真・恋姫†無双  星と共に 第1章
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真・恋姫†無双  星と共に  第1章

 

 

「…流れ星? 不吉ね…」

 

ある領土を治める少女は昼間から見る流れ星を見てそれを不吉なものだと判断した。

 

「華琳様! 出立の準備が整いました!」

 

華琳と呼ばれる少女の部下であろう女性四人が華琳を呼ぶが、その華琳は空を眺めたままだった。

 

「姉上? どうかなさいましたか?」

 

心配になった部下一人が華琳を姉上と呼び、尋ねた。すると華琳は答えた。

 

「今、流れ星が見えたのよ」

「流れ星、ですか? こんな昼間に」

「あまり吉兆とは思いませんね。出立を伸ばしましょうか?」

 

やはり昼間の流れ星はいい印象はないようだ。

 

「吉と取るか凶と取るかは己次第でしょう。予定通り出立するわ」

「承知いたしました」

「総員、騎乗! 騎乗っ!」

 

流れ星が昼間に落ちようが今の華琳には関係ないことだった。

 

「無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、何としても取り戻すわよ! ……出撃!」

 

華琳達は馬に乗り街を出た。

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ちょうどその頃昼間に流れ星が落ちた辺りでは……。

 

「………」

「………」

 

男と女がその場で膝を地に着け、手を合わせて目をつぶり祈っていた。

一刀と星である。

 

「……おや?」

「……あれ?」

 

二人が目を開けると、二人の目の前には先ほどの修道院とは違う場所、それも荒野が広がっていた。

 

「一刀殿、ここはどこでしょうか?」

「俺が聞きたいよ。と言うかなんか前の世界に良く似てるな」

「ではここは前の世界では?」

「いや、あの世界は無くなったと思った方が良い」

「と言うことはここも貂蝉の言っていた良く似た世界……」

「そっちの方が可能性がありそうだな……しかし……」

 

一刀は立ち上がる。

 

「何か前の世界で最初に愛紗達に会った場所に似てる気がするな〜」

「ではここにいればまた愛紗達にあるのでは?」

「この世界のな……」

「ところで一刀殿」

「何?」

「一刀殿の足元に刀や銃が置いてありますが……」

 

一刀は星に言われて足元を見る。

そこには日本の刀と、脇差一本とその脇差についているショットガン一つと銀色の拳銃と金色の拳銃が一つずつ置いてあった。

しかも良く見てみると星の足元には星が愛用していた槍もあり、そして自分達がホテルに置いてあったはずのスーツケースと見覚えのないケースがあった。

 

「ずいぶんご丁寧に物がありますな」

「これは貂蝉の仕業か?」

「かもしれませぬな……」

 

二人が笑っていると……。

 

「この刀、真剣なのか?」

 

一刀が刀を手に持ち、確めるために鞘から刀を抜いてみてみると……。

 

「これ……逆刃刀じゃないか」

「ほう、マンガでは見ましたが本物の逆刃刀を見るのは初めてですな」

「俺だって初めてだ」

 

一刀はもう一つある刀も念のため確認し、もう一つの刀も逆刃刀であった。

 

「二本とも逆刃刀」

「だが俺としてはいい。人を殺さないような戦いが出来るからな」

「一刀殿……、相変わらずですな」

「しかし、この銃は……」

 

一刀が銃を拾おうとすると、脇差とショットガンの間に何か紙が挟まれていることに気付き、その紙を取って見ると…、その紙には注意書きとして日本語で書かれていた。

 

「日本語で書かれてますな」

「本当に丁寧だな。どれどれ……」

 

一刀と星がその紙に書かれている注意書きを見る。

その注意書きにはこう書かれていた。

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その二本の刀と銃の名はあなた自身で決めてください。

刀は全て逆刃刀であります。

そして銃はあなたの氣を弾として凝縮させて発射することが可能ですので、実弾は不要です。

しかし何かあるかもしれませんので、実弾をそれぞれの銃用の物を1000発ずつ用意しました。

一緒にあるケースにはショットガンと金色と銀色の銃のカードリッチが入っています。

ご使用はあなたに委ねます。北郷一刀

 

