真・恋姫無双〜神物語〜 第三話 |
皆さん、こんにちは。
俺は外史の管理者にして仙人の介象 元則と申すもの。
さまざまなアクシデントにみまわれた結果とある外史で桜歌…皇帝陛下に神様兼天の御遣いとして協力することになった。
カッとなってやった、今は後悔している?って感じだ。
とりあえずあんまりこの外史に留まってると他の仙人に抹殺されそうだからとっとと桜歌の願いを叶えて帰ろうと思う。
とりあえずやることは三つ……
まず、洛陽の再建だよな。
仮にも漢の首都がこの有様じゃあ格好がつかない。
それにこの時代なら噂が一番の情報源だから町人と仲を深めておいたほうがいい。
とりあえず笑顔と緑あふれる街、洛陽≠キャッチフレーズにやっていこう。
次に手勢の確保だ。
より正確には俺と皇帝の味方。自由に出来る兵隊の入手。
できるなら武将級の奴か王佐の才とか呼ばれるくらいの奴が一人二人いると尚良い。
これは盗賊とか治安の問題にも関わってくるから洛陽再建にも重要なピースになる。
そして最後に劉協の救出。
これに関しては手勢確保が上手くいけば必然、可能だ。
宮中に味方を作ることが出来ればいずれは劉協の居場所も解る。
そうなれば宦官の馬鹿どもを蹴散らして劉協を助け出せば良い。
ぶっちゃけこれが上手くいかないと本格的な洛陽再建が出来ない。
この三つはどれが欠けても政権奪還には至らないのだ!
『第三話 皆の神様、介象 げ……えっ?便利屋?ライバル?街の名物?』
ズズズ〜……ぷはぁっ。
「お茶が上手い……」
ひょいっ ぱくっ もぐもぐ……
「本当ですね〜 あっ、このお茶菓子おいしいですよ」
「ほう?どれどれ……」
俺と桜歌は桜歌の私室でこれからのことを話し合った。
一ページ前に書いてあったと思うがとりあえずその方向でやっていくことになった。
本当は丸一日二人っきりで部屋に篭って議論したからもっといろいろ議題はあがったけど急いでやることは三つに決まった。
っと、言うわけで小休止として縁側の老夫婦みたいな会話をしながらお茶を啜ってるわけだ。
「って、こんなことをやっている場合ではないでしょう!」
まったりしていた桜歌がいきなり立ち上がって卓袱台返し!対面の俺の顔面に卓袱台&お茶&お菓子のトリプルヒット!
「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!痛くて熱くて美味い!いきなりなにしやがる!」
「なにをのんびりしているのですか!こうしている間にも民は貧困にあえぎ妹はつらい思いをしているというのに……!」
「自分ものんびりしていたくせに何を偉そうに……あっ、ごめんなさい!お茶かけないで!消火されちゃう!」
文句を言えば転がっている俺に向かって湯呑みを傾ける。なんて女だ!
「第一、これからやる三つの作戦で私の出番がほとんど無いではないですか!」
ん?ああ……つまり自分の政権奪還作戦なのに自分のやることがなくてこれじゃあ今までと変わらない、と?
「それは仕方無いだろう?少なくとも劉協奪還まで桜歌は宦官側に疑われるような動きはできない。俺だって桜歌側だから大っぴらには動けない。当面は小さいことからこつこつと…やってくしかない」
「そんな悠長な……!」
悠長って言われてもねぇ……
「これから国を変えようって言うんだから一朝一夕じゃ無理だ。しばらくは相手を油断させる為に適当に道化を演じつつじわりじわりと…宦官どもを焼き尽くす…!」
俺の言葉に不満な様子の桜歌だが一応は納得した様子で元の位置(俺の対面)に戻る。卓袱台を戻す気は無いんですね……
俺は暴力をふるう夫につくす妻のように半泣きで卓袱台や湯呑みを元に戻し茶菓子を片付ける。
「……では……一体どうするというのですか…?」
「とりあえず……火種をつくっている……効果が出るまではいろいろ温存しよう……」
「……わかりました……」
不満そうだが仕方ない…効果がでるにはどうしたって時間がかかる。
――――――町内散策・一日目――――――
俺は手始めに一人で街の視察に来ている。
一人といっても正確には見張りがちょっとはなれてついてきてるが……
来ている……が、なにこの空気?
ざわ…… ざわ…… ざわ…… ヒソ…… ヒソ…… ヒソ…… ボソ…… ボソ…… ボソ……
めっちゃ見られてる……!
いや、見られてるっていってもジロジロ見てるんじゃなくて……チラチラと微妙に敵意混じりの目で見てくる。
「………………あ〜……あの〜……」
「………………(ジロリ)……………………」
いたたまれずにその辺の飯店の店主に話しかけてみる……が、一瞥されただけで無視。ひどくね?
