東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第7話
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V3の世界。

それは過去の仮面ライダー、V3が守っている世界であって、嘗ては1号と2号により改造された人間、風見志郎(かざみ しろう)が守る世界である。

そんな彼は今、戦友であるライダーマンこと結城丈二(ゆうき じょうじ)と、ある青年と少女が共に墓参りに来ていた。

墓に彫られている名には「田所」と書かれており、丈二は墓の前で拝む。

丈二「博士・・・」

1週間ほど前のことであった。発電所より、時空を超えた計画で人類の消滅を企んでいた根源の邪眼は、1号、V3、BLACK、アギト、そして青年の変身するゼロノスの活躍によって未来が守られ、その代わりに孤児であった丈二が唯一の父親とも呼ばれた彼、田所博士は邪眼と共に消滅してしまったのである。

しかしこれは、田所博士が夢を叶えるために悪魔に魂を売り、邪眼に操られてしまった末に彼が決めたことだ。幼い頃の丈二に愛情を注いでくれた彼は亡き今、丈二、志郎は1分ほど拝むと青年と少女に顔を向けた。

志郎「君の手助けも本当に感謝するよ。おかげで邪眼を阻止し、未来を守れた・・・」

青年「いえ、時の運行を守るのが俺達のやる使命ですけど・・・ゼロライナーを呼び出せれる状態だったら博士は消滅せずに済んでたかもしれません・・・本当に、申し訳ありません」

青年は深く頭を下げて丈二に謝る。ゼロノスは時を越える列車、ゼロライナーで過去や未来に行くことが出来るのだが、発電所内に呼び出せるわけがなく、結局は田所博士の力を借りることしか出来ないままに彼は後悔をしていた。

丈二「いや、それがいいと思うんだ。博士からは俺達に、同じ過ちを繰り返して欲しくないと思って決めて・・・それで・・・」

少女「優しい人だったんですね」

ニコッと笑う少女は丈二の暗い顔を元に戻してくれた。緑の色のショートへアと瞳・・・彼女を青年はデネブイマジン、通称「碧子」と呼んでいて、青年は碧子に言う。

青年「碧子、そろそろ俺達も次の世界に行こうか」

碧子「うん」

志郎「もう・・・行くんだな?」

丈二「もしまた会った時には、旅の様子も聞かせてくれるかな?」

青年「勿論です。いつか、未来の先でまた会いましょう」

青年と碧子はその場から少し離れて手を振ると、横からゼロライナーが2人を拾うように通り過ぎていき、その場には2人の姿はなかった。ゼロライナーは時空の中へと走り去る。

丈二「・・・行ってしまったな」

志郎「ああ、若くて立派なライダーだった・・・二神安里(ふたがみ あさと)君、か・・・」

こうして青年、二神安里とイマジン、碧子はV3の世界を後に、次の世界へと旅立っていった。

その一方のゼロライナーでは・・・

碧子「はー面白かった。それじゃあ安里と二人っきりになれたから〜・・・」

安里「やめてくれ碧子、また2人だけのドラマはこりごりなんだ」

それは一変したかのようなムードへと変わる安里だった。実はというと安里は碧子に死ぬほど好かれており、怪人と戦うよりも苦労するじゃじゃ馬な碧子と熱い恋愛(?)を交わしていたのだ。

すると安里の腹がグゥ〜・・・と鳴り出す。

碧子「あはっ、じゃあそろそろご飯にするね。今日は何にしよっかな〜♪」

そう言って碧子は台所へ向かった。彼女は料理と例えとして家事が大好きな子であり、ここで生活する安里のいわゆるメイドみたいな存在であるのだ。

今の内に安里は懐にある日記を取り出すと内容を書き始めた。V3の世界でやったことを書き記しており、5分ほどして日記に出来事を書き終えた頃には碧子も完成した料理を運んでくる。料理は筑前煮だ。

安里(相変わらず料理が得意なのが碧子のいいとこなんだけどな・・・しかたないか)

碧子「それじゃあいただきま〜す♪」

安里「いただきます・・・」

 

青年少女食事中・・・

 

