真・恋姫†無双 星と共に 第15章 |
真・恋姫†無双 星と共に 第15章
華琳が凪達を配下に加えて一週間弱になる。その間に黄巾党はかなりの戦力や部隊となり今のだめな官軍はもちろんのことだが華琳の軍も苦戦を強いられるようになっていった。
とある日、一刀と星と凪が情報収集のため、徒歩で行動していた。
「星、凪、大丈夫か? 昨日、南から帰ってきたばかりだろ?」
星と凪は昨日まで黄巾党に苦戦していた官軍を春蘭と季衣と共に軍を率いて助けに行き、帰ってきたばかりなのだ。
「大丈夫です。鍛えてますから」
「そうそう。それにあれくらい前とそんなに変わりませぬ。良い肩慣らしです」
「そうか……、まあ無理はするなよ」
そしてそうこうして歩いていると突然凪が戦闘体制に入る。
「むっ!」
「敵か!」
「はい!」
一刀もすぐに刀と銃を取り出す。それから星と凪と共に襲ってきた敵を撃退した。
襲ってきた敵を調べると敵は何やら手紙を持っていた。その敵部隊は連絡兵、しかも今まで見たことないしっかりした連絡法を持っていた部隊だった。
そして一刀達は急いで戻り、その連絡の書を華琳達に渡し、偵察部隊との検証により敵の本隊が判明した。
「ということは張角も居ると言うてことでよいのか?」
星の質問に秋蘭が答える。
「ああ、張三姉妹の三人が揃っているとの報告も入ってる」
「間違いないのね?」
「何というか……三人の歌を全員が取り囲んで聞いていて、異様な雰囲気を漂わせていたとか」
「何かの儀式?」
「詳細は不明です。連中の士気高揚の儀式ではないかというのが、偵察に行った兵の見解ですが」
「ライブでも聞いてるのか?」
「らいぶ?」
聞いたことない言葉に春蘭が一刀に聞く。
「大人数で歌い手の歌を聴く集会みたいなもん。俺達の居た世界じゃ千や万人の単位のものもある」
「良く分からんな。号令や銅鑼ならともかく…歌声などまともには聞こえんだろう」
「確かにな……(マイクがあるのかもしれんな、ここにはないだけで……)」
「で、それは何をする集まりなの? 宗教儀式?」
華琳が一刀に尋ねる。
「基本は娯楽だな。ただ今回の場合は士気高揚にもなってるだろうな。きっと……」
華琳達はすぐさま準備をし、張角達がいるとされる本拠地に向かう。
そこでは黄巾党の人数が増えすぎて色々問題を起こしていたようであった。
「荒れてるようね」
「ま、ある程度はやりやすいだろ。で、張三姉妹はどうするんだ?」
「生け捕りね、話を聞いてみたいしね……」
華琳はすぐに全軍に命令、華琳の軍は黄巾党殲滅に向けて動いた。
黄巾党の数は華琳達の兵よりも多かったが、敵は戦闘前から多少の混乱を起こしており指揮があまり取れておらずその隙をうまくつき華琳達は勝利を収めたが、肝心の張三姉妹には逃げられていた。
「この辺りまで来れば…平気かな」
次女、張宝(真名は地和)が敵が来てないか見てみる。
「もう声もだいぶ小さくなってるしねー。…でもみんなには悪いことしちゃったかなぁ?」
長女であり首領とされる張角(真名は天和)がそばにはいない黄巾党兵ならぬ自分達のファンに申し訳なさそうに言う。
「難しい所だけれど…正直、ここまでのものになるとは思っていなかったし、潮時でしょうね」
三女の張梁(真名は人和)が冷静に言う。
「けど、これでわたし達も自由の身よっ! ご飯もお風呂も入り放題よねっ!」
「お金ないけどね」
「う……」
「そんなものはまた稼げばいいのよねー」
「そう……そうよ! また三人で旅をして、楽しく歌って過ごしましょうよ!」
「今度こそ大陸で一番の…」
「そうよ! 今度こそ歌で大陸の一番に……!」
「大陸の一番が何だって?」
張三姉妹の後ろにはいつの間にか一刀と星がいた。
「こんなところまで!」
「うん? 何か見たことある顔のような……」
星は張三姉妹の顔をどこかで見たことあるようで少し考え込んでしまう。
「どうしよう…もう護衛の人達もいないよー?」
「まだあんな事やこんな事もしてないのにー!」
