NikQ外伝〜カインとエンの物語〜 第二話:カイン
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「誰だっ!!」

 

後ろから突然かけられた声にクロが剣を突き付けながら鋭く叫んだ

 

「うおぉ・・・あぶなっ・・・?!」

 

声の主は落ち着いてクロの剣を横へずらした

 

言葉とは裏腹にまったく動じていないようだった

 

「おい!!クロ!!いきなり剣を突き付けるなんて物騒じゃないか!!」

 

チロの声も聞いていないふうにクロは再度尋ねる

 

「お前は誰だ、と聞いている・・・答えろ」

 

「オレの名前はカイン

 

 ここリノミアに住んでる

 

 地図を眺めて頭を抱えているようだったから道に迷ってるのかと思って声をかけたんだが・・・」

 

「ほれ見ろ、クロ!!親切で声をかけてくれたのに、剣を突き付けるなんて!!」

 

カインの言葉を聞いてチロがクロに非難の声を上げた

 

「友好国とは言え、ここは他国だ・・・警戒をするのは当然のことだろう?

 

 とはいえ・・・先ほどのは過剰だったか・・・

 

 すまなかった」

 

クロはチロに反論するとカインに向き直り頭を下げた

 

「へぇ・・・クロが他人に頭を下げるなんて珍しいな」

 

チロがからかうような声をあげた

 

「自分に非があれば頭も下げるさ・・・お前以外にはな」

 

「なんだと?!やるか!!」

 

剣の柄に手をかけるチロをなだめるようにカインが口を開いた

 

「まぁまぁ・・・落ちついて

 

 不用意に声をかけたオレも悪かったし、そこの黒猫君が言うようにカムクラとは友好国だけどあくまで他国なのは確かだしね」

 

「まぁ・・・カインがそう言うなら・・・」

 

チロが柄から手を離した

 

隣を見るとクロがカインに鋭い眼差しを向けていた

 

「俺達は一言もカムクラから来たなどと言った覚えはないのだがな」

 

クロの指摘に動じることもなくカインは朗らかに笑って言った

 

「にゃはは・・・黒猫君鋭いねぇ・・・

 

 でも、君達の活躍はこのリノミアまで届いてるし・・・

 

 何よりその胸の紋章はカムクラの騎士団のものだろ?」

 

「なるほどな・・・確かに筋は通っているが・・・」

 

未だに納得できていない顔のクロにチロか声をかけた

 

「まぁ、細かいことは良いじゃないか

 

 それより城にたどり着くほうが先だろ?」

 

「お前は相変わらず大雑把過ぎるな

 

 とはいえ確かに城に行くほうが先決だな

 

 お前に指摘されたというのは些か不本意だが」

 

「なんだと?!お前はいつも一言多いんだよ!!」

 

再び勃発しそうなチロクロ戦争を止めるようにカインが口を開いた

 

「まぁまぁ、もう日も暮れるし城に行くんなら急いだほうがいいと思うよ?」

 

二匹が上を見ると、空は茜色に染まっていた

 

「オレが城まで案内するよ」

 

「お願いするよ、カイン」

 

「すまないが、頼む」

 

 

 

こうしてひだまりの騎士団とカインは城に向かって歩き出した

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城までの道中、カインとひだまりの騎士団一同は他愛ない会話をしていた

 

「なぁカイン・・・何でリノミアってこんなに賑やかなんだ?」

 

チロの質問にカインは得意げな顔で答えた

 

「この国は技術開発と貿易で発展してきたんだ

 

 だから流通も盛んだし、他の国には無いものを扱った店もある

 

 そんな感じでやってるうちに他国から移住する猫も増えてきたんだ」

 

「へぇ・・・そうなんだ」

 

「お前はもっとほかの国について勉強するべきだな」

 

クロの的を射た指摘にチロは顔を赤くして叫んだ

 

「オレは騎士だからいいんだ!!戦うことが意義だからな!!」

 

「騎士だからこそ、なんだがな・・・

 

 それに戦闘のほうの実力も疑わしいものだな」

 

「なんだと?!」

 

「いいぞいいぞ、もっとやれ〜」

 

「ね、姉さん・・・止めないと・・・・・・」

 

睨みあうチロとクロにそれを煽るジャルス、止めようとするサイ

 

いつもの光景にカインが声をあげて笑った

 

「にゃはは、あんたら本当に面白いなぁ・・・

 

 お・・・もうすぐ城に着くぞ」

 

 

 

 

 

「え・・・?城・・・?!」

 

説明
ようやくカインの登場

まだ二話なのにずいぶんと長くやってる気がする今日この頃

設定提供してくださったカイン様に多謝
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NikQ チロ クロ ジャルス サイ カイン 

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