食べ終えて片づけを終えた碧子はソファーに座っている安里の右側にくっつく。

碧子「安里〜、二人っきりだから何かしよ〜」

安里「恋愛以外ならいいけど、何があるんだ?」

碧子「ブーブー、ここは私と安里だけのプライベート空間なんだから・・・(ぐりぐり)」

安里「がっ!?・・・そ、それを・・・!勘弁してくれって・・・言ってるんだよっ!!」

碧子は安里の右胸部分をぐりぐりと押し付けた直後、安里がギャハハと笑い出す。

安里「ギャハハハハハ!!み、碧子!!もうやめてくれ!!」

碧子「どうしよっかな〜?もっとイジちゃおっかな〜?(ぐりぐりぐりぐり・・・)」

安里「わ、分かった!!付き合ってやるから助けてくれ!!」

碧子「ホ・ン・ト・に?」

安里「ほんとだってばっ!!」

そういうと碧子はいじるのを止め、安里の腰に跨いで顔を近づけると・・・

 

 

チュッ・・・

 

 

碧子「んっ・・・ぷはぁ・・・」

安里の唇を奪い、照れ顔で安里を見つめた。

碧子「あはっ、安里ったら可愛い顔しちゃって?」

安里「別に俺は・・・///」

顔を赤くしてまでも嫌な気分になる安里。するとゼロライナーの警笛が2回鳴り出し、ガタンッとゼロライナーが停車する。碧子は安里から離れてソファーから降りる。

碧子「安里、次の世界に着いたかも」

安里「ああ。降りるぞ」

 

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ゼロライナーから降りるとそこは霧で覆われた森の中だった。殺風景あるこの森には幽霊が出そうな予感が大いにある。

そしてこれはお約束のパターンなのか、碧子は安里に抱きつく。このままでは単なるデートに過ぎない様子だ。

碧子から一旦離れ、安里は緑と黒のカラーをしたゼロノスベルトを取り出して腰に巻き、左腰にあるケースからカードを取り出す。

安里「碧子、念のために言うが俺から50センチくらいあけてついて来い」

そう言って安里は前に進み始めた。これが本当の電車ごっこみたいに碧子も後ろから客車のように引かれながらついていき、安里は深い霧に注意しつつ左右見渡しながら足を前へ踏み入れる。

安里(この霧といい、この殺風景・・・何処の世界に着いたのか知らない今、この森を抜け出さなきゃ分から「きゃあああっ!!安里ぉ、助けてえぇぇっ!!」またこれかよ・・・)

後ろから碧子が悲鳴を上げたのだが、おそらくはひっかけだろうと無視をする。

すると・・・

?「そこの者、止まりなさい」

後ろからさらに別の人の声が聞こえた。それも女性の声で、今度はすぐに後ろを振り向くとそこには、刀を碧子の喉に構えて捕らえている少女がいた。

安里「碧子!・・・お前、何のつもりだ!」

少女「ここは貴方達が来る場所ではありません。直ちに立退かない場合は、この子の命は保障しませんが、本来はこういうことを私はしてはいけません。かと言って冥界にさ迷う者には言語道断なことです」

安里「冥界?・・・それよりも、お前は一体何者だ!人間に化けた怪人なのか!?」

少女「私は白玉楼の庭師、魂魄妖夢(こんぱく ようむ)と申す半霊です。しかし貴方の名前を聞くつもりはこれほどありません。さぁ、今すぐこの森から立退きなさい。さもなければ貴方を斬るだけです!」

妖夢は碧子を開放し今度は安里に刀を向けた。

安里「残念だが、俺達はこの森を抜け出すよりも調べなきゃいけないことがある。それを果たすまでは引き下がることは出来ない!」

妖夢「・・・後悔、しますよ?」

次の瞬間に妖夢は信じられない速度で安里に接近した。

安里(速い・・・!!)

反応が良かったのか、ギリギリでかわせた安里はゼロノスベルトのレバーを右に押すと和風の音楽が流れ始める。

安里「変身!」

 

≪CHARGE AND UP≫

 

予め手にしていたカードをベルトに入れると、安里の体が茶色の鎧に包まれて仮面ライダーゼロノスに変身する。

妖夢「!仮面・・・ライダー!?」

これを見た妖夢は驚き、逆に彼女が後悔をしてしまうかのように刀を納めた。

妖夢「申し訳ありません。私はてっきり敵かと思いながらつい・・・」

安里「敵?じゃあ、ここにやはりイマジンがいるんですか?」

イマジンは碧子と同じ未来から来た怪人であるが、人の望みの代わりに時間を代償として破壊活動をするのが彼らの目的である。そのために安里は碧子と共に旅をしているのだが・・・

