北斗の恋姫の拳 第10話
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第10話  聖帝よ! 俺は愛のために戦う!

 

 

袁術軍が崩壊し、覇王が居なくなったのを機に新たに野望を持つ者が表舞台に現れた!

その名は袁紹! 自分を聖帝と呼ぶ存在であった!

そして華琳の天敵であった!

その少し前のことであった。

思春達の村では美羽によってもたらされた水不足が起こっていた。

 

七乃「すみません本当に…」

思春「本来なら許さないことだが…」

蓮華「過ぎたことを言っても仕方ないわ」

美羽「許してくれるのか?」

一刀「生きて償うことはできるからな」

思春「しかしこの村は少し人が増え過ぎている…」

天和「ねえねえ一刀」

一刀「そうだな。だったら俺達はまた旅に出るとしよう」

地和「え〜出ていくの〜」

人和「でもその方がいいかも」

地和「何でよ?」

人和「私達は元々旅芸人よ。この村にとどまれば私達の噂も広まるかもしれないけど、噂を広めるには私達自身が色々な所に回った方がいいのよ」

地和「そうね」

人和「それに私達がいなくなれば、少しでも村の人に水が行き届くからね」

一刀「そう言うことだ」

 

こうして一刀達は村を出て、再び旅を始めた。

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一刀達が旅をしていると、一刀はあるものを目撃する。

それは聖帝の兵士が家から子供を何人も連れ去ろうとしていた。

 

一刀「それをよこせ」

聖帝兵士「ああ、だったら半分やるよ」

一刀「全部だ!」

聖帝兵士「そう言うなよ。これは元々俺の獲物何だしな」

一刀「全部だ!!」

聖帝兵士「何だと!? 死ねえ!」

一刀「全部だ!!」

 

一刀は全部だと言ったまま兵士を殴り倒した!

そして子供達を母親の元に返した。

 

一刀「恐れることはない。もう大丈夫だ」

母親「あ、ありがとうございます!」

一刀「そこに居る奴……出てこい!」

 

一刀は後ろに隠れていた人間を呼び出す。

 

???「さすがだな。気配を消した私を見つけるとは……」

 

そこから現れたのは若干赤みのあるピンク色の髪を後ろに結んだ女性であった。

 

一刀「お前は?」

公孫賛「私は南斗六聖拳の一人。南斗白鷺拳の公孫賛!」

一刀「お前は目が見えぬのか?」

公孫賛「それでも心の眼は開いている。それゆえに人は私を盲目の闘将と呼んでいる。

南斗乱れる時北斗現る。六星が乱れた時から私とお前は戦う運命にあったんだ!

南斗白鷺拳奥義、誘幻掌!」

 

公孫賛は手を広げて惑わすように動かす。

 

公孫賛「盲目だから私はお前の拳に恐怖することはない」

 

そして公孫賛は一刀の後ろから突きを当てようとするが、一刀は紙一重でかわす。

一刀も拳を当てようとするが、公孫賛は体を後ろにそらし、避けると同時に足技で一刀に傷を負わせようとするもこちらも紙一重でさける。

 

公孫賛「これぞ。南斗六聖拳。白鷺拳の真髄、裂脚空舞!!」

 

公孫賛は回転蹴りを一刀を当てようとするが、一刀はうまく公孫賛の足に当てて、裂脚空舞を止める。

 

公孫賛「この拳をかわしたのはお前が初めてだ」

一刀「ならば教えてやろう。北斗神拳が一子相伝の最強の拳法である理由を!」

 

一刀はそう言うと、美羽が使っていた南斗紅鶴拳の伝衝裂波を繰り出す!

