『偽・悲恋姫†異聞録』25 |
敵兵に大損害と言えるほどの被害は出ていない・・・良い所が中破程度だろう
敵の左翼部隊は壊滅しなかった、それが全てだ。
動きの鈍った敵左翼部隊を睨み付けながら、幽は魔的な笑みを浮かべる。
新参者の麗にしちゃ、がんばった方だ・・・
三夏の一人、智勇の剛弓・夏侯妙才の部隊を中破・・・将同志は痛み分けといったところだろう、陽隊に追撃がかかっていないところを見ると、麗もくたばっては居ないようだ。
陽隊の先頭で血霧が巻き上がっているのを見て、笑みが深まる。
勝手にくたばっていたら、生き返らして殺してやるところだったが、ちょっとは『魔王』様の配下らしくなってきた、と言うところだろう。
本来であるならば、幽が夏侯淵、麗が三羽烏に当たるべきである、戦い方を見てもその組み合わせが正しい。
しかし、一影の下した命は真逆。
つまりは・・・
勝つのは当たり前、どんな相手にでも勝てるように、経験を積ませた
実戦練習をさせたのだ、兵と将の甘えと油断、常識という贅肉を落とすために。
それで敗れたり、死んだりするようならば・・・死んでしまえと。
死線を潜り抜けた先にしか、激的な成長などありはしない、楽に勝てる相手との戦闘など、ただの一方的な殺戮。
殺し合いをして来い、そういっているのだ、と幽は気がついている。
故に、今幽は機嫌が悪い・・・
なぜなら・・・三人と同時に戦うつもりが、三人居る将の内、自分に向かってきているのがたった一人であったのだから。
「ション便くさい二線級の小娘が、一人で『魔王の片腕』にケンカ売って・・・
残りの二人は、眼鏡が葬式の喪主で、デカ乳が愛しの隊長の夜伽係か。
かかってきな、みそっかす・・・一番いらないアンタから順に三人くびり殺してやる」
楽の旗を掲げた相手に向かい、大声で怒鳴りつけ。
まるで一影のように肩に方天画戟を乗せ、小ばかにしたように、手のひらを上にして伸ばした左手人差し指をクイクイと曲げてみせる。
挑発、と言う物は・・・
愚直なまでにまっすぐな相手には、まっすぐな分だけ効果がある。
幽は、相手の動きから凪の性格分析をすでに終えていた・・・
説明 | ||
GW特別企画、午後の便 どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です 追伸、イラストレーターの方が幽のイラストを描いてくれましたー テンションが変なところまであがっております この勢いで悲恋姫も書き上げられれば、と思っております |
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コメント | ||
>田仁志様 コメントありがとうございます。実質、幽は将として一軍を任せられるひとですからね・・・一影の配下から抜けるのを嫌がって昇進を蹴ったくらいで。そこで手に入れたのがあの冥途服です、イラストレータのパンツァ様の描いてくださった幽は必見ですよー。ご指摘感謝!訂正しました。(Night) 幽カッコイイです♪ これで副将なんですから層が厚いな。キャラが濃いのかな? 一番最後の行の「正確分析」って「性格分析」ですしょうか?間違ってたらすみません。無かった事にしてください。(ペンギン) >ねこじゃらし様 コメントありがとうございます。董仲穎旗下の優秀な将として洛陽で死んでいたか、逃げ延びて 幸せに暮らしたのか・・・どうでしょうねぇ、妄想が広がるところです(Night) 幽も一影に出会ってなければどうなっていたことやら…(ねこじゃらし) >宗茂様 コメントありがとうございます。部隊掌握、戦況把握などの将才は、幽は非常に高いです、作戦遂行能力も高いので、前線指揮官としては異常に優秀です(Night) >うたまる様 幽の将才は一影と朧の折り紙つきですからね、視界は広く状況把握は瞬時にやってのけますよ。VS鈴々戦の時に証明済みですからね(Night) 幽は本当に変わりましたね・・・まさに『魔王の片腕』 ですね。(宗茂) 幽の最大の武器は、戦術級における冷静な分析力だと思わせる一話でした♪(うたまる) |
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