ヤンデレな知人に狙われる社会人 02
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僕の中で、よく出来た妹の位置に君臨している高町なのは嬢から弁当を受け取り、いつもの様に出勤ラッシュと戦う事30分。

 

よく就職できたな、と思える大企業Alicia Companyが僕の職場である。

 

社長の娘さんの名前が由来のこの会社は、4年前路頭に迷ってた時に紹介され、訳も分からないままバイトとして働く事になり今に至る。

社員全員が、社長を始め全員がいろんな意味で変態の域に達している人間という事を無視すれば、とてもいい会社と思う。

 

「あ、あの…」

 

「ああ。もうそんな時間か」

 

昼休み。

声をかけてきたのは、社長の娘フェイト・テスタロッサ嬢である。

 

綺麗な金髪を、腰よりも伸ばし一房にまとめている姿は遠くにいてもすぐに分かる。

人見知りが激しく、引っ込み思案な所が社長の心配所だったようで慣れさせる為と紹介された中学生の女の子だ。

 

会った当初は、5メートルほど離れた所からしか話をする事が出来なかったが、今では嫌というくらいに接近してくる。

 

中学生らしかぬスタイルで、スカウトにもよく引っかかると愚痴をこぼしているのをよく耳にするのだがフェイトさん。

貴方の胸が、私の腕に当たってますがな。

 

以前、本人にその事を伝えたのだが、よく分かってないらしい。

首を傾げて、また抱きついてくるので説得はすでに諦めている。

 

この時ばかりは、彼女を教育した社長に絶望した。

 

「お昼…作ってきたんですけど」

 

深く溜め息を付き、ふと彼女を見ると顔を真っ赤に染めながら弁当を差し出してくる。

小動物みたいで可愛いのだが、凶悪な胸を寄せるように弁当を差し出しながら顔を染めてると男は絶対に勘違いするな…。

 

しかし、昼食か…。

なのは嬢の弁当もあるが、断ると目を潤ませ涙が出るのを我慢しながら弁当をしまうので断るに断れない。

 

「…ありがとう。頂くよ」

 

今日も限界に挑戦するしかないようだ。

 

 

 

 

 

 

あの日あの時あの場所で、兄さんを見つけたのは本当に偶然だった。

真っ白に燃え尽きた様に公園のベンチに座っている兄さんの姿は、当時小学生だった私から見ても悲惨だった。

 

見ているこっちまで悲しくなってきて、勇気を振り絞って声を掛けて分かった事は兄さんが3日間水しか口にしていないと言う事だけ。

 

その後の事は、あまり覚えていない。

とにかく、今にも死んでしまいそうな兄さんを助ける事で頭がいっぱいで母さんを呼んだ気がする。

 

それから兄さんは、ちょくちょく私に会いに来てくれた。

後で母さんから私の世話を頼んだと聞いてガッカリしたけど、そんな事はどうでもよくなるくらい兄さんは私に優しくしてくれた。

 

家族以外の人達と喋るのが苦手な私に真剣に向きあってくれて、家族以外でお喋りが楽しいと感じたのは兄さんが初めてだった。

 

だから私は、ずっと兄さんと一緒にいたいと願った。

これが私の初恋の始まり。

 

兄さんの事を好きと認識した瞬間、私の近くにずっといて欲しい気持ちが止まらなくなり、母さんに兄さんの事を雇って欲しいと必死で頼み込む事3日間。

アルバイトからなら、と了解を貰って4年。

 

兄さんは実力で遂に、母さんの会社の正社員となった。

これで、兄さんと私は離れずに済む。

 

未だに、母さんや姉さん以外の人が怖い。

どうしていいか分からない時に、笑いながら手伝ってくれた兄さん。

 

兄さんのおかげで、皆と話せるようになった。

今の私があるのも全部兄さんのおかげ。だから今度は私が兄さんに恩返しをする番。

 

だから私は、私の味がするお弁当を兄さんに食べて貰う為に会社へと向かう。

兄さんが何時までも私の隣に立っていてくれるようにと願って──。

 