 

公孫賛「これは南斗紅鶴拳!?」

一刀「北斗神拳奥義、水影心! 北斗神拳は一度戦ったり見た相手の拳を己の技にすることが出来る!」

 

伝衝裂波の音により、公孫賛は一刀の場所を捕らえることが出来なくなり、公孫賛は一刀を見失う。

 

一刀「あたあ!」

 

一刀は平手打ちを公孫賛の顔に当てる。

 

公孫賛「甘いな。何で今の一撃でとどめを刺さない?」

一刀「ならば聞こう。お前の技には何故殺気が無い?」

???「待って!」

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そこになんと蓮華がやって来ていた。

 

一刀「蓮華!」

蓮華「公孫賛は私達の味方よ」

一刀「何?」

公孫賛「まさか蓮華が来るとは……。すまない、命をかけないとお前の力を知ることが出来なかったからな」

一刀「蓮華とは一体?」

公孫賛「私は蓮華の友人だ。そして仁星の公孫賛。真名は白蓮(ぱいれん)だ。

待っていたぞ北郷一刀。お前が来るのを…。聖帝を倒せる唯一の人間。北斗神拳伝承者を!!」

一刀「白蓮で良いのか?」

白蓮「いいぞ」

一刀「お前とは以前に会わなかったか?」

白蓮「思いだせば分かるさ……」

一刀「……あの時の!」

 

一刀はようやく思い出した。

それは一刀がまだ北斗神拳を教えてもらっていない時のことであった。

一刀は華琳に連れられて南斗との他流試合をさせられたのだ。

その際に一刀は白蓮だけでなく、後の聖帝である袁紹とも会っていたのだ。

一刀が行ったのは南斗の人間との十人組み手であり、最後の十人目に白蓮が出てきて、一刀は白蓮に敗北。

一刀が負けたため、南斗の掟に従い、一刀が殺されそうになるが、白蓮が自分の目と引き換えにと言うことで自ら目を傷つけ、一刀の命を救ったのだ。

 

白蓮「私は間違ってはいなかった。私は失った光よりもお前が強く光り始めたからな。

それよりも私達の根城に案内しようか」

 

一刀と隠れていた天和達と蓮華は白蓮に連れられて白蓮が隠れ住んでいる根城に案内された。

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白蓮「聖帝について話さないといけないな。南斗六聖拳の崩壊は妖星の袁術の野望で始まったのだが、その袁術を動かしたのは従姉妹であった麗羽……つまりは袁紹なんだ。

袁紹の星は極星の南十字星。またの名を将星。独裁の星であり、帝王の星なんだ」

一刀「帝王…」

白蓮「他の五星は将星の衛星にすぎない」

蓮華「南斗聖拳じゃ南斗鳳凰拳の袁紹には勝てないわ」

白蓮「せめて反旗を翻して反乱軍として戦うしかなかった」

一刀「そうか……」

白蓮「しかしいずれ食料は尽きる。なんとかしないとな……」

 

そんな話をしている時、白蓮の部下達が食料を持って帰ってきた。

何故持っていたのかと言うと部下達は聖帝の部隊を襲ったら食料調達隊であったとのこと。

そしてその部下は自分の子供に最初にそれを食べさせようとする。

白蓮と蓮華も食べようとし、先に蓮華がかじってみるが……。

 

蓮華「食べないで! 毒が入ってるわ!」

白蓮の部下達『え!?』

 

すると先ほどの部下の子供が苦しみ出す。

一刀はもしやと思い、すぐに対応出来るようにしていたため子供は何とか一命を取り留めた。

 

部下A「よかった〜」

白蓮「しかし済まない。私が先に調べるべきだった……。蓮華、一刀、済まない」

蓮華「構わないさ」

白蓮「一刀。これが麗羽の…聖帝のやり方だ! 光を失ったこの目でも涙は枯れない!

聖帝を倒さないとこの悲劇は永遠に繰り返される!」

 

一刀は静かに怒る。そして上着を脱いで、一人根城を出ていく。

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聖帝兵A「下がれ! 道を開けろ! 聖帝様がお通りだ!」

 

その言葉に住民達がひれ伏すが一人だけ遅かった。

 

聖帝兵A「汚物は消毒だー!」

 

聖帝兵はそのひれ伏すのが遅かった住人を燃やし殺した。

 

聖帝兵A「土下座しろ! 消毒されえかーーー!!」

一刀「お前の言う通りだな。汚物は消毒すべきだな」

 

そう言うと一刀はその聖帝兵の武器を取り上げ、その武器で燃やし殺した。

 

聖帝兵A「ぶうううううわちゃぁああああ!!」

 

そこに馬車でやってきた袁紹が到着する。

 

