『舞い踊る季節の中で』 第30話 |
真・恋姫無双 二次創作小説 明命√
『 舞い踊る季節の中で 』
第30話 〜 策謀に踊り惑う心 -前編- 〜
(はじめに)
キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助
かります。
この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。
北郷一刀:
姓 :北郷 名 :一刀 字 :なし 真名:なし(敢えて言うなら"一刀")
武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇
:●●●●
得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(ただし本人は無自覚)
気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)
神の手のマッサージ(若い女性には危険です)
最近の悩み:最近、二人の様子が、また変わってきた。 時折ボーとするのは相変わらずだが、よく目が
合うようになった。 これだけなら、特に問題は無いのだが、その瞳に、何か熱いものを
感じる。ぶっちゃけ、艶を感じるのだ。 以前二人に感じた時は、その何というか、妙な
雰囲気に陥ったり、明命が無邪気に抱きついてきた時だったのだが、最近は、只、其処に
いるだけで、感じる事が増えてきた。・・・・・・うん、とりあえず寝る前にしっかりと舞いを
練習して、雑念を追い払う事にしよう。
(今後順序公開)
★オリキャラ紹介:
諸葛瑾:
姓 :諸葛 名 :瑾 字 :子瑜 真名:翡翠
武器:"双天" 対の双剣
武力:52(平均的な将を60とした場合)
智力:81
政治:89
家事:92
魅力:想像にお任せします(w
焦った時の口癖:『 あうあう 』又は 『 ぁぅぁぅ 』等の類語です
性格:基本的に温厚で、外見に反して大人の女性
だが、焦ると地が出てしまう。(朱里と違って、自分を律しています)
警戒心が強い性格だが、一度心を許されると、親身になってくれる。
妹がいるため、基本的には面倒見が良く、放っておくと、食事を取るのを忘れる明命を心配してよく
食事を差し入れていた。
やはり、妹がいるためなのか、時折人をからかって、その反応を楽しんだり、とんでもない悪戯を仕
掛ける悪癖もある、だが性質の悪い事に普段が完璧なだけに、周りは怒るに怒れないでいる。
家事全般は人並み以上に出来、そこらのお店以上と自負していたが、丹陽で知り合った男性の腕を見
て自信を喪失。 以降こっそり腕を磨いているが、全然敵わないと嘆く毎日を送っている。
武術は好きではないが、妹達を変態共から守るため、必要最低限身に付けたもの。
姉妹揃っての発育の悪さをコンプレックスに思いつつも、それを武器にする強かさを持っている。
自分を子供扱いしない男性が好みだが、言い寄ってくるのは変な趣味の持ち主ばかりで、17の時、現
実の男(変態の多さ)に愛想が付いた時に『八百一』と出会う。 以降のめり込み、妹達を洗脳する
も、基本的には周りには秘密にしている。そのうち執筆も行うようになり、掲載されるようになる。
数年たった現在では、定期的な愛読者もつき『八百一』の主要作家の一人となっている。
黄巾の乱後、作品が益々洗練され、世に愛読者を急増させる要因となった。
一刀視点:
雪蓮に出陣するように言われて、ろくに準備もする暇もなく、出立する事となった。
前回の時のように、時間を窮するなら分かるが、今回のように前もって分かっていた事なんだから、もっと早く言って欲しいものである。 でもまぁ、翡翠が忙しそうだったし、明命も留守にする事が多かったので、なんとなく戦が近い事を予感していた俺は、最低限ながらも準備していたおかげで、俺が居ない間、店を任せる手配を終える事が出来た。
まぁ、彼等には、前回同様良い機会ではあるし、そう心配ない所まで来ているから、心配する必要は無いのだが、やはり、其処はそこ別問題である。
「うーん、やっぱり、イマイチだな、贅沢言える時じゃないけど、もう少し何とかならないのかな
なぁ明命、やっぱ俺が作ったら駄目なのかなぁ?」
俺は、つい先程まで考え事をしながら食べていた雑炊を、箸で指しながら、隣に座る明命に、ここ数日繰り返してきた質問を繰り返す。
「駄目です、一刀さんは軍師で将の一人なのですから、何時も何時も食事の当番兵のような真似をされては、兵
達に示しが付きません」
「いや、それにやっぱり手持ち無沙汰だし、毎日やっていた事がやれないと言うのもね・・・・・・」
「時間があるなら、やるべきことは幾らでもあります。 情報の整理、策の検討、周囲への警戒、それにこうい
う機会を利用して、し・しっ親睦をはかるとか、・・・・・・此の所、忙しくて一刀さんとゆっくりと、話・」
「北郷さ〜ん、おはようございます〜」
明命と食事をしながら話していると、そんな呑気な声が聞こえる。
まぁ、顔を上げなくても、声の主が陸遜である事は分かるが、それでは相手に失礼だし、何より近づいてきたのは、陸遜一人ではなく
「孫策達は朝食はもう終えたのか?」
「ええ、食事中悪いわね」
俺の言葉に、孫策が少しも悪くなさそうな顔でそう言ったまま、黙って、此方の様子を見ている。
後ろに居る周瑜と陸遜も同様だ。
まぁ、待ってくれるだけありがたいか、俺はそう思いながら、朝食の残りを一気に喉に流し込み終え、そんな俺の様子を確認した明命が、近くの兵に頼んで後片付けをしてもらう。
(・・・・・・やっぱり、後片付けもさせてくれないのね・・・・・・)
「で、朝から何の話? 昼には、集結場所に到着するんだろ?」
「なに、到着前にお前に、集まった情報を渡しておこうと思ってな」
「まぁ、情報はあるに越した事はないけど、今此処でという事は、そう言う事でいいのかな?」
「話が早くて助かる。
と言っても、たいした話ではない、ただの雑談じみた確認だ。何かお前のほうから聞きたい事はあるか?」
そう、言って切り出してくる周瑜は、面白げな瞳で此方を覗き込んでくる。
まったく、試すのが好きなのか、それとも、単純に楽しんでいるのか、分からないけど、今は付き合う気は無い。
「とりあえず、反董卓連合に参加している諸侯について、分かっている事を教えて欲しいかな」
「あらら〜、わりかしまともな事ですね。いまなら、冥琳様のスリーサイズだって、教えてくれるかもしれない
んですよ〜」
「その程度であれば、教えてやっても構わぬが、その後の事は知らんぞ」
「い・今は遠慮とくよ」
陸遜の冗談に、何故か周瑜も乗ってくるが、俺はそれを丁重にお断りする。
だいたい、スリーサイズって英語だろっ、何でそんな所だけ横文字が伝わっているんだよっ まぁ訳の分からない言語の法則性はともかくとして、正直興味がないと言ったら嘘になるが、後々からかわれると分かっていて、正直に言う程、俺は命知らずではない。 それに、本気で知ろうと思えば、目測で測れるしね・・・・・・
・・・・・・あの明命、何で冷たい視線を送られなければいけないの? 俺断ったはずのになんで?
