真恋姫無双〜ありえたかもしれない外史〜 第15話 決着×友達 
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この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

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前回のあらすじ

最強の援軍を得た一刀。ついに反撃を始めた。次々と敵を薙ぎ払っていく一刀。戦いは終わりが近づいている。勝つのは一刀か、孫策か……

真恋姫無双〜ありえたかもしれない外史〜始まります。

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孫策「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

孫策は一刀に一撃を放つ。その一撃は彼女が生きてきた中で最高の一撃であった。多分その一撃なら恋ですら倒せたかもしれない。

  「いい攻撃だ……でも」

その攻撃を交わして孫策の懐に入る一刀。そして、『白夜』と『月詠』をふるう。

  「俺には届かない……」

孫策「がはっ!!」

そして、双剣をしまう一刀。孫策はそのまま倒れた。

周瑜「雪蓮!!」

孫策に駆けつける周瑜は体を起こした。孫策はかろうじて息をしていた。そんな周瑜に一刀は言った。

  「周瑜よ……お前ならわかるだろ?もうこの戦い、決着がついたことを……」

周瑜「……ああ……」

王が倒されたのである。もはや決着はついた。

兵士「報告します!!呂布軍が孫権を、北郷隊が孫尚香を捕らえました!!」

その報告はもはや止めであった。そして、周瑜は目を瞑り言った。

周瑜「この戦……我らの負けだ……」

その言葉を聞いて一刀は宣言をした。

  「この戦、我ら袁術軍の勝ちだ!!皆勝ち鬨をあげろ!!」

一刀の声に呼応して袁術軍の兵士たちが次々に声をあげていく。

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その後、次々に呉の兵士達は投降していった。孫策も一刀の命令で治療をおこなっている。また、捕らえた呉の主な将もそれぞれ丁重に扱っている。特に抵抗はなかった。怪我の治療を終えた一刀は美羽のもとにむかった。

美羽「一刀!!」

一刀の姿を見て駆けつけてくる美羽。その姿を見て笑みを浮かべる一刀。

美羽「一刀!!無事でよかったのじゃ!!」

そう言って一刀に抱きつく美羽。一刀も美羽の頭を撫でる。そこに、七乃達も近づいてくる。

七乃「勝ちましたね〜。本当に奇跡ですよ。」

詠 「本当よ。またやれって言われても無理よ。」

そう言ってため息をつく詠。それだけこの戦いはギリギリであった。恋の援軍が遅かったり、孫策軍がまだ早く攻めてきたらこの戦の結果は変わっていた。例え一刀が一人で獅子奮闘の活躍をしても無理であったであろう。

一刀「すべて噛み合って勝つことができた……みんな、ありがとう。月もご苦労様。」

月 「いえ…本当によかったです」

月は微笑む。そこに恋と音々音がやってきた。

恋 「………一刀………」

一刀「恋もありがとうな。」

恋 「………んっ……一刀は月と詠を助けてくれた……そのお礼」

恋の言葉に苦笑する一刀。そして、隣の音々音にも声をかける。

一刀「陳宮もありがとう。」

音々音「ふん!!気安く声をかけるなです!!」

そう言った音々音の頭を叩く恋。

恋 「……ねね……ダメ……」

音々音「痛いです〜。恋殿〜。」

涙目で恋を見る音々音。その様子を見ていた一刀は苦笑する。そこで、美羽が尋ねる。

美羽「のぉ、一刀。孫策達はどうなるのじゃ?」

美羽の言葉に一刀は真剣な顔になる。七乃や詠も顔が真剣になる。

  「…とりあえずは様子見かな?」

一刀の発言に頷く美羽。その後、一刀は七乃と詠と音々音と話をするためにその場に残った。美羽は月と恋と一緒に兵士たちに労いの言葉をかけに行った。

詠 「で?どうするのよ?」

一刀「孫策か……難しいな…」

七乃「英雄さんですからねぇ〜。下手に殺すと色々と問題がありそうですよね〜」

音々音「…でもこちらに降れと言っても絶対に無理ですぞ。」

そして、沈黙する四人。そこで一刀は口を開いた。

   「……孫策の治療が終わってから考えても遅くないさ……幸い向こうは抵抗をする気も力もないみたいだし…」

一刀の言葉に頷く三人。そして、一刀達は美羽達のもとにむかった。

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それから数日後、孫策が意識を戻したとの報告を聞いて一刀は孫策のもとにむかった。

