恋姫無双 3人の誓い 第十五話「似たもの同士」 |
蒼介と別れた後、俺は痛い耳を押さえながら歩いていた。
「・・・まったく。何で蒼介がここに・・・」
「隊長どないしたん?ブツブツしゃべって。」
「ん?あ、いや、ちょっと嫌やもの見ちゃって。」
今、しゃべりかけてきたのは李典という子で、真名は真桜。カラクリが大好きな何でも発明家。
「何なのー?嫌なものって?」
なのーが口癖のちょっと変わった子が干禁。真名は沙和。
「俺の世界にいた友達だよ。そいつが嫌なやつでなー、すぐ俺にちょっかいだしてくるんだよ。ったく・・・。」
「隊長。全然嫌そうな顔をしていませんよ?」
俺が嬉しそうな顔をしていたのか、クスッと笑ったいかにも武道家な少女は楽進で、真名は凪。
「せやな。・・・もしかして隊長、そいつと会えてめっちゃ嬉しかったんか?」
「・・・っ!ば、馬鹿言うなよ!蒼介とは昔から仲が悪くて、見るだけで嫌な気分になるよ!」
「ああー!隊長照れてる〜!可愛いのー♪」
「うぅ・・・っ!お前らー、人をからかってないで仕事しろー!」
こんな風にからかってくる三人組に出会ったのは、ある戦いの時だった。
「・・・というわけです。」
「そう・・・やはり黒い装束が。」
その日の朝議も、暴徒達の鎮圧から戻ってきた春蘭の報告から始まった。
「こちらの暴徒達も同じ服を着ておりました。」
ここ最近増えてきた、謎の暴徒達。各々黒い装束を身に付けた彼らは、何の予兆もなく現れては暴れ、春蘭達に鎮圧されていく。
「桂花。そちらはどうだった?」
「は。面識のある諸侯に連絡を取ってみましたが・・・どこも陳留と同じく、黒い装束を身に付けた暴徒達の対応に手を焼いているようです。」
「具体的には?」
「ここと・・・ここ、それからこちらも。」
桂花はそう呟きつつ、広げた地図の上に磨かれた丸石を置いていく。文字を書き込んだりやピンを使ったりしないのは、この世界では地図がもの凄く貴重品だからだ。
まあ、コピー機もないし、地形の情報だってネットや衛星写真で簡単に手に入るワケじゃないもんな。
「それと、一団の首領の名前は環というらしいですが・・・正体は全くの不明だそうです。」
「正体不明?」
「捕らえた賊を尋問しても、誰一人として話さなかったとか・・・」
「・・・ふむ。剣を振り上げれば逃げ回るくせに、そこだけは口を割らぬのか。何やら気味が悪いな。」
「それで皆、他に新しい情報はないの?」
「はい。これ以上は何も・・・」
「こちらもありません。」
「ならば情報収集ね。その環という輩の正体を確かめないと・・・」
場にひとまず一区切りがついた空気が漂ったその時。慌てて入ってきたのは、一人の兵士だった。
「会議中失礼いたします!」
「何事だ!」
「はっ!南西の村で、新たな暴徒が発生したと報告がありました。また黒い装束です!」
言い終わった時には、すでにみんなの表情は真剣そのもの。この辺りはさすが軍人だよな、って関心する。
「休む暇もないわね。・・・さて、情報源がさっそく現れてくれたわけだけれど、今度は誰が行ってくれるのかしら?」
「はいっ!ここは私が!」
と勢いよく手を上げる春蘭。だが・・・
「桂花。編成を決めなさい。」
「御意。・・・では秋蘭、今回の件、あなたが行ってちょうだい。」
「なにっ!?どうして私ではなく、秋蘭なのだ!」
桂花の判断によって、すぐに外されてしまった。
「今回の出動は、戦闘よりも情報収集が大切になってくると、華琳様もおっしゃったでしょう。出来る?あなたに。」
「ぐ・・・っ。」
「決まりね。秋蘭、くれぐれも情報収集は入念にしなさい。」
「は。ではすぐに兵を集め、出立いたします。」
そして、秋蘭達が討伐から戻ってきたのは、その日の晩遅くのこと。
いつもなら報告は翌朝に回す時間だったけど、今夜ばかりは主要メンバーが集められて、すぐに報告会が開かれていた。
「・・・間違いないのね。」
