東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第10話 |
漣がデルタギアを手に入れて逃亡したその頃、紅魔館の門前にて美鈴はグリズリーファンガイアに痛めつけられ、力尽く寸前にいた。
美鈴(もう・・・これまでですか・・・すみませんお嬢様、皆さん・・・!)
?「グリズリー君、止めは刺さないでほしいよ」
グリズリーファンガイアは美鈴のライフエナジーを吸い取ろうとしていたが、その後ろに現れた漣によって手が止まる。
漣「僕達の目的はライダーギアを手に入れること、さっさとことを済ませなきゃ、カブトがここに来るかもしれないんですよ?」
グリズリーファンガイアは美鈴を睨むが彼女から離れ、漣の意見に同意するかのように彼に近寄った。
漣「さぁ君達、出てきていいよ」
指鳴らしをするとオーラが出現し、そこから黒い服を着た男達が一斉に出てきて門へ侵入していく。
漣「この館にあるギア、カイザギアももらっていくよ・・・」
そう言って漣とグリズリーファンガイアも門を通り過ぎて館へと入っていった。
美鈴(目的はお嬢様!?くっ・・・お嬢様、ご無事でいてください!)
その時森から音が聞こえてくると思っていると、森から赤いバイク『マシンキバー』に乗ってきた琴芭英次こと仮面ライダーキバと咲夜の変身する仮面ライダーケタロスが現れる。
咲夜は美鈴を目撃した直後に驚く。
咲夜「中国、一体何があったんですか!?」
美鈴「その声・・・咲夜さんですか。たった今、侵入者が・・・熊と黒い男が館の中へ・・・」
英次「熊・・・まさか、グリズリーファンガイアか!」
心当たりある英次はその正体を知っていた。
美鈴「もう1人は見かけない方ですが・・・どちら様ですか?」
咲夜「この方はファンガイアの王。この世界に原因を突き止めるために迎えに上がったのです」
美鈴「貴方が・・・どうか、この館の主であるレミリアお嬢様を助けてください!奴等の目的はお嬢様です!」
キバット「館の主って・・・おい英次、なんかヤバくねぇか?」
英次「イヤな予感がするなぁ・・・急いで行くぞ!」
咲夜「私は後から来ますので、先に館へ入っててください」
直ちに英次は館の扉へと走っていった。
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その一方で方へ侵入を果たした男達は勢いよく広間の中を走り回る。
館内にいた妖精メイドも驚いて身を隠し、次々と部屋が荒らされていく中で影から1人の執事と、赤い髪をした少女が見ていた。
執事「大変なことが起きたようだな・・・ここは俺が止めよう」
少女「けど、矢崎さんだけで大丈夫ですか?」
執事「大丈夫だ小悪魔、お前はパチュリーを守ってくれ」
矢崎と呼ばれた執事は男達の荒らす場の中へ飛び込んでいった。近くにいる男性を横から殴りにかかる。
矢崎「うらぁっ!」
男性「がっ・・・!?」
男性は殴り飛ばされると、他の男性が気づいて矢崎に襲い掛かってきた。
矢崎は深く息を吐いて精神を高めると、体がみるみると灰色の姿に変わり、クロコダイルオルフェノクに変身する。そのまま男性一同を返り討ちにするが、一旦彼から離れるとベルトを一斉に取り出して腰に装着し、バックル部分にあるパーツを左へ押し倒す。
≪COMPLETE≫
男性一同はライオトルーパーに変身する。
矢崎「そのギア・・・・・・まさか、カイザギアが目的か!」
漣「そういうことです。僕達はカイザギアをもらいに来ました」
漣も現れ、矢崎は警戒した。
矢崎「お前はデルタ・・・さては貴様、スマートブレインの者か!」
漣「そっちの世界ではそうらしいですけど、僕達はスマートブレインではありません。僕達はスーパーショッカーです」
矢崎「何んだと?」
漣「あまり詳しく話すのは首領から禁じられています。とはいえ、オルフェノクである貴方が何故ここにいるのですか?」