 

「物騒なもんを用意しやがって……」

「しかしこれら全ては一刀殿が身に付けた北郷流と合わせた物に必要なものですぞ」

「俺に戦えってことか? いくら強くなったってまだ星には勝てないんだけどな……」

「それは経験の差ですな。一刀殿は才はあるのですから、場数を踏めば良いのです」

「そうは言ってもな……」

「よう兄ちゃん姉ちゃん、珍しいもん持ってるじゃないか?」

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後ろから声がしてきたので、一刀と星が後ろを振り向くとそこには長身のヒゲヅラ男と太った男、小さい男が一人ずついた。

 

「またこいつらか……」

「はあ? 何言ってんだこいつ?」

「まただと? 俺達は初めてお前達を見るんだぜ」

「こりゃあ、俺達が居た外史とは別の外史みたいだな」

「そのようですな……」

「はあ? 言葉は通じてるみたいだな。金を出してもらおうか」

 

男達はそう言うとどこからか刀を取り出してきた。

 

「ほう?」

 

男達は古代の中国で一般的に使われていただろう刀を持っていた。

 

「お前達はどうするつもりなのだ?」

 

星が聞いてみた。

 

「もう一度言う。手前達の持ってる金を全部置いていけ。ついでにその珍しそうな服もな」

 

これはよく言うおいはぎであった。

 

「またこのパターンか……」

「一刀殿も大変ですな」

 

一刀は刀の一本を鞘から抜き、星は自分の得物の槍を持つ。

 

「悪いが、俺はあの時の俺とは違うぞ」

「手前! やっちっまえ!」

「「おおう!!」」

 

三人が一斉に一刀と星に飛びかかろうとするが……。

 

「ふん!」

「はっ!」

 

一刀と星は簡単にチビとデブの二人を返り討ちにした、しかも殺さないように手加減して……。

 

「早くその二人を連れて帰って逃げた方がいいと思うぞ?」

「逃げろーーーーーー!!」

 

星がそう言うとちょび髭の男は気絶した二人を何とか引きずって逃げ出した。

 

「相変わらずの逃げっぷりだ」

「変わらぬ者は変わらぬと言うことですな」

 

二人がまた笑っていると……。

 

「なんだあれは?」

 

見慣れない騎馬隊が自分達のところに向かってきたのだ。

しかし騎馬隊は見慣れないが、その馬に乗っている三人の少女には二人は見覚えがあった。

 

「おいおい!」

「あれは……!!」

 

二人は驚きを隠せなかった。

 

「華琳に春蘭に秋蘭かよ」

「後の二人は見覚えはないですがな…」

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「華琳様、こやつらは?」

 

一刀が目覚める前にどこかの街を出た華琳と呼ばれる少女の部隊が一刀と接触したのだった。

 

「どうやら違うようね、連中はもっと年かさの中年男だと聞いたわ」

「どうしましょう。連中の一味の可能性もありますし、引っ立てましょうか?」

 

一刀と星は華琳と呼ばれる少女とそのお供の女性四人のやり取りを聞いて探しているのはさっき自分を襲おうとして逃げた三人のことだと気づいた。

 

(一刀殿、この者は曹操では?)

(それは俺もそう思ってる。だが華琳はあんな格好じゃなかった筈だ)

(確かにこの華琳は露出の高い服を着ておりますな)

(うん。華琳のあの小さな胸が少しね……)

 

その華琳の格好は一刀達の知っている服とは違い、胸元が開いており、露出が少し高いものであった。

 

(本当に一刀殿は変わりませぬな……)

「(今は知らないふりをして……)君は誰?」

 

一刀は知らないふりをして、目の前に居る華琳に誰かと尋ねた。

本当は一刀と星は知っているのだ、目の前にいるのが魏の曹操、夏侯惇、夏侯淵であることを…。

後の二人は見たことがない女性であった。

春蘭と秋蘭の格好は前見たものと変わらなかった。

二人が見たこと無い女性、永琳と光琳の格好だが……。

永琳の顔は悪くなく、華琳と同じ金髪であり、天然で巻いてあるような髪であり、服装は一刀達の知っている華琳の格好に服の蒼色と同じ色の鎧を付けたようなものであった。

光琳の顔も悪いわけではなく、髪は華琳と永琳と違って茶色であり、服装は少し露出が高く、素肌があらゆる部分から見えるものであった。その服はまるで巫女服のようなものであった。