  「失礼する。」

孫策「あら、北郷じゃない。いらっしゃい。」

部屋に入った一刀を孫策はあっさり受け入れた。罵声などを浴びせられると思っていた一刀。孫策の様子に驚く。

  「……体の具合はどうだ?」

孫策「あなたにやられたのだけどね〜」

孫策の言葉に一刀は黙る。それを見て孫策は笑った。

孫策「ふふっ。変な感じね…数日前に殺し合いをしていた人物とこうして話をするなんて」

一刀はそんな孫策を見ていた。

孫策「ねぇ、そういえば冥琳達は?」

一刀「……周瑜達は丁重に扱っている。少々不便と思うけどな…面会もすぐにできるように手配をしてやる…」

孫策「そう、ありがと。」

そこで沈黙が流れる。一刀は部屋を出ようとした時孫策が声をかけた。

孫策「ねえ、あなたって本当に『天の御使い』なの?」

孫策の質問に一刀は答える。

  「それはどうかわからない……ただ俺はこの時代の人間ではない……」

遠まわしの肯定をする一刀。その言葉に驚く孫策。

孫策「そうなんだ……」

  「……信じるのか?」

孫策「う〜ん。どうだろう?」

そう言って笑顔を浮かべる孫策。孫策の様子は戦場で見せた王の威厳はなく、普通の女性に見えた。

  「とりあえず、今は傷を癒せ……失礼したな」

孫策「………ありがとう」

一刀はそのまま部屋を出た。

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その後、孫策達は美羽の玉座の前に連れてこられた。美羽は玉座に座っており、その左右には七乃と一刀がいた。そして、美羽は孫策に声をかける。

美羽「孫策……どうしてこんなことをやったのじゃ?」

美羽は弱々しく声をかける。孫策はそんな美羽を見た。

孫策「決まっているわ。全てはあなたの手から江東を取り戻すためよ。」

孫策の言葉に黙る美羽。そこで一刀が美羽に声をかける。

  「孫策たちは美羽に逆らった。しかるべき処罰を与えないといけない……」

美羽「うむ、そのことなんじゃが「孫策。お前には死んでもらう」……えっ?」

美羽が発言しようとしたが一刀がそれを遮る。思わず一刀を見る美羽。その顔はいつもの一刀ではなくとても冷徹な表情をしていた。次に七乃を見る美羽。七乃はにっこりと笑顔を浮かべて言った。

七乃「当然ですね〜。美羽様に逆らったのですから〜」

七乃の言葉に呉の面々が美羽達を睨む。

一刀「そうだ……大将の孫策と孫権と孫尚香には死んでもらう。孫家にはここで滅んでもらう。ただ残りの面子は周瑜を筆頭に非常に優秀だ。美羽に忠誠を誓うなら生かしてやってもいい。もちろん待遇もいいぞ?」