矢崎「そんなこと、俺が知ったことではない。俺は2週間前にここ、幻想郷へ来たんだからな」
オルフェノクである矢崎は2週間前に幻想入りし、新しく執事としての生活を送っていた。その事情を言った矢崎に対して漣は、
漣「つまり貴方は裏切り者ではないわけですか・・・どちらにしても殺さなければなりませんね」
矢崎「裏切り者だなんて冷たい言い方するんじゃねぇっ!!通りたけりゃ俺を倒してからにするんだな!」
漣「そうですか・・・ですけど、下のほうを見たほうがいいですよ?」
下を見てみると、グリスリーファンガイアが逃げ遅れた妖精メイドに襲いかかろうとしている様子があった。が、これが隙を見せることとなってデルタとライオトルーパーによる一斉射撃を受けてしまう。
矢崎「ぐああっ!!・・・やってくれるじゃねぇか!」
押されていく矢崎。ライダーギアがあれば少しは有利であると考える彼だが、下の方をなんとかしなくてはいけない。グリズリーファンガイアは妖精メイドの胸倉を掴んで抵抗できないようにする。
メイド「イヤッ!やめてっ!お願いだからやめてぇっ!」
漣「さあ、貴方も彼女のようにいたぶって上げますよ!?」
矢崎「ぐっ・・・くそぉっ!!」
じわじわと効いてくるにつれて崖っぷちに追いやられる矢崎。グリズリーファンガイアは妖精メイドのライフエナジーを吸い取ろうとした次の瞬間、
?「ライダァーー、キィーークッ!!」
グリズリー「グオオオッ!!」
グリズリーファンガイアが飛び蹴りをうけて地面に倒れ、妖精メイドは先程仕掛けた者、英次に助けられる。
英次「早く逃げろ!」
メイド「は、はい!」
妖精メイドは一目散に逃げ、グリズリーファンガイアは英次を睨む。
グリズリー「キングゥゥ・・・・」
漣(キング?まさか彼が、あの方の言っていた・・・!?)
矢崎「! 今だっ!!」
矢崎は隙を見せた漣の持つデルタムーバーを奪い取る。
矢崎「FIRA!」
音声コードを入力すると光弾が発射され、漣やライオトルーパーを怯ませた。デルタームーバーを失ったことで漣の変身は解除され、漣はデルタギアを外してドラゴンオルフェノクに変身する。
漣「よくもやってくれたね・・・!」
矢崎「お互い様だが、詰めを誤ったな!」
矢崎は漣が捨てたデルタギアを手に入れると1階へ飛び降りる。
漣「ハッ!しまった・・・!」
矢崎「ベルトだけじゃ変身も出来ないだろ?変身!」
人間体に戻った矢崎はデルタギアを腰に装着してデルタへと変身する。
漣「くっ・・・デルタギアを取り返すんだ!!」
ライオトルーパーと漣は一斉に2階から飛び降りる。だが矢崎は見切っていたかのようにミッションメモリーをセットして漣に向ける。
矢崎「Check!」
≪EXCEED CHARGE≫
漣「何!?」
漣はロックオンされ、矢崎は助走をつけながらポインターに飛び込む。
矢崎「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇ〜!!」
ルシファーズハンマーが漣に直撃し、青い炎が吹き上がる。
漣「ぐっ・・・ふざけるなぁぁぁぁぁっ!!」
漣はなんと自力で炎を消して復活してしまった。これを見た矢崎も驚く。
矢崎「こいつ・・・!」
2階にいる矢崎と1階にいる漣は睨みあうが、漣は相手を英次に変えて突撃する。
矢崎「しまった!あいつが「焦る必要はないわ、大輔」
その声に振り向くと、レミリアが立っていた。
矢崎「お嬢様!ここは危険ですよ!?」
レミリア「いいじゃないの。私はあの化け物と戦ってみたいから来たのよ、悪いかしら?」
≪STANDING BY≫
レミリア「変身・・・」
≪COMPLETE≫
レミリアはガイザギアを使ってカイザへと変身する。
レミリア「さあ行くわよ。私の可愛い新人さん?」
矢崎「・・・分かりました」
