魔界のブックマーク小ネタ集〜IF編〜 |
〜もしも、ニセ恵が大勢現れたら〜
ゲームではフォルゴレの偽者が大量に現れる。
清麿は本物と偽者を区別する方法としてフォルゴレに情け容赦無くザケルを放つ。
パンフレットに戻れば偽者、黒コゲになれば本物だと清麿は言う。
抗議するキャンチョメに「鉄のフォルゴレは無敵なんだろ?だから手加減は無用だ!」と返す清麿。
では、もしニセ恵が大勢現れたら…。
「ヌオオ!?恵殿がいっぱいなのだ!どれが本物なのだ!?」
「落ち着けガッシュ、恵さんはここにいるだろうが!」
「そうよガッシュくん、私はここよ」
「ガッシュ、本物の恵はず〜っと私と一緒だったのよ!あれはみ〜んなニセモノよ!」
「オオ、そうであったな!」
大勢のニセ恵に戸惑うガッシュだったが清麿、恵、ティオの言葉で落ち着いた。
「じゃ、さっさとニセモノを全部やっつけるわよ!」
「ウヌ!」
ガッシュとティオはニセ恵とモンスター達に向かって行く。
「俺達も行こう、恵さん!」
「ええ!」
清麿と恵は念の為に手を繋いだ。
4人は次々とニセ恵を倒して元の写真集に戻した。
モチノキTV局に現れたのがニセ恵達の運の尽きだった…。
〜もしも、ビクトリームの残留思念が実体化したら…〜
「ウマゴン、あれも千年前の魔物なのか…?」
「メル!メルメルメ〜!」
「そうか。実際に会った君が言うなら間違い無いな」
少し呆れ顔でウマゴンにたずねるサンビーム。
「ふざけた外見をしているが、油断は禁物だな」
「ハイある。アレも一応千年前の魔物ある…見かけで判断しちゃダメある」
ビクトリームの異様な外見を見ても生真面目なウォンレイとリィエン。
「ハハハハハ。キッド、あの魔物はゾフィスよりも強いんだよ」
「本当?」
「ウ・ソ」
「!!!!!!」
相変わらずなキッドとナゾナゾ博士。
「…………(あ、あれも魔物なの?信じられないわ…)」
「フン……」
ビクトリームのあまりにも衝撃的過ぎる外見を見て固まってしまったシェリーと全く興味無さそうなブラゴ。
「まぁ、アレを見て驚かない奴いないよな…普通…」
「そ、そうね…」
まさかまたあの魔物と出会ってしまうなんて…と心の中で思う清麿と恵。
「ウヌ!あの時とは違うのだ!」
「そうよ!恵の心の力も満タンなんだから、あんな奴に負けるもんですか!」
以前はパートナーの心の力が無くて大ピンチだった事を思い出し、やる気満々なガッシュとティオ。
「ああ見えても強かったよな…華麗なるビクトリーム様は…」
「う、うん…華麗なるビクトリーム様は本当に強かったね…」
ガタガタ震えながら何故か華麗なるビクトリーム様と呼んでしまうフォルゴレとキャンチョメだった…。
ちなみにビクトリームはチャーグル・イミスドンを撃つ前に全員から総攻撃を受けて実にあっさりと撃破された。
ビクトリームの怨念はVの体勢を取ったまま、何故か満足そうな顔で消滅していった…。
〜もしも、ツァオロンの残留思念が実体化したら…〜
「皆、頼みがある。あの魔物は私とリィエン、ティオと恵に任せて貰えないか?」
「私からもお願いするある」
「あいつは私達とウォンレイとリィエンに任せて!」
「お願いします。あいつだけは私達4人で戦わせて下さい!」
自分達だけでツァオロンと戦う事を希望するウォンレイ、リィエン、ティオ、恵。
「ウヌ!?いきなり何を言い出すのだ!」
「メル!メルメルメー!!」
「危険だ。我々全員で戦った方が得策だ」
「無茶だよ!あいつすっごく強そうじゃないかー!!」
「キャンチョメの言う通りだ。千年前の魔物との戦いの時とは違うんだぞ」
「そうだよ!何の為に僕や博士やみんながいるんだよ!」
「4人共、無茶な事は止すんだ!」
ウォンレイ達の身を案じて全員で戦う事を提案する面々。
「フン…勝手にしろ」
「貴方達がそういうなら私達は手出ししません…御武運を」
ウォンレイ達の意志を理解し、止めようとしないブラゴとシェリー。
「……分かった。ただし、危険だと判断したらすぐに助太刀するからな」
「ありがとう、清麿…行こう、リィエン」
「ハイある」
「恵さん、気をつけて…」
「ええ。ありがとう、清麿くん」
「ティオ、負けるでないぞ!」
「大丈夫よ!私に任せなさい!」
ウォンレイ、リィエン、ティオ、恵はあの時の強敵に4人だけで再び挑む事になった。