「まぁ、穏の冗談はさておき、まずは、発起人である袁紹と、雪蓮の口車に乗せられた袁術」
「そっ、最初は袁術本人が渋ったけど、此処で袁紹に功名を揚げられたら、袁家を袁紹に乗っ取られちゃうわ
よ、って言ったら、袁術の家臣達が焦り出しちゃって、簡単だったわ」
周瑜の言葉に、孫策がそう補足する。
「他に漢の忠臣を謳う涼州連合を率いる馬騰。 北方の雄、公孫賛。中央より距離を置きながら着々と勢力を伸
ばした曹操。 前の乱で頭角を顕し、平原の相となった劉備。 そして我等が主な軍勢となるだろうな」
「他にも、喬瑁さんに張貎さんといった太守達が参加してきますね」
「大なり小なり、野心を持つ人間が集まってきている・・・・・・と言ったとこか」
「さもありなん。・・・・・・お前も言ったが、すでに後漢王朝が死に瀕している今こそが、飛躍にはもってこいの
時期だ」
「ただし、全員が飛躍出来るとは限らないけどね。
・・・・・・さてさて、数年後までに生き残っていられるのは、どの諸侯かしら」
物騒な事を言う孫策
・・・・・・・・でも、そういう時代だってことなんだよな、頭では理解しているつもりだけど、こう言葉にして言われると、あらためて実感させられる。 そして俺のそんな思いとは裏腹に、話は勝手に進み。
「有能な人も居れば、無能な人も居る。・・・・・・なかなか予測はつきませんねぇ〜」
「まぁねぇ。 冥琳はどう見る?」
「ふむ。・・・・・・まず一人、人材、資金、兵力・・・・・・全てを潤沢に用意している曹操だろう。
次に我ら孫呉だ。資金も兵力も充実の兆しを見せているし、人材も揃い始めている
他は力はあっても、覇者となるだけの器がないと感じる。
残る袁紹は、おそらく曹操が、そして、袁術は・・・・・・我らが倒すだろう?」
「もちろん」
「なら、我等の最大の脅威となりうるのは、曹操のみと言う事になるな、北郷はどう思う」
そう、俺を置いてけぼりに話をしていた周瑜が、突然話を振ってくる。
「俺の持っている情報は少ないから、なんとも言えないけど、翡翠が話してくれる程度の事や、流れてくる噂か
らして、周瑜の言っている通り、曹操が脅威になるのは間違いないと思う。 でも、もう一つ気になる勢力が
ある」
「ほう、それは劉備か?」
「うん、頭角を顕したと言うのも気になるけど、義・勇・名、共に揃っている。 何より、勢いがある」
「確かに劉備は、天の時を得ていると言える。だが、奴には地の理が無い。東には公孫賛や袁紹、南には董卓と
曹操、これでは、大きくなるどころか、潰されるのが目に見えている」
「そうだね、でも別に、平原にこだわる必要は無い。 いざとなったら、領土を移せばいい、あれだけの噂が広
がっているなら、受け入れてくれる所もあるだろうしね」
俺の言葉に、周瑜は呆れた顔を一瞬するが、すぐに顔を引き締め
「領土を移すと言えば聞こえはいいが、それは捨てると言っているのと同じ事だ。・・・・・・まったく信じられない
発想をする。 だが、受け入れられると思う根拠は何だ」
「名が売れていれば利用したいと思う、力の無い領主だって居るし、こんな世の中だ、劉備のような人物を望む
民だって少なくは無いはず。 徳を売りとする劉備、それを支える勇将・知将、夢をみたくなる人達だってい
ると思うからさ、少なくとも弱小勢力や、そういった勢力の連合は、御輿にしたがると思うよ。
・・・・・・もっとも実際に話してみないと、どんな人物かは分からないけどね。 周瑜だって、多少なりとも気に
なるところがあるから、名前を挙げたんだろ?」
「ふふっ」
俺の出した答え気に入ったのか、周瑜は楽しげに瞳を揺らすと、
「私が目をつけた理由は、別にあるのだが・・・・・・お前は穏とは別の変った視点を持っているな、しかも成る程
と納得させられる。
劉備の持つ勢力に対して言及していないのは残念だが、今のお前の立場で得れる情報では、 それも仕方ない
と言うもの」
「一刀も、こう言っている事だし決まりね」
「ああ、ついてから、会えるよう手配しておこう。
だが、言わなくても分かっていると思うが、決めるのは劉備の人となりを確かめてからだぞ」
「分かっているわよそんな事」
またもや俺をそっちのけで話し出す孫策の周瑜、
でも、話の断片から、大体の予想はつく、
「なぁ、陸遜、もしかして劉備と同盟を?」
「はい〜、劉備の処は規模も、うちとそう変りませんし、此度の戦を期に確実に勢力を伸ばすでしょうね。