妖夢「良く分かりませんが、人間に化ける妖怪が白玉楼に襲い掛かってきたのです。クワガタみたいな妖怪でした」

安里「クワガタの怪人・・・他に特徴は?」

妖夢「全身が結界で覆われているために攻撃が通用しなかったことです」

碧子「!安里、もしかしたらその正体・・・」

安里「ギラファアンデットだな」

ギラファアンデットはダイヤのカテゴリーKと名づけられたギラファノコギリクワガタのアンデットである。実は以前、安里もブレイドの世界でギラファアンデットと戦ったのだが取り逃がしてしまい、ギラファアンデットは別の世界に逃げていってしまったのである。そして逃げた先がここらしい・・・。

妖夢「アンデット・・・聞いたことも無い妖怪ですけど、それはどういう者なんですか?」

安里「何億年も前に存在していた不死生命体だ。今から一万年前に行われたバトルファイトでヒューマンアンデット、つまり俺達人間が勝利を手にしたことで、それ以外52体のアンデットは全て封印されたはずだが、現代に蘇ってしまった。その怪人もアンデットと呼ばれる奴で、最強に近いアンデット、ギラファアンデットと名乗っている」

変身を解いて説明をする安里の話に妖夢は理解をした。

安里「そういえば、貴方は白玉楼の庭師と言いましたよね?」

妖夢「はい」

安里「ということは、この近くに建物がある・・・ということですね?」

妖夢「そうですけど・・・何か?」

安里「俺達はこの世界のことを詳しく聞きたい。その白玉楼に案内して、主に会わせて欲しいけど、いいですか?」

妖夢「・・・分かりました。白玉楼にご案内します」

 

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白玉楼は舞い上がる綺麗な花びらに包まれた屋敷だった。やってくる安里と碧子は、わぁっと不思議な光景に目を奪われる。

碧子「すごく綺麗〜、上品な人がいるんですか?」

妖夢「そうなのですけど・・・少々困り者なのは事実です」

安里(まさか、碧子と同じ純愛に満ちた奴か・・・?)

嫌な予感はしたくないと思われるが、これだけはどうもしそうだった。もし予想が当たれば碧子からは浮気者として扱われるようになる。ぞれだけでも安里は考えたくは無いが、今更後戻りは出来ない。

妖夢「幽々子様、お客がお見えになられています」

玄関へやってきた妖夢が声を掛けると、その奥に水色の服を来た女性が現れる。その時に安里はピクッと反応した。

 

綺麗・・・。

 

淑やかな表情でお姉さんみたいな優しい人だった。

幽々子「こんにちは。見かけないお方ですけど、どちら様ですか?」

安里「え!?あっ・・・二神安里です!こっちにいるのはイマジンの碧子です」

碧子「デネブです。けど普段は碧子と呼ばれているのでよろしくお願いします」

自己紹介をした2人は、幽々子から上がってもいいとの許可を貰ってお邪魔させていただく。

居間へとやってきた2人は座布団に座り、幽々子は反対側の座布団に、妖夢はお茶を入れにと台所へ向かう。

幽々子「改めて自己紹介するわ。私がこの屋敷の主、西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)。以後お見知りおきを」

2人も軽く頭を下げて会釈をすると、妖夢が茶菓子を持ってきて2人に差し出した。

安里「お聞きしたいことがありますが、この世界はどういう世界か教えてください。俺達はこの世界に来たばかりなので・・・」

幽々子「つまり貴方達は外来人・・・ということね。それじゃあ教えてあげますわ」

 

少女説明中・・・

 

安里「幻想郷・・・」

幽々子「そう。この世界は現実世界に切り離されたもう1つの世界なの」

碧子「そんな世界があるなんて凄いです!けど、この世界に異変が起きているのは本当ですか?」

幽々子「ええ。本来は平和な世界だけど、見たことない妖怪が現れたのは昨日の朝から、そして私達の使うスペルカードと弾幕が急に使用できなくなってしまったわ」

安里「スペルカード?龍騎のアドベントカードやブレイドのラウズカードとは違うんですか?」

妖夢「スペルカードとは、私達が弾幕ごっこに使用する必殺技みたいなものです。これを使って、揉め事を解決しています」

つまりは喧嘩に使う道具らしい。

妖夢「しかし、安里殿が使っていたそのカードは流石に見たこともありません。それは一体・・・?」

安里「あれはゼロノスカード。あれを使って俺は仮面ライダーに変身できるわけです」

今度は安里が仮面ライダーのことなどを説明し始めた。

 