「ハァアアアアア!!」
「おぉおおおおお!!」
ウォンレイのカンフー技とツァオロンの棍裁きは互角の攻防を展開し、一瞬たりとも目が話せない大激戦となった。
「リィエン!第4の呪文だ!」
「ゴウ・バウレン!!」
「グオオっ!!」
一進一退の攻防をウォンレイが僅かの差で制し、ツァオロンを強化した拳で吹き飛ばした。
「ギガ・ラ・セウシル!!!」
ツァオロンの周囲に巨大なドーム状のバリアが現れる。
「ラオウ・ディバウレン!!!」
「うぉおおおおおっ!!!」
間髪入れずにウォンレイから放出された白虎がツァオロンに襲い掛かった。
「お…おお…」
「言った筈だ、道楽で戦っているお前とは…戦いに対する覚悟が違うとな」
消えていくツァオロンに語りかけたウォンレイの口調は静かだったが、強い怒りが込められていた。
その後…実際に本物のツァオロンと戦ったウォンレイ、リィエン、ティオ、恵はこう語った。
「こんな事を言うのも何だが…あの魔物だけで助かったな。あの玄宗と言う男がいたら危なかったな…」
「全くある。あいつのパートナーがいなくてホッとしたあるよ」
「素手でセウシルにヒビ入れるような人間なんて反則よ!ね、恵?」
「ええ、出来る事ならもうあんな無茶苦茶な人とは戦いたくないわね…」
ツァオロンのパートナー、玄宗の存在は4人にとって忘れたくても忘れられない強烈な印象を与えた男だった…。
(恵さんの話だと、その玄宗って男はそんじょそこらの魔物より強いんだっけな…単にその時の仕返しがしたかったんだな…4人共)
ツッコミを入れたい気持ちを必死で堪えて黙る趣味ツッコミの男、高嶺清麿。
(そんな面白い奴がいたのか…戦ってみたかったな…)
(ブラゴ、大方その男と戦ってみたかった…とか考えているのね…)
ウォンレイ達の話を聞いて玄宗に興味津々なブラゴと、そんなブラゴの考えをお見通しなシェリー。
どうやらツァオロンの残留思念はパートナーがいなくても術が使えるが、結果的に弱体化してしまったようだった……哀れな奴。
〜もしも、デモルトの残留思念が実体化したら…〜
「ルォオオオオオオオオオオオオ!!」
ホーバーク・キャッスル中に巨大な咆哮が響き渡る。
デモルト…狂戦士(バーサーカー)の異名を持ち、力だけならゾフィスをも凌ぐ千年前の魔物最強の化け物。
巨大な体躯、2本の角、人間を一飲み出来る大きな口、鋭い牙、コウモリの様な大きな翼、長い尻尾…正に悪魔そのものの姿だ。
城の奥にいるであろうゾフィスの怨念の元へ向かう為にはこの先にいるこいつを倒さなければならない。
「またあのデモルトと戦う事になるなんて…清麿くんは不安じゃないの?」
「全然。今回はあの時とは違う点が5つあるからな」
「5つ?」
「まず1つ目、月の石が無い。これでダメージを与えてもデモルトが回復する事は無い」
「そうね、あれが無ければ根気良く戦えばダメージを与えられるわね」
「2つ目、パートナーがいない。ヴァイルがいない奴には頭脳的な戦い方は出来ない」
「成る程…それなら以前より戦いやすいわね」
「そして3つ目、今回はみんな万全の状態で戦える」
「万が一の為にココメロが作ってくれた回復用のしおりも沢山あるしね」
「4つ目、ウォンレイとブラゴがいるから攻撃力でも奴に引けを取らない」
「本当に頼もしい限りね。今回はレイラもパティもビョンコもいないから…」
「5つ目、ここに来る前に対デモルト用の作戦は練ってある」
「ええ、そうだったわね…あの作戦通りにやれば絶対勝てるわ。頑張りましょう、清麿くん!」
「ああ、皆で力を合わせてデモルトを倒すんだ!」
清麿の確信のある言葉が恵の不安を取り除いていった。
そして一同はデモルトが待ち構える部屋へ辿り着いた。
「ルォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
獲物を発見して喜びの雄叫びを上げるデモルト。
「フン…こいつは随分と楽しめそうだな。ゾフィスよりもずっとな…」
「あの時は不覚を取ったが…今回はそうは行かんぞ!」
デモルトを前にしても戦う気満々のブラゴと、気合十分なウォンレイ。
(今回はこの2人もいるんだ、そしてみんなの力を合わせれば…俺達が勝てる確率は100%だ!!)