英次「オラオラオラァッ!キングの怒りには気をつけておくんだなぁ!?」
ラッシュを畳み掛けている英次はまさに絶好調な気分だった。そろそろ止めでも刺そうとかと左腰の赤いフエッスルを取り出してキバットに吹かせようとしたその時、
キバット「ム!?英次、右から敵が来るぞ!」
右から漣が突進してくる様子があった。直ちにジャンプをするとギリギリに回避できて、漣はそのまま前にいたグリズリーファンガイアを跳ね飛ばす。
英次「あれはドラゴンオルフェノク・・・ってことはお前は、ラッキークローバーの1人である北崎だな!?」
漣「北崎?人違いだよ。僕は漣、スーパーショッカーの幹部さ」
拳を構える英次の前に矢崎とレミリアがやってくる。
漣「あらあら、ギア2つもわざわざ持って来てくれたんだね。ちょうどよかったよ・・・」
レミリア「この状況で言えることかしら?貴方は誰一人倒せることが出来ない運命なのよ?」
漣「そのことは良く知ってますよ、永遠に紅い幼き月・・・レミリア・スカーレットさん」
漣は再び指を鳴らしてオーラを出現させる。
英次「仲間を呼び出す気か?」
漣「そうだけど、今度はどうかな?レティ・ホワイト・ロック?」
オーラから現れるのは女性だった。それもなぜか目が死んでいて様子が変である。
漣「さあレティ、行くよ?」
レティ「・・・はい・・・」
≪MAGMA≫
レティは『M』と書かれたガイアメモリを取り出して右腕に差し込むと全身が燃え上がり、マグマドーパントに変身した。
英次「ドーパント!?何でガイアメモリが!?」
漣「説明したくは無い。消えてもらうよ!」
マグマドーパントの強い熱気に怯みそうになる英次を容赦ないように襲い掛かる。女が変身したとはいえ、男10人分の強いパンチを受けた英次は地面を転がりながら倒れた。
キバット「ええい、何やってんだ英次!それくらいシャキッといかないのか!?」
英次「それをお前が言える立場が?ドーパントに変身したあの女の様子が可笑しいんだぞ!?」
キバット「何だって?」
英次「簡単に言えば、今の彼女は操られている証拠だ。ガイアメモリだけであんな表情なんてできないし、元々彼女は悪い奴ではない筈だ!」
キバット「じゃあ、どうするつもりなんだ?彼女を助ける方法なんてどうにも・・・」
英次「いや、ある!但し、一か八かだで決まらなければ彼女を殺める羽目になるがその前に・・・」
英次は左腰にある緑色のフエッスルを取り出した。
英次「この館を火事にしてしまったら大変だ。消化が優先だぜ!」
キバット「なるほどな・・・それじゃあいくぜ、バッシャーマグナム!」
キバットに吹かせるとトランペットの音が鳴り響いた。すると天井から緑色の光が降りてくると英次の右手にバッシャーマグナムが収められ、姿が緑色のバッシャーフォームに変わる。
レモン「は〜い、ここからは私がお相手になるです〜」
声は先程までキャッスルドランに待機していたレモンになっている。フォームを変えることによって彼女達が変わりに戦う仕組みであるが、性格上で強くないような感じでもある。
英次【マグマドーパントの火を消して火事を阻止してくれ!】
レモン「了解です〜ご主人様のためなら何にだって消すです〜」
キバット(あれ?なんかズレている気が・・・)
そんなキバットのツッコミはともかくとして、マグマドーパントの熱気を下げようとバッシャーマグナムから放水を開始する。
マグマ「グッ・・・ガァァッ・・・!」
レモン「どんどん火を消すです〜」
キバット「いや待て!すぐに逃げるんだ!」
レモン「え?どういうことで・・・キャアッ!!」
レモンはグリズリーファンガイアに気づかずに敵を吹っ飛ばされてしまった。
キバット「ほら見ろ、言わんこっちゃない!」
英次【お前が言うな、お前が!こっちだってダメージきてるんだぞ!?】