でもまぁ、実際に同盟を組むかどうかは、劉備の人となり次第ですねぇ〜、間違っても袁術に付く様な人とか
だと困っちゃいますし〜」
成る程、たしか俺の世界だと、劉備は袁術を討っているが、結託していた時期もあるから、そういう心配も当然か・・・・・・、やっぱり、俺の知っている三国志とは、だいぶ掛け離れているな、不確かな歴史は未来にはなりえないと言う事か、まぁ、元々当てにならない歴史に、運命を任せる気はないから、これはこれで、見切りが付いて逆に助かると考えられるか、
「ん?どうしたの一刀」
どうやら、俺に話したい事も終えた様なので、席を立つと、孫策が声をかけてくる。
「ん、明命に、時間があるなら親睦を図るのも大切と言われた事だしね、折角だから、今日まだ顔を合わせてい
ない、孫権と思春に会って来ようと思ってね」
「はあぅっ」
「そっ、ならいいけど、・・・・・・明命良いの?」
「・・・・・・はい、親睦を図るのも大切ですから・・・・・・ぁぅ・・・・・・」
等と、何故か、明命に聞く孫策。
そして、これもまた何故か、少し気落ちしている明命がいた。 あれ?
「どうかしたの明命?」
「あっ、いえ、なんでもないです。
普段交流の無い蓮華様と、親睦を深められるのも、よい機会だと思います」
「なんか、まだ嫌われているみたいだけどね。 とりあえず、少しでも改善を図りたいとは思うから、行って来
るよ」
明命の言葉に押されるように、その場を一人離れる俺の背中に、
「あらら、明命ちゃん健気ですねぇ〜」
「・・・・・・あぅぅっ」
なんて、話し声が聞こえてくる。
「ほ〜っ、ほっほっほっほっ、知らない人はいないと思いますけど、私が、袁本初ですわ」
広い天幕の中、そんな高周波攻撃じみた高笑いが、響き渡る。
(いや、しらねえしっ)
と思わず突っ込みたい気持ちを抑え、隣に座る孫策を少し恨めしげに見る。
事の起こりは、反董卓連合が集結している場所に着き、案内された所に陣を張っている時だ。
「一刀ー、連合の軍議に行くから、貴方も付き合いなさい」
「はっ? 俺が行ってなんになるんだよ。
それに、俺が行って天の御遣いと紹介するのは、不味いんじゃなかったっけ?」
孫策の何時もの突発的な発言に、俺が反射的に答えると、
「珍しいな雪蓮、お前がああいう腹の探りあいに出たがるとは、てっきり、私に押し付けるものとばかり思って
いたぞ」
「そりゃー、私だっていやよ、あんな腹黒い集まり、でもこの際一刀には良い勉強かなって思って、・・・それに、
別に天の御遣いじゃなく、軍師見習いの勉強と言えば、そう怪しまれやしないわよ。 逆に袁術に前もって顔
合わせておく事で、警戒心を解いておくこともできるわ、・・・・・・すくなくても、一刀の能力を見た目で判断で
きる娘じゃないし。 良いわよね? 一刀」
いや、孫策の考えも分からないでもないが、周瑜の説明を聞いて、行きたがると思うか普通?
だけど、本来周瑜に押し付けるところを、俺のためと言う心遣いもあるし、
「では北郷、雪蓮の手綱任せたぞ」
と、周瑜から、ありがた迷惑な言葉もあっては、俺に断る事なんてできるわけも無く。
「ぶーぶー、冥琳なによそれっ」
と、頬を膨らます孫策に、引きずられるように、諸侯の集まる大天幕に来たわけだ。
「袁公路じゃ、皆の頑張りを期待するぞえ」
あれが袁術か・・・・・・、翡翠に聞いていたとおり、我侭そうな小さな女の娘だな、
其の後にいるのは、察するに張勲か、しかし、なんなんだ、あのバスガイドみたいな服は・・・・・・いったいこの世界ってどうなっているんだ。
「袁術の客将の、孫伯符よ、この子は軍師見習いの北郷、勉強のため今日は同席させてもらうわ」
孫策の挨拶に、俺も立って、周りに軽く顔を見せるように、視線を送る。
肝心の袁術は、さっきの尊大な笑顔を此方に向け、すぐに興味をなくしたように、視線を逸らす。
(今、一瞬だけど、眼に浮かぶ感情が変わった気が・・・・・・)
そして、それに反して張勲は、作り物の笑顔を貼り付けたまま、その瞳は、しっかりと俺を見定めるように、見詰めていたが、俺と視線が合った時、俺は観察していた事を誤魔化すために、笑顔を向けると、張勲は慌てて他の諸侯に、その観察する対象を移した。
はて、いま少しだけ顔が赤かったけど、俺何か怒らせるような失敗したかな? よく、見渡せば、周りの空気も少し穏かな物に変ったようだし・・・・・・・・はて?