「はい。今日行った村で、五胡から来た黒装束一団が現れたという情報がありました。また、その一団の中に、他とは違った黒装束を着た四人組がいたとのこと。恐らく、その四人組に環がいるのでしょう。」
「秋蘭の報告を受けて、黒装束との戦いがあった陳留周辺のいくつかの村にも調査の兵を向かわせましたが・・・ほとんどの村で同様の目撃例がありました。」
「その五胡の環という輩が、黒装束の首領の環ということで間違いはないようね。」
「これで、環の正体は判明か・・・」
しかし、その環と黒装束の一団の目的はなんなんだろう・・・。ただ食料とお金が欲しいわけじゃないと思うけど・・・。
「正体が分かっただけでも前進ではあるけれど・・・。可能ならば、環の目的が知りたいわね。・・・そして夕方、都から軍令が届いたのよ。早急に黒装束の暴徒を平定せよ、とね。」
「・・・今頃かよ。」
「ええ、今頃よ。」
いくらなんでも、これだけ大騒ぎになった後に出すような命令じゃないだろ。反応が鈍いってレベルじゃないぞ。
「それが今の朝廷の実力、って事か・・・」
「良く分かっているじゃない。まあ、これで大手を振って大規模な戦力を動かせるわけだけれど・・・」
そういえば、今までの討伐は秋蘭や季衣達に任せた、中規模な部隊がせいぜいだったっけ。
人手が足りないだけだと思ってたけど・・・あれは華琳なりに気を使った編成でもあったわけか。
「華琳様っ!」
「どうしたの、春蘭。兵の準備は終わった?」
「いえ、それが・・・また例の黒装束の連中が現れたと。それも、今までにない規模だそうです。」
「そう・・・。こちらが一歩遅れたということか。」
後手に回されたのが悔しいんだろう。華琳はイライラした様子で呟くと、その怒りを吐き出すように、ため息を一つ。
「・・・ふぅ。春蘭。兵の準備は終わっているの?」
「申し訳ありません。最後の物資搬入が、明日の夜明けになるそうで・・・すでに兵達に休息をとらせています。」
「間が悪かったわね・・・。恐らく連中は、いくつかの暴徒が寄り集まってるのでしょう。今までのようにはいかないわよ。」
「集まってるだけじゃないのか?」
「一つ二つの集団が集まったならただの偶然だろう。だが、それが数十の集団が集まった軍団となれば・・・それはもはや偶然ではないということだ。」
「集めたやつ・・・指揮官がいる、という事か。」
「そうだ。仮にいなかったとしても・・・それだけの能力を持つやつは、集団に一人二人はいるものだ。そいつが必ず指揮官に祭り上げられる。」
「秋蘭の言う通り。万全の状態で当たりたくはあるけれど、時間もないわね。さて、どうするか・・・」
「華琳さまっ!」
そんな中、手を上げたのは今まで黙っていた季衣だった。
「華琳さま!ボクが行きます!」
「・・・そうね。春蘭、すぐに出せる部隊はある?」
「は。当直の隊と、最終確認をさせている隊はまだ残っているはずですが・・・」
「季衣。それらを率いて、先発隊としてすぐに出発なさい。」
「はいっ!」
「それから、補佐として秋蘭を付けるわ。」
「・・・え?秋蘭さま、が・・・?」
「秋蘭にはここ数日無理をさせているから、指揮官は任せたくないの。やれるわね?季衣。」
「あ・・・は、はい・・・。秋蘭さま、よろしくお願いします。」
「うむ。よろしく頼むぞ、季衣。」
二人は目を見つめあいながら、お互い握手を交わす。
「それでは後発部隊の再編集を。明日の朝来る荷物は待っていられないわ。春蘭は今すぐ取りに行って、昼までには出立できるようになさい!」
「「御意!」」
「今回の本隊は私が率います。以上、解散!」
そしてみんなは慌ただしくその場から姿を消して・・・。えーっと・・・。
「・・・どうしたの?」
「いや、俺は何も言われなかったから・・・どうしたらいいのかな、と。」
「寝ておけば?」
「・・・いいの?」
「良いも何も、する事がないなら、体を休めておきなさい。私もひと眠りするわよ。」
そ、そんなものなのか・・・。
みんな夜を徹しての仕事になるだろうってのに、手伝わなくていいのか・・・?