互いに揉め事を言う英次とキバット。しかし敵は3人だけではなく、ライオトルーパーも英次達の元へやってくる。
レモン「あわわ、いっぱい来たです〜!どうするですか〜!?」
その数を見て驚くレモン。ざっと19人はいるようだが、こんなのと強敵3人と合わせたら大変である。
英次【こうなったらアレだ!レモン、戻ってくれ!】
レモン「はいです〜」
ここでレモンが英次から離脱して赤色の姿に戻った。
英次「それじゃあ、王様の御成りといくぜ!?」
キバット「タツロット〜!」
タツロットフエッスルを吹かせるとすぐにタツロットが飛んできた。相変わらずの上機嫌である。
タツロット「ピューピュー!それでは参りましょう〜!」
英次・タツロット「変身っ!!」
左腕にタツロットが装着されると光が発され、体中に鎧が纏われていく。
漣「! あれは・・・!」
レミリア「・・・・・・!」
戦い最中であったレミリア達もその光に釣られる。
英次「ハァッ!!」
光が止んで英次が左腕を振るった瞬間に紅いマントが羽織られ、その場には黄金に輝くキバ、エンペラーフォームの姿があった。
タツロット「ザンバットソードッ!」
タツロットの掛け声で英次の右手に魔剣『ザンバットソード』が握られ、襲ってきたライオトルーパーを一振りで怯ませる。英次の右側にいるグリズリーファンガイアが次ぎに襲い掛かるが、これも斬撃で返り討ちにしつつ、剣につけられたザンバットバットの仮面を取ってキバットに吹かせる。
キバット「ウェイクアップ!」
綺麗な音が鳴ると同時にザンバットバットの目が光り、フルートのような音色が鳴り出す。すると刀身が赤く光りだし、英次は両手で握りながらグリズリーファンガイアに向かって走り出した。
英次「1」
グリズリーファンガイアに斬りつけるとグラス状の姿になって動きが止まる。次ぎに英次はライオトルーパーに向かって走り出し、それを迎え撃つかのようにライオトルーパーはアクセレイガンを構えて突っ込んでいく。
英次「2、3、4、5、6・・・」
斬りつけられた者はみんなグラス状になって動かなくなり、英次はまだまだ振り回す。
英次「17、18、19・・・20」
全員斬った英次はザンバットバットを掴んで剣先までスライドすると、納刀するかのようにゆっくりと右へスライドし、最後の赤い部分が消える直前で止める。
英次「皆まとめて・・・死刑だ!!」
英次は勢いよく右端まで動かした次の瞬間、一斉に炸裂。グリズリーファンガイアと19人のライオトルーパーは王に跡形もなく消されてしまう。
矢崎「あんな数を一瞬で倒しやがった・・・!?なんなんだ、あいつは!?」
レミリア「大輔、今は敵を集中してちょうだい」
レミリアの言うとおり、襲ってくる漣を上手くかわしていく中でカイザポインターにメモリーをセットし、右足に装着する。
漣「一斉にはやらせない・・・!」
漣は龍人態になってレミリアの動きを止めようとするが、矢崎が庇うことで漣を妨害することに成功する。吹っ飛ばされたとはいえメデルタのメモリーを既にセットしていた矢崎はデルタムーバーに向けて声を出す。
矢崎「Check!」
≪EXCEED CHARGE≫
レミリア「だから言ったのよ、貴方が勝つことなんて最初からない運命よ?」
≪EXCEED CHARGE≫
カイザとデルタがそれぞれにエクシードチャージをしてポインターを発射、漣に命中する。
英次「ならば俺も付き合うぜ!ドラゴンオルフェノクはかなりしぶといからな!」
間が空いた英次はタツロットの頭を引くとスロットが回り、キバのマークが揃う。
タツロット「ウェイクアップフィーバー!」
準備が整った3人は同時にポインターの中へとび蹴りの構え(英次は両足で)の態勢で飛び込んでいく。
英次「エンペラームーンブレイク!!」
漣「うわあああああああああああああああああああ!!!?」