そう言って将を見る一刀。その一刀の言葉に噛み付く者達。

甘寧「ふざけるな!!」

黄蓋「この身、すでに孫呉に捧げた!!今さら袁術なんかに降れるか!!」

周泰「そうです!!」

呂蒙「はい!!」

  「そうか……」

一刀はその言葉を聞き残念そうに言う。孫策と周瑜と陸遜はそんな一刀をじっと見ていた。

一刀が美羽に声をかけた。

  「それでいいな。美羽」

美羽「妾は………」

そこで言葉が詰まる美羽。美羽はおもわぬ一刀の発言に動揺していた。

  「……どうした美羽?」

そう冷たく言う一刀。美羽は服の裾を強く握っていた。

美羽「わ、妾は……孫策達を殺したくない……のじゃ」

震える声で言う美羽。しかし、美羽の言葉を一刀は両断する。

  「甘いな、美羽。…火種はここで消しておくに限る…次は美羽が孫策に殺されるかもしれない」

美羽「その時は、また…」

  「今回はたまたま勝てた。そう何回も奇蹟は起きない。」

美羽「……………」

  「お前の願いを叶えるためにも孫策は邪魔だ。なら……ここで消しておく必要がある。そうだろ美羽?俺は間違っているか?」

一刀の言葉に完全に沈黙する美羽。その様子を黙って見つめる七乃や呉の面々。やがて、美羽は顔をあげる。

美羽「………そ、それでも!!妾は孫策達を殺したくないのじゃ!!」

突然大声を出す美羽。一刀や七乃以外の面々は驚いていた。

  「どうして?」

美羽「それは……孫策と友達になりたいからじゃ!!」

美羽の言葉が室内に響く。

美羽「友達になればきっと孫策と分かり合えるのじゃ!!そうすればきっと良い関係が築けるのじゃ!!」

美羽が言っているのはただ子供が我侭を言っているようにしか聞こえなかった。しかし、美羽の言葉に一刀は耳を傾け真剣に美羽を見る。

  「……裏切られるかもしれないぞ?そのことで美羽が傷つくかもしれない。それでもか?」

美羽「それでもじゃ!!大体そんなことを気にしていたら友達なんて作れないのじゃ!!」

そう言って一刀を見る美羽。一刀もまた美羽を見る。

  「………わかった。では孫策達は殺さない……いいな?」

一刀の言葉に頷く美羽。一刀は苦笑する。そして、美羽は呉の面々を見る。

美羽「ということじゃ孫策。」

孫策「とういうことって……ちょっと袁術」

美羽「美羽じゃ。妾の真名は美羽じゃ孫策よ。そう呼ぶのじゃ」

いきなりの発言に面を食らう孫策達。死罪を覚悟していた孫策。しかし、あれだけのことをしていて死罪にならないのである。更には真名まで授けられたのである。そして、美羽は言った。

美羽「妾は今まで孫策達に対してひどいことをしたのじゃ…今すぐ許してくれとは言わないのじゃ。でも、もし許してくれる時は妾と……と、友達になって欲しいのじゃ。」

恥ずかしそうに言う美羽。孫策達は美羽の変わりように驚いていた。そこで一刀が続けた。

  「……我が主がそう言ったなら俺達はそれに従うだけさ……」

そして、一刀は兵士に何か声をかける。すると少ししたら兵があるものを持ってきた。

孫策「これは……南海覇王?」

  「まあいつまでも倉庫に置いておくのも不憫だからな…持っておけ」

そう言って一刀は孫策達に武器を返していく。

  「美羽からお前たちに対する信頼の証ということで」

一刀の言葉に頷く美羽。そして、そのまま武器を受け取っていく呉の面々であった。

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夜、一刀は中庭でお酒を飲んでいた。そして、つまみに自分が作った料理を食べていた。一刀の顔は自然と笑みを浮かべていた。それは美羽が一刀の言葉でなく自分の意思で孫策の処遇を決めたことである。確実に成長している美羽を考えるとお酒も進む。するとそこに人影が現れた。

雪蓮「何一人でお酒を飲んでいるの、一刀♪」

顔をあげるとそこには孫策と周瑜がいた。一刀は酒を飲みながら言った。

  「別に……」

冥琳「その割には嬉しそうな顔をしていたな」

そう言う周瑜。すると孫策が席に座る。

雪蓮「せっかくなのだから一人で飲まずに私たちもいれてよ」

冥琳「ふむ。そうだな」

そう言って周瑜も席に着く。そんな二人に苦笑する一刀は二人に酒を注ぐ一刀。乾杯をして酒を飲む二人。

雪蓮「おいしい〜」

冥琳「確かに…今まで飲んだことがない感じのお酒だ」

それぞれ感想をもらす孫策と周瑜。

  「気に入ってもらってなによりだ。それは俺の国で日本酒というものだ。俺が作った。」

一刀の言葉に感心する二人。そして、一刀の料理を食べながら話をする。

雪蓮「一刀、今日私たちの前で随分と美羽をいじめてたじゃない」

あの後、すぐにお互いの真名の交換をした美羽と孫策達。意地悪そうに一刀に言う雪蓮。

冥琳「ふむ…確かにな」

そう言って雪蓮と同様な顔をする冥琳。

  「別に大したことじゃないさ……ただ美羽に成長して欲しかったのさ」

そして酒を飲む一刀はさらに続ける。

  「……今までは美羽は何でも俺達に任せてくれた。しかし、何でも俺達が決めたら美羽のためにならないと思ったのさ…。これからのためにも……。だから、七乃さんと合わせてああいう芝居をしたのさ…そして、今回美羽は自分の意思で結論を出した。」