「他の皆は夜を徹して作業をすることになるわ。恐らく馬上で休むことになるから、その間、事態に即応できる人間が必要になる。」
「・・・それは華琳の役目じゃないのか?」
「もちろん指揮を執るのは私よ。けれど、私の注意が及ばないところは、一刀に補ってもらわないとね。」
「お、俺っ!?」
華琳の仕事を補うとか、どう考えても無理だろ!
「今までの仕事を見る限り、武に関しての才能はないと思うけれど・・・指揮能力に関しては、それなりにあると思うのだけれど?」
「そんなの、あるのかなぁ・・・」
武の才能がないのは分かってるけど、指揮の方の才能も、あるとは思えないんだけど・・・。
「ま、半分以上は、あなたの持ってる天の国の知識のおかげでしょうけどね。」
「・・・そういうことか。なら、俺の才能ってわけじゃないじゃないか。」
「知識はそれだけで大きな武器となるわ。もちろん、それを使いこなす知恵は必要になるけれど・・・桂花が良い例でしょう?」
・・・確かに。桂花の考える作戦はいつも大したもんだけど、武芸はからきしだもんな。
「・・・その知恵をあなたは持ち合わせている、と言っているのよ。私は。」
「はぁ?買いかぶり過ぎだろ・・・それは。」
「まあいいわ。ともかく、今は人手が足りないのだから、今回はあなたにも指揮を執ってもらうかもしれない。その時に生あくびをしているようでは、春蘭に殴り殺されるわよ?」
「・・・春蘭に殴られるのは嫌だな。」
殺されるのはもっと嫌だけど。
「嫌なら殴られないようにすることね。・・・それじゃ私は少し寝てくるわ。」
「俺も寝ることにする・・・」
「ふふっ・・・私は閨に来る?」
「・・・この非常時に、そういうドキッとする冗談は勘弁してくれ。」
「・・・ふふふ。ならドキドキしながら、さっさと寝てしまいなさい。」
「はいはい。」
こうして、夜は更けていった・・・。
「急げ急げ!急いで先遣隊に合流するぞ!」
「・・・馬上で休むんじゃなかったのか?」
昨日は徹夜のはずだったのに、この気合・・・。どんだけ元気なんだ、春蘭のやつ。
「秋蘭や季衣が死に物狂いで戦っている時に、休んでなどいられるか!進め!進めぇいっ!」
・・・いや、むしろ徹夜したからハイテンションになってるんだろう。
「そんなに急がせては、戦う前に疲れてしまうわよ、春蘭。」
「う、うぅ・・・っ。華琳さまぁ、私だけ、先遣隊として向かってはダメですか?」
「ダメよ。目と鼻の先ならまだしも、今の距離でこれ以上隊を分けても効果は薄いわ。」
その時、桂花が華琳のところに駆け込んできた。
「華琳様。秋蘭から報告の早馬が届きました。」
「報告なさい。」
「敵部隊と接触したそうです。環らしき存在は確認していないようですが、予想通り敵は組織化されており、並みの盗賊より手強いだろうとのこと。・・・くれぐれも余力を残して接敵してほしいそうよ、春蘭。」
「うぅぅ・・・」
さすが妹。姉の性格を良く分かってるな。
「敵数は?」
「夜間だったため、詳細は不明。ただ、先遣隊よりは明らかに多いため、うかつに攻撃はせず、防衛に徹しているとのことです。」
「そう。さすが秋蘭、賢明な判断ね。・・・しかし、環本人が指揮を執っている、かとも期待していたけれど・・・やはり、別の指揮者がいるのね。環の才覚、侮れないわ。」
「環の才覚・・・それって、人を惹きつける魅力のこと?」
カリスマってやつだっけ・・・?まあ、そうい指揮が出来るほどの人が、環に手を貸してるってのは・・・凄いことだよな。
