NikQ〜出会い(中篇)〜 |
「・・・誰だ?」
リーダーが顔を上げると三匹の猫が立っている
後には数匹のノラが倒れ伏していた
リーダーの剣を受け止めた黒猫が名乗りを上げた
「オレ達はご近所の平和を守る」
「ひだまりの騎士団だ!!」
「ひだまりの騎士団よ」
「ひ、ひだまりの騎士団・・・なんだな・・・」
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
リーダーの後ろからささやきが聞こえる
「バラバラ・・・」
「バラバラだ・・・」
「バラバラね・・・」
黒猫は取り繕うように叫んだ
「とにかく、これ以上の非道はゆるさねぇ!!」
「行くぞ!!リロット!!タント!!」
「あんたに指図されると腹が立つのよね」
「こ・・・怖いんだな・・・」
何処までもバラバラなひだまりの騎士団であったが・・・
「ニギャー」
「グエッ」
「ゴプァ」
その強さは本物であった
部下が一匹二匹と倒される中リーダーは後ろでその戦いを静かに見つめていた
やがて部下の数が半分を下ったであろう頃リーダーが指示を出した
「おまえら、撤退だ・・・」
その指示に対して一匹のノラが疑問を口にした
「チロとか言う奴はもう良いんで?」
「構わん、捨て置け!全滅すればトニー様に申し訳が立たん・・・引くぞ!!」
「逃がすと思うか!!」
「ちょっとジロー!!深追いは禁物よ!!それよりこの子の手当てをしないと」
やけにあっさりと撤退しようとするノラ軍団を追撃しようとしたジローをリロットが呼びとめた
「う・・・くぅ・・・・・・」
チロの呻き声にジローの足が止まった
「そう・・・だな・・・・・・」
近くに転がっていた自分の剣を取り立ち上がろうとするチロをリロットが押しとどめた
「傷が深いんだから起き上がろうとするんじゃないわよ!!」
「あの子は・・・あの子はどうなった・・・・・・?」
三人は首をかしげ
「あの子って誰だ?」
「あの子?」
「き、君とあいつら以外・・・だ、誰もいなかったんだな」
チロが寝転びながら首を巡らすと横倒しになって中の水がこぼれたペットボトルが目に入った
「ま、まさか!!連れ去られたんじゃ?!」
そう叫んで起き上がろうとするチロを再びリロットが押しとどめた
「だから寝てなさいって言ってるでしょう!?」
バキッ
「ぐっ・・・」
「お、おい・・・リロット怪我人に何を・・・・・・」
「ジローは黙ってて!!」
「わ、わかったよ・・・」
そこでタントが後ろを振り返って口を挟んだ
「えっと・・・君が言ってるあの子ってあの子のこと・・・かな・・・?」
「えっ?」
チロがそっちに目線を移すと、パイロンをかぶった子猫が電柱の陰から顔をのぞかせていた
ノラ達がいないのを確認すると素早くペットボトルを回収してチロのもとへ駆け寄ると
「えっと・・・ありがとう・・・ございましたっ・・・!!」
それだけ言うと子猫はよほど怖かったのかノラ達が去って行ったほうとは逆の方向へ走って行ってしまった
それを見届けたチロは安心したように
「ふぅ・・・よかった・・・・・・」
と呟いた
「あんたも一匹で無茶してんじゃないわよ!!回復魔法掛けるからじっとしてなさい!!」
「肩の傷だけじゃなくてタンコブまでできてるじゃない・・・」
「リロット・・・そのタンコブはお前のせいじゃ・・・・・・」
ジロッ
「ジロー?なんか言った?」
「だからそのタンコブはお前の・・・・・・」
「な・ん・か・い・っ・た?(ニコッ)」
「なんでも・・・ない・・・です・・・・・・」
「そう?ならいいわ」
そう言うとリロットは呪文を唱え始めた
そうすると淡いオレンジの光がチロを包み、流れ続けていた血が止まり肩の傷が薄れていった
「あ、ありが」
礼を言おうとしたチロをリロットは遮って
「これは応急処置なんだからね!!しばらくは安静にすること!!良い?」
と念を押した
「でも、またあいつらが来るかもしれな」
「あ・ん・せ・い・に・す・る・こ・と!!わ・か・っ・た?(ニコッ)」
「・・・・・・はい」
「よし、じゃぁ私たちはこれで・・・」
と、帰ろうとするリロットを今度はジローが呼びとめた
「ちょっと待ってくれリロット」
説明 | ||
意外と長くなってしまって中編を挟むことに しばしお付き合い下せぇ |
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NikQ チロ ジロー リロット タント 猫 | ||
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