青年説明中・・・

 

幽々子「フフッ、それじゃあ昨日襲ってきた妖怪はアンデットって言う怪人なのね」

安里「はい。アンデットを倒すには、ブレイドのようなラウズカードを使うライダーで封印しなければ倒せません。俺が変身するゼロノスのバスターノヴァみたいな強い攻撃でも一応は倒せますが、それだと限りないエネルギーが必要です」

幽々子「ラウズカードねぇ・・・フフッ、それなら好都合だわ」

妖夢「何かあるのですか?」

秘策でもあるかのように幽々子は碧子に顔を向けた。

幽々子「私の後ろにある引き出しを開けて、取り出してくれるかしら?」

碧子「は、はい」

すぐに引き出しを開けてみると、中には何かの機械が入っていた。

碧子「何だろうこれ・・・バックル?」

幽々子「フフッ、貴方ならお分かりですか?これが何か・・・」

安里「何かって・・・それは仮面ライダーグレイブの変身バックルじゃ・・・」

仮面ライダーグレイブ。ブレイドの世界で作り上げられた最新型のライダーシステムで、地獄の番犬であるケルベロスをモデルにしたライダーだ。

幽々子「妖夢、これを貴方が使って安里さんと一緒に戦ってくれるかしら?」

妖夢「えっ!?私ですか!?」

幽々子「それ以外に誰がいるというの?」

幽々子の言葉にもはや妖夢に逃げ場など無いのだが、

幽々子「もしよかったら、安里さんの実力を妖夢に見せてあげたらどうかしら?少しはやる気になってくれそうでいいわよ」

妖夢「良くありません!やめてください!」

安里「いや、妖夢にライダーがどれほどの実力かを教えたほうがいい。面に来てくれ」

妖夢「安里殿まで!」

追い討ちをかけられて言い返す暇も無く、安里と妖夢は面に出る。

安里「心配ない。これはあくまでも実力を調べるためのテストと思えばいいだけだ。アンデットとライダーじゃ少し違うけどな・・・」

妖夢「けど、私にこんなのは荷が重過ぎます!こんなのは・・・こんなのは・・・」

幽々子「貴方がやらなきゃ誰がやるというの?」

碧子「そうですよ!安里も始めは戸惑っていたけど自分で決めて仮面ライダーになったんですよ!」

説得する幽々子と碧子に妖夢は悩みを深めていくだけになってしまった。

安里「(何とかしてやる気を出させなきゃな・・・)妖夢」

妖夢「は、はい何で・・・みょんっ!?」

刹那。妖夢の目の前には安里がいきなり襲い掛かり、安里の素手を慌ててかわす。

妖夢「な、何をするのですか!」

安里「すでに勝負は始まってるんだ。今更あとは引けないぜ」

勢いを止めず、安里はゼロノスに変身するとそのまま格闘を続けた。

妖夢「くっ・・・手加減というのを知らないのですか!」

安里「じゃあなんだ!お前は主ですら守れない幽霊なのか!?」

渇を入れるこの言葉にハッと気づいた妖夢は距離を開け、渡されたグレイブバックルを取り出す。

妖夢(そうだ、私は白玉楼の庭師、言うなれば幽々子様の従者。それが出来ない私は私では無い!)

吹っ切れた妖夢はチェンジケルベロスのカードをトレイに入れて腰に当てると、ベルトが作り出される。

妖夢「変身!」

 

≪OPEN UP≫

 

仮面ライダーレンゲルと同様にミスリルゲートを展開すると「A」のマークが現れ、同時にオリハルコンエレメントが放出される。妖夢が潜り抜けるとそこには黄色と銀色の姿をしたライダー、グレイブに変身する妖夢がいた。

やる気になった妖夢を見て、専用武器のゼロガッシャーを手にして応戦。対する妖夢もグレイブラウザーを引き抜いて勝負に出た。

安里「うらぁっ!」

妖夢「ハァッ!」

剣をぶつけながら競り合う2人を眺める幽々子は再び笑った。

幽々子(あの子もやるわねぇ。妖夢の動きをちゃんと見ているだけじゃなく、一方的に押しかけているわ)