「あら、よく分かっているじゃない。」
「・・・いい見本をずっと見てるしなぁ。」
まあ華琳の場合は、カリスマ以外の能力も異様に高いけど。
「恐らく環はその能力が極端に高いのでしょう。それが野心に向かったのか、暴走しているだけなのかは別にして・・・面白い相手であることには違いないわ。」
「曹操様!曹操様はいらっしゃいますか!」
「どうした!」
「あれ?お前は先遣隊の・・・」
急いで駆け込んできた兵士は、季衣達の先遣隊にいた兵士だった。
「はっ!許緒先遣隊、敵軍と接触!戦闘に突入しました!」
「・・・状況は!」
「数と勢いに押され、お味方に不利!街に籠もって防御に徹していますが、戦況は厳しいかと!至急、援軍を求むとのこと!」
「え・・・?じゃあ、今頃・・・」
「馬鹿を言うなっ!」
俺の気弱な発言に、春蘭が怒号を飛ばす。
「ええ。秋蘭のことだから、苦戦すると読んで、おらかじめ遣いを出したのでしょう。・・・総員、全速前進!追いつけない者は置いていくわよ!」
「総員、駆け足!駆け足ぃっ!」
俺達は兵士の報告により、急いで秋蘭達の所へと向かった。
「秋蘭さまっ!西側の大通り、三つ目の防柵まで破られました!」
「・・・ふむ。防柵はあと二つか。どのくらい保ちそうだ?李典。」
秋蘭が聞いた相手は、兵士ではなく、紫色の髪をした少女だった。
「せやなぁ・・・。応急で作ったもんやし、あと一刻保つかどうかって所やないかな?」
「・・・微妙なところだな。姉者達が間に合えば良いのだが・・・」
「しかし、今は姉ーちゃん達のおかげで、耐えているようなもんだ。本当にありがとう。」
「それは我々も同じことだ、龍玄。貴公ら義勇軍がいなければ、連中の数に押されて敗走しているところだった。」
そう長身の男と会話をしていると、
「夏侯淵さまー!東側の防壁が破られたのー。向こうの防壁はあと一つしかないの!」
慌てて走ってきた黄色髪の少女の報告に、李典は顔を真っ青にする。
「・・・あかん。東側の最後の防壁って、材料が足りひんかったからかなり脆いで!すぐに破られてまう!」
「仕方ない。西側は防御部隊に任せ、残る全員で東の侵入を押し止めるしかない。」
「先陣は俺が切る。俺にかかればあんな素人連中、すぐにあの出鼻を挫いてやるさ。」
「・・・仕方ない。だが、死ぬなよ。」
「分かっているさ。」
「秋蘭さま。ボク達も・・・」
と季衣が言葉を続けようとした時、大きな銅鑼の音が力一杯、響き渡る。そして、銀髪の少女が報告する。
「報告します!大部隊の行軍のようです、旗印は曹と夏侯!曹操様と夏侯惇様ですっ!」
「鳴らせ鳴らせ!鳴らしまくれ!街の中にいる秋蘭達に、我らの到着を知らせてやるのだっ!」
そしてまた、銅鑼の大きな音が響き渡る。
「敵数の報告入りました!敵数、およそ五千!我ら本隊の敵ではありません!」
「部隊の展開は!」
「完了しています!いつでもご命令を!」
「さて、中の秋蘭達はちゃんと気づいてくれたかしら・・・?」
「華琳。街の中の砦らしきところから、矢の雨が放たれたって報告が来たぞ。砦の旗印は夏侯。秋蘭は気づいてくれたみたいだ。」
「さすがね。なら、こちらが率先して動くわよ!秋蘭と季衣は呼応して動いてくれるでしょう!・・・春蘭!」
「はっ!苦戦している同胞を助け、寄り集まった烏合の衆を叩き潰すぞ!総員、全力で突撃せよ!」
うおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!