袁紹「あら、お久しぶりですわね。どちらでしたか?」

副官A「麗羽様、あれは北郷一刀ですよ」

副官B「最近覇王の曹操と互角に戦ったって言う人ですよ」

袁紹「あら、そうでしたの。でしたら顔良さん、文醜さん、やーーーっておしまい!」

 

そう言うと副官である顔良と文醜が一刀の前に降りる。

 

文醜「と言うわけで死んでもらうぜ」

顔良「私達の南斗双斬拳を味わってくださーい!」

 

顔良と文醜を短剣を持って、一刀を挟み、二人で短剣を投げ合う。

次第にその間は縮まっていく。

二人と一刀の距離が近くなった時、二人は短剣を一刀に向けて突き刺そうとするが、それよりも早く一刀は二人の胸よりやや上部分を突く。

 

文醜「やるな〜」

顔良「でも次はこうはいきませんよ」

一刀「一つ忠告しておく! その投剣を使うのはやめておけ」

文醜「何をー!」

顔良「えい!」

 

二人は一刀の忠告を無視して投剣を使うが……。

 

文醜「うおっ!?」

顔良「きゃっ!」

 

二人の顔面に投げた短剣が当たりそうになり、二人はかろうじて剣を避けた。

 

文醜「ひゅ〜」

顔良「危なかった〜」

一刀「経絡秘孔児鳩胸を突いた。お前達の眼は遠近感を失っていたのだが、運が良かったな」

袁紹「顔良さん、文醜さん、下がりなさい」

顔良、文醜「「は、はい!!」」

 

二人は袁紹に言われた通り下がる。

 

袁紹「どうやら華琳さんのほれた素質に目覚めたようですわね。ですがこの私を倒すことが出来ますかな?」

 

袁紹は馬車から降りる。

 

袁紹「私は南斗聖拳最強の南斗鳳凰拳を見に付け、そして体に流れるのは帝王の血ですわ。

さあ、かかってきなさい!」

 

袁紹を構えの動作をしない。

 

一刀「何故構えない」

袁紹「南斗鳳凰拳に構えはありませんわ。構えとは防御の型。我が拳にあるのはただ華麗に前進あるのみですわ!」

 

袁紹の踏み込みと拳はかなりの速さであった。一刀は袁紹の拳を紙一重でかわし続ける。

 

一刀「お前の拳は既に見切った!」

袁紹「見切ったですって!? ならもう一度極星十字拳を受けるといいですわ!」

 

袁紹が極星十字拳を一刀に浴びせようとするが、一刀はそれをかわし、袁紹に拳を何発か当てる。

 

顔良「ああ!」

文醜「麗羽様!」

一刀「秘孔人中極を突いた。秘孔の中でもっとも破壊力のある必殺の秘孔だ。お前の命は後三秒だ」

袁紹「三秒」

顔良「そんな……麗羽様が…」

文醜「そんなことないですよね!? 姫!」

袁紹「面白いですわね。ならばその三秒を私が数えてあげますわ。ひとーつ、ふたーつ、みっーつ」

 

しかし三秒が経っても何も起こらない。

 

顔良「あれ?」

一刀「む!?」

袁紹「おーほっほっほっほっ!」

 

すると一刀の体に突然十字の傷が出来た。

 

一刀「ぐわ!」

袁紹「この体に北斗神拳は効きませんわ。私の体は生まれついての帝王の体!

誰も私を倒すことは出来ないのですわ!」

一刀「秘孔を突いたはず……」

袁紹「曹操さんが今日まで私との戦いを避けたか分かりましたか?

私は帝王! あなた方とは全てが違いますわ! 天はこの私に不死身の肉体までも与えたのですわ!」

 

袁紹が突きを繰り出し、一刀がその隙を突いて秘孔を突くも秘孔が効いている様子が見当たらない。

 

袁紹「確かに拳の勝負ではあなたの勝ちですわ。ですが、あなたはこの体に流れている帝王の血に負けたのですわ!」

 

袁紹が先ほどよりも深く極星十字拳を浴びせ、一刀は倒れる。

 

一刀「ぐおあっ!」

袁紹「さてと…それでは……」

???「はああああああ!!」

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袁紹の兵士が一刀を連れて行こうとするが、蓮華がやって来て、一刀を助けた。