しかたなくその場を離れて歩き出すと目の前を小石が通過する。
「役人め……この街から出て行け!」
そう言って十歳未満ぐらいの子供の集団の一人が俺に向かって石を投げる。
ぶっちゃけ当たると痛いから身体を一瞬炎に変えて石をやりすごす。
当たるはずだった石が身体を通り抜けたことに周りの人間がギョッとする。
子供達は目論見が外れ路地裏に姿を消し周り通行人も逃げるように動き出す。
……これにて散策・一日目 終了
――――――町内散策・五日目――――――
相変わらず街の住民の態度は変わらない。
「はあ……どうしたもんかなぁ……」
いいかげんちょっとぐらい態度を軟化させてくれてもいいんじゃないですか?
「………はあ〜…おっと…!」
ため息を吐きつつ歩いているとまた石が目の前を通過する。やれやれ……
「まったく……進歩の無いこと……だ!?」
パシャア!…………ポタ……ポタ……
ふっ……水風船……か……固体で効かないなら液体……いい発想だ……学習する奴は好きだぜ……。
あっ……やばい!消えそう!石を避ける為に身体を炎に変えてたところに水がかかったから……ぐわあああああああああ!!
「ぐおおおおおおおっ!おのれぇガキどもぉ……!よくもやってくれたなぁ……!逃がさんぞおおおおおおおおおお!」
「うわっ!みんな、逃げるぞ!」
俺の怒りを感じて子供達はちりじりになって逃げ出す。
だがそうはさせんっ!俺に水をかけるなど……絶対に許さん!絶対にだ!
俺は仙人業できたえた足腰で子供達を追いかける……が
ズボッ!
「うおああああああああああああああああああ!!」
こっ……これは……落とし穴だとおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああ!!
「この俺がこんなチンケな罠に……くっそおおおおおおおおおおお!!」
……これにて散策・五日目 終了
――――――町内散策・十日目――――――
くそっ!今日こそあのガキどもを倒してやる……!
「オヤジ……肉まん十個」
「……あいよ、また子供達を追いかけるのかい……?」
「当然だ……!俺が勝つまであいつ等には付き合ってもらう……」
「捕まえたら……どうすんだい……?」
店のオヤジが探るような表情で俺のことを見てくる。そんなこと決まってんだろ……!
「決まってる……捕まえたら水浸しにしてやる……!」
「………は?」
「あいつ等は俺に水ぶっ掛けやがった……!だからあいつ等も同じように水浸しにしてやるんだ!過不足なく……な?」
「は、はぁ……あっ、肉まん十個、蒸しあがりました」
オヤジが呆けたようになったかと思えば思い出したように肉まんを差し出してくる。と、同時に……!
「見えてるぜぇ……火銃=I」
肉まんを受け取ろうと前傾姿勢になった俺に水風船が投げつけられる…が…それを俺は指先を炎に変えて炎を弾丸のように発射して撃ち落とす。
「馬鹿が……進歩がねえって言ってんだろう……が!?」
ドバシャアッ!……ポタッ……!ポタッ……!
なーるほど……今度は上から水桶か……やっぱ学習してやがる……って、言ってる場合じゃねえ!
おおあああああああああああああああああ!!消える消える!俺の身体がああああああああああああああああ!!
「こん……のお……!クソガキどもおおおおおおおおああああああああああああああああああ!!」
今日こそ逃がさんっ!ハアアアァァァァーーーーーーー!けりをつけてやる!ポルナレ……いや、ガキどもぉ!
ズボッ!
「ぐううおおおおおお!また落とし穴だとぉ!ふっ……だが俺も日々成長している!今の俺は足から炎を噴射して短時間の飛行が可能なのだぁ!こんな落とし穴など軽く抜け出して……!?」
バッシャーーンッ!!
くっ……くくくくく……今度は落とし穴に水を溜めてやがったか……やりやがる!それでこそ我がエターナルライバル!
ぬううううああああああああああああ!今回は勝ちを譲ってやる!だが次こそっ……次こそおおおおおおおおおおおお!!
……これにて散策・十日目 終了
――――――町内散策・十五日目――――――
クゥワアアアアアアアアアアアアアア!!今度こそ俺が勝つ!勝利は常に神とともにあるのだから!!
そんなことを今日も水浸しになりながら心と口から叫びつつ例のガキどもを探す。
「オヤジいいいいいいいいい!あのガキどもはどこに行きやがったぁ!」
「神の旦那ぁ……ここは飯店ですぜ?」
「肉まん十個!」
まったく……商売上手な親父だ!
「そこの路地裏に入ってたよ、まいどあり!」
「おう。キエエエエエエエエ!うおわっ……!」
くっ……また落とし穴か……だが既に予想済みよぉ!落ちる……と思った瞬間から足からのジェット噴射の準備は……!って、浅っ!!
落とし穴は予想外に浅く今までは十メートルぐらいの深い穴だったが今回は五十センチほどの浅い穴だ。ジェットで飛ぼうとしていた俺は盛大に転んだ……それはもう盛大にだ!こんなやりかたで攻めてくるとは……やりおる!