しかし確証はないため、あえて知らないふりをしたのだ。

 

「それはこちらの台詞よ。あなた達こそ、何者? 名を尋ねる前に、自分の名を名乗りなさい」

「俺は北郷一刀。日本から来た」

「我が名は趙雲と申します…」

 

一刀達は正直に答えた。

しかし星の答えに一刀は驚き、星を自分の所に近づけ、星の耳元でこっそり会話する。

 

(星、何で本名言っちゃうの?)

(名乗られたら名乗るは礼儀であろう)

(あのな。華琳達が居た以上、この世界には星の他に趙雲がいる可能性があるだろ。二人も趙雲がいたらややこしいだろ?)

(そうですか? 案外、似たような顔と名前だとか思うだけだと思いますが?)

(……まあ、名乗っちゃった以上そうなるのを信じるしかないな)

 

五人とも何のことかわかっていない様子だった。

 

「貴様ら、華琳様の質問に答えんかぁっ! 生国を名乗れと言っておるだろうが!」

「そう言われてもな……」

 

やっぱり言葉は通じても意味がわかってないようだ。

 

「姉者。そう威圧しては、答えられるものも答えられんぞ」

「しかし秋蘭、こやつらがやつらの一味の可能性があるんだぞ。ねえ、華琳様」

「そう? まあ殺気の一つも感じさせないほどの手練れのようには見えるけど私にはそんな小さいことをする人間には見えないわね。春蘭はどう?」

「それはまあ、確かに……」

 

春蘭は華琳に言われて納得したようだ。

 

「あなた、北郷と言ったかしら?」

「そうだけど?」

「ここは陳留。そして私は陳留の刺史をしている者」

「しし?」

「刺史も知らないの?」

「いやいや、知っているさ」

 

一刀は知っていると言って話を止める。

 

(ただ華琳が最初は刺史だってのには驚きだけどね)

「じゃあ、今の状況はわかっているわよね?」

「俺達は怪しさ満点だって事なんだろ?」

「よくわかってるじゃない、永琳、光琳引っ立てなさい」

「はっ!」

 

永琳と光琳と呼ばれるは一刀達が知らない女性達が一刀と星を引っ立てようとすると一刀と星は逆らおうとしなかった。

 

「まだ連中の手がかりがあるかもしれないわ。半数は辺りを捜索。残りは一時帰還するわよ」

 

華琳達は一刀達をつれて街に戻った。

 

(一刀殿……)

(とりあえず話を聞く必要があるからな……。ここがどんな世界かもな……)

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町に戻って改めて一刀と星の身分確認をさせられた。

 

「名前は?」

「北郷一刀」

「趙雲」

「おぬしらの生国は?」

「日本」

「私は……」

 

星は少し考えるが、ここはあえて一刀に合わせようとする。

 

「私も日本だ」

「この国に来た目的は?」

「分からない」

「ここまでどうやってきた?」

「それも分からない」

「気がついたらあの荒野に居たのでな」

 

名前以外の答えがまともでないと判断した華琳は埒があかないと春蘭に指示を出そうとする。

 

「拷問にでも掛けましょうか?」

「拷問してもあれ以上の答えは出なぞ」

「本当に埒があかないわね」

「後はこやつらの持ち物ですが……」

 

一刀と星はポケットに入れていたのものを全て出した。

一刀と星はポケットの中に財布やハンカチ、音楽再生機を出した。

そして二人の持っていたスーツケースも開けられ、中には二人の服しかなかったが、二人が知らないケースには銃の弾薬が入っていた。

華琳は小銭のデザインを褒めたりしたが、やはり一番気にしていたのは日本刀の作りをした刀二本と拳銃二丁とショットガン+脇差であった。

 

