真面目な妄想小説
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第一章〜天敵現る!〜

 

授業終了の鐘。

 

夕日が差し込もる教室。

 

ほのかに黄金色に染まっていた。

 

まだまだ暑い夏はこれから急に寒くなる。

 

外は蜩の声でいっぱいになっていた。

 

「今日はどうだった?古畑君。美佳ちゃんと話せた?」

 

誰だろう。

 

逆光でよく見えない。

 

仕方ないので声で判断する。

 

ん・・・この声は?

 

「あぁ・・・清澄さんか。うん!いい日だったよ!」

 

予想は当たったらしい。

 

彼女は清澄百合さん。

 

綺麗に結んだ茶色い髪

 

少し高い身長に、とても華奢な体をしている。

 

正義感が強く、何でも一生懸命こなす優等生

 

さらに、学年トップの頭脳を持つ秀才だ。

 

僕らは、美佳ちゃんの件でそこそこ仲がいい。

 

「どうしたの?部活、行かないの?」

 

清澄さんは少し悩んで

 

「ん〜今日はサボろっかな〜」

 

これでも優等生です。

 

「だって、めんどくさいんだもの」

 

これでも優等生ですよ?

 

「先生ちょっとウザいし〜」

 

これでも優等生ですよ??

 

「・・・・・・・・」

 

僕はしばらく声が出なかった。

 

「古畑君は?行かないの?」

 

清澄さんは優しい笑顔で尋ねる

 

「僕はもう少ししたらいくよ」

 

「そう。がんばってね」

 

「うん!」

 

いつもここで美佳ちゃんの事や、部活の話をする。

 

「百合〜〜〜〜〜〜いる〜〜〜〜〜」

 

うわ!嫌〜なやつが来た!

 

「なつ〜〜〜!ここっここっ古畑君に食べられちゃうよ〜」

 

なんて事を言うんだ!清澄さん!!

 

またそんな誤解されることをっっっ!

 

「古〜畑ぁぁあぁ」

 

あーめんどくさい事になったな・・・

 

騒ぎが起こる前に紹介しておこう。

 

今すぐ飛び掛ってきそうなこの女

 

名前は、神崎夏妃。

 

簡単に言えば、少し美人でスタイルがいい。それだけ

 

美佳ちゃんに比べれば足元にも及ばない!

 

それに話によれば彼氏は頭の中に1000人いるらしい。

 

あ〜やだやだ

 

こーゆーのが居るから・・・

 

おっと、時間切れだね。

 

「このやろ〜殺す!」

 

とことんめんどいな〜

 

「ふん!」

 

軽くかわし夏妃は躓く。

 

「うあっとっと」

 

トンズラしよっかな。

 

「おい!古畑!」

 

夏妃が人差し指を突きつけて言い放つ。

 

「なんだよ」

 

「おまえ、美佳ちゃんがいるくせに百合にまで手ぇ出すなんて最低だ!!」

 

「そうだ。そうだ〜。さいていだ〜」

 

清澄さんが100%棒読みで言う。

 

「こら!清澄さん!元は清澄さんが変なこと言うから!」

 

「あっれ〜そうだっけ〜」

 

くぅ〜ムカつくな〜

 

また夏妃が怒鳴る。

 

「美佳ちゃんは十分可愛いんだからちゃんと付き合ってやれよ!」

 

ムカッときて僕も怒鳴る。

 

「付き合ってるよ!でもいつも夏妃がジャマして美佳ちゃんとろくに話せないんだよ!」

 

「そうだ。そうだ〜。もっと話させろ〜」

 

またも清澄さんが100%棒読みで言う。

 

僕と夏妃が

 

「「どっちの味方なんだ!!!」」

 

清澄さんは、

 

「テヘっ」

 

と舌をペロッとだして笑っていた

 

 

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