『偽・悲恋姫†異聞録』3
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夏侯の旗が左翼、凪、真桜、沙和の三人で右翼を形成か・・・

 

走りながら縦列陣形を無理矢理に組んでいる幽に、背後から鋼の声が突き刺さる。

「陰隊を幽、陽隊を麗が率い・・・鶴の両翼を根元からもぎ取って来い」

 漸く組みあがりかけていた縦列陣を・・・真っ二つに割り、各個で縦列陣を再び組み直し、突貫して各個撃破しろ。

 一影の言葉はそう言っているのだ。

 この状況で、ありえない命令・・・

 だが『魔王の軍』において、『魔王』の言葉は絶対・・・

 幽にとっては、一影の命令は、反論の余地無く完遂されるもの。

「麗、ぐっどらっく」

「幽さんも、グッドラックです」

 並走して走る騎馬の上で、親指を立てた幽の右手と、麗の左手が軽く触れ合う。

 同時に振り向く二人に、一影は軽く顎を引く。

「お前達二人の命はオレのものだ、勝手に死ぬことは許さん。

 ・・・穿て幽、舞え麗」

 その言葉に背をおされる様に、『魔王の片腕』『魔王の舞姫』が左右に分かれ各隊の先頭へと駆け抜けて行く。

 『魔王の軍』に口上は要らない、鬨の声も無く、旗も無い・・・

 手元に残った三分の一に満たない兵を振り返る事無く。

 漆黒の方天画戟を無言で掲げる。

 彼の元に残った三分の一の兵全ての目が、その動きに集中している中。

 

 漆黒の方天画戟は、断頭台の罪人に落とされるギロチンのように、無慈悲に振り下ろされ

 

 一影は一言だけ、相手に終わりを告げるように、鋼の声で短く同じ命令を下す。 

 

「突撃」

 

 指し示すは、敵正面本隊の夏侯の旗・・・慧眼の御使いその人。

説明
続きです。
見切り発車のちょっとした手違いで、途中まで読まれた方は
再度最初から読んでいただいた方が、お話がつながるかと思います。

どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です。
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コメント
>ブックマン様 コメント有難うございます。一影の極短い命令で麗も幽もお互いが勝手に動きます、チームプレイを最初から狙いませんが、生き残りに最適な行動をお互いしていくことで、結果チームプレイになる(Night)
魔王軍は魔王を頭脳にして一つのキリングマシーン(好きなマンガから引用してみました)となり敵を粉砕していきますね。(ブックマン)
>ねこじゃらし様 コメント有難うございます。詠は洛陽で事務処理仕事中です・・・一影と朧がいないので、雛里と二人で奮闘中なはず・・・昭君の方の詠の事なのはわかってますよ、はい。(Night)
誰が相手であろうと魔王の軍は揺るがずか…じゃあ今回は詠を応援しようっと♪(ねこじゃらし)
>うたまる様 コメント有難うございます。続きをーと言う声がいくつかあったので、それじゃぁ書いてみようか、で始まった冗談のような本当のお話です(Night)
まさか、以前のあの続きがあるとは思いませんでした。 今回のお祭り楽しませていただきます(うたまる)
>田仁志様 コメント有難うございます。かなり対照的な二人であり、対照的な配下の将であり、対照的な軍ですよね。そこらへんを楽しんでいただけているようで、うれしい限りです(Night)
一影側は静かだけどアツいですね!!! こうやって比べてみると、やっぱり魔王の軍は異質ですね。でもそこにしびれる!!憧れる!!!(ペンギン)
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