けれど、最近兄さんの服から変な匂いがする。

 

この匂いが兄さんからする度に、怒りがこみ上げて来て…──たくなる。

この感情はなんだろう。

 

あとで母さんに聞いてみよう…。

 

 

 

 

 

 

私の朝は早い。

と言うのも、私が小学生の頃からお世話になっているお兄ちゃんの家に行き、お弁当を作って寝ているお兄ちゃんを起こす事が日課になっているからだ。

 

まだ夜が明けて間もない6時半。

鳥の囀りと、新聞を配るバイクのエンジン音を聞きながら作った合鍵でドアを開けると、案の定お兄ちゃんはまだ寝ていた。

 

──私の夢を見ていて欲しいな。

 

と、願いつつ10分間寝ているお兄ちゃんを見つめる。

この時間がないと、今日という一日が始まった気がしない大事な行為だ。

 

隣で寝たい願望を押さえ込みつつ、私が使い易い様に模様替えした台所で軽い朝食と弁当を作る。

まな板を叩く包丁の音や調理する鍋やフライパンの音を聞いていお兄ちゃんのお嫁さんになった気がして、自然と笑みが浮かぶ。

 

料理が完成すると同時に、まだ寝ているお兄ちゃんの頬にキスをする。

本当は口同士でしたいけど、我慢我慢…。

 

テーブルに並べられた朝食を一緒に朝食を摂り、私は学校に。お兄ちゃんは会社に向かう。

 

お兄ちゃんと別れる、この時間が嫌い。ずっとお兄ちゃんと一緒に居たいのに。

早く卒業して、お兄ちゃんと一緒の会社に勤めたい。

 

そうすれば、一日中お兄ちゃんと一緒にいる事ができる。

 

… それにしても、最近お兄ちゃんに纏わり付く雌犬の臭いが不快だ。

 

この臭いが付き始めたのはいつ頃だろうか。

最初薄かった臭いも、今では少し離れた所からでも臭ってくる。

 

女だからこそ気づく、自分以外の女の臭いがお兄ちゃんに付くなんて我慢できない。

 

放課後、お兄ちゃんの家に帰宅して、まずは洗剤をたっぷりと使いお兄ちゃんが着ているYシャツを洗濯し乾かす。

今日の分の洗濯は、これでおしまい。

 

そして、前日洗濯し乾かしておいたYシャツを取り込みカーテンを閉める。

すべてのカーテンが閉まっているのを確認をして制服を脱ぐ。

 

私の全てを見て欲しい反面、まだそこまで勇気が持てない。

だから、全裸のままお兄ちゃんYシャツを着て私の匂いだけでもお兄ちゃんに感じられる様にしたい。

 

──そう思うのはいけない事だろうか。

 

 

素肌を撫でるお兄ちゃんのYシャツが気持ちよくて、そのままお兄ちゃんのベッドに潜りこむ。

 

ベッドにはお兄ちゃんの匂いが染み付いてて、抱きしめられている感覚がするから好きだ。

お兄ちゃんの匂いに包まれながら、まだ見ぬ雌犬の事を思う。

 

絶対にお兄ちゃんは渡さない。

 

見つけたら…──してやる。

説明
ブラコンでヤンデレな姉達に狙われる義弟のパロディ作品。中学生のなのはさん達が社会人のオリ主に全力全壊で病んデレ予定な第二話。
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コメント
ナニするきですか、お二方。そして、主人公は逃げて、マジ逃げて。(BX2)
もしやヤンデレハーレム!?・・・死人が出ないことを祈ります。(BX2)
なんとなく 病みルート逝き(一直線?)という展開に・・・・(nayuki78)
どうも・・・これって絶対まだヤンデレっ娘出るパターンですよね・・・?(りばーす)
こ・・この展開て・・なのフエィ激突コ−ス!?い・・・いや待てまだ出て来そうな予感が・・・・(brid)
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魔法少女リリカルなのは 高町なのは フェイト・テスタロッサ なのは フェイト ヤンデレ 

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