矢崎のルシファーズハンマー、レミリアのゴルドスマッシュ、英次のエンペラームーンブレイクのトリプルキックで漣に大ダメージを与える。着地した英次は確信をした。
英次「これならあのオルフェノクも粉々に・・・あれ!?」
その時英次は驚く。技は決まって赤い炎に包まれるが、漣はまた振り払いながらも起き上がる。
矢崎「まだ倒れないのかよお前!!しつこいぞ!!」
漣「僕は・・・僕は負けられないんだ・・・妹のためにも・・・!」
そう言い残した漣はオーラの中へ消え去っていった。倒せなかった相手であるが、少しだけ重い空気が薄らいだのは確かである。
が、レミリアにはまだ気を抜いてはいけないと2人に言う。まだレティの変身したマグマドーパントが残っているのだ。
英次「すみません、俺がやっていいですか!?」
レミリア「あら貴方、何か方法があるのかしら?」
レミリアは英次の意見を聞こうとする。
英次「任せてください!」
そう言うと英次は前に出る。右手を前に出して左手を腰から離した部分に寄せ、左を足を前に出す。すると足元のキバのマークが描かれたオーラが出現する。そのままゆっくりと右手を左へ寄せて左足を後ろへ下げるとオーラが両足に執着した。マグマドーパントは体中を燃え上がらせて突進してくるに対し、英次は冷静なままで待っていると両足をそろえてジャンプし、とび蹴りの態勢を整えた。
英次「ライダーキック!!」
マグマ「グォアッ!?」
ライダーキックはマグマドーパントの胸部分に直撃し、勢いよく後ろへ押されていく。着地した英次はとび蹴り前のポーズのままで腰を左へ向けた直後に態勢を立て直したマグマドーパントは爆発した。するとレティの姿に戻って地に倒れ、彼女の体から出てきたガイアメモリは割れてしまう。
レティ「・・・あら?私は今まで何をしてたんでしょうか・・・?」
目を覚ましたレティの目は正常に戻っていた。出来事の記憶はないみたいだが、何とか彼女を助け出すことに成功したようである。
英次「貴方は邪気に取り付かれていたんです。けと安心してください、邪気は貴方の体から消え去りました」
変身を直ちに解いた英次はレティの身に起きたことを説明する。
レティ「まぁ、私を助けてくださったのですね。なんだかよく分からないですけど、ありがとうございます」
そのあとに矢崎とレミリアも変身を解いて英次の元に来る。
矢崎「この女はさっきまで暗い様子だったのに・・・お前、何をしたんだ?」
英次「メモリブレイクさ。ガイアメモリのある箇所を叩き込めは、有害物質を取り退いてドーパントから人間に戻すことができる・・・ってとこだけど、ここの主って人は誰なんだ?俺は訪問に来たんだけど・・・」
レミリア「・・・そう・・・やっぱり貴方が王なのね」
キバット「と言うと?」
レミリア「私がこの館の主。お目にかかれて光栄よ」
主、レミリアと対面した英次は今までよりも驚いた。
こんな小さい子供が主なのかと。
英次「えー・・・何かの冗談ですよね?主の娘かと思われるのですが・・・」
レミリア「そう思うかしら?」
実際に言うと彼女には両親がいない。しかしこんな上品な方がカイザに変身していたとの事実では全く持ってイメージが違いすぎる。そんな英次は今にも口からその言葉が吐き出しそうになっていた。
咲夜「キング様、遅れて申し訳ありません!敵はどうなりましたか?」
後に咲夜がボロボロになっている美鈴を連れてやってきた。
英次「何とかやっつけた、彼女(美鈴)の頼みは果たしてやったよ」
美鈴「そ、そうですか・・・」
安心したかの様に落ち着く美鈴を英次はサムズアップで応える。その笑顔は現実にただ存在する者の明るく穏やかな顔で、美鈴は笑った。
矢崎「大丈夫ですか美鈴さん、凄い怪我ですけど・・・」
美鈴「大丈夫ですよ矢崎さん!すぐに治ってまた門番に復帰しますから!」
ボロボロなのに正常になったかのような元気が溢れ出ている美鈴。英次が彼女達の会話を聞いているとレミリアが話しかけてきた。