「これは何かしら?」

「日本刀と拳銃とショットガン。俺も知らんうちに持っていた」

「知らないうちにね……」

「ところでここはどこの国なのだ?」

「貴様ら、こちらが下手に出ていれば、いい気になりよって!」

 

春蘭はどうも一刀達が上から目線言ってるように聞こえていたようだ。

 

「おぬしは下手に出てはいないだろ」

「何だと、貴様!」

「ま、いいさ。ところで君達名前はなんていうの?」

「そう言えば名乗って無かったわね。私の名は曹孟徳。それから彼女達は、夏侯惇と夏侯淵、それに曹仁と曹洪よ」

「………」

 

一刀と星はやはりという顔をする。

 

「やはり……」

「君が魏の曹操だったのか?」

「どういうこと?」

「うん?」

「どうしてあなたが、魏という名前を知っているの?」

 

どうやら華琳もとい曹操は一刀が言った「魏」と言う名前に反応を示したようだ。

 

「君は曹操だろ? だったら魏なのは当たり前だろうなって思ったんだが……」

 

一刀と星は曹操の言葉を聞いて、少しこそこそ話す。

 

(一刀殿、これはどういうことであろうか?)

(曹操なのは同じだけど、魏を作ってないのか? それとも魏と言う名前ではないのか?)

「貴様、華琳様の名前を呼び捨てにするとは! しかも魏とかわけのわからんことを!」

「春蘭。少し黙ってなさい」

「はい」

「魏と言うのはね、私が考えていた国の名前の候補の一つよ」

「は?」

「近いうちに四人にも言うつもりだったわ。それにあったばかりなのになんで曹孟徳でなく操と言う名前を知っていたの!? 説明なさい!」

 

曹操はすごい迫力で一刀を問い詰める。

 

「そう言われてもな……」

「うむ、どう説明するべきか……」

「まさかこやつら、五胡の妖術使いでは…!」

「いやいや、そんなのじゃないから!」

「一刀殿、こうなれば我らの知っていることを全て話すべきなのでは?」

「星、全部って……」

「私が元居た世界、そして一刀殿が居た世界の事をです」

「本気か?」

「本気です」

「………分かった。曹操、とりあえず俺の言うことを信じてくれるか?」

「内容によるわね。内容によっては五胡の妖術と判断するかもしれないわよ」

「……とりあえずは聞いてくれるんだな……」

 

そして一刀と星は自分達の知っていることと体験したことを全て話した。

かつて星が住み、一刀がやって来た外史で一刀はその世界で一つの国の王となり、その世界に居た魏の曹操と呉の孫権を破り、大陸を制覇し、左慈達のせいでその世界は無くなったとされ、一刀は星と共に一刀がかつていた世界に戻った。

二人はその世界で一緒に過ごし、旅をしている最中にこの世界にやって来た事を……。

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「秋蘭、永琳、理解できた?」

「ある程度は、しかしにわかには信じがたい話ですな」

「まさか姉上を倒したとされる者が目の前にいる男とは……」

「まあ、あの時は左慈って奴の仲間が俺達の戦いの邪魔をしたし、俺達に助けが来てくれたから勝てたようなもんだよ」

「もしあの白装束達のものなどが割って入らなかったら我らが勝てたかどうかなんてわからぬ」

「うーん」

「………」

 

夏侯惇はわかってない様子だった。曹洪は夏侯淵や曹仁程ではないが少しは理解していたが、あまり納得できたような顔ではなかった。

もっとも曹操が別の世界とはいえ、負けたと言う事実はこの世界の曹操達も納得しがたいものであることはわずかながら顔に出ていた。

 

(曹洪と曹仁は前の世界にいなかったから何とも言えないが……)