『一刀、時と場合考えなさいよ』
『俺、やっぱなんか失敗した?』
『まったく、この無自覚は・・・・・・・・いいから大人しく座ってなさい。 笑みを浮かべるのも禁止、いいわね』
俺が戸惑っていると、孫策が、他の人間には聞こえない程度の小さな声で、俺を叱責してくる
まぁ、とにかく、俺は言われるまま、大人しく座ると、
何人かが、俺を興味深げに視線を送っていた事に気が付く、
「幽州の公孫伯珪だ」
「平原の相、劉備です」
ふわふわ桃色の髪(と、かなり立派な胸)の女性が立つと、何人かの諸侯が視線を送る。
あれが劉備か、穏やかな性格と聞いていたが・・・・穏やか過ぎる気がする。 だけど、黄巾の乱で活躍したわけだし、只の人の訳ないよな。
後にいる小さな娘は、軍師かな? 蒼い髪を左右に纏め、背の高い所謂魔女帽と呼ばれる帽子を、天幕の中だというのに、深く被って、周りと視線を合わさないように小さく震えながら、それでも各諸侯に眼を配っている。
なんとなくその姿に、小動物を連想させ、頬が緩む。
俺はそんな彼女、と視線が一瞬あった瞬間を見計らって、落ち着けるように優しく微笑んでみる。
すると、何故か、劉備の背中に隠れられ、
ふみ゛っ
『い゛っ』
俺の脚を襲う痛みに、声を出しそうになるのを何とか抑え、その原因となった孫策を睨むと
『さっき言った事忘れたの? 今度は踏み抜くわよ』
そう、警告してきた。
いや、気が付いて、態々避けなかったんだから、あそこまで強く踏まなくてもいいだろうに、と思いつつ、視線を戻すと、何故か、劉備も顔を赤くしていた・・・・・・あれ、もしかして怒っている? 怖がらせるつもりじゃなかったんだけど、怯えられちゃったかな・・・・・・・・と少しショックを受ける。 これでも子供受けは良いと思ってたんだけどな・・・・・・
しかし、その前で挨拶をした公孫賛はなんか、かわいそうだよな、有力な太守なはずなのに、殆ど見向きもされていなかったし。
「涼州の馬超だ。 母、馬騰の名代として参戦させてもらう」
今度は、茶色い髪をポニーテールで括った背の高い女性が、挨拶する。
この世界では、話を聞いた事はないが、俺の世界では、五虎将と云われる程の勇将だ。
・・・・・・・・確かに強いな、思春じゃ、まだ敵わないかな。 それに、彼女は涼州の部族だ。 なら馬上では、もっと強いと考えるべきだろう。
そして、何人かの諸侯の代表が、挨拶をし、最後に
「西園八校尉の曹孟徳よ」
袁術を除けば代表者の中で、一際小さい人物、
金髪のクルクル髪をした少女が、不遜な態度で名を告げる。
そして、名を告げると共に、隠す気などない、と言わんばかりに覇気を各諸侯にぶつける。
それと共に、天幕の中は、灼熱に煽られたかのような熱気に包まれる錯覚を、感じた・・・・・・・・のだろうなたぶん、孫策も、反射的に、身構えそうになるのを無理やり我慢した様子だし、中には、自制出来ずに、警戒心を顕にする者もいた。
袁術なんかは、張勲の背中にとっさに隠れ、張勲自身は、笑顔を浮かべながら、袁術の前に立っているが、その顔には緊張のためか、汗が流れているのが分かる。
袁紹は、面白くなさそうな顔をして見ている所を見ると、只の、目立ちやがりの姉ちゃんって訳じゃなさそうだな。
しかし、あの覇気、そして、自信に溢れた態度、まさに覇王曹操の名に相応しい人物のようだ。
「金髪と醜男は、私に話しかけない事」
等と、感心したところに、そんな言葉と共に、軽く俺に視線を投げかけてきた。
『誰の事かわかっているわね?』
と言わんばかりに、
カチンッと来た、何せ此処には、男は俺一人しかいないため、他人事と気を紛らす事も出来ない。
正直、言葉そのものより、その態度に、むかつくものがあった。
だけど、ここで、諸侯の集まる軍議の場で怒る訳にはいかない。 そんな事をすれば、孫策の顔に泥を塗る事になるし、挑発に乗るのはなんだか負けたような気がするので、俺は、せめてもの反撃として、笑顔を返してやると。
「ふーん」
と小さく面白げに笑みを浮かべながら座る。
まったく、この場で許される程度の軽口と状況で、俺を効果的に試すとはね・・・・・・乱世の奸雄と言われるだけ在って、頭が回るようだ。 それに、あの態度、あれは確たる自信があってのもの。 そして瞳に秘めた強い意志、・・・・・・・・なるほど、ただ誇り高いのではなく、清濁を呑み込んだ上での誇りと言うわけか、かなりの曲者だな。
しかし、孫策に思いっきり足を踏まれるのを覚悟していたのに、それもない。
孫策の顔を横目で確認すると、にこにこと仮面を被ったまま、どうやら今回は黙認という事らしい。
「・・・・・・・・疲れた」
「口にして言わないでよ、こっちまで気が滅入るじゃない」
「孫策は、慣れているから、まだいいだろ。
只の腹の探りあいならともかく、道化のおまけ付きなんて聞いてないぞ。 余りの馬鹿馬鹿しさに余計疲労感
が増したよ」
軍議とは名ばかりの集まりを終え、陣に戻りながら愚痴る俺に、
「あんなのに慣れるわけないでしょ。 というか、慣れたら人間終わりよ」
等と、俺以上に酷評を述べた。
・・・・・・まぁ気持ちは分かる。
袁紹、あれはあれで、大したものだと思うけど、いかんせん、俺から見ても飛んでいる。
家の関係上、色んな人物とは知り合ったが、さすがに、ああいった人間はいなかった。
まぁそれでも、疲れたなりの収穫はあった。