レミリア「私の書斎に来てくれるかしら?そこで事情を説明するわ」
英次「は、はい!」
一旦場所を変えて話そうとしているのか、レミリアは英次を連れて書斎へと移動する。
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薄暗い部屋へとやってくる英次とレミリア。ついてきていたキバットとタツロットも英次の横に並んだ。
レミリア「対面してなんだけど、いきなり騒がしいことを巻き込ませて申し訳なかったわ」
英次「いえいえ、王としてのことをしただけです。改めていいますけど、貴方がここの・・・」
レミリア「ええ。私は吸血鬼、ウラド・ツベッシュの末裔にしてここ紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」
キバット「ウラド・ツベッシュ?あの有名な吸血鬼の?」
タツロット「そんな偉い御方が英次さんに用とは、大変な事実になっていることなのですか?」
レミリア「その通りよ。事情は咲夜から聞いているそうだけど、詳しい事情をこれから話すわ」
少女説明中・・・
英次「えーつまり、この事件の前触れから危機のことを聞いて警戒を取っていたんだけど、想定外な羽目を受けてしまった末に助け舟を呼んだって訳・・・ですか」
レミリア「最も、これを知らせてくれた彼は今後の行動を監視しているそうよ」
キバット「その彼って言うのは?」
レミリア「さぁ、誰だったかしら・・・」
英次「ズコッ!知ってないのですか!?」
レミリア「本当に誰なのか分からなかったのよ。名前も言わずにね・・・」
タツロット「随分とシャイな人なんでしょうねぇ」
キバット「おいお前、その言い方は変じゃないのか・・・?」
タツロット「な、何を言うんですかキバットさん!?」
英次「2人共ストップ。誰だか知らないけど、危険だというのは良く分かりました。だが俺だけの力では倒せない敵もいますから、その時はお願いできますか?詳しいことはこちらが話します」
レミリア「よくってよ、キング・・・」
レミリアがそういった瞬間に突然英次は彼女に指を差す。
英次「キングって確かに呼ばれてるけど、普段は名前で呼ばれているからそれでいいよ。俺は琴芭英次、仮面ライダーキバだ」
レミリア「フフッ・・・それじゃあ英次、よろしく頼むわね?」
英次「はい!」
これからお互いに世話になる王と吸血鬼の対面は終わり、英次はこれから何をしようかと考えたその時である。
?「ただいま〜!」
英次「!?」
右側の壁にあった鏡から青い仮面ライダーが飛び出てきた。バックルはスペードのマークをしており、その姿はカブトムシのイメージをしている。
英次「ブ、ブレイドォ!?何でミラーワールドから仮面ライダーブレイドが!?」
マニアである彼はそのものの正体をやはり知っていた。アンデットと戦うスペードのライダー、ブレイドは英次に顔を向けた。
ブレイド「あれ?誰この人?」
しかも女の子の声ではないか。
レミリア「彼は新しく来た客人よ」
ブレイド「ふ〜ん・・・そーなんだ」
ブレイドはターンアップハンドルを引くと元の姿に戻る。赤い服に宝石のような翼を持った女の子で、英次は目を疑った。
英次「(剣崎さんが変身してたんじゃないんだ・・・)あの、この子は?」
レミリア「私の妹よ。昨日から機嫌がよくて、何度もミラーワールドに行っているわ」
英次「そ、そうですか・・・(たしか、ブレイドってミラーワールドには入れないはずじゃ・・・?)」
ミラーワールドに入れるのはカードデッキを持つライダー、即ち輝夜のような者でなければ行くことは出来ないのだが、天道と同じように入ることができる彼女には何を言えばいいのか分からないままに英次は焦りだす。単に言えば無茶苦茶と言うべきなのだろうけど、なんでもありすぎだ。