雪蓮「でも、もしあそこで美羽がしなかったらどうしてたの?」

  「……さあな……考えてなかったな」

一刀の返答に驚く二人。

  「まあそのときはそのときさ…」

そう言ってニヤッと笑う一刀に冥琳が呆れたように言う。

冥琳「お前の智を私は高く評価していたのだけどな…」

  「天下の美周郎にそう言われるなんて光栄だな」

一刀は酒をさらに飲む。空になった器に酒を注ぐ冥琳。

  「とりあえずこれからのことなんだけど……呉の面々にはしばらくここに留まってもらって色々と手伝ってもらう……全て終われば、江東を雪蓮に返還するさ。」

その発言に驚く二人。

雪蓮「……いいの?」

  「いいも何も雪蓮達はそれが目的だったのだろ?」

さらに続ける一刀。

  「ただしばらくは俺達に力を貸してくれ。これからのために……」

冥琳「それは…曹操と劉備か?」

冥琳の言葉に頷く一刀。

  「間違いなく曹操は俺達に牙を向く。まあ劉備はこちらから喧嘩を売らない限り大丈夫だろ…。とにかくお前たちの力が必要なんだ……」

そして、頭を下げる一刀。そんな一刀を見て雪蓮は笑う。

雪蓮「いいわ。私たちの力を美羽に貸すわ。みんなの説得は任せて」

  「……ありがとう。」

一刀は雪蓮の言葉を聞いて笑みを浮かべた。

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おまけ

それは孫策達を玉座に集める前の会話。

七乃は一刀に呼び出されて話をしていた。

七乃「美羽様に孫策さんたちの処遇を決めてもらうのですか?」

  「ああ」

一刀は七乃にそう言い、美羽のために必要であることを告げる。その話を聞いた七乃は頷いた。そして、玉座で孫策と対面する美羽。一刀の発言に驚く美羽。一刀の顔を見たあとに七乃を見る美羽。その顔を見た七乃は

七乃(きゃ〜!!美羽様とってもかわいいです〜!!)

悶えていた。その顔は捨てられた子犬みたいであった。抱きしめて頬擦りをしたいのを我慢して七乃は言った。

七乃「当然ですね〜。美羽様に逆らったのですから〜」

極めて冷静に言った。その後一刀と美羽が話すのを聞いていた七乃。一刀の言葉に俯く美羽。自分の意見を一刀に言う美羽。孫策に友達になって欲しいと言う美羽。そのどれもが七乃にとってご馳走であった。

七乃(もう死んでもいいです〜。いや!!やっぱりまだ死ねないです!!まだかわいい美羽様をたくさん見ないと!!)

七乃は心の中でそう考えていた。非常に緊迫な場面で一人百八十度異なることを考えていた七乃であった。

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後書き

孫策軍に勝ってしまった……やってしまいました。今回はかなりの難産でした。孫策を生かす生かさないで結構悩みました。結局は生かしました。そこでふと思ったのですが袁術軍最強じゃない?と思ってしまいました。今回も色々とご都合主義や無茶苦茶な話の流れですがいつもの通りスルーしてください。すみません。おまけは短いのですが思いついたので書いてしまいました。ではみなさんまた

 

 

 

説明
投稿です。生暖かく見守ってください。
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コメント
美羽がここまで変わるとは・・・ある意味桃香と同じタイプですね〜(狩人)
あの我が儘なだけだった美羽様が助命するとは…その成長が大変喜ばしく思います。そして恋ちゃん達に加え孫呉が傘下、もしくは同盟が堅いだけに玉璽の行方が気になりますね。さらには天の御遣いを喧伝する事でさらなる勢力に成長しそうで益々楽しみになってきました。(自由人)
ま〜今までは周りが悪かったんだから、周りが変われば人も変わるというような感じですかねw(スターダスト)
根が素直ですから、良い影響を与える人間がそばにいれば、真っ直ぐ育ちますよね。七乃が屑たちを掃除したのも重要ですね。(tokitoki)
孫策たちを殺したくないって言ってるいる時点でもう美羽はかなり成長していますね。今後も親のような視線で美羽の成長をみたいですw(おやっと?)
自分を悪役にしてまで美羽のことを考えたかずとと美羽の成長に感動しました(conqueror)
美羽・・・良い子じゃないか! 泣けたぜちくしょう!!(PETIT)
更新お疲れ様です。遂に一刀君たちが勝ちましたね。美羽の成長っぷりがよくて、可愛かったです。そして、七乃さん何処まで愉快なんすかwwwwww(アカスズ)
今後の展開が楽しみです!!!(COMBAT02)
タグ
真恋姫無双 美羽 七乃 

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