主だった諸侯や、その従者の人となりを、この眼で確認できた事だ。・・・・・・もっとも、それは、各諸侯達にとっても同じ事だけどね。
やがて、陣の中心に戻り、そこで兵達に指示を次々と飛ばしている周瑜が、此方に気が付き、
「おかえり、雪蓮」
「ただいま」
「どうしたのだ、そんな疲れた顔をして」
「疲れもするわよ」
「腹の探りあいが、疲れることなのは承知の上だろう」
周瑜の言葉に、孫策は大げさに手を振りながら、
「一刀がね、やってくれたのよ」
「おいっ!」
「何をだ? まさか袁術に気付かれたとかか?」
「そっちは大丈夫よ。 だけど別の意味で、袁術ちゃんと張勲に目をつけられたわ」
「成る程、例のやつをやったのか」
「そう、例のやつを、しかも三回もっ、その上相変わらずよ」
「袁術達の目を逸らす事が出来たなら上々と言えよう。 それに、注意して何とかなるものではないだろうし、
無くしてしまうには惜しい気もする。 違うか?」
「それも、そうなんだけどね・・・・・・」
俺の突っ込みも無視して進める二人に、俺は自分でも情けない気持ちになる。
何時もなら気にせずに、見守っているのだが、今回はどうやら、俺が何かやったらしく、その事で孫策に迷惑を掛ける事になるかもしれないらしい、
俺としては、それで気にしないわけにはいかないため、もう一度声を掛けたが、今度は、
「いいの、いいの、もう済んじゃった事だし、今思えば、逆にあれはあれで良かったと思えるし、一刀は気にし
なくてもいいわよ」
「・・・・・・・あの、そういう言い方されると、余計気になるんだけど・・・・・・・・」
等と、さっきの言をあっさり否定するような事を言う。
まぁこの様子では、これ以上聞いても教えてくれないだろうな、それに今はそんな事より、気にすべきことが沢山あるわけだし・・・・・・、なんか踏まれ損だよな
「で、総大将はやはり袁紹か?」
「ええ、そうよ、劉備が腹の探りあいに我慢できなくなって、やりたそうにしていた、袁紹を推挙した形でね。 おかげで、あの娘、先鋒を押し付けられたわ。 一緒にいた軍師の娘の慌てっぷりから予想外の出来事だった
みたいだし、大変な事になるかもしれないわね」
「で、どうするのだ?」
「予定通り、劉備と直接会ってみるわ、決めるのはそれからでも遅くないし、恩を売るには絶好の機会だし、
手配はしてあるんでしょ?」
「ああ、来てすぐに使者を送った。 それと明命と明命の直属の部隊には、水関と虎牢関、そして諸侯達を探
らせている」
「大体分かればいいんだから、あまり深入りさせちゃ駄目よ」
「その辺りは、十分言い含めてあるさ」
そっか、明命は偵察にでているのか、無理しなければいいけど・・・・・・・・、だめだな、明命は俺なんかと違って、経験豊富な立派な将と言う事を、つい忘れて心配してしまう。
『密偵において、一番重要な事は、生きて戻ることなんです。
例え手かがりを残したとしても、それを後の者が見つけるとは限りませんし、本物とは限りません。
捕殺されるならまだしも、捕らえられれば、本国に迷惑を掛けてしまいますし、逆に情報を漏らさせられるか
もしれません。
だから、何の情報が手に入らなくても、それが得た情報なのです。 とにかく、生きて戻り、得た事を伝える
事が何より重要なのです。 だから、一刀さん、心配しないでください』
いつかの明命のそんな言葉が、俺の頭を過ぎる。
そうだよな、必要以上の心配は、明命の力を信じていないって事だもんな。
でも、幾ら歴戦の将でも、俺にとって明命と翡翠は、ただの女の娘だ。 守るべき家族で恩人だ。
どうしても、必要以上に心配してしまう。
そう、心の中で自問自答していると、孫策と周瑜は、軍議での話を終え、
「で、まさか一人で行くのか?」
「それこそまさかよ、軽んじられても困るけど、あまり警戒されても話し合いにならないから、護衛は一人で
十分でしょ」
「なら、思春を呼んでくるよ」
二人の会話から、思春を呼びに行こうとした俺を
「一刀、何寝ぼけた事を言っているのよ」
「王の護衛と言えば、最強の者が付くのが当然であろう。
ましてや、新人で仕事の少ないどこかの軍師なら尚更の事」
「う゛っ・・・・でも、軽んじられても困るんだろ?」
「あまり警戒されても、話し合いにならないとも言ったわよ。 あの娘じゃ無用に刺激を与えかねないわ」
「そもそも、それが分かっていたから、思春に押し付けて、逃げようとしたのであろう」
「そうそう、ばれたなら諦めて大人しく付いてらっしゃい」
「・・・・・・・・わかったよ」
二人に畳み掛けるように言われては、抵抗する気力も無くなり、俺はしぶしぶ了承した。
・・・・・・俺も調べたい事があったんだけど、まぁいいか、こっちはこっちで気になる事があったし、
「待て! お前達は何者だ? 何故我らの陣に入ってくる?」
劉備軍の陣に入ってしばらくして、硬く澄んだ声が響き渡る。
目を其処へやると、黒く美しい髪を高い位置で結わえ、決め細やかな髪を、極上の絹のような輝きを煌かせながら、地へとまっすぐ伸ばした女性が、俺達の前に立ちふさがり、ややきつそうな目に、警戒の色を浮かべて此方を睨んできていた。
「あら、先触の使者から伝わっているはずだけど、まあいいわ、劉備に伝えて頂戴、孫策が会いに来たって」
「ああ、貴女が江東の麒麟児と呼ばれる・・・・・・」