英次「えー・・・君、名前は?」
少女「私はフランドール!貴方は?」
英次の両手を握って返事を待つフラン。英次はまだ焦りからなおらないが、期待をそのまま受け流すのははしたないと考えて彼女に返事する。
英次「俺は英次、琴芭英次だ。こっちにいるのは相棒のキバットとタツロットさ」
タツロット「お見知りおきよ」
器用に挨拶するタツロットを見たフランは、キャハッと喜ぶように近づいた。
フラン「すごーい!この可愛い蝙蝠や龍と友達なの?」
英次「勿論さ」
出会ってすぐ仲良くなる2人だが、彼等を見るキバットはというと・・・
キバット「可愛いって・・・俺様がカッコイイって言うなら話は分かるけどさぁ・・・」
タツロット「いいじゃないですかキバットさん、私達も有名な者となったんですから!」
なにやら気に食わないような様子であるキバットだった。英次はレミリアに顔を向けて言う。
英次「そんでもってレミリアさん、俺はこれからどうすればいいんですか?」
レミリア「そう言うと思っていい提案があるわ。それは・・・」
英次「それは・・・?」
彼女から与えられる運命を待つ英次。だが・・・
レミリア「特にないわね」
英次「ねぇのかよっ!!」
ウザいような引っ掛けに英次はズコッと転ぶ。
レミリア「けどこれだけは覚えておいて。平和のために戦うのも大事だけど、時には体を休ませるのも大事って・・・」
英次「言われてみれば・・・そうだな」
だったらなお更、ここで少し遊んでみるのも悪くないと英次は考え、暫くはここにいることに決める。
フラン「ねぇ英次、せっかくだから遊んで!」
レミリア「あら、またミラーワールドに行くつもりなの?」
フラン「またあっちでやっている人いるから、英次も付き合ってみたらいいかなって!」
英次「けど、俺はミラーワールドに入れないぞ?」
何度も言うがカードデッキを持つライダー以外は入れない。が、レミリアはクスッと笑いながら英次に言った。
レミリア「気を落ち着かせたら入れるんじゃないかしら?」
英次「・・・え?いやだから、俺は・・・」
フラン「ねぇあそんで〜?」
英次の手を引っ張るフラン。いけるかどうかも知らない彼は仕方なくミラーワールドに行くことを決め、キバットを右手で掴む。
英次「言っとくけど、殺すマネはよせよ?俺は大事なお客だからな」
フラン「うん!」
早速フランもブレイバックルに腰を当ててベルトを作り鏡の前に立った。
フラン「変身」
≪TURN UP≫
ブレイドに変身するフランに続いて、キバットを英次の左腕にかませる。
英次「変身!」
キバへ変身し、準備を整える英次よりも先にフランがミラーワールドへ入っていった。
英次「・・・よっしゃぁっ!」
意気を入れて鏡に飛び込むとすり抜けるように通っていき、英次もミラーワールドへ入っていった。
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?1「くっ・・・くっそぉ・・・!」
?2「あらあら、もう終わりかしら?」
紅魔館のミラーワールド内では黒いライダーと紫のライダーが戦っていたのだが、どうも黒いライダーがボロボロの様子である。いや、姿が弱体に見えるからなのだろうか・・・そこへフランと英次がやってきた。
フラン「ほら、まだやってるでしょ?」
英次「ってかあれって・・・ブランク体の龍騎と王蛇じゃなくね!?」
そのライダーの正体は、仮面ライダー龍騎ブランク体と、仮面ライダー王蛇である。王蛇はベノバイザーを取り出してカードを入れる。
≪SWORD VENT≫
ベノサーベルを装備した王蛇は龍騎の首元に剣先を向ける。
王蛇「どう?私とまだやる気?」
龍騎「・・・やるに決まってる・・・!」
≪SWORD VENT≫
龍騎もライドバイザーにカード入れてライドセイバーを装備し、王蛇に立ち向かう。だが・・・
パキンッ!