そう思っている間に攻撃が止んでしまう。安里はゼロガッシャーをおろした。

安里「アンデットに戦える程の能力はあるみたいだな。これなら一安心だ」

妖夢「一安心・・・いやしかし、私のあの動きに相応していたことが信じられません。貴方は何者なんですか・・・?」

流石にもこんな相手と戦ったことに驚く妖夢。安里はその質問に答えた。

安里「俺は時間を守る仮面ライダーさ。世界中のな」

 

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そしてまた外の世界。今度は響鬼の世界にて・・・

とある病院で入院中の男性の前に青年がお見舞いにやってくる。

青年「サバキさん、また来ました」

サバキ「ああ、明彦君か。魔化魍退治には慣れたかい?」

その青年、根本明彦(ねもと あきひこ)は頷いた。彼は2ヶ月前に猛士に入り、一気に角へと昇格して堂々とした功績を刻んでいる。

と言っても実は、明彦は任されたから猛士に入ったわけで、その理由はサバキにあった。

明彦「サバキさん。体の様子はどうですか?」

サバキ「実はね、明日退院するんだよ」

明彦「ほんとですか!?あっ、でも・・・」

サバキは魔化魍を退治している途中に事故を起こしてしまい、全治2ヶ月の大怪我を負ってしまったのだ。そして彼が入ってきたのも2ヶ月前・・・

 

つまり、彼はサバキの代わりとして魔化魍退治をしていたのだが、明日になれば明彦は今なっている鬼へとなる日が消えてしまうのだ。

 

明彦は左腕につけられている変身鬼弦を見て言った。

明彦「俺、どうしてもこれがあれば力が湧き出てくるんです。それで俺は気に入っちゃって・・・」

サバキ「確かにな・・・君はそれを手にして変身したとき、凄かったとヒビキから言ってたことを覚えているか?」

明彦「はい。あの時は何も考えてはいなかったんだけど・・・凄く、気持ちよかったんです!たとえ俺が別の鬼となったとしても・・・俺は絶対に忘れたりはしません!約束は約束で、これをサバキさんに返します」

そう言って変身鬼弦をサバキに返した。

明彦「それじゃあ、失礼します」

そう言い残して、明彦はサバキの病室から去っていった。

 

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明彦(明日から俺は・・・もうあの鬼になれないのか・・・)

自分の家に帰宅し、ちょっと残念そうになる明彦。

どうしてあの鬼でなければいけないのか・・・と思われるが、むしろ彼とは関係があったのかもしれない。

 

仮面ライダー裁鬼の名を元に何か関係が・・・

 

そう思っていたその時、インターフォンがなり出して明彦はすぐに玄関にある扉を開けた。

明彦「・・・あの・・・どちら様ですか?」

面にいるのはまるでコスプレでもしているかのような少女だった。何か特徴としたら尺(?)みたいなのを持っている。

少女「根本明彦様・・・ですね?」

明彦「は、はい・・・」

少女「うむ・・・よろしい。ここでは少々不外なので中へ上がらせてもらいます」

いきなり部屋へと上がろうとしている様子だ。一応だから言っておくと、明彦の部屋はちゃんとした空間となっており、そんなに散らかっている様子は無いので「どうぞ」と家の中に入らせてあげた。

明彦「よろしければそのソファーに腰を掛けてください」

少女は言うとおりにソファーに腰を掛け、明彦は反対側のソファーに腰を掛けた。

少女「突然のことで申し訳ありませんが、これは貴方に任せたいことがあって参りました」

明彦「・・・はい?」

いまいち理解しがたいことに明彦は目を丸くする。

明彦「あの、そよれよりも君は一体「私を呼ぶときは貴方でお願いします」

少女の気迫が強かったのか、明彦はすいませんでしたと誤ると改めて言い直す。

明彦「貴方は、どちら様なんですか?」

少女「よろしい、お教えしましょう。私は幻想郷を担当とする閻魔、四季映姫・ヤマザナドゥと申します」

明彦「・・・はい?」

ニ度目の唖然が起きた。

明彦「えっと・・・すみません、10秒だけ時間をくれますか?」

映姫「構いません」

ということで後ろを向きながら10秒間の心の会話が始まった。

 

 

閻魔なのにコスプレ?

 

ってか、本当に閻魔なの?