「なにそれ?」
「孫策の事を、最近ではそう呼んでいるらしい・・・・・・・・知らなかったのか?」
「全然、私が他人の風評を気にすると思う?」
「それもそうだな、と言いたいけど少しは気にしてくれ・・・・・・」
「でも、そんな風に呼ばれているんだ。 悪い気はしないわね」
孫策は、女性の不躾な言葉に、怒ることなく、俺と軽口を叩く
「貴女の勇名は、大陸中に響いていますからね」
「お姉ちゃん、かっくいいのだー」
女性の言葉に続いて、無邪気な言葉と声が響く、
短い赤い髪の少女が、女性の向こうから歩きながら近づいてくる。
何故、こんな子供がとは、思わない。
一見普通に見える隙の無い歩き方、少女から滲み出る強さ、それもあるけど、此処にいる以上は、こんな子供でも、その覚悟があると言う事だからだ。 ・・・・・・・・ただ、その事実が、悲しいと感じる。
「あははっ、ありがと。 ・・・・・・・・でも、そういうあなた達二人の名は?」
「わが名は関羽。 字は雲長」
「鈴々は張飛なのだ♪」
「貴方達が関羽ちゃんに、張飛ちゃんなのね」
二人の、名乗りに俺は驚愕した。
関羽はともかく、こんな小さな子が、あの燕人張飛とはっ! 強いとは感じたけど、正直想像の枠を大きく飛び越えていた。・・・・・・まったく、なんて出鱈目な世界なんだと、改めて思い知らされる・・・・・・
そして、俺の内心の驚きを余所に
「で、その孫策殿が、我らが陣営に足を運ばれて、我が主に一体どのようなご用でしょう?」
にこやかな笑顔と、丁寧な言葉遣いとは裏腹に、先程より濃度の高い警戒を浮かべ、関羽と名乗った女性が、孫策の顔を覗き込む。
あちゃー、試すならともかく、こんな風に嫌らしく、本音を隠して動くって、孫策が一番嫌いなパターンなんだよなぁ。 俺も何度か、本音を隠して動いた事はあるけど、それは、お互いの気心が知れているからだし、なにより、本気で相手を不快にさせるような真似はしない。 そして、今回のような場合だと・・・・・・
「・・・・・・下がれ下郎」
ああ・・・・・・案の定かぁ
孫策は、冷たい目をし、キツイ目を関羽に向け
(孫策は綺麗な顔立ちをしているだけに、怒ると凄みが増すんだよなぁ・・・・・・まぁ、それは相手も一緒だけど)
「我は、江東の虎が建国した孫呉の王! 王が貴様の主に面会を求めているのだ。 家臣である貴様はただ取り
次げばよい」
「なんだとっ!
我らには、主を守る義務が、責務がある! 例え王と言えども、不信の者を桃香様に合わせられるか!
それでもまかり通ると言うなら、この関羽が相手となろう!」
そう言って、手に持っていた偃月刀を構える。
「ほお、・・・・・・大言壮語だな、関羽。 ならば相手になってやろう」
関羽に刺激されてか、孫策まで剣を抜き放ち、一触即発の雰囲気をかもし出す。
まったく、孫策は、こういう所は、相変わらず悪趣味だよな
俺は、わざとらしく大きく溜息をつきながら、二人の間、孫策の前に体をゆったりと割り込ませ、
「孫策、真面目な人間をからかって遊ぶのは、うちの人間だけにしてくれ」
「ぶーー、いいとこなのに」
「それと、関羽さんも本気ではないとは言え、主の許可なしに、他国の王に矛を向けて門前払いをしたと知れ渡
ったら、そちらにとって都合が悪くなるんじゃないのかな」
「う゛っ・・・・・・・・たしかに、その通りですが、貴殿は?」
「俺は北郷一刀、孫策のところで、軍師みたいな事をしている」
俺の言葉に、孫策は楽しみを奪われた子供のような顔をし、関羽も多少なりとも自覚があったのか、矛を素直に収める。
「愛紗ちゃん! どうしたのっ!?」
「と、桃香様・・・・・・」
そこへ、先程天幕であった女性と少女、そして金髪の少女が、駆けてくる。
「愛紗と孫策お姉ちゃんが、ちょっと喧嘩したのだ。 でも二人とも本気じゃなかったし、其処のお兄ちゃんが
上手く止めたのだ」
そして、先程の騒ぎを、のんびり眺めていた張飛が、三人に説明する。
本気じゃないか・・・・・・やはり、幼い容姿とは裏腹に、かなりの実力があると見ていいな。 おそらく、明命や思春じゃ、二人掛かりでも相手になりそうも無い。
「あっ、さっきの笑顔のお兄さんだ」
「あわわ」
二人は俺に気がつくと、劉備はそう言葉を漏らし、魔女帽の少女は、何故かまた顔を赤くして、劉備の後ろに隠れる。・・・・・・えーと、俺、そんな怖い顔しているかなぁ、一度ならず二度までもそう背中に隠れられると、本気で凹むんですけど・・・・・・
そして、もう一人、魔女帽の少女と似たような服装の少女(ただし、こちらはベレー帽)は、此方を黙って観察している・・・・・・深く静かな目だな、それにあの容姿、どこかで見たような・・・・・・
「ちょっと、私は無視なの?」
「あっ、そんなわけじゃないです。 孫策さん、態々来られるなんて、一体、どのようなご用で?」
孫策の、むくれた声に、劉備は、慌ててたものの、すぐに落ち着き、孫策と対面する。
俺は、邪魔にならぬよう、斜め後ろに下がり、周囲を警戒しながら経緯を見守る。
・・・・・・うーん、やっぱりどこかで見たような・・・・・・
「・・・・・・綺麗な目をしているわね」
「え?」
「此方の事よ。 とりあえず、ちょっとした提案をしにきたのよ」
「提案、ですか?」
「そ、貴女達、勝てる見込み、あるかしら?」
「・・・・・・正直言うと、分かりません。