「大丈夫だ。おとなしく付いて来れば悪いようにはしないぜ」
一刀は断言する。しかし張梁は信用してるようには見えなかった。
「付いて行かなかったら?」
「地獄の果てまで追いかけてやるぜ!」
「ちぃ達、地獄に行くの!?」
「いや、例えだから……」
一刀達がボケとツッコミをしているうちに黄巾党兵が何人かやって来た。
「張角様、大丈夫ですか?」
「貴様、俺の張宝ちゃんになにを!?」
「……なるほど、行き過ぎたファンだったのか」
一刀は黄巾党兵達の反応で、黄巾党兵は張三姉妹の過激過ぎるファンだと悟った。
「悪いが過激なのはサッカーだけにしてもらいたいな!」
そう言うと、一刀は銃から氣弾を連射してやって来た兵達を倒した。
黄巾党兵の倒された様子を見て、張梁達は諦めを見せた。
「諦めましょう、姉さん。あんなのに当たったら無事では済まないわ。…いきなり殺したりはしないのよね?」
一刀は言う。
「もしそんなことになったら俺が助けてやるぜ」
「いや、私も助けてますぞ。一刀殿」
「……そうだったな。俺だけじゃない。俺達が何かあったら助けてやるよ」
こうして張三姉妹は一刀達と共に華琳のいる本陣へと向かった。
「あなた達が張三姉妹?」
「そうよ、悪い!」
「季衣、間違いない?」
華琳が季衣に確認を取る。
「はい。ボクが見たのと同じ人達だと思います」
その事を聞いた張角が反応する。
「あ、わたし達の歌、聞いてくれたんだねー。どうだったー?」
(歌……)
「すっごく上手だったよ!」
「ほんと!? ありがとー♪」
季衣の答えに張角は心の中からうれしそうである。そしてようやく一刀は思い出した!
「ああ、思い出した!」
「どうしたの、一刀?」
「この子達前に陳留の視察で見た旅芸人だぜ。覚えてないか?」
「むっ……確かに……」
「そう言えば……、言われてみるとそうかも……」
一刀の言葉でようやく星と華琳も思い出した。
「しかし何でこんなことになったんだ? 前までそんな力はなかったように見えるけど……」
「色々あったのよ」
「いや、その色々を聞きたいんだけどね……」
「話したら斬る気でしょう! 私達に討伐の命令が下ってるんだって、知ってるんだから!」
張宝の言葉はもっともであるが、華琳は呆れたように言う。
「それは話を聞いてから決めることよ。それから、ひとつ誤解をしているようだけれど…」
「何よ?」
「あなた達の正体を知っているのは、おそらく私達だけだわ」
「へ?」
張宝はあぜんとする。
「そうよね、桂花」
「はい。あなた達ここ最近、私達の領を出ていなかったでしょう」
「それは、あれだけ周りの捜索や国境の警備が厳しくなったら…出て行きたくてもいけないでしょう」
「ですから現状、首魁の張角の名前こそ知られていますが…他の諸侯達の間でも、張角の正体は不明のままです」
「どういうこと?」
「誰を尋問しても、張三姉妹の正体を口にしなかったからよ。大した人気じゃない」
「そんな……!」
その言葉に張三姉妹は驚きを隠しきれなかった。
「それに、この騒ぎに便乗した盗賊や山賊は、そもそも張角の正体を知らないもの」
「そいつらのでたらめな証言が混乱に拍車をかけてね…、今の張角の想像図は…桂花」
「これよ」
その絵には身長が三メートルあるだろうひげもじゃの大男の絵だった。
しかも腕が八本、足が五本、おまけに角と尻尾まである。
(そんな奴、今まで見たこと無いな……)
一刀と星はその絵で苦笑いを見せる。
「で、結局は何が言いたいの?」
「黙ってあげてもいい、と言ってるのよ」
「どういうこと?」
華琳は三姉妹の持つ人を集める能力に目をつけたのだ。
華琳はとりあえずは自分の領土内なら自由に動いてもよく、歌もいいし、活動資金も提供するという条件で三人を取り入れようとするのだ。
張梁はそれに承諾、張宝も嫌々だが承諾、張角は難しいと言って流れに任せて承諾した。
ちなみに張角の反応を見て、秋蘭は思わず春蘭を見る。
「どうした秋蘭。なぜ私を見る」
(ぷぷっ!)