そんな2人を頼もしく思い勝利を確信する清麿。
「ラウザルク!!!」
「ゴウ・シュドルク!!!」
ガッシュとウマゴンの体が肉体強化の術で強化される。
「ヌアアアアア!!」
「メルメルメ――!!」
ガッシュとウマゴンが強化された肉体でデモルトに突っ込んで行く。
「ウオォオオオオオ!!」
ブラゴは何のためらいも無くデモルトに真正面から突っ込んで行く。
「この化物は一筋縄ではいかない…頼むぞ、リィエン!」
「ハイある!レドルク!」
「ハアアアアッ!!」
ウォンレイは強化された脚力でガッシュ達よりも速くデモルトの目の前まで跳躍した。
「ルオ!?」
「ゆくぞ、デモルト!!」
突然目の前に現れたウォンレイに驚くデモルト。
「ガル・レドルク!!」
「ルオオ!」
デモルトの腹に体をドリル状に回転させた強烈な蹴りを喰らわす。
「ゴウ・レドルク!!」
「ルオオオ!」
更に強烈な蹴りでデモルトの顎を蹴り上げる。
「ガンズ・バウレン!!」
「ルオオオオオ!!」
弾丸のような速さで放たれる連続拳をデモルトの顔面に次々と叩き込む。
「ゴウ・バウレン!!!」
「グォオオオオ!!」
強化された鉄拳がデモルトの顔面に炸裂した。
ウォンレイの流れるような連続攻撃にデモルトの巨体が傾いた。
「オオ!さすがウォンレイなのだ!」
「メル!」
まるで自分の事のように喜ぶガッシュとウマゴン。
「ウォンレイ、やったある!」
「いや、ダメだ。この程度、奴にはかすり傷にもならない…更に強力な攻撃を加えねば…」
リィエンの傍に着地するウォンレイ。
「フン、やるな…シェリー!」
「ええ!ギガノ・レイス!!」
「ルオオ!!」
ブラゴはデモルトの腹に重力弾を叩き込んだ。
「アイアン・グラビレイ!!」
「ルオオオ!?」
強力な重力波がデモルトの動きを鈍くし、体勢を崩させた。
「ディオガ・グラビドン!!」
「グオオオオ!!」
超特大の重力球がデモルトに直撃する。
この一撃には堪えきれなかったらしく、デモルトは尻餅をついた。
「何て奴なの…全て直撃したのに殆どダメージを受けていないなんて…」
「ディオガ・グラビドン以外は無傷か…面白い、そうでなくてはな!!」
一撃一撃が並の魔物なら確実に仕留められる威力を持つブラゴの術だが、デモルトには決定的なダメージを与えられない。
「ヌァアアアアアア!!」
「メルメルメー!!」
「ギガノ・ゼガル!!」
「反撃の隙は与えんぞ!ハァアアアアアア!!」
「どうした?もっとオレを楽しませろ!!ウォオオオオオオ!!」
ガッシュとウマゴンの強化した肉体での体当たり、キッドの遠距離からの援護射撃、ウォンレイとブラゴの強力な攻撃が次々と炸裂する。
「ルオオオオオオオオ!!」
「月の石」による回復が無いので、少しずつだがデモルトの肉体にダメージが蓄積されていく。
一方ガッシュ達は「しおり」の力で体力と心の力を回復させながら、デモルトに波状攻撃を仕掛ける。
「ル…オオオ…オオオオ!!」
デモルトの右腕が巨大化し、炎に包まれる…攻撃術、ディオエムル・ゼモルクだ。
「ルオオオオオオオオ!!オォオオオオ!!」
「そんなもの当たらないのだ!」
「メルメルメー!!」
「その術は既に見切った!」
「フン…どれだけ威力があろうが、当たらなければ意味は無え!」
デモルトの炎の右腕が迫って来るが、ガッシュ達は素早い動きでこれを完全に避ける。
「ザケルガ!」
「ウマゴン!デモルトの顎ががら空きだ!そこを狙え!」
「ゴウ・バウレン!!」
「我々も行くぞキッド!ガンズ・ゼガル!!」
「リオル・レイス!!」
「グオオオオオオオオ!!」
逆にガッシュ達の攻撃は次々とデモルトに炸裂する。
「ルァアアアアア!!」
デモルトの右腕の角が大きく変化し、特大の弾柱を打ち出す装置になる…攻撃術、ラギアント・ジ・ゼモルクだ。