愛紗ちゃんや鈴々ちゃんが居たとしても、兵が絶対的に足りませんから・・・・・・、董卓さんの軍勢とまともに
ぶつかれば、きっと負けちゃうと思います」
「そうねぇ、だったら、手を組まない?」
「へっ!?」
「劉備軍と私達孫呉軍が先鋒を取れば、兵の数も倍以上になる。 それでも相手の方が多いけど、勝てる見込
みも出てくるんじゃないかしら?」
孫策の提案に、劉備は少し戸惑い、関羽は警戒の色を示し、張飛は、・・・・・・どうやらわかっていないようだ。
只、此方と周囲を、単純に警戒しているだけのようだ。
そして、そんな三人とは違い、後ろの二人の少女は、静かに経緯を見守っている。・・・・・・なるほど、どうやら最初から、此方の意図が分かっていたようだ。 となると、やはり軍師か、・・・・・・劉備で軍師と言うと、伏竜・凰雛が有名だが、二人が劉備の味方になるのは、だいぶ後のはず・・・・・・ん?
そうか、どこかで見た事があると思ったら、翡翠に似ているんだ。
翡翠を少しだけ幼くして、髪を短くしたら、あんな感じかもしれない。
ただ、今まで気がつかなかったのは、体から発する雰囲気が、大きく違うからだ。
翡翠は、あんななりでも、大人と思える雰囲気を出しているが、目の前の少女は、理知的な目をしていても、それが無い。 それに、なんというか上手く説明できないけど、何処か放っておけない危うげな感じがする。
とにかく、あれが翡翠の妹だとすると、諸葛亮に間違いないだろう。 そうなると、隣に居るのはおそらく鳳統だろう。・・・・・・やっぱり、俺の世界の三国志の知識は役に立たないな、名前を当てる程度には役にたっても、この時期に、この二人が劉備と共にいるなら、他の勢力も、その辺りは出鱈目だろう。
「でも・・・・・・そんな事して、孫策さんには何の得があるんですか?」
「あら、意外としっかりさんなのね」
「今まで鍛えられてきましたから。えへへ・・・・・・」
「ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・良いわ。 貴女を信じて、胸元を開いて見せましょうか」
劉備の言葉に、しばらく考えていた孫策が、劉備の顔を見つめながら言葉を続けた。
「知っているかどうか分からないけど、今私達は呉の土地を奪われ、袁術の客将という身分に甘んじているわ。
だけど、このまま終わらすつもりは無い。 必ずや、孫呉の領土全てを回復して見せる。
でも、そのためには、外の味方が必要なの、・・・・・・でも、外に味方が欲しいのは貴女達も同じでしょう?」
「・・・・・・はい、孫策さんの仰るとおりだと思います。 だけど」
「だけど?」
「どうして、私なんですか?」
「そうね、貴女が、義理堅そうだから・・・・・・信用できそうってのが一番大きな理由。 ついで二つ目の理由は、
貴女と私達の勢力が、今は五分五分だからよ」
孫策の言葉に、今度は劉備が少し考え込み
「・・・・・・分かりました。 でも私には、貴女が信用できる人か、まだ判断ができません」
「信義を見せて見ろと?」
「そうです。・・・・・・」
「良いでしょう。 なら見せてあげましょう。 孫呉の戦い振りを、その目で焼き付けておきなさい。
もし私が信頼するに足らないと判断したならば、別にそれはそれで構わないわ・・・・・・いつか戦場で矛を交える
だけの事よ」
「・・・・・・分かりました。 では孫策さんの信義、しっかり見させて頂きます」
「そう、では、一刻後に出発ってことで良いわね?」
「はい」
それで、劉備との対面は終わりとばかりに、孫策は、劉備に背を向ける。
でも、孫策には悪いけど、俺はそれだけで帰るつもりは無い。
俺は、劉備を見つめ
「劉備さん、一つだけ教えて欲しいんだけど」
「一刀っ!」
俺の言葉に、孫策は俺を叱責するが、俺は構わず
「劉備さんは、何でこの連合に参加したのかな?」
「もちろん、董卓さんの圧政に、苦しまされている人達を助けるためだよ」
俺の当たり前のような質問に、
劉備は澄んだ瞳で、
真っ直ぐと、
当たり前のように、
そう答えた。
そして、その劉備とは反対に、
表情には、隠してはいるものの、
その目に、小さく動揺を映す者と、
その瞳に、更に警戒の色を強める者がいた。
俺はその事を確認すると、劉備に礼を述べて、その場を後にする。
つづく
こんにちは、うたまるです。
第30話 〜 策謀に踊り惑う心 -前編- 〜 を此処にお送りしました。
今回は、またまた原作を元に(台詞もぱくって)製作しました。
所々、原作と違う流れを取り入れていますが、それは今後の展開に向けての種まきという事で、・・・・・・
さて、一刀、本人は目だっているつもりは無いのですが、しっかりと各諸侯に覚えられてしまいました。
まぁ、受けた印象は、各諸侯それぞれですが・・・・・・
さて、明命の猛烈アタックを期待していた方には申し訳ありませんが、こうして、反董卓連合編 水関の部が始まりました。
一刀は一刀で、自分の役割をこなそうと一生懸命ですが、今後どうなっていくのか・・・・・・
そして、各諸侯はどう考え、動いてくるのか・・・・・・・・次回をお待ち下さい。
では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。
説明 | ||