龍騎「お、折れた!?」
英次(当たり前だろ・・・)
ブランク体は最弱形態のライダーなので、剣ですらこんなに弱いものである。見事に返り討ちとされた龍騎を見る英次だが、ふと気づけばフランがいない。何処にいったのかと思いきや、王蛇に勝負を仕掛けているではないか。
フラン「私と遊んでくれるかしら!?」
王蛇「!こんなときに邪魔して・・・!」
ベノサーベルとブレイラウザーがぶつかり、フランは後ろにステップして距離を空けた。
英次「おいおい・・・でも、ブランク体の龍騎を助けるくらいはしておいたほうがいいかもな・・・」
キバット「あの黒い奴のことか?」
英次「あいつはまだ弱いからな。今は王蛇を倒すとでも!」
ということでフランと王蛇の間に水を差すように飛び込む英次は王蛇にキックをお見舞いする。
王蛇「くっ・・・ちょっとあんた達!2対1で私とやりあうつもりなの!?」
英次「あの龍騎に虐めるのも程々にしてもらおうか。っていうか、近くにいたお前が悪い!」
なんとも酷い言い方だが虐めていた王蛇も悪い。英次がそう言った次の瞬間だった。
?「ギャオオオォォォンッ!!」
キバット「ん?今のはなんだ?」
突然何かの鳴き声が聞こえ、一同は静かになる。
英次「ちょっと待て!今の声ってまさか・・・」
フラン「英次、あれ何なの?」
フランが指を差している先を見た英次。そこには赤い龍がこちらへ突っ込んできている様子があるではないか。
英次「あれは・・・ドラグレッダー!?」
第10話です。
今回は英次サイドのほうを書かせてもらいましたが、相変わらずにも無茶なことをして申し訳ありません。
フランの方でもどういったライダーで行こうかと思っていたのですが、実際に決めているライダーには半分がつながりであって半分が適当と言うやる気のないこの決め方、行き当たりばったりで自分には辛い状況です。
【ライダーデータ】
◇仮面ライダーキバ エンペラーフォーム
登場作品:仮面ライダーキバ
備考:タツロットの力でキバの拘束を解放したキバの最強形態であって、キバの本来の姿。
常のキックでもダークネスムーンブレイクよりもはるかに上回っており、マントと合わせて翻弄させる攻撃が得意である。
さらに格闘だけではなく英次に宿す魔皇力が最大限まで高まり、この力で波動攻撃やシールド、相手にトラップを仕掛けたりと何でもありなことが可能である。
必殺技は魔剣『ザンバットソード』の赤く輝く刀身で一度に複数の敵を一刀両断にする「ファイナルザンバット斬」と、ダークネスムーンブレイクのエンペラー技「エンペラームーンブレイク」。
◇仮面ライダーデルタ
登場作品:仮面ライダーファイズ
備考:紅魔館の執事、矢崎大輔の変身するライダー。ファイズ、カイザとは違って音声入力を行いながら戦うが、武器はデルタムーバーの一つのみ。
戦闘力はファイズ、カイザよりも上で強く、オルフェノクでは無い人間でも変身が可能であるが、適合ではない者が変身した場合は、『闘争本能活性化装置・デモンズスレート』によって脳が活性化され、攻撃的な性格へ変貌する。無論、これを長期に続けると最悪の場合には死に至ってしまう。
必殺技はデルタムーバーのエクシードチャージによって放たれる「ルシファーズハンマー」。
◇仮面ライダーブレイド
登場作品:仮面ライダーブレイド
備考:悪魔の妹であり、レミリアの妹、フランドール・スカーレットの変身するライダー。
見た目からにして剣を使った戦いを得意とし、雷の力を操る彼女は性格上、世間知らずな箇所もあるが戦いになると一変、非常に攻撃的な性格を持つ為に敵味方関係なくしてしまう可能性があるため、レミリアは館から外へは出さないことにしている。
必殺技はまだ持っておらず、なんとラウスガードが?Aのカードしか持っていない。
◇仮面ライダー龍騎 ブランク体
登場作品:仮面ライダー龍騎
備考:龍のライダーと呼ばれる戦士、龍騎が契約していない状態の時に起きている形態で、戦闘力は極端に低い。
アドベントカードの使用は可能であるが、やはりAP(アタックポイント)がライドーソードでもAP300と低く、簡単に折れてしまうほどである。
変身しているものはまだ不明であるが、どうやらこの世界の者なのは確かである。
◇仮面ライダー王蛇
登場作品:仮面ライダー龍騎
備考:蛇のライダーと呼ばれる戦士。戦闘力はかなりの者で油断が出来ないほどの持ち主であるが、変身する者は何者かは不明。
契約モンスターであるベノスネーカーが吐く毒液は、分厚いコンクリートでも溶かしてしまう危険かつ凶暴な性格をしており、素早い動きで相手を食べる。
必殺技はベノスネーカーの液体射出の力で敵に連続キックを繰り出す「ベノクラッシュ」。
説明 | ||
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。 あまりなれない方は戻るボタンを押してください。 ※キバの戦闘で『Supernova』をBGMとしていただければかなり盛り上がります。 曲は↓からどうぞ http://www.youtube.com/watch?v=gkejuesseSE |
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