 

一刀「蓮華…」

袁紹「あなたは?」

顔良「あれは……孫権さんです!」

蓮華「袁紹。今はあなたと戦う気はないわ。でも一刀は連れて帰るわ」

 

蓮華がなんとか一刀を抱えてその場を逃げる。

しかし袁紹の兵士達は追って来る。

 

蓮華「まずいわね……。このままじゃ白蓮の根城がばれてしまうわ」

一刀「蓮華…俺を置いて先に……」

蓮華「それは出来ないわ! あなたは袁紹を倒せる唯一の存在!

それは白蓮だけじゃなくて私もそう信じてる! だからあなたを置いて行くなんてできない!」

一刀「だが……うっ」

 

一刀は気を失ってしまった。そんな時であった。

 

袁紹兵士達『ぎゃあああああああ!!』

 

袁紹の兵士達が突然後方に飛ばされ、爆死した。

 

蓮華「一体何が……!?」

 

蓮華が後ろを振り向く。

そこに居たのはなんと赤兎馬に乗っていた華琳であった。

 

蓮華「曹操!」

華琳「孫権…あなた新血愁の影響で死んだのでは?」

 

華琳は少しばかり驚きを隠せないでいた。

 

蓮華「ふ……私も簡単には死ねないのでな」

華琳「……まあ気になるけど、今はそれどころでもないわね。

早く一刀の手当てをしないといけないわね」

蓮華「どうするつもりだ?」

華琳「とりあえず今の私の隠れ家で手当てしてあげるわ」

蓮華「何故だ? 一刀はお前の敵。何故助ける必要がある?」

華琳「簡単な話よ。この覇王のために麗羽の謎を解いてもらう必要がある。ただそれだけよ」

蓮華「……互いに袁紹を倒したいという利害は一致しているということか」

華琳「そうね。だから私が一刀を治療してあげるの。ただし、私が助けたことは黙っていることね」

蓮華「それくらいならいいだろう」

 

そして一刀は華琳の隠れ家で治療を受けた後、蓮華が白蓮の根城に連れて帰った。

しかしいまだに一刀の意識は戻らない。

そんな時、白蓮の根城が袁紹にばれたとの報告が入った。

白蓮は一刀達を逃がすため、下水から一刀を天和、地和、人和、蓮華に任せて逃がすように言う。

 

天和「白蓮さんはどうするの?」

白蓮「私は戦いに行く」

人和「死にに行くの?

白蓮「そんなつもりはない。それじゃあ……」

 

白蓮は出ていく。そして白蓮は捕まった人質達を助けに袁紹のところにやってきた。

 

白蓮「麗羽!」

袁紹「お久しぶりですわね。白蓮さん!」

白蓮「例えお前を倒せなくても阿修羅となって戦うぞ。この命が尽きるまで!!」

 

白蓮は跳び上がり、袁紹に近づく。

 

白蓮「麗羽! 覚悟!!」

 

白蓮は突きを繰り出すが、袁紹を紙一重でかわし、椅子の背もたれに突きささる。

 

袁紹「おしいですわね」

白蓮「くっ!」

 

袁紹は丁寧に白蓮の手を取り、先ほどの状態にする。

 

袁紹「もう一度ついてみるといいですわ」

白蓮「何!」

袁紹「白蓮さんがここにいる百人の人質の命を見捨てることが出来ますかな?」

白蓮「むっ!」

袁紹「私は抵抗しませんわ!」

人質A「公孫賛様! 私達の事は忘れてください!」

人質V「袁紹を! 袁紹を倒してください!」

人質達『公孫賛様!』

 

人質達が袁紹を倒すように白蓮に進言するが、人質を見捨てるなど白蓮には出来ない。

 

袁紹「仁星とは悲しい星ですわね。これまでですわ! 白蓮さん!」

 

袁紹に戸惑う白蓮の足の筋を切ったのだ。

 