(気持ちはよく分かるぞ、秋蘭)
「?」
そんなやり取りもあったが、とりあえず本題へと戻る。
「ちぃ姉さん。もともと選択肢なんか無いのよ。ここで断れば、私達はこの場で殺されるわ」
「むぅ……」
「生かしてくれる上に、自由に活動するための資金までくれて、自由に歌っていいなんて…正直、破格の条件だと、私は思う」
それでも張宝は納得したががった。それは華琳の領地までということであったが、張梁が華琳が領地を広げれば自分達の活動範囲も必然的に広くなるということだと説明した。
それでようやく張宝も納得した。張角もよくわかってないまま納得した。
(これが黄巾党の長ね……)
一刀は想像していたのと違っていたのでこっそり笑う。
「今度こそ、あの太平なんとかって本が無くても、大陸の一番を獲ってみせるわよ!」
「え!?」
張宝の言葉にいち早く一刀が反応し、驚く。
「ちょっと待ちなさい」
華琳も張宝の言葉に反応した。
「何?」
「今、太平なんとかって…」
「太平妖術?」
「あなた達、それをどうしたの!」
華琳が懸命に三人を問い詰める。
「んー。応援してくれてるって人に貰ったんだけどー。逃げてくるときに、置いてきたの」
「そう…」
華琳はすぐに書が置いてあるとされる陣を焼き払うように命令を出し、確認のため一刀と星が陣に入る。
「太平妖術……太平妖術……」
「見当たりませぬな」
「ああ……。燃えて無くなったなら良いが……」
「どうしたのだ?」
「この黄巾の乱の流れは正史と同じだ。だが張角が華琳の所に行ったのは正史じゃありえないし、前の外史には無かったはずだ」
「華琳が黙っていただけなのでは?」
「その可能性は否めないけどな……。どうも不安だ。左慈とかの存在が色々な外史にいるとしたらこの世界の黄巾の乱の騒動も……」
「奴らの仕業かもと……」
「ああ。下手したら太平妖術の書はそいつらが持ってきて、張角達に渡して、回収されたかもしれないな」
「もしそうだったら……」
「かなりヤバいことになるだろうな。まあ今はそうなのかどうかは分からないからそうでないことを祈るだけだ」
「その時になったら命に代えても守りますぞ。主」
「俺も……星の事、守ってやるからな」
二人は陣を去る際に陣を燃やした。
そして黄巾の乱は終結した。
帰ってきてすぐに会議が開かれた。それは当初は予定されておらず、華琳も皆もゆっくりするつもりだった。
なぜそうなったのかというと都から使者が来たからなのである。
「すまんな。皆疲れとるのに集めたりして。すぐ済ますから、堪忍してな」
(霞(しあ)……)
(まさか霞が来るとは……)
この一刀と星が霞と思う女性。その者の名は張遼。
かつての世界では董卓軍に所属し、その後曹操軍に帰順した将である。
(そう言えば、霞、月の前は都使いだったとか言ってたな……)
「あなたが何進将軍の名代?」
華琳が張遼に尋ねる。
「や、ウチやない。ウチは名代の副官や」
「なんだ、将軍直々ではないのか」
春蘭の答えに張遼は何かを思い出したかのように呆れた物言いをする。
「あいつが外に出るわけないやろ。クソ十常侍どもの牽制で忙しいんやから」
(十常侍……)
(前の世界で言う白装束の奴らか?)