空に兵士達の咆哮が響き渡る。そして敵と接触した。
・・・・・・・・・・
「秋蘭!季衣!無事かっ!」
「危ないところだったがな・・・まあ見ての通り無事だ。」
「春蘭さまー!助かりましたっ!」
「二人とも無事で何よりだわ。損害は・・・大きかったようね。」
「はっ。しかし彼らのおかげで、防壁こそ破られはしましたが、最小限の損害で済みました。街の住民も皆無事です。」
「・・・彼らは?」
「・・・我らは義勇軍。五胡の暴乱に抵抗するため、こうして兵を挙げたのですが・・・」
いかにも武人らしいその子の側にいたのは・・・。
「あーーーーーっ!」
「ん?おお、青年!また会ったな。」
なんとも軽い感じで本人はよっ、と手を挙げる。
「一刀、知り合いなの?」
「ああ、華琳達に拾われる前、俺を盗賊から達救ってくれた人だよ。」
「そういうこと♪一応名乗っとくか・・・。性は龍、名は玄。字は朱然ってんだ。よろしく。」
「そうよろしく。・・・で、その義勇軍が?」
二人は軽く挨拶を交わし、本題へと戻る。
「はい。黒装束の賊がまさかあれだけの規模になるとは思いもせず、こうして夏侯淵様に助けていただいている次第・・・」
「そう。己の実力を見誤ったことはともかくとして・・・街を守りたいというその心がけは大したものね。」
「面目次第もございません。」
「とはいえ、あなた達がいなければ、私は大切な将を失うところだったわ。・・・秋蘭と季衣を助けてくれてありがとう。」
「いやいや。困った時はお互い様ってことよ!ハッハッハ!」
豪快に高笑いを決める龍玄さん。華琳とは初対面なのに、全然緊張してないな。
「あの、それでですね、華琳さま。凪ちゃん達を・・・華琳さまの部下にしてはもらいませんか?」
「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」
「聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いていられるとのこと。一臂の力ではありますが、その大業にぜひとも我々の力をお加えくださいますよう・・・」
「・・・そちらの三人の意見は?」
「ウチもええよ。陳留の州牧様の話はよう聞いとるし・・・そのお方が大陸を治めてくれるなら、今よりは平和になるっちゅうことやろ?」
「凪ちゃんと真桜ちゃんが決めたなら、私もそれでいいのー」
と女の子三人は、いいという意見だが、
「すまないね。おっさんは無理だわ。」
龍玄さんだけ、できないという意見だった。
「それはどうして?」
「陳留の州牧様と共に戦えるのは、とても嬉しいことだけれど、おっさんは自分だけの力で何とかしたいのさ。・・・もう昔のようなことには
ならないように。」
一瞬だけ龍玄さんの表情が曇ったが、すぐに陽気な笑顔を浮かべる。
「そう・・・。分かったわ。そこの三人の名前は?」
「楽進と申します。真名は凪・・・曹操様にこの命、お預けいたします。」
「李典や。真名の真桜で呼んでくれてもええで。以後よろしゅう。」
「干禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくおねがいしますなのー♪」
「凪、真桜、沙和。そうね・・・一刀。」
「ん?」
一通り名前を確認した華琳が、
「さしあたりあなた達三人は、この男に面倒を見させます。別段の指示がある時を除いては、彼の指揮に従うように。」
「何・・・っ!?」
とんでもないことを言っちゃってくれた。
「・・・このお兄さん大丈夫なん?」
「んー?私はけっこう平気かもー。意外とカッコいいし♪」
「曹操様の命とあらば、従うまでだ。」
「おいおい、ちょっと待てよ、華琳!」
確かに、小さな隊は指揮したことはあるけど・・・。いきなり義勇軍まるごと渡されて、しかも華琳の部下になる将の候補を三人まとめて面倒みろとか、俺にどうしろってんだ!