「許さん!俺をこんなくだらん罠にはめるなど……!」
「ちょっと神ちゃん」
「あ?」
転倒した状態で怨嗟の声をあげていると上からおばちゃんの声が降ってくる。
「薪が湿気っちゃってるみたいでねぇ……ちょっと火ぃつけとくれよ」
「ちっ……解ったよ……おらぁ!」
ゴウッ!
俺の手から炎が放たれ薪の山に火がつく。
「ありがとよ!」
「おう!ミゲアアアアアアアアアアアア!」
無駄な時間くっちまった!ガキどもはどこに……!
すると今度は後ろからまた声をかけられる。
「神様……ちょっと聞いとくれよ」
「ああ?なんだよ、ばあさん」
「蔵の中が暗くってねぇ……ちょいと明かりつけてくれないかねぇ……」
「解ったよ……!そら蛍火=I」
俺の手から手のひらぐらいの大きさの火の玉が現れ、蔵の中に飛んでいき蔵から明かりが漏れる。
「これでいいだろ、俺は行くぜ!オロロロロロロロロロロロ!」
「ありがとうよ……」
どこ行ったぁ!クソガキぃいいいいいいいいいいいいいいい!
再び捜索に精を出すが、まぁた声をかけられる。
「御遣い殿……」
「ああ!?」
地べたにござをひいて木彫りの人形を並べて売っている男だ。こいつは行商人で副業として商人仲間から情報をしいれて情報屋もやっている。
「例の件なのですが……ここから南のほうで条件にあてはまる目撃情報がありました……詳しいことはこれに……」
男の渡してくる木片を受け取る。
「ありがとよ!ついでだがこの街のガキどもの情報を知らないか?」
「……御遣い殿の探している子供のことなら向こうの路地に入りましたよ……」
「助かった……!ギエエエエエエエエエエエエエエ!」
みーつーけーたーぞー!にんげえええええええええええええええええん!!
「はー…はー…!ようやく……ようやくだ……これで俺達の戦いに終止符がうたれる!」
「くっ……!」
行き止まりに追い詰められ壁に背をあずけているリーダー格の少年、こいつが……おれのおおおおおおおおおおお!
「さあ……裁判を始めよう……もちろん有罪オンリーだがなぁああああああああああああ!」
眉間にしわを寄せて悔しそうな少年……だが突然はっとしたような表情をしたかと思えば笑みを浮かべる。
「どうしたあああああああああ!おのれの未来を想像して恐怖でおかしくなったかあああああああああああ!」
「いや……ただ…今回も俺達の勝ちだと思ってね……」
「負け惜しみ……お……?」
ポツリ…… ポツリ…… ポツ…… ポツ…… ザアアアアアアアアアアァアアァァァアアアアァ!!
「あっ、雨だとおおおおおおおおおおおぐあああああああああああああああああああああああああああ!!!?」
「今日は空気が湿ってたし鳥が低く飛んでたからね……そろそろ雨がふるころだと思ってたんだ。じゃーなー、神のにいちゃん!またなー!」
「ぐうおおおおおおあああああああああああああ!!ま、まてぇ……!まだだ……まだ負けてはいない!俺が勝つその日まで……永遠に決着はつかんのだ……!覚えておけえええええええええええええええええええええ!!!」
み、見事だ……まさか……天候すら計算にいれて動いていたとは……今回は素直に引き下がろう……だが次だ!次で俺達の戦いに終止符をうってくれる!絶対にいいいいいいいいいいいいいいい!
――――――散策・十五日目 終了――――――洛陽再建作戦キリがないので一時休――――――
あとがき
いや〜……壊れましたね。
っていうか、壊しました。
一刀君は持ち前の空気と人格で町人と仲良くなりましたがうちの栄守はケンカして仲良く?してみました。本人は本気で子どもと闘っているけど……
それと、今回の話しは本来なら劉協奪還まで続いた状態で投稿の予定でしたがちょっと長くなりそうだし、これから先忙しくなるので投稿が遅くなることを考慮して短めになりました。
では、今回はこの辺で……次に会うときまで忘れないでくださいね?それではまたそのうちにw
説明 | ||
オリキャラを主人公にした恋姫作品です。 ヒロインは劉弁と劉協の二人になると思います。思います? おもしろいと思ったら見てください。 つまらないと思ったら『←戻る』でお願いします。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1402 | 1263 | 18 |
コメント | ||
MiTi様>も、もちろん神ですよ!今は……ほら……体調が悪いだけで……(ミスター加藤) COMBATO2様>Σ(゜Д゜)(ミスター加藤) ……………………エックスキューズミー、アーユーレアリーゴッド?(MiTi) 神様のくせにだっせぇ〜バーカバーカバーカバーかバーカ!!!(COMBAT02) |
||
タグ | ||
真・恋姫無双 真恋姫無双 恋姫無双 | ||
ミスター加藤さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |