真・恋姫†無双 〜魏〜 終焉後物語13 |
太陽が真上に昇りきった昼時、仕事が終わった一刀は街に買出しにいっていた。
一刀「♪〜」
買い物袋を手に提げ、嬉しそうな表情をしながらお店へと向かっていた。
一刀「いやぁ〜しかし、おっちゃんは気前がよかったな。これだけをあの値段で売ってくれたし」
買ってきたものを確認しながら尚更、顔がにやつく。その理由は、今日の買い物にあった。
お店で使う食材を買いにいった一刀は、普段どおりに食材選びをしていた。その時、店の奥で肩を落とした店主の姿が目に入ったのだ。話を聞けば、豊作のせいで、出回っている食材が激増し商品のはけが悪くなり、他店との競争も含め、商品の値下がりが原因でいつもの半分も売上が出ていないことを嘆いていた。
一刀はその事情を華琳に伝えにいくために城へ向かおうとしたのだが、行く必要はないと店主のおじさんに引き止められた。その理由を聞くと・・・
店主「曹操様は有能なお方だからもうすでに動いてくださっているのですよ。曹操様は出来る限り食材を国で買ってくださるとおっしゃってくださったのですが、さすがに、すべてのお店の食材を買い占めるわけには行きませんからね。買える数にも限度がありますし。あっ、ですが我々のように少しもれてしまった店にも少なからず支援金を出していただけるそうなので死活問題になるわけではないのですが・・・・・やはり、丹精込めて育てたこいつらが誰の口にも入らずに腐ってしまうかと思うと・・・・気持ちが沈んでしまいましてね」
と常時、下を向きながら語っていた。
農業は天候に左右される分、豊作や不作は起きるもの。だから、こういう事態は仕方がないのだが、顔見知りなだけに一刀にはそのおじさんが不憫に思えてならなかった。
そこで、自分のお店で許容できる量を買っていくと店主に話しかけたのだ。
その言葉に店主は目を輝かせた。さすがに一人ですべての食材を買っていけるわけではなかったが、その心意気が今の店主には嬉しくて仕方がなかった。
店主「そ、そうかい。なら・・・・」
といつも買う倍の量を普段払っている程度の価格で売ってくれると言い出した。
さすがにそれは悪いと一刀は思ったが、店主がかまわないと言うので、その言葉に甘えて大量の食材を安価で買わせてもらった。そして、その店を後にして今に至るというわけである。
一刀「これだけあれば、明日誰が来てもご馳走できるな」
そんなことを考えながら意気揚々と店へと足を進めていた。そして、店へとの帰り道の最後の路地を曲がったときだった。
一刀「♪〜うぇ!?」
突然の出来事に上機嫌だった気分はどこかへ消えてしまった。それもそのはず、店の前に誰かが倒れこんでいたのだから。
一刀「あ、あの大丈夫ですか?」
重い荷物を持ったまま、倒れている人に駆け寄った。
一刀「(・・・女の子?)」
身長は高くなく華奢な体つきをしている女の子、そのすぐ横には、彼女の身の丈以上の大きさがある戟がころがっていた。
一刀「(何だこの戟?めちゃくちゃでかいな)」
その女の子とは全く不釣合いな武器を見ていると、
???「・・・・か・・・・・た・・・・」
ふとその女の子は何かを呟いた。
一刀「え、えっ?」
うつぶせに倒れているせいなのか、もともと声が小さいせいなのかその言葉を一刀は全く聞き取れなかった。
一刀「あの、どこか具合が悪いの?だったら医者を呼んでくるけど」
???「・・・・・違う・・・」
一刀「(・・・違うのか)」
違うというフレーズはしっかりと聞こえたおかげで体調が悪いわけではないと言うことが確認できた。
一刀「じゃあ、なんでこんなところで倒れているんですか?」
???「・・・なか・・・・いた・」
一刀「な、なんて?」
先ほどより聞き取れた量は増えたが、しかし、それでも、何を言いたいのかはさっぱりだった。
???「・・・・・・・・」
一刀「(う、うぅ・・・・・・)」
一刀は黙り込んでしまった女の子をただ見守ることしか出来なかった。
とその時、その子は残っていた力を振り絞って顔を一刀の方に向けてきた。
一刀「おっ?」
???「・・・・・・・・」
そして一刀を見つめたまま、口を開いた。
???「・・・・・・おなか、すいた・・・・・」
一刀「・・・・・・・へっ?」
厨房から包丁を振るう音と食欲をそそる香りが店内を包んでいた。
???「・・・・・・・・・」
お腹を空かせていた女の子はまだかまだかと目を輝かせている。
ぐぅ〜と催促をするかのように腹の虫が鳴る。しかし、その音が厨房まで届くわけはなかった。
一刀「・・・お待たせ」
その言葉と共にようやく厨房から一刀は顔を出した。
???「・・・・・・・!」
目の前にこれでもかと言うほどに盛り付けられた料理を並べた。
一刀「ちょっと・・・どころじゃないな。だいぶ多めに作ったから食べたいだけ食べてください」
???「・・・・・・・・・」
一刀のその言葉を聞き、料理に食いつこうとしたが何か思うところがあるのか食べようとはしなかった。
一刀「・・・・あれ?これ嫌いだった?」
???「・・・・・・・(フルフルッ)」
と首を横に振った。
一刀「?じゃあどうしたんですか」
???「・・・・・・」
何もしゃべらない女の子にどうすればいいのかわからなくなってきた一刀であったが、気まずそうにしながらも目の前の料理を食べたそうにしていることは伝わってきた。
一刀「・・・・!あぁ、そういうことか」
と一刀は何かを思いついた。
???「・・・・・?」
一刀「気にしないでよ。確かに君と俺は他人同士だけどめぐり合ったのも何かの運でしょ、遠慮なんてしないでくださいよ」
???「・・・・・・・・」
一刀「それに、こうして向かい合いながら話をしているんですから、私たちはもう顔見知りです。その顔見知りがお腹を空かせていたならご飯を馳走するのは当然ではないですか」
と女の子に笑顔を向けた。
???「・・・・・・・」
少し悩んではいるようだったが、一刀の「どうぞ」という言葉にコクッと頷き、目の前の料理を食べ始めた。
一刀「(・・・ようやく食べてくれた)」
食べ始めてくれたことに安堵しつつ、その様子を見守っていた。
???「モグモグモグ」
一刀「・・・・・・」
???「モグモグモグ」
一刀「・・・・・・・・・・・」
???「・・・モグモグ・・・モグ?」
食べていることに集中していた女の子であったが、一刀の視線に気がつき首を傾げた。
一刀「・・・・・・あっ!ごめんなさい」
一刀自身、女の子が反応をするまで、見惚れていたことに気がついていなかった。
一刀「(女の子の食べているところをじっと見ていたら失礼だな・・・・)」
と腰掛けていた椅子から立ち上がり、厨房の方へと入っていった。
一刀「(いやぁ、なんだか可愛かったなぁ)」
先ほど使った調理器具を片付けながらそんなことを思っていた。
一刀「(女の子としても可愛いんだけど、なんだかそういうのじゃなくて・・・・・・無心になって食べているところが小動物みたいっていうか・・・)」
と先ほどまじまじと見た光景を思い出していた。目の前の料理を犬のように無心で、リスのようにほっぺたを膨らませながら食べていたあの姿は並大抵の破壊力ではなかった。
一刀「(あと少し近かったら頭を撫でていたな、うん)」
よくわからない自信を胸に秘めながら、厨房の片づけを終えた。
一刀「(さて、あの子が食べきれなかったものでも食べようかな)」
と厨房から出てきた一刀の目には思いもよらぬ光景が飛び込んできた。
一刀「・・・・・・あれ?」
???「・・・・・・・・」
満足そうにしている女の子の目の前には綺麗になった皿が並んでいた。
一刀「あ・・・あの」
???「・・・・・・・?」
一刀「もう・・・全部食べたの?」
???「・・・・・・(コクッ)」
と首を縦に振った。
一刀「あはは・・・そ、そっか。お腹空いていたんだよね、はははは・・・・」
目の前の状況を信じられずにはいたが、綺麗にあいたお皿が並んでいるのが現実だった。
一刀「(こんなに食べる女の子って、季衣以外にもいるもんなんだな)」
と深く感心していたときだった。
ガチャ
扉が開く音がしたと思うと、中に誰かが入ってきた。
???「魏光様」
一刀「ん?路宝か、どうしたの?」
いきなり入ってきたのは親衛隊副官の路宝、一刀の部下であった。実際のところ、この男は以前一刀が警備隊の隊長をしていたときの警備隊の一員だった。何の因果があってかまたもや路宝の上官になっていたのだ。
路宝「はっ、突然このように押しかけてしまい申し訳ありません」
一刀「別にいいよ、そんなこと」
路宝「では。曹操様からのお達しなのですが、話があるので城の方に来るようにとのことです」
一刀「今から?」
路宝「はい、出来る限り早く来るようにとおっしゃっていました」
一刀「・・・そうか、わかったよありがとう」
と一刀は女の子の方を向いた。
一刀「俺は今から城の方に行かないといけないから、ここで休憩したいだけしていってくださいよ。食器もそのままにしていていいんで」
それではと言い残し、路宝と共に城の方へ向かった。
???「・・・・・?」
玉座に到着した一刀は秋蘭と何か話をしていた華琳に声をかけた。
一刀「曹操様遅くなりました」
その声に気づき、秋蘭との会話をとめて一刀のほうへと顔を向ける。
華琳「魏光ね。急に呼び出して悪かったわね」
一刀「いえ」
華琳「では早速だけど、本題に入るわね」
秋蘭との話を続けずに、華琳はすぐに本題に入った。
華琳「あなたには、明日許昌より西方の平頂山(へいちょうざん)にある洛峰という村にいってほしいの」
一刀「・・平頂山の・・・洛峰ですか?・・・何かそこにあるのですか」
華琳「・・そうね。普通なら何かがあるからこそいってもらうのだけれど、今回は何もなかったからこそ行ってもらうのよ」
一刀「は、はい?」
華琳の言う言葉の意味が一刀には理解できなかった。それもそのはず、何も無いところに行けと矛盾していることを言われたのだから。
一刀「曹操様・・・よくおっしゃっている意味がわからないのですが・・・」
華琳「魏光、火のないところには煙は立たないもの、でも、火があるところに煙が立たないのはおかしいと思わない」
一刀「・・・たしかに、火があるのに煙がないのはおかしいとは思いますが・・・・」
その言葉の意味が理解できない一刀に秋蘭が口を挟んできた。
秋蘭「魏光、この前の襲撃のことを覚えているな」
一刀「程c様と張遼様が襲撃されたことですか?それならば忘れるはずがありません。私も当事者ですから」
秋蘭「うむ、お前が洛陽に来てから華琳様と私とで秘密裏に襲撃事件の情報を調べていたのだ。しかし、他の地域の情報は集まったのだが、その時期の洛峰に関しての情報が全く入ってこなかったのだ」
一刀「・・・全くですか?」
秋蘭「あぁ、一つもだ」
一刀「・・・・・・・」
華琳「そこで、洛峰の情報を探るために間諜を出したのよ」
一刀「・・・で結果は?」
その言葉に華琳と秋蘭の表情が曇った。
秋蘭「・・・・・音沙汰なしだ」
一刀「え?」
秋蘭「一月以上たったのだが、戻ってはこないどころか連絡すらないのだ。無論、その間諜の生死に関する報告も受けていないのだが」
その言葉に一刀も表情が変わった。
華琳「だから、あなたに行ってもらうことにしたのよ。正確にいえば、親衛隊に行ってもらうのだけれど」
一刀「・・・そうでしたか、事情は把握しました。しかし、なぜ親衛隊なのですか?それこそ、我が隊より練度の高い夏侯淵様の部隊の方が適任かと思いますが」
一刀は率直な疑問を華琳に問いかけた。実際のところ、秋蘭の隊ではな華琳のお付きとしているはずの親衛隊を調査に向かわせる理由がよくわからなかった。
華琳「そうね、秋蘭とその部隊を向かわせればまず問題はないでしょう。秋蘭ならば、私が思う以上の結果を出してきてくれるでしょうし。でも、今回のことはあなたの方が適任だと私は考えているのよ」
一刀「私が・・・・ですか」
華琳「えぇ。襲撃のこともあるから半端な部隊や将を行かせるわけにはいかないでしょう。だとしても、戦争をしに行くわけではないのだから大部隊で向かわせるわけにはいかないのよ。そこで少数精鋭の親衛隊が適任だと私だけでなく秋蘭も思っているのよ」
一刀は秋蘭に確認の目を向けた。秋蘭もそれを見て「うむ」と首を縦に振り、華琳の言葉を肯定した。
華琳「ここ数カ月、あなたが鍛えてきた親衛隊は魏屈指の隊になったわ。まぁ、攻めの部隊ではなく護りの部隊としてだけれどね」
一刀を見ながら、華琳は笑みを浮かべていた。
秋蘭「私の隊と今の魏光の隊を戦わせたとしたらどうなるか、私としては見てみたいものだがな。」
と秋蘭が楽しそうにそういった。
華琳「それも面白そうね。人数差をどう切り返していくかが見物ね」
目の前で何やら楽しそうに笑っている二人、その二人を見ながら一刀は顔を引きつりながら笑っていた。秋蘭と戦わされそうな状況の一刀としては気が気ではなかった。
華琳「まぁ、その話はまた今度として」
一刀「(また今度話すのかよ・・・・)」
華琳「はっきり言って洛峰に何があるのかはわからないわ。むしろ、何もないかもしれない。ただ、何かあったときのためにあなたを行かせるのよ」
一刀「それは、私を過信しすぎなのでは?」
華琳「あら、あなたはこの曹孟徳の目が節穴だと言いたいの?」
一刀「いえ、私はそういう意味では・・・・・」
華琳「なら、お前が信じている自分ではなく、私が認めている魏光の力量を信じればいいでしょう」
その言葉を聞いて少し沈黙はしたものの、一刀は一つ返事で了承をした。そこまで魏光を買ってくれている華琳の期待に答えないわけにはいかなかったからだ。
秋蘭「しかし華琳様、不測の事態のためにもう一人誰かを共にさせるべきなのではないでしょうか」
華琳「南陽での襲撃も兼ねてね・・・そうね、でも誰を行かせましょうか・・」
???「・・・・・・・・行く」
その華琳の言葉を待っていたかのように入口の方から誰かが名乗り上げてきた。
華琳「れ、恋!?どうしてあなたがここに?」
華琳の驚く顔を見つつ、一刀は声のする方へ振り向いた。
一刀「・・・・・・あれ?さっきの」
スタスタとこちらに歩いてきたかと思えば一刀の目の前でその足を止めた。
一刀「(うっ、近い・・・・・そういえばさっきも思ったけど、どっかで見たことあるんだよな・・・・)」
華琳「恋、どうしてあなたが洛陽にいるのよ。あなたが来るなんて連絡は貰っていないわよ」
恋「・・・・・・恋もよくわからない」
華琳「・・・どうしてあなたがわからないのよ」
少し呆れ気味になってきている華琳。
恋「・・・・・・・・わらのなかで寝ていたら・・・・・ここにいた」
一刀「???」
華琳「はぁ?」
成都で寝ていたらいつの間にか洛陽にいた、恋の言葉からするとこういう意味なのだろう。しかし、状況の説明に全くなっていなかった。はっきり言って意味不明な発言だったからだ。
と、考え込んでいた秋蘭が何かを思いついた。
秋蘭「・・・・・商人の運ぶ藁のなかで寝ていたということか?」
恋「・・・・・・・・?」
秋蘭の言葉に首をかしげる。
一刀「どういうことですか、夏侯淵様?」
秋蘭「今日、成都から来た商人が大きな馬車で藁を運んできたということを言っていのだ。たぶん、恋はその中でずっと寝ていたのだろう」
もしそのことが本当ならば、何日間かかかる成都から洛陽への道のり、恋はその藁の中でずっと寝ていたことになる。
一刀「(・・・・・冬眠中の熊かよ)」
その事実が本当だったら・・・と一刀は呆れるしかなかった。
華琳「・・・・その線が一番正しそうね」
恋のおかしさにため息をつきつつそう言った。
一刀「あっ!お聞きしたいのですが、この方はどういった方なのですか?」
一刀は思い出したように目の前の女の子のことを聞いた。
秋蘭「そうか、魏光は恋に会うのはこれが初めてか」
恋「・・・・・はじめてじゃ・・・・ない」
秋蘭の言葉を恋が否定する。
華琳「・・あなたたちは初対面ではないの?」
一刀「厳密に言えば初対面ではないのですが、私はこの方のことを何も知りませんし・・・」
華琳「そう。まぁでも、あなたも“呂布”という名前ぐらいは聞いたことがあるはずよ」
と不適な笑みを浮かべながらその名前を告げた。
一刀「・・・りょ、呂布!?」
一刀は自分の耳を疑った。思い描いてもいなかった名前が華琳の口から飛び出してきたのだから。
そして、一刀は恋をまじまじと見つめた。華奢な腕、さほど高くない身長、小動物のような反応、どれをとってもあの鬼神と呼ばれた呂布には見えなかった。
いや、ただ信じられなかったのだ。戦場で何度か見ていた鬼神、遠方から見ていたとはいえその姿は目に焼きついていた。戦場を踊るように舞い血の海を作り出していく光景、それはこの世の地獄と呼べる場所だったのだろう。その呂布は見た目よりも何倍も大きく、恐ろしく見えていたのはある意味当たり前のことだったのかもしれない。
恋「・・・・・・?」
一刀「(この子があの最強と謳われた武将・・・・・そんな風には見えないなぁ・・・・)」
目の前の状況を信じきれない一刀。
華琳「信じられないという顔をしているわよ魏光」
そんな一刀の心のうちを読んだかように華琳が笑いながらいった。
一刀「い、いえ、決してそのようなことは・・・」
秋蘭「ははは、別にそう焦る必要はない。我らも初めはそうだったのだから」
一刀「そう・・・ですか?」
華琳「えぇ、何せ戦場で相まみえていた私ですら目を疑ったわ。容姿は同じはずなのにあの殺気と覇気はどこへいったのやら、どれだけ見ても恐怖は出てこないばかりか、むしろ心が和んでくるくらいよ」
と恋を見ながら苦笑いをしていた。
一刀「(た、たしかに・・・・)」
華琳の言葉に深く共感しながら、一刀はうなずいていた。
とそのとき、恋は自分が会話に入れていなかったことが気に入らなかったのか、すっと一刀の袖を掴んできた。
恋「・・・・・・・・」
一刀「えっ?な、なんでしょう?」
その行動の意味が一刀には理解できず、少し動揺してしまう。
しかし、その様子を見ていた華琳と秋蘭は驚きを隠せなかった。
華琳「・・・・・・驚いたわね」
秋蘭「えぇ・・・・」
もともと人懐っこい性格とは言え、ほとんど初対面の人間にここまで恋がなついたことは今までに一度も見たことがなかった。はっきり言って、この反応は桃香と一緒にいるときのようだった。
華琳「・・・恋、あなたはその者を信用しているの?」
一刀の袖を掴んだまま、その言葉に首をこくりと縦に振る。
華琳「あら、それはなぜかしら?」
恋「・・・・・・おいしいもの・・・・もらった」
秋蘭「・・・・・餌付けというわけか・・」
恋の言葉を聞き、秋蘭は苦笑いだった。
一刀「ちょ、ちょっと待って下さい!そんな人聞きの悪いことを言わないでください」
華琳「なら違うというの?」
と楽しそうに笑っていた。
一刀「当たり前です!今日、お店の目の前で呂布さんが空腹で倒れていたのでご飯を作って差し上げただけです」
必死に自分に向けられた疑惑を解くために状況を説明した。
華琳「本当なの、恋?」
華琳の質問にまたもやこくりと首を縦に振った。
華琳「どうやら本当のようね」
秋蘭「・・・くくく・・・・」
秋蘭は笑いをこらえながらその様子を見ていた。
華琳「まぁ、それはいいとして。恋、本当にあなたが魏光に同行してくれるの?」
恋「・・・・・・・一緒にいく」
そういいながら一刀の袖をぎゅっと掴んだ。
秋蘭「本当になつかれているのだな」
その様子を見て、再度驚いていた。
華琳「そう、あなたがそう言うなら私はかまわないわ。むしろ、願ってもないことだったからね。魏光そういうことだから」
一刀「はい、わかりました」
一刀は華琳の言葉に返事をすると、すぐに恋のほうを向きなおした。
恋「・・・・・・・?」
一刀「さっきはお名前をいえなかったので、改めて自己紹介をします。私は親衛隊隊長の魏光と申します。呂布さん今回は何卒よろしくお願いします」
一礼をして、いつもどおりの笑顔を向けた。
恋「・・・・・・・・恋でいい」
一刀「へっ?」
恋「・・・・・・呂布じゃない・・・・恋」
自分を恋と呼ばれたことが気に食わなかったのか、一刀に呼び方の訂正を求めていた。
一刀「いや、私には呂布さんを真名で呼ぶわけにはいかない理由がありまして・・・」
恋「・・・・・・(フルフル)・・・恋」
再度呂布と呼ばれたことを大きく首を横に振って否定する。
一刀「うっ・・・・」
そのつぶらな瞳に一刀は心がくじけそうになった。
一刀「そ、曹操様、夏侯淵様、た、助けてください」
と援軍を求めるも、
華琳「そうなったら恋は一歩も引かないわよ」
秋蘭「ははは、頑張るのだぞ、魏光」
二人は楽しそうに笑っていた。
一刀「そ、そんな・・・」
そんな一刀のことをお構いなしに恋は一刀に迫っていた。
一刀「いや、あのですね・・・・」
恋「・・・・・・・・・・恋」
一刀「(誰か!たすけてくれぇぇ〜!!)」
その心の叫びは一刀の中でこだましていた。
こうして、今回の調査に一刀率いる親衛隊に最強の武将、呂布が同行することになった。
余談ではあるが、この後一刀は、恋の説得に一晩をかけるのであった。
・ ・ ・ 雑 談 ・ ・ ・
みなさん、お久しぶりです。
今回ようやく本編を進めていったのですが、
話と文がなんだかところどころおかしいわ、なんかグダグダでなんだか残念になっている気が・・・・
最近忙しかったので、あまり時間をかけられなかったという舐めた言い訳をさせてもらいます。すいません;;;;
まぁ、そんなことを長々と話すよりもお話のことを語ったほうがいいですね。
皆さんも、んっ?って思われたところがあったと思いますが、まずは『洛峰』について。
平頂山というのは実際に今中国にある地名なのです。場所だけで言えば三国志時代からある許昌から西の方にいったところです。ただ、三国志の時代からあったかどうかはよくわかりません;;
そして、洛峰というところ、いえ、洛峰という村ですね。はっきりいってこちらは私が勝手に作った地名です(たぶん)。作った後にググッてみたら誰かのお名前が検索されてしまいましたが、地名ではたぶん実在しません。
本来ならば、しっかりと調べれば地名もそこらへんの村の名前も出てくるのかもしれませんが、はっきりいってそこまで時間をかけていたらいつまでかかるのやら・・・・・
ということで洛峰は架空の地名なのであしからず(_ _)
そして、もう一つの方は恋さんの藁の中で数日間睡眠事件!
いや、リアルに考えたらはっきりいって一日もしないうちに寝苦しさとか暑さとか空腹で起きてしまうのでしょうが、まぁ、そこはあの恋さんということで目を瞑ってやってください。
だって、恋さんを何か理不尽な方法で洛陽に登場させたかったんですもん!
そりゃあ、魏国内でいろいろ起きているから桃香が華琳を心配して、状況を見てきてもらうために恋さんと音々音に軍師と武将を一人ずつプラスでつけて派遣するといういたって普通の登場もありえたのですが、
否!
普通ではないのが最強の武人といわれた呂布こと恋さんなのでしょう!
ということで音々音とセキトは出て来られなくなりました^―^;
彼女も時々は恋さんと話してみるのもいいのではないでしょうかハハハ。
次の話では洛峰へと調査に行くわけですが、果たして彼らを待ち受けるものとは!?
・・・・・・・
茶番をしてすいません。
まぁ、少しずつお話が動いていくのは確かですから、それぐらいなら期待していてください。
あっそういえば、皆様に勝手なお願いなのですが、
私の作中に出てきている李淵君と蒼蓮ちゃん。
よかったらどなたでもよろしいのですがこの二人をイメージで絵を描いていただきたいのですが・・・・
いやはや、本来ならばへたくそなりに自分で書いてあげればいいじゃねぇか!っていわれるのがごもっともなのですが・・・・・
私の画力ではシャーペンでクレ○ンしんちゃ○のにやけた横顔をかくだけで精一杯なのです!!(泣
はっきりいってそんなことを頼めるほどのレベルの人間でもないのですが・・・・
そんな私にでも「仕方ねぇな、描いてやるか」って方がいられたら
tinaminoharuto@yahoo.co.jp
に送ってください!画像をその方の名前つきで作品に出したいと思っています!
いやはや、わがままな最後になってしまいましたが・・・
それでは、いつも、支援、コメント、閲覧してくださってる方ありがとうございます!!
それではまた次のお話でお会いしましょう (・ω・)ノシ
<雑談が書き終わった後>
haruto「いやぁ、これでTINAMIにあげられる―――」
ゴゴゴ!!
h「はっ!?」
殺気を感じて後ろを振り向く私、
h「こ、これはこれは音々音さん・・・どうなされましたか?」
音々音「ねねと恋殿を一緒に出さないとはどういう了見ですかお前は!」
h「い、いや、それには深くて薄―い理由がございまして!!」
音々音「問答無用なのです!」
h「ま、待ってくれ!!話せばわか(ry」
音々音「ちんきゅーきーーーーーっく!!」
ドゴッ!?
h「ぐほああぁぁ!?」
ゴロゴロゴロッ・・・・・・・
音々音「ふん!なのです」
そういって音々音はその場を離れた。
h「うっ・・・そ、それでは・・・皆さん・・・また・・・・次の・・・話で・・あい(ガクッ)」
説明 | ||
harutoです。 今回は本編ですのでどうぞ! 熱読してもらえれば光栄です^^ |
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コメント | ||
5p 自分を恋と呼ばれたことが気に食わなかったのか、一刀に呼び方の訂正を求めていた。 訂正を求めるのでしたら「恋」と呼ばれたことじゃなく「呂布」と呼ばれたことに対してでは?(なっとぅ) sink6さん:遅くなりました;;申し訳ありませんの言葉しか出ません;;;(haruto) harutoさんじらしがうまいですね・・続きが早く読みたい人にとってコレはとってもきついですううううううううう(sink6) 血染めの黒猫さん:このさきどうなるのやら・・・・がんばろ(笑(haruto) ぬこさん:一刀君の料理の前にはお腹を空かせた恋さんは一撃でしたね(笑(haruto) 先が気になります。がんばってください。(血染めの黒猫) 一刀君の魅力には天下の呂布も一撃だったか…。一刀君と恋さんの活躍に期待が膨らむぜ。(ぬこ) ueさん:ありがとうございます!更新の遅いことで有名な(まず有名ではないでしょうが・・・)私ですが楽しんでいただけたなら本望です!!(haruto) 夜星さん:大丈夫でしょう!なぜなら、彼女の行動にはすべてに癒しがつきまとうから!!(haruto) 更新きたーーー!!待ってました。楽しいひと時をありがとうございます(ue) 恋さんの自由奔放さに一刀が倒れないことを祈っていますよw(夜星) jackryさん:そうなのです!強さも超ド級ならば、自由さも超ド級なのですよ!!(haruto) よーぜふさん:恋さんならば何でもありだぜ〜!!という気分にさせてくれるお方です(笑(haruto) BookWarmさん:誤字報告感謝です!「林」がいっぱいありました・・・・あれだけ間違えていたら怒られるどころではすみませんね実際(汗(haruto) ジョージさん:私の頭の中では自由=呂布という方程式が出来かけています(笑(haruto) aoirannさん:でもあれですよ、寝る子は育つといいますし(笑(haruto) 田仁志さん:言われて気づきました;;これじゃの華琳さんの髪型が螺旋状のものに見えてしまいますね(笑(haruto) asubelさん:恋さんならば一刀君以上の活躍をしてくれると私も信じています(笑(haruto) さすが恋さん、やってくれるぜw(よーぜふ) 自由奔放ここに極まれりwwwww恋と一刀の今後に期待ですね、心待ちにしてますよ〜♪(峠崎丈二) 恋サン、どんだけ寝れるんや!!(aoirann) 恋産(aoirann) 3Pの華琳さんの言葉で、某ロボットアニメの兄貴を思い出しましたwww(ペンギン) 恋の活躍、期待しています。(asubel) |
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