「マキシマム!!」
「ザケルガ!」
「ギガノ・レイス!」
「ギガノ・ゼガル!」
ガッシュ、ブラゴ、キッドの一斉攻撃が門柱を破壊する。
「マキシマム!!」
「ラージア・ゼルセン!!」
キッドの巨大化&合体した両腕が門柱を粉砕する。
「マキシマム!!」
「ラオウ・ディバウレン!!」
ウォンレイから放たれた白虎が門柱を噛み砕く。
「マキシマム!!」
「ディオガ・グラビドン!!」
超特大の重力球が門柱を跡形も無く破壊する。
「オオオオオオオ!!!ガ…オ…オッ、オッ、オッ、オオオオオオオオ!!!」
上級攻撃呪文をことごとく防がれたデモルトは全身強化の呪文、ギルガドム・バルスルクの効果で全身に頑丈な鎧を身に纏う。
この呪文はデモルトを狂戦士状態にし、コントロールが利かなくなる禁呪文でもある。
「舐めたマネしやがってクソ人間共が―!!現在の魔王候補共が―!!」
怒り狂ったデモルトが空を飛んで天井を破壊し、空中高く舞い上がる。
「恵さん!ティオ!今だ!」
「分かったわ!清麿くん!」
「やっと出番ね!」
清麿の号令でポルクで壁に化けたキャンチョメの後ろから恵とティオが姿を現す。
「ギガ・ラ・セウシル!!!」
デモルトの周囲に巨大なドーム状のバリアが現れる。
この瞬間の為に恵とティオは今まで戦闘に参加せずに心の力を温存していた。
「グアアアアアア!!」
デモルトは力任せに暴れ狂い、ギガ・ラ・セウシルを砕こうとする。
恵の心の力全てを注ぎ込んだギガ・ラ・セウシルはデモルトの力でもそう簡単には破壊出来ない。
「今だ皆!これで…チェックメイトだ!!」
清麿が声高らかに叫ぶ。これが一斉攻撃の合図となった。
「ディカポルク!!!」
「ラオウ・ディバウレン!!!」
「ミコルオ・マ・ゼガルガ!!!」
「バベルガ・グラビドン!!!」
「バオウ・ザケルガ!!!」
「グォオオアアアアアアアアアアアア!!!ちくしょおおおおおおお!!!」
巨大化したキャンチョメの踏み付け、
ウォンレイから放たれた巨大白虎、
キッドから放たれた巨大な機械の精、
ブラゴの両腕から放出された超巨大な重力壁、
そしてガッシュの口から放たれた巨大な雷の龍…それぞれの最強呪文が炸裂し、デモルトの鎧は粉々に砕け散った。
「ル…ルオ…オ…」
怨念デモルトは地面に落下し、そのまま消滅した。
その後、デモルトの怨念はもう実体化しなかった。
「フン、つまらん…てめえの恨みとやらはその程度か…」
もうあいつと戦わなくて済むとホッとする一同の中でブラゴだけが非常につまらなそうな表情だった…。
終わり。
<あとがき>
もしもこんなイベントがあったら…と言う感じで書いてみました。
ニセ恵はキヨメグネタを一つ入れたかったからです。
ビクトリーム戦は、ウォンレイやブラゴがアレを見たらどんな反応するのか…と思って書きました。
ツァオロン戦、デモルト戦はウォンレイを少しでもカッコよく活躍させたくて書きました。
個人的にゲームでマルスの残留思念が出なかったのは残念です…ギガ・ラ・セウシル+バオウ・ザケルガで倒したかったです。
あと、コルル(別人格)の残留思念が実体化して襲って来たらガッシュは躊躇するでしょうが清麿は一切容赦無く倒すように指示をすると思います。
実際あいつのせいでコルルの本を燃やす事になったんですから…もしコルルに別人格が無かったら回復系だったと思います。
説明 | ||
・「魔界のブックマーク」を元ネタにした2次創作話です。 ・ゲーム版の設定を元に書いていますので、原作とは違う部分も多いです。 ・原作に近いノリなので、ゲームのSAでは再現出来ない連携だらけです。 |
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