ホッとぶれいく〜サイとゼファーとエプロンと〜
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「ただいま〜」

 

俺はゼファー

外資系製薬会社のカムクラ社に勤めている商社マンだ

 

「あ・・・おかえりなさいです」

 

パタパタと駆け寄ってきたのは妻の妹であるサイだ

 

「あ・・・鞄持ちますね」

 

姉のジャルスとは違って良く気の利く良い子だ

 

「疲れた顔をなさってますが、何かあったんですか?」

 

サイが心配そうに俺の顔を覗き込む

 

「ん、まぁな・・・またドネラの奴がめんどくさい企画を起こしてな・・・

 

 いつも尻拭いするのは俺だというのに・・・」

 

そう言って俺は深いため息をつく

 

「そうはいっても、ドネラさんの企画は当たると大きいですから」

 

サイは皆に優しい

 

他人の悪口を言っているのを聞いたことがない

 

「当たれば・・・な」

 

「あはは・・・」

 

俺の言葉にサイは苦笑するしかないようだ

 

「今日は遅かったようですが、ご飯はどうなさいますか?」

 

「食べてきたことには食べてきたんだが、ドネラと呑んだせいで少し小腹がすいたな」

 

「じゃぁ、軽く何かお作りしますね」

 

そう言ってサイは奥の部屋に入っていく

 

俺がリビングでテレビを見ていると、エプロン姿のサイがやってくる

 

「そろそろ肌寒くなってきたのでオジヤでも作りますね」

 

「あぁ、助かる」

 

キッチンから聞こえる心地よい鼻歌を聞きながら待っていると、美味しそうな味噌の香りが漂ってきた

 

「あっ・・・」

 

ともすると聞き洩らしてしまいそうなくらいの声でサイが呟く

 

ほどなくしてミトンをした手で土鍋を抱えてきたサイが俺の前にオジヤを置く

 

「あ・・・あの・・・ちょっと焦がしてしまい・・・ました・・・」

 

サイの目には涙が浮かび、いまにもあふれだしそうだった

 

俺がレンゲを手に取り、少しばかしオジヤを掬うと味噌の焦げた香ばしい香りが辺りに広がる

 

「良い香りじゃないか、オジヤにはおこげがないとつまらんよ」

 

俺はそう言って笑って見せたが、どうもサイは納得していないようだ

 

掬ったオジヤを口に入れると、ニンジンの甘みとシイタケの旨みが味噌と米に良く合っている

 

「うん、美味いな」

 

そう言っているにもかかわらず、まだサイは納得していないようなので、俺はおこげごと掬ってサイの口に入れる

 

「どうだ?美味いだろ?」

 

「はふ・・・あむ・・・あちゅ・・・・・・ほふ・・・おいひい・・・です・・・」

 

俺はさっきと違う意味で涙を浮かべてるサイの頭をくしゃくしゃと撫でると

 

「な、言った通りだろ?」

 

と俺は朗らかに笑う

 

「お前は失敗なんてしてないんだよ、ジャルスとは違うんだから」

 

「え?姉さんの料理食べたんですか?」

 

「あぁ・・・あいつの料理は酷いもんだったよ・・・あれを料理と呼んでいいものやら・・・」

 

ふとサイを見ると、強張った顔で後ろを指差している

 

「ふ〜ん、そんなに私の手料理が食べたいのね?ア・ナ・タ?」

 

俺が恐る恐る後ろを振り向くと、鬼の形相をしたジャルスが立っている

 

「あはは・・・言葉の綾だ・・・許せ」

 

「ちょうど今日リロットに新しい魔法を習ってきたところなのよね・・・」

 

「ちょ・・・待て・・・ジャルス、話せばわか」

 

「おしおきサンダー!!」

 

説明
集会所のノリで作った作品

ノリなので短め

エプロン要素少なくてごめんよぉ
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タグ
NikQ ジャルス サイ ゼファー 

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