「あら。何か問題がある?」
「大ありですっ!なんでこんなのに、部下をお付けになるんですか・・・!」
「・・・あ、桂花。いたんだ。」
今まで全然気にならなかったけど。
「こんな変態に華琳様の貴重な部下を預けるなど・・・部下が穢されてしまいます!」
こらこらこら!初対面の連中に変なことを吹き込むんじゃないっ!
「・・・・・」←ドン引き
「・・・・・」←ドン引き
「・・・・・」←ドン引き
いや、誤解だから!そんな冷たい視線で見ないでーっ!
「・・・青年。年頃なのは良く分かるが、もう少し節度をだな・・・」
龍玄さんまでーっ!
「・・・うーん。出会ったばっかりでいきなり迫られちゃうのは、さすがに困っちゃうのー」
「せやなぁ・・・。凪はどうなん?命令とあらば?」
「・・・上官の理不尽な命令に意見する権利は、あるのだろうか。」
「だから、そういう展開はないからっ!」
「・・・私は関知しないから、するなら同意の下でしてちょうだい。三人とも、一刀に無理に迫られたら、痛い目に遭わせて構わないわよ。」
華琳までっ!俺の味方はどこにもいないのかっ!
「そういうことなら了解ですわ。・・・じゃあ、よろしゅうな、隊長。」
「了解しました、隊長。」
「はーい。隊長さーん♪」
「はい、よろしくね・・・ふぅ・・・」
けど、なんだかこの三人の雰囲気が懐かしく思えてくる。二人の顔が浮かび上がってくる。・・・元気にしてるかな、蒼介と飛鳥。
「それではこの件はこれでいいわね。物資の配給の準備が終わったら、この後の方針を決めることにするわよ。各自、作業に戻りなさい。」
こうして俺達はひと時の休息を味わう。
※どうもお米です。熱が出てしまって更新が遅れてしまいました。これから体に気をつけて生活したいと思います。さて、ひさしぶりに登場した龍玄。忘れてる人が殆どだと思いますwww
けど、オリキャラの中で一番好きな性格をしているのは龍玄です。あのふざけた感じが好きだ・・・。では次回はオリキャラのキャラ紹介にしたいと思います。それでは失礼します〜。
説明 | ||
第十五話となります。少し熱が出て更新が遅れてしまいました。すみません。みなさんも手洗いうがいはしっかりと! | ||
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コメント | ||
>samidareさんコメント有り難うございます!今回も誠心誠意書かせていただきましたので、少しでも楽しんでいただけたなら僥倖です。(お米) >茶々さんコメント有り難うございます!さすがにみんな全員を登場させると、会話がごちゃごちゃになる可能性があると思ったので、少し登場人物に関しては減らさせてもらっておりますので、ご了承ください・・・。けれど、できるだけ登場させたいと思いますのでよろしくお願いします。(お米) あれ?黄巾党は?れんほーちゃんはぁ!?何か五胡に全部喰われちゃってないっ!? あ、でもそっちの方が姉妹仲良く過ごせていい……のか?(茶々) 更新お疲れ様です(samidare) |
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