NikQ外伝 第一章 入団 U
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「随分緊張してたね〜」

「はい・・・疲れました・・・」

イセが苦笑いしながらそう言うとクレイはぐったりと肩をうなだれた。

「まさかあんな大勢の前の喋るとは思いませんでした。あとは団長の・・・」

「あぁ・・・あれね。あれは恒例の行事なんだよ」

あれと言うのは団長ドネラの熱い抱擁だ。気合を入れるためにガッハッハと笑いながら一発ぎゅっとするらしい。イセもはじめにして貰ったらしく今ではいい思い出になっているんだとか。

「あの、配属先の隻眼の騎士団ってどんな方達がいるんですか?」

「実はね・・・その団は俺たちが入ってる所なんだ。なんとゼファー様の直属だ!」

「ほ、ほんとですかっ!?」

「って言っても直接副団長と一緒に戦えるのは俺たち主席でもたまにしかないんだ」

「でも戦った事があるってだけですごいですよ!団長さんとは無いんですか?」

「うーん・・・ないなぁ。この前レンジが一緒に戦ったらしいけど。あ、あそこにいるのがレンジだよ」

イセは向こうを指差すと槍を持った老兵を指差した。見た目は細く華奢な印象だがきっとかなりの実力を持っているんだろう。レンジはこちらに気づいた様で近づいて来た。

「おぉ、イセにさっきの新入りじゃないか。こんな所でどうしたんだ?」

「今日からうちの隊に入ったんだ。それで宿舎とか商店街を案内しようと思ってさ」

「ゼファー様の隊に配属されたのか!ラッキーだな新入り君!」

「は、はぁ・・・」

「まぁ、同じ騎士団として頑張ろうではないか!ではワシはこれで」

レンジは手を振るとどこかへと歩いていった。クレイはイセに色々な所を順番に案内され騎士団の宿舎へたどり着く。まだ昼間と言う事もあり宿舎の中はひっそりとしていた。

「とりあえず部屋に荷物を置きに行こうか。今日はもう遅いから商店街は明日にしよう」

「了解です。どんな部屋か楽しみです!」

「あんまり期待しない方がいいと思うけどなぁ・・・」

クレイはイセに連れられて宿舎の二階の部屋へと案内された。途中の廊下は綺麗に整備されており、自販機も置かれていた。

「すごいですね・・・まるでホテルみたい。きっと部屋の中も」

クレイが期待に胸を膨らませて部屋の扉を開けると誰かがベッドの中で寝ていた。この毛の色はどこかで見たことがある・・・。

「ふ、副団長!?どうしてここに!?」

「え!?ゼファーさん!?」

「ん・・・あぁ、おはよう」

ゼファーは驚いている二人に目を擦りながら笑いかける。寝ていたせいか毛先がすこし跳ねているがまったく格好良さは変わっていなかった。

「ちょっとベッド貸して貰ってたよ。待っている内に思わず寝てしまったよ。そうだ、これ」

ゼファーはハッハッハと笑うと騎士団の紋章が描かれた腕章をクレイに差し出した。

「この騎士団の腕章を渡すのを忘れてしまってね。これは身分証明書の代わりみたいな物だから無くしちゃ駄目だよ?」

「は、はい!」

「イセ、案内ご苦労様。君に頼んでよかったよ」

「・・・・・ありがとうございますっ」

ゼファーは脱いでいた大きな布を肩にはおうと爽やかな空気を漂わせて部屋を出て行った。クレイはひとまず貰った腕章を腕に着けると固まっているイセに気がついた。

「どうしたんですか?」

「ゼ、ゼファー様に褒められた・・・嬉しい・・・」

「え?」

イセはぼそりとつぶやくと先ほどまでゼファーが寝ていたベッドに飛び込み大きな深呼吸を繰り返す。

「ゼファー様の匂い・・・!ゼファー様ぁ・・・っ!」

「ちょっと!俺のベッドですよ!イセさん!」

 

そんなこんなでドタバタな入団一日目が終わった。

 

 

説明
オリキャラを強引に参加させた作品です。イセはやっぱりイセでした。
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コメント
ちょwwwイセwwwおまwww(mohee32)
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