「(やっぱり春蘭は分かってないみたいだな)夏候惇、例えばだが君が項羽と劉邦に会ってるようなもんだ。それも二回もね」

「何を馬鹿な」

「それと同じだ」

「な、なんと…」

「しかしそれなら北郷が姉上の考えていた魏と言う名前を知っている説明はつくな」

「だが、貴様はどうやってそんな技を成し遂げたのだ? それこそ五胡の妖術では……」

「そう言われてもな。前にその世界に行った時は銅鏡のせいだったけど、今回この世界に来た理由が全然分からない」

「我らは目を瞑っていたからな。目を瞑っているその間にこちらに飛ばされてしまったのだ。心当たりが無いのだ」

「もしかしたら胡蝶の夢ってやつかな?」

「たいした教養ね」

「学校で学んだもんでね」

「学校?」

 

一刀は曹操に学校のことを簡単に説明し、曹操もすぐに理解した。

 

(理解力はあるようですな)

(さすが曹操ってところだな。この世界でも変わらないみたいだ)

「春蘭、光琳。色々難しいことを言ったけれど、この北郷一刀は天の国から来た遣いなのだそうよ」

 

その言葉に一刀と星は苦笑いをする。

 

「ははは……」

「どうしたのよ?」

「いや、前の世界もその天の国から来た御遣い、つまりは天の御遣いって扱いを受けたからな……」

「しかも今度は私もその御遣いの一人になっているとなると笑いが止まらんのだ」

「そう……。まあ、五胡の妖術使いや、別の世界から来たなんていう突拍子のない話よりはそう説明したほうがわかりやすくて済むのよ」

「まあ、そうだろうね」

「あなた達、これから自分の事を説明するときは天の国から来たとそう説明なさい」

「ああ、そうさせてもらおう」

「もう慣れたしな」

 

そして一刀達はさきほど会った盗賊三人の話をし、曹操の捜査協力をすることになった。

 

「あなた達が言う別の世界の知識、うまく使えば私の覇業の大きな助けになるでしょう」

「そうだな……」

 

そこに星が一刀の腕を引き寄せ、一刀の耳に口を近づけ、話す。

 

(一刀殿、いいのですか?)

(いいも悪いも今の俺達にはこれしかないと思う)

(曹操に協力することがですか?)

(ああ)

(しかし曹操は……)

(分かっている。曹操は覇道を目指すってことだろ。さっきの華琳の覇業って言葉で覇道を目指してるってことは分かるさ)

(でしたら……)

(だがこの世界は俺達が居た世界とは少しだけど違う)

(その根拠は?)

(曹仁と曹洪は前の世界じゃいなかった武将だ。となるともしかしたらこの世界には前の世界ではいなかった劉備がいるかもしれない)

(と、申されますと……)

(俺が蜀に行く理由が無いってことさ。それに華琳が俺達を拾った以上、ただで帰すなんてことはしないだろうな)

(確かに……)

「(となると俺達が取る行動は一つ……)一応部屋とか用意してくれないか? 当たり前だが俺達は寝床が無いんでな」

「なら、部屋の準備をさせましょう。好きに使うといいわ」

「ありがとう。助かるよ」

「そういえば、一刀の真名を聞いていなかったわね。教えてくれるかしら?」

「真名か……俺は無いんだよな」

 

五人とも意外な答えに驚きを隠せなかった。

 

「無理やりだとしたらその一刀が真名になるな」

「ちなみに私の真名は星だ」

「分かったわよ。一刀、私のことは華琳と呼んで良いわ。後、趙雲もね」

「いいのか」

「良いわよ。それに話を聞くところによると別の世界とはいえ、その世界の私はあなたに真名を許しているようだしね」

「……気付いてたのか?」

「ええ」

「私の事は星で結構。私も前の世界ではお主に真名を預けたのでな…」

「実はと言うと夏侯惇と夏侯淵の真名も呼んでいいって事だったんだよね」

 

と言うことで一刀の言葉を聞いた華琳の意見により一刀達は春蘭と秋蘭の真名を呼んでも良いことになった。

 

「少し待って。春蘭と秋蘭の真名は許してもらったようだけど、永琳と光琳は?」

「実は……曹仁と曹洪は俺達が居た世界じゃいなかったんだ」

「なんと……」

「私達がいなかったと……」

「本当だ」

「………それは残念ね」

 

華琳は少し落胆したような顔をする。

 