一刀と星が考えていると見たこと無い少女が現れ、こう言う。
「呂布様のおなりですぞー!」
小さい少女が呂布の名を口にする。
(呂布?)
(まさか……恋!?)
一刀と星が呂布と呼ばれる赤い髪の少女を見る。
(恋)
(ああ……あのとぼけたような顔……間違いないな……)
一刀達が色々考えているうちにどうやら華琳の処遇が終わっていたようで、華琳は西園八校尉の一人に任命されたとのことであった。
そして用件を終えた呂布達は引き上げていき、夜になって一刀と星は外に出て考える。
「一刀殿」
「ああ、分かってる。恋や月のことだろ」
一刀の言う月とは真名であり、本名を董卓と言った可憐な少女の事である。
「うむ。このままではまた月と戦ってしまいますぞ」
「ああ。流れからして前の世界と同じだ。十常侍ってのが気になるが、もしかしたらあの白装束の仲間かもしれないな」
「では早急に月の保護を……」
「そうしたいが、まだ動く時じゃない」
「何故です?」
「下手に動けば俺達が袁紹達、諸侯の的になる。華琳はそれを望んでないはずだ」
「では月を見殺しにすると?」
「そんなつもりは毛頭ない。当然月達は助け出すことを前提に考えている。ただ、時期的に今は悪いだけだ」
「では動く時期は?」
「反董卓連合が出来る時だ。もっとも月の事とかはそれが出来る少し前あたりにでも俺が華琳に言っておく」
「もし華琳が月の保護を拒んだら……」
「その時は月達と一緒にここを出る。星、付いてきてくれるか?」
「何を……今さら……私はいつでも一刀殿と一緒ですぞ」
「悪いな。星」
「いえいえ。しかし反董卓連合、初めての参加ですな」
「そうか。前は星、もう公孫賛の所を離れてたんだったな」
「はい。そして袁紹との戦いで一刀殿や愛紗達と合流したのです」
「恋の事……時間稼ぎで良いから足止めしてくれ」
「何か策でもおありで?」
「前に朱里が使った方法だ。恐らくは使えるはず。その時間稼ぎだ。頼んだぞ」
「任されよ」
そして一刀は夜空を見上げながら拳をこめて決意する。
「月、必ず助け出してやるからな!」
おまけ
作者「第15章だ!」
一刀「どうしたんだ急に投稿だなんて…」
作者「本当は明日の朝にしたかったのだが、それが難しくなる可能性が高まってな…」
一刀「どうしたんだ?」
作者「俺がようやくやりたかったゲームが明日出来るかもしれないんだ」
一刀「そんなことかよ!」
作者「そんなことではない! まだ完成版じゃなくて途中までの体験版だけどな、その体験版で出来るストーリーは俺達ファンは1年半は待ったんだぞ!」
一刀「それは長いな」
作者「ようやくそれが明日出来るかもしれないんだ。だから俺はそちらにしばらく気が行くので執筆も停止するな。もっとも今はオリジナルの戦いの話を書いている最中なんだけど、少し詰まっていてな。いい気分転換にはなるだろ」
一刀「いつも他事するな。お前は」
作者「と言うわけでしばらくは執筆も出来ないため投稿も停止するかもです。とは言いつつもまだ推敲はしてないけど、第21章までは書いております。
それでは!」
説明 | ||
この作品は真・恋姫†無双が前作(PS2)の続編だったらという過程で作られた作品です。 | ||
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更新気長にまってますよー(rukaruka) 更新おつです。なんという理由で… べ、べつに更新待たないなんていってないんだからね!?(よーぜふ) 更新お疲れ様です!執筆がんばってくださいね!私は更新ずっとまってますからねー! 誤字 P2「小さくなってしねー」→「小さくなってるしね」では?(samidare) |
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