袁紹「あなたの足の筋を切断しましたわ。これで二度と白鷺拳は使えせんわ。

まだ隠れている人達がいるはずですわ。探し出しなさい!」

白蓮「待て! それでは約束が違う!」

袁紹「あなたが助けるのはここにいる 百名だけ。全員を助けると言った覚えはありませんわ。

そして白蓮さん、あなたにはふさわしい死に方を用意しましたわ。連れて行きなさい!」

白蓮「一刀、私の心の叫びを聞け! 一刀ーーーーーーーーーーー!!」

 

その叫びは一刀に届いたかのように一刀は起き上がる。

 

蓮華「一刀、無理はするな」

一刀「俺は行く。白蓮が呼んでいる!」

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その頃、華琳の元には桃香が突然訪問してきて、桃香は袁紹の体の謎を知っていると言い、華琳と共に桃香は袁紹の元に行った。

その間に袁紹軍の兵士達が華琳と桃香の進撃をはばもうとするが、兵士達はいとも簡単に倒されてしまう。

しかも桃香は病人にも関わらず……。

 

桃香「北斗有情断迅拳!」

袁紹兵士P「ひゃあ〜気持ちいい〜」

 

桃香の有情断迅拳を食らった兵士達は天国を感じるように死んでいった。

 

華琳「桃香、病に蝕まれても拳は一向に衰えていない。恐ろしいわね」

 

華琳達のお陰で一刀は戦わずに袁紹の元に行くことが出来た。そこで一刀が見たものは……。

それはとても高く建設中の陵墓の頂きを傷だらけの白蓮がその最後の頂きの部品を持って階段を歩いている光景であった。

そして一刀が到着すると白蓮は陵墓の頂きに後一段のところまでに至っていた。

一刀の到着と同時に華琳と桃香も到着した。

 

一刀「華琳、桃香!」

桃香「もし一刀さんの邪魔をするのなら…」

華琳「私達が相手をしてあげるわ」

袁紹「あら〜華琳さんまでいらっしゃるとは…。ちょうどいいわ。ここで北斗三兄弟をこの陵墓の礎にして差し上げますわ」

一刀「白蓮。今行くぞ!」

袁紹「それはなりませぬわ。行けば人質は皆殺しにして差し上げますわ」

一刀「ならそれよりも先にお前を倒す!」

白蓮「来るな! この石は子供達の命! これは南斗の乱を防げなかった私の痛みだ!」

 

そして白蓮は頂きに到着した。

 

袁紹「ようやく着きましたわね。矢を放ちなさい!」

袁紹兵士『は!』

 

そして袁紹の兵士達が白蓮に向かって矢を放ち、放たれた矢は全て白蓮に当たる。

一刀は白蓮の元に駆け寄る。

 

一刀「白蓮!」

白蓮「これは……目が見える……」

一刀「白蓮、見えるのか?」

白蓮「ああ。もう悔いはない。私の仁星の血は間違っていなかった!!

一刀、私はいつでもお前を見ているからな……」

 

そして白蓮は力尽き、倒れ、今まで支えていた石が白蓮の上に乗りかかった。

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一刀「ぱいれーーーーーーん!!」

華琳「見事ね、公孫賛」

一刀「俺の中で生きろ、仁星の公孫賛!」

 

一刀は下に居る袁紹の方を指さす。

 

一刀「袁紹! 貴様の髪の毛一本もこの世には残さん!!」

袁紹「その遠吠えがあなたの最後の遺言になりますわよ」

 

袁紹が陵墓の階段を上る。

その時、陵墓階段に並べられていた子供の一人が袁紹の足を刺そうとしたのだ。

袁紹はそれをなんとかかわすが……。

 

袁紹「愛ゆえに人は苦しまなければいけない! 愛ゆえに人は悲しまなければならない!」

一刀「!」

袁紹「愛ゆえに……」

 

袁紹は語る。

かつて袁家の先代頭首は南斗鳳凰拳の伝承者であり、それを袁紹に教えた。

しかし南斗鳳凰拳は北斗神拳と同じ一子相伝であった。

しかもそれは過酷なもので、伝承者になるための試練の際、袁紹はその師を…父を殺したのだ。

南斗鳳凰拳は伝承者が新たな伝承者によって倒されるのが宿命であったのだ。

そして袁紹はそれ以降愛を否定し、愛を捨てたとのこと。

 

一刀「ならば俺は愛のために戦おう!」

 

そして二人は対峙する。その瞬間に一刀は南斗白鷺拳を一傷、袁紹に浴びせた。

 

一刀「せめて一傷。お前の体に白蓮の技を浴びせたかった。だがあくまでもお前を倒すのは乱世の拳。北斗神拳!!」

袁紹「あなたの拳では血を流すことはできても、この帝王の血を絶やすことは出来ませぬわ」

一刀「あたたたたた!」

 

一刀が北斗神拳を当てるも、やはり袁紹に秘孔の効果が表れなかった。

 

袁紹「効きませんわ。遊びはこれまでですわ! 死になさい! 北郷一刀!!」

一刀「はあっ!」

 

一刀が両手で袁紹の胸よりやや下を突きさす。

そして一刀は袁紹を持ち上げる。

その時、何やら違和感のある鼓動を袁紹の体から感じる。

 

一刀「む!?」

袁紹「無駄でしたの〜。死になさい! 北郷一刀!!」

 

一刀はまた極星十字拳を食らい、階段を転げ落ちる。

 

袁紹「どうで……す!?」

 

袁紹の額から血が流れる。

 

袁紹「これって……!」

一刀「お前の体の謎は見切った! お前の鼓動と血の流れが俺に謎を解かせた!」

袁紹「何ですって!? うっ! あああああああ!!」

 

すると袁紹は右腕を抑える。

 

文醜「麗羽様!」

顔良「大丈夫ですか!?」

一刀「お前の心臓の位置が逆! そして秘孔の位置も表裏反対! そしてお前は元々鈍感体質! それがお前の謎だ!」

 

袁紹は跳び上がり、陵墓の頂きに着地する。

 

袁紹「さすが北斗神拳伝承者。(まさか私がそんな体質でしたとは……)

ですがそれだけでは私の謎を掴んだことにはなりませんわ。

ですが、こちらも南斗極星の拳の伝承者として奥義を尽くさないといけませんね。

南斗鳳凰拳奥義、天翔十字鳳!!」

一刀「南斗鳳凰拳の構え?」

袁紹「帝王の拳、南斗鳳凰拳に構えはないわ。敵はすべて下郎ですわ。

ですが対等の敵が現れた時、自ら虚を捨てて立ち向かわなければなりません!

すなわち天翔十字鳳! 帝王の誇りを賭けた、不敗の拳ですわ!」

一刀「ならば俺もその礼に応じよう!」

 

一刀は構える。

 

華琳「あれは天破の構え!」

桃香「互いに拳の秘奥義を出した。後は二人の能力が勝敗を決める!」

袁紹「行きますわよ! 天空に極星は二つは要りませぬわ!」

 

袁紹が跳び上がるが……。

 

一刀「北斗神拳奥義、天破活殺!!」

 

一刀が指先から闘気を放ち、その闘気は袁紹の体を貫く。

 

一刀「天破活殺の奥義は闘気! すなわち戦う気迫を持って触れずして秘孔を突くことにある! 将星落ちるべし!」

 

袁紹はなんとか階段に着地する。

 

袁紹「例え秘孔が表裏逆だと分かっても正確には秘孔の位置は分かりませぬわ」

 

袁紹は再び跳び上がろうとするが……。

 

袁紹「と、跳べない!?」

一刀「鳳凰は既に飛べない! お前の翼はもがれた!」

袁紹「私は聖帝袁紹! 南斗六星の帝王!

退きません! 媚びへつらいません! 反省しません!

帝王に闘争はありませんことよ!」

 

袁紹は体を倒すことによって、足を階段からはずし、そして両手で跳んだ!

 

一刀「はあああああああ!! あああああたたたたたたたたたたたた!!!」

 

一刀は袁紹の体に拳の連打を浴びせる。

 

一刀「おおおおおわったああああああ!!!」

 

そしてとどめの一撃を袁紹の体に当てる!

 

一刀「北斗有情猛翔破!!」

袁紹「苦痛を生まない有情拳……。私の死を情で見送るのですか?」

一刀「お前は愛を捨ててなんかいない」

袁紹「え?」

一刀「あの二人がその証拠だ」

 

一刀が下に居る顔良と文醜を指さす。

 

一刀「あの二人は心からお前を慕っている。それもまた愛。お前はそれを知っていたはずだ」

袁紹「……」

???「だったら死なせるわけにはいかないな」

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そこに突然現れたのは通りすがりの破壊者であった。

 

一刀「お前は……」

袁紹「誰ですの?」

通りすがりの破壊者「ちょっとくすぐったいぞ」

 

通りすがりの破壊者が袁紹を突き、袁紹の体は忽ち良くなる。

 

袁紹「あなた……」

通りすがりの破壊者「通りすがりの破壊者をなめんなよ。ただこの後どうするんだ?」

袁紹「白蓮さんだけでなく、今まで死なせた皆さんの喪を……」

???「勝手に殺すな」

 

なんと下から白蓮が姿を現した。

 

一刀「白蓮!?」

袁紹「白蓮さん。あなたあそこでつぶされたはずでは?」

通りすがりの破壊者「俺が助けてやったんだ。苦労したんだぞ。お前達に気付かれないように動いてあいつを助けたんだぞ。

それでお前達の戦いを見ながらこいつの治療もしてやったんだ」

白蓮「まあ感謝はしてるさ」

顔良、文醜「「麗羽様ーーーーー!!」」

 

白蓮と共に顔良と文醜が袁紹に駆け寄る。

 

袁紹「顔良さん、文醜さん……。決めましたわ!」

文醜「何をです?」

袁紹「聖帝軍は……、解散しますわ!」

袁紹軍兵『なんだってーーーーー!?』

 

それからほどなくして袁紹軍は完全解散した。

これから袁紹は顔良、文醜と共に白蓮の手伝いをすることにした。

その光景を見た華琳は……。

 

華琳「私の生涯の宿敵が出来たわね」

桃香「どこに?」

華琳「再び天を目指すために……!」

 

そして華琳はその場を去った。

 

 

将星は力を失った!

だが乱世はまだ続く!

北斗神拳伝承者の戦いはまだ続くのであった!

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桃香と華琳!

この二人にはよからぬ因縁があった!

 

次回 北斗の恋姫の拳

 

第11話  華琳よ! 因縁の決着をつけよう!

 

 

一刀「桃香、俺はただ見守るだけだ」

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おまけ

 

 

作者「ヒャッハー! 誤字に定評のある作品の第10話だ!」

一刀「誤字に定評があるって…」

作者「毎回指摘されるからな。あえてそう言った」

一刀「そう言うのは自分で言うんじゃなくて人に言われまくってつけられるものだろ」

作者「そうなんだがな」

一刀「しかしシュウが白蓮でサウザーが麗羽とは…」

作者「個人的にはすごくいいと思うがな。まあ蓮華の親友と言うのはこの作品独自だな。それ以外のところは結構いいと思うが…。ラオウ外伝だとユダはサウザーの手下みたいな感じであるらしいから美羽がユダなら麗羽がサウザーと言うのもありだと…。

まあ麗羽の性格から考えると麗羽は自分の特異体質に気付いていなかったたと思うんだよな。

だからああいう風にした。」

一刀「まあいいさ。しかしあの破壊者すごすぎないか?」

作者「いいんだよ。あいつのやってることはあくまで人を死なせないことであって、ストーリーの阻止じゃねえ。仮に文句があったとしよう。だが私は謝らない!」

一刀「結局それかよ!」

作者「ちなみに現在最終話に取りかかろうとしていると言っておこう」

一刀「何だと!?」

作者「全15話だな。それでは!」

説明
この作品では特に人が喋っていない部分には「北斗の拳」でおなじみのナレーションの声が出ているものと思ってください。
なお、可能な限り控えめにしておりますが流血表現があることをご了承ください。
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コメント
反省はしろ(とん!)
修羅の国編はないのか。(ブックマン)
麗羽があの名言を言うと酷いwwwキャスティングは何か違和感無いかも。特に白蓮はシュウ以上にいい人だもんなぁ〜存在感以外…(Orcinus orca)
筋を切ったのに歩けるのか!?(ヒトヤ)
なんという予想通り おもったより合いますなぁ聖帝麗羽ー てか鈍感体質てw(よーぜふ)
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