 

そもそも閻魔ってでっかい男じゃん

 

 

会話が終了するとすぐに映姫に目を向けた。

明彦「あの、映姫さ「閻魔様でお願いします」・・・閻魔様、本物の・・・閻魔ですよね?」

映姫「そうです。しかしそれでは、私がただの女の子だと思っているようなことと同じとは思っていませんか?」

明彦「いや、そういう意味ではなくて・・・」

映姫「そもそも男性は女性に惚れて近寄る性質があります。全く持ってはしたない事ですか!まさかと思いますが貴方、その類というわけでは無いですよね・・・?」

明彦「全然違います。というより話を聞いてください・・・否、こちらも話させてください!!」

もう何がなんだか分からないままに明彦は前にあった机をバンッと叩いてしまった。それに気づいたのはその直後のことである。

明彦(しまった!もしかしたら怒らせたかも・・・!?)

本物の閻魔なら間違いなく地獄に落とされるだろう・・・。そう覚悟した明彦は身を丸くしてこの世界に別れを告げようとしたその時、

 

映姫「申し訳ありません・・・私が間違っていました」

 

明彦「・・・はい?」

三度目の唖然である。

映姫「私は白黒をハッキリしなければならないものな故、どうしてもきつくしてしまうんです。けど貴方のその声で吹き飛びました。やっぱり彼に任せてもらえる資格はありますね・・・」

明彦「その任せてもらえるというのは・・・?」

映姫「・・・貴方にもう一度、裁鬼となって幻想郷に行ってもらうことです」

映姫が取り出したものに明彦は驚く。それはさっきサバキに返したはずである裁鬼の変身鬼弦なのだ。

明彦「ちょっと閻魔様!まさかサバキさんの物を盗んだのですか!?」

映姫「私がそんなことをするわけありません。これはこれから貴方が使う物です」

どうも映姫が言うには盗んだ様子は無いようである。そう言って明彦は変身鬼弦を左腕につけると、あの時の感覚が体中に蘇った。

 

暖かく、気持ちいい・・・。

 

映姫「さぁ、一刻も早く幻想郷に向かいましょう・・・といいたいところですが、分かっています。貴方は他の皆さんに言わなければならないことがあるのでしょう」

明彦「・・・はい」

映姫「では今夜、貴方の家にもう一度来ます。それまでに他の皆さんに挨拶をしてもらってきてください。それでは・・・」

そう言うと映姫は、透き通るように姿を消していった。彼女から受け取った変身鬼弦を見つめ、彼はこう思う。

 

また俺はできるんだ・・・と。

 

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明彦は修行の山へとやってきた。ここではある人が住んでいるとのことで山を登り、一気に川の流れるところまでやってくるとテントが見えてきた。

テントの前では男性が魚を焼いている様子があり(ノリノリで)、明彦は男性に近寄る。

明彦「ヒビキさん」

その声に男性、日高仁志(ひだか ひとし)ことヒビキが振り向く。

ヒビキ「おー、明彦じゃねぇか。今魚を焼いているから食ってくか?」

明彦「アハハ・・・相変わらずと面白く言う人ですね。明日夢君や京介君は元気にしているんですか?」

ヒビキ「そうみたいだぞ。それよりも、サバキはどうなんだ?アレからまだ顔を見合わせていないけど・・・」

明彦「サバキさんは明日退院するみたいですよ」

ヒビキ「おお!それはよかったな!じゃあ彼の復帰祝いに明日おごりのための魚でも釣ってやるか!」

これを食ったらまた釣りに行こうと決めるヒビキだが、明彦は今言わなきゃいけないことを決めているので言おうとした。そうでなければ自分は自分らしくなくなるためであって、何か心にくもりが出てしまう。

