の心にはいつも一刀がおったからな。
ウチが欲しかったのはただ一つ……愛紗や!」
霞が叫ぶ、それと同時に霞の体から血が噴き出す。
霞「一刀……」
一刀「すまない。お前の心境は分かってたつもりだったが、心のどこかで許せなかったようだ。
俺は血の十字架の形の秘孔を突いちまった。もう長くないだろう……」
霞「せやな……けどウチはあんたの拳法じゃしなへん……。ウチは………」
そしてしばらく間が開く。そして……。
霞「さらばやーーーーーーーーーーーーーー!!!」
霞は豪快に城から飛び降りた。
一刀「霞!」
一刀は飛び降りる霞を止める事は出来なかった。
一刀達は城から出て、霞の着地地点と思われる場所に向かってみる。
そこには口から血を吐いていたものの、その場に立っていた霞の姿があった。
一刀「霞!」
天和「え? 何で?」
地和「まさか……幽霊!?」
霞「失礼やな。ウチは幽霊やない」
人和「でもあの高さから落ちたら普通死ぬわよ」
一刀「霞。何があった?」
霞「まあ信じてもらえるかどうか分からへんけどな……」
霞は自分が何故無事なのかを説明した。
霞「さらばやーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
霞は豪快に城から飛び降りた。
霞は飛び降りる中、涙を流す。
霞(ごめんな一刀。本当のことは言えへんのや……)
霞が地上に到達する直前!
???「はあっ!」
霞の横から何者かが跳んできて、霞を抱きとめたのだ。
そしてその何者かは霞を抱きとめて地上に着地する。
その者は霞をゆっくりと地面に下ろす。
霞はその者の姿を見る。
その姿は普通の人間とは明らかに違う姿をしており、とても変わった鎧と仮面をしていた。
霞「あんたは……」
???「こりゃあ北斗十字斬を食らった後だな。ちょっとくすぐったいぞ」
その者は霞が突かれた秘孔を解く秘孔を突く。
その秘孔を突いた途端に霞の体は元気を取り戻すかのように体が楽になり、霞は立ちあがる。
霞「何したの?」
???「お前に突かれた秘孔を解く秘孔を突いただけだ。
そのお陰で後少しの命もそうじゃなくなったぜ」
霞「それはええけど……」
???「一刀に本当のことを言えないことか?」
霞「何でそれを知ってるんや? それにあんたは?」
通りすがりの破壊者「通りすがりの破壊者って言っておくぜ。俺は大抵の事なら知ってるつもりだからな」
霞「せやったのか……」
通りすがりの破壊者「それにお前……本当はもうこんな悪いことはしたくないんだろ?」
霞「………」
霞は黙り込む。
通りすがりの破壊者「図星だな」
霞「けどウチはどうしたらええのや」
通りすがりの破壊者「素直になればいいだけだ。まあ、隠したいことがあるようだからそれはまだ言わなくていいと思うぞ。それじゃあな」
そう言うと通りすがりの破壊者と自称した者はいずこかへと去っていった。
霞「………」
霞「てのがあったんや」
一刀「そうか……。で、どうするんだ? これから……」
霞「今までの償いをするつもりや。それに……この洛陽は結構荒れてるんや」
人和「どういうこと?」
霞「霊帝が死んだことは知っとるやろ?」
地和「ええ、それくらいなら……」
霞「その後月(ゆえ)……、まあ月ってのは真名で董卓って言うんやけど、十常侍って奴らに唆されて利用されたんや。
そんな時、ウチがここに来て十常侍を片づけんたけど……。ウチが居ないと月がまたひどい目に遭いそうでな……」
天和「それじゃあ残るの?」
霞「そう言うことやな。まあ今までのやり方とは全く別のやり方でこの街を治める気やけどな」
一刀「お前なら出来るさ……」
霞「なあ一刀……もしウチが……」
一刀「それ以上言うな。俺はそんなことが起こらないことを信じているからな……。
行こうか……」
天和「え、うん」
一刀が歩きだし、一刀の後を追う張三姉妹。
歩きながら一刀は振り返らずに手を霞に向かって振る。
霞(元気でな。一刀……)
とある村へとたどり着いた一刀。
一刀が村に着くと同時にある女性孫権がその村へとやってきた!
孫権もまたある拳法使いであった!
次回、北斗の恋姫の拳
新たなる宿命の女! その名は孫権!
一刀「俺に死は無い!」
おまけ
作者「ヒャッハー! 新作だ!」
一刀「お前昼前に投稿したばかりだろ!」
作者「気分が良くてな…。それに一応第7話に突入したからその勢いに任せて第3話を投稿した」
一刀「そんなハイペース身を滅ぼすぞ。しかしサプライズキャラって…」
作者「俺らしいだろ?」
一刀「お前らしいと言うか世界観ぶち壊すつもりかよ!?」
作者「そんなつもりはない。あのサプライズキャラはあくまで恋姫キャラを殺さないようにするための登場だ。物語そのものには支障はないようにしている。
それにやっぱり恋姫キャラが死ぬなんてやっぱりファン皆が嫌だろ。俺だって嫌だからな」
一刀「まあ、一理あるな…」
作者「本当なら先にあのサプライズキャラの事を書く予定だったが、止めだ。書くとしてもこの作品が終わってからだな。後なザコ敵の断末魔は俺がオリジナルで考えてる。かなり苦労するんだぜ。まあアニメだとアドリブが多いみたいだから適当なもので良いのが救いだな。
そして次回は蓮華登場。蓮華はあの拳法を使うぞ!
それでは…!!」
説明 | ||
この作品では特に人が喋っていない部分には「北斗の拳」でおなじみのナレーションの声が出ているものと思ってください。 なお、可能な限り控えめにしておりますが流血表現があることをご了承ください。 |
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コメント | ||
映画見た後にこれを読ませていただくと「おぉ!」となりますねぇ。さて・・・愛紗はいずこ?(りばーす) ちゃんと北斗の場面場面とクロスしていて面白いです。これからもがんばってください(永遠の二等兵) 世紀末覇者は誰か・・いくら予想しても漢女しか思い付きません・・・(PETIT) 最後のページのところ・・・一刀が作者の台詞を奪ってますよwwwwww(スターダスト) 北斗無双のセリフもあったなWサラダバー!(ヒトヤ) 水鳥拳ですね。(ブックマン) (恋姫・北斗とのクロス的に)話が通ってるから面白いですw流れ的には蓮華が使うのはアレですな どこまで染まってるのか楽しみですw(村主7) |
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