「でも過ぎたことなら仕方ないわ。永琳、光琳、あなた達も真名を預けなさい」

「私達もですか?」

「ええそうよ」

「……分かりました。姉様の言うことなら……」

「仕方ないわね……」

 

曹仁と曹洪は仕方ないと言うような顔をするも真名を預けることにした。

 

「我が名は曹仁、字は子孝(しこう)。真名は永琳。以後よろしく」

「ああ、よろしく永琳」

「私の名は曹洪。真名は光琳だ。よろしくしてあげる」

「それはどうも……」

 

曹仁は礼儀正しいが、曹洪は春蘭に近い性格だと一刀と星であった。

こうして北郷一刀は再び外史へと舞い降りた。

共に歩むと言ってくれた趙雲と共に、曹操に拾われて……。

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おまけ(設定などの説明)

 

 

作者「久しぶりの新作だ」

一刀「お前、投稿がかなり遅れるんじゃないのか?」

作者「それはそうなんだが、ゴールデンウィーク中はさすがに色々あるからな。だから投稿した」

一刀「しかし星ルートで来るとは…」

作者「まあ星ルートがあるのはPS2版だから、この一刀と星はPS2版のキャラだと思ってくれ」

一刀「しかし曹仁に曹洪も出るなんて…」

作者「他にもまだオリジナルキャラは出てくるぞ。魏では最低でも後、4人は出す予定だ」

一刀「おいおい」

作者「ちなみに蜀でも3人、呉でも2人出すが、呉のオリジナルキャラの一人はインスパイア元の作者の海皇さんからの許可をもらってそのままのキャラを出す予定だ」

一刀「誰なんだ?」

作者「それはまだ言えないな。

ちなみに魏のオリジナルキャラを考えるに至って簡単に思いつく方法として、イメージCVを考えた」

一刀「何で?」

作者「そうじゃないと容姿とか格好が思いつかないからだ。まあ本当は絵に描きたいが、俺は絵が下手だからかけない。だからイメージしてもらうしかないと言っておく。ごめんないさい。

ちなみに曹仁のイメージCVは清水香里で曹洪は中原麻衣だ。

そして後々出すオリジナルキャラのイメージCVとしては水樹奈々、久川綾、植田佳奈、小松由佳の声のつもりで思いついたキャラだ」

一刀「著名な人ばかりだな」

作者「まあな。そしてこの作品では拠点の話を入れたりしてたんだが…、オリジナルで考えるのがすごく大変でな。途中からやめることにして本編終了後の方がいいと思って拠点は途中から中断することになる。それをご了承ください」

一刀「おいおい…」

作者「しかし本編では原作に無い戦いを二つほど入れる予定だ。ゴールデンウィーク中は投稿するつもりだ。

後それとな、一刀の武器の一式は「ナムコ×カプコン」の主人公で「無限のフロンティア」シリーズに出てきた有栖零児のものを参考にした。そのため、戦闘スタイルは零児のものだと思ってくれ。

まあ一部違うのもあるけどな。武器の名前は現段階では考えてない。

それでは!」

説明
この作品は真・恋姫†無双が前作の続編だったらという過程で作られた作品です。
またオリジナルキャラも存在しており、今回から出てきます。
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コメント
無双はいいけど星と魏は合わないな。違和感しかないわ(ドーパドーパ)
ワクワク(readman )
現代銃器はほぼ無敵ですね。(ブックマン)
銃か・・・。チートになりそうだ・・・。しかしもしこちらの世界の星にあったらどうなるのやら・・・。今から楽しみです。(海皇)
せっかく呉に二人ならリストラ姉妹を復活させてあげて・(ヒトヤ)
まさかの魏√!?まあ星は一刀がいれば今回は百合百合しくてもいいのか……(kyowa)
恋姫に表声優は違和感あるわww(GLIDE)
銃があることに驚きですよ・・・。まぁ、それも良いですね弓矢よりも扱いが簡易だからね。(COMBAT02)
続きが楽しみです。がんばってくださいw(miroku)
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真・恋姫†無双 一刀 真・恋姫無双  恋姫†夢想 第1章 

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