『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。 明命√の作品となります。 とうとう動き出した、反董卓連合編。 そして自ら踏み込む事を覚悟した一刀、そんな一刀をどんな運命が待ち受けるのか・・・・・・・・ |
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コメント | ||
孫策からの提案だけど自分たちも助かるってのになんでこの劉備は上から目線なんだろう(じぇんとる) 種馬じゃない一刀なんて一刀じゃない!!(都非様) レイン様 一応祭は、明命に発破を掛けるつもりで言っただけですから、でも・・・・・祭だしなぁ・・・(苦笑 あと一刀の『超鈍感』スキルはカテゴリーは AでもA でもなくSランクです(w (うたまる) 一刀君…健気な明命ちゃんが哀れでならない…少しは進展が無いと祭さんも争奪戦に参加なんて事になりかね…無いか?それにしても一刀君が保持している『超鈍感』のスキルレベルはどんだけランクが高いのでしょうかね?A〜Eでみたとしても軽くAは確実だと思うのですが。そして相変わらずのスマイル…プライスレスなのがせめてもの救い(笑)(レイン) 血染めの黒猫様 はい、特に今は鈍感モードにターボが掛かっています。 理由は、今の一刀の心境です。(うたまる) 森番長様 お名前を間違えて、申し訳ありませんでしたm(_ _)m(うたまる) 一刀相変わらず鈍感ですね、明命があわれです。続き楽しみにしています。(血染めの黒猫) 裏・・・表の間違いはされた事はあったけど裏は初めてだww森番長です;;(森番長) 自由人様 まぁ、其処は一刀ですから(w それに、一刀からしたら孫策の笑顔禁止令は意味の分からないものでしたでしょうし(w さて、各諸侯や軍師の視点は・・・・先にばらされちゃいましたねぇ(w どの勢力が、どのタイミングで、どうやるかは、今後の展開のお楽しみの一つになっております。(うたまる) Night様 実に上手い事を言いますねぇ。さすがです。 そして、今回の話の核心の一つをズバリと突くコメントです。 切れすぎるほど研ぎ澄まされた剃刀、まさに今の朱里の状態を表すのによい言葉です。 そしてその刃は持ち主を傷つけるのか、はたまた砕けてしまうのか、それとも・・・・・・ 今後の展開をご期待ください(うたまる) 御疲れ様です。七乃さんや桃香達にまで仕掛けるとは…その笑顔、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いですねwしかし笑顔を禁止って実は凄い事言われていますよね(汗 しかも即行微笑んでいるしwwそしてまずは朱里たちとの顔合わせと。後日軍師での話し合いではどんな話が繰り出されるのか楽しみです。(自由人) お疲れ様です。一刀から見ると、翡翠は磨きこまれたナイフ、朱里は切れそうな剃刀、そんな印象を受けました(Night) ブックマン様 その辺りは、現状では、読者様の想像にお任せしますが、得た情報により、後に、一刀はある出来事を引き起こす事になります(うたまる) gmail様 ちびっ子軍師は、どう、かかわっていくのか、作者である私も楽しみにしてたりします(w(うたまる) 最後の質問でいったいどれくらいの情報を手に入れたんでしょうね一刀は・・・(ブックマン) jacky様 こうして、他の外史でも、一刀の周りの女性は、泣かされてばかりなんでしょうねぇ(;´Д`)(うたまる) ヒトヤ様 台詞などの使いまわしはあっても、無印どうこうはあまり考えていません。 そして、一刀が武将のように戦っていくかどうかは、今後次第となりますが、とりあえず、現状での立場は軍師となっております(うたまる) samidare様 ありがとうございます。 喜んでで頂けるような作品を書けるよう精進したいと思います(うたまる) 更新お疲れ様です。一刀の武将デビューはあるのかなぁ、と期待してみたり。警戒心を強めたりしたのはチビッ子軍師二人組みでしょうかねぇ。(gmail) 今回魏王は無印の方ですか?そして一刀はいつか武将のように戦うのでしょうか?(ヒトヤ) いつもいつも楽しみにしております(samidare) truth様、 各諸侯の反応は、今後の楽しみとして、 我ながら、明命哀れだよなぁ・・・・・・、頑張れ明命これくらいで挫けるなっ、でないとOッパイお化けに一刀をとられちゃうぞ(w 大量の誤字報告、本当にに申し訳ないです。 そして多謝。 (うたまる) 裏番長様 はい、はっきり言って、いい言葉思い浮かばなかったため、そのまま使っちゃいました。 まぁ『 きっく 』があるから良いかなぁーと(w(うたまる) ジョージ様 今回美羽は、目を逸らしていたため、分かりませんが、二人に至近距離でやったらどうなるか? 私も楽しみだったりします(w(うたまる) 表現の仕方がよく分からないのは分かります。はい、でもスリーサイズってバリバリに英語ですよねwww(森番長) おやおや、何というか・・・・やはり一刀ですね。七乃の反応が気になるwwww さて、いよいよ反董卓連合ですか。どう関わっていくのか、非常に楽しみです♪(峠崎丈二) |
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