明彦「ヒビキさん!」

ヒビキ「ん?何だい?」

明彦「・・・そのことですけど、実は・・・俺・・・」

明彦が次の言葉を言おうとした次の瞬間、周りに小さい爆発が発生し、2人は地面に伏せた。

ヒビキ「な、なんだなんだ!?何が起きたんだ!?」

明彦「!ヒビキさん、後ろです!」

ヒビキが後ろを振り向いた瞬間に彼の体が糸で縛られてしまう。その正体は黒と黄色をした蜘蛛、アラクネアワーム フラバスで、今度は明彦に向かって蜘蛛糸を吐いてきた。

明彦「うわっと!?」

ヒビキ「明彦!くっ・・・解けないし、この魔化魍は一体・・・!?」

ヒビキにはワームの存在は知らない。ただヤバい敵だということまでは分かっているのだが、彼では両手も動くことすら出来ないままでいる。

明彦「くっ・・・おっと危ねぇ!」

蜘蛛糸をどんどんと避けるがこれでは不味いと思っていると、とうとう油断をするかのように蜘蛛糸が明彦の下半身を捕らえてしまう。

明彦「やべっ!どうするんだよおい・・・・・・」

ハッと左腕につけている変身鬼弦を見た時に明彦は決断をした。

裁鬼になれば負けはしない・・・そう信じた明彦は弦の下着いているわっかを左手の一指し指で引っ掛けて下へ引っ張ると弦が出てきて、勢いよく弦を鳴らした。

ギャァァン・・・と三味線のような音が鳴り、明彦は額に翳す。

明彦「・・・変身・・・!」

額に鬼の模様が浮かび、左手を空へ上げた直後に雷が明彦に落ちる。

フラバス「グルァッ!?」

フラバスは飛び交った電撃を食らって後ろに下がる。雷が起きたところには紫のオーラが包まれており、そのオーラから声が出てくる。

 

 

 

「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・そいやぁっっっ!!!!」

 

 

 

オーラは一瞬で消え去りそこに立つのは黒い鬼がいた。

いや、彼が変身した姿、仮面ライダー裁鬼がいた。

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第7話でした!

またもや原作キャラが登場しまして、内容はプレステ2にあった「仮面ライダー 正義の系譜」のその後を少しだけを利用させていただきました。しかし丈二にまさかそんな過去があったとは知りませんでしたけど(というより丈二のことすらあまり触れていない)。

そして何い言っても申し訳ないのがあります。

 

デネブを少女化させたことですw

 

本当に申し訳ありません!因みにこのデネブのモデルは「蓮根庵」というサイトにある少女デネブからなんですけど・・・あまりにも良すぎるのでそのまま使ってしまいました。ごめんなさい、でも可愛いんです!だからこんなロリっ子なキャラとなってしまいました!(なお、ベガフォームには幸いにもなりません)

ついでにもう1つ言うことがありますが、登場するキャラを追加するということで閻魔様を登場させました。どうも天子と勇儀だけじゃあ寂しいというか、足りない感じでしたので今後からさらに追加を決定させています。

誰がでるかはお楽しみということにしておいてください。お詫びと同時にダークボールからのお知らせを言います。

 

【ライダーデータ】

仮面ライダーゼロノス ゼロフォーム

登場作品:仮面ライダー電王

備考:世界の時間を守る為に旅をする青年、二神安里の変身するライダー。パートナーイマジンの碧子が変形するガトリング型武器『デネビックバスター』で独自のスピードと合わせながら敵を押し切る戦法を得意とする。

状況に応じてはゼロガッシャーを使うこともあるが、どちらかというと彼は格闘が得意なので素手で挑む場合が多くて、使用されないところもしばしばとある。

必殺技は、フルチャージしたデネビックバスターから高エネルギーのビームを発射する「バスターノヴァ」。

 

 

仮面ライダーグレイブ

登場作品:仮面ライダーブレイド

備考:幽人の庭師、魂魄妖夢の変身するライダー。一樹が持つライダーシステムよりも先である最新型ライダーシステムの1つ、ケルベロスのカードと融合したライダーで、剣の使い。

専用武器であるグレイブラウザーは、高周波振動と高熱放射で地球上の固形物質全てを切り裂くことが可能な武器で、これでアンデットにダメージを与える。

さらにこのライダーには特別にマイティと呼ばれるラウズカードを持ち、一樹の持つシステムとは違った技を取り出す。

必殺技は、グレイブラウザーの刃先に重力場を生成し、斬撃と共に敵に叩きつける「グラビティスラッシュ」。

 

 

仮面ライダー裁鬼

登場作品:仮面ライダー響鬼

備考:四季映姫から受け取った変身鬼弦で、根本明彦が変身したライダー。エレキギターを使った弦の戦士で、刀のように振り回して甲殻類の魔化魍を斬り倒していくのが特徴。

また、ヒビキから教えられたことにある中で弦だけでなく、太鼓の音撃も習得しているために音撃鼓を使って戦う場合もある。

弦の必殺技は「閻魔裁き」、太鼓の必殺技はヒビキから授かった「業火怒涛の型」を身に着けている。

 

 

まだまだ新しいキャラが出てきますのですが、多すぎたらどうなるんだろうかと思いつつも不安です。けど、それぞれにエピソードというのはあるのですからいいではないですかと思います。

それでは次回にまたお会いしましょう。

説明
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。
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