真・恋姫†無双〜ただ守るため〜四話
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目の前には人が人を殺している世界

 

 

俺の当たり前が通用しない世界

 

 

これが戦争

 

 

俺はただ震えているしかできなかった

 

 

胃の中の物が逆流する嫌な感覚

 

 

俺は必死に耐える

 

 

隣の桃香も耐えているんだ

 

 

俺だけが楽をするのだけは嫌だ

 

 

数時間もすれば賊は壊滅状態に陥っていた

 

 

後ろのお年寄りや子供は歓喜の声を出して喜んでいる

 

 

だけど俺は素直に喜べないでいた

 

 

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煙草も吸い終わり靴で火を消した時後ろで声がした

 

「お兄ちゃん!」

 

振り向いた瞬間葵が飛びついてきた

 

『葵か……これが戦争だ。それでもお前は戦う力が欲しいか?』

 

「……うん。ボクは守る力が欲しい!」

 

『そうか、ならお前に人を殺す術を叩き込んでやる。甘えや妥協は許さん』

 

人を殺すというキーワードに反応したようだ

 

だが俺は心のどこかに葵には人殺しをさせたくないと思ってしまう

 

この子には戦争なんてものを経験させたくない

 

ただ幸せになってもらいたいんだよな

 

それが俺の生きる希望なんだよな

 

 

「わかったよ。ボクは強くなる!そして皆を守るの!」

 

やはりこの子は徐公明か

 

瞳が違う

 

いくら外見が子供でも確かな覚悟を持っている

 

『いい瞳だ。とりあえず今はこの宴を楽しんで来い』

 

「うん!」

 

葵は嬉しそうに劉備たちのもとへ走っていった

 

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劉備か…

 

 

 

 

こいつは危ないが北郷や関羽が居れば問題はないだろう

 

 

 

 

だが俺はこいつの下では戦えんな

 

 

 

 

理想ばかり追い求めてはいずれ破滅する

 

 

 

 

かつての俺のように

 

 

 

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私は玖珂殿が気になり辺りを探していた

 

彼はご主人様と同じように天の世界の人らしいのだが

 

ご主人様とは正反対の御仁のようだ

 

隙の無い立ち振る舞い

 

ご主人様が光なら玖珂殿は闇

 

そんな気がした

 

だからだろうか、私は彼を探してしまった

 

少し離れた所で彼は独り邑の者たちを見つめていた

 

 

 

 

とても悲しげな瞳で

 

 

 

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「あなたは宴には参加しないのですか?」

 

彼はまだその瞳のまま

 

『騒ぐのは嫌いなんでね』

 

「そうですか。つかぬことをお聞きします、あなたは何故我々と共に戦ってくださったのですか?」

 

『偶々この邑に着いたからだ』

 

また素っ気無く答えられた

 

『それに俺は手の届く範囲の人たちは救いたいと思ってしまったからな』

 

「それならば我々と共に来ては下さらぬか?」

 

『それは魅力的な提案だが断る』

 

「何故と聞いてもよろしいですか?」

 

先ほどより悲しみの深い瞳でこちらを見つめながら

 

『俺みたいな奴にはここは明るすぎるんだ。だからお前たちには着いて行けない』

 

やはりあなたは闇なのですね

 

光と共には歩めない

 

「あなたのその瞳と関係しているのですか?」

 

彼は少し驚いた顔をされた

 

気づかれてないと思っていたのだろう

 

『……まあな。いくら関羽でも教えるわけにはいかないんでね諦めてくれ』

 

「わかりました。私は桃香様の所に行きますのでそれでは」

 

私はこれ以上詮索してはいけないような気がしたのでこの場を逃げるように去った

 

 

 

 

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夜も明け静かな朝を迎えた

 

 

「お兄ちゃん……眠いよう」

 

葵は重い瞼を擦りながらなんとか起きていた

 

『なら劉備たちの所へ行け。そしたらたくさん寝れるぞ』

 

「やだ!ボクはお兄ちゃんと一緒に居るの!」

 

『わかってるさ。なら行くぞ』

 

「劉備ちゃんたちには何も言わないの?」

 

『別に構わんさ』

 

ただめんどくさいだけなんだがな

 

昨日の関羽みたいに勧誘されるぐらいなら会わない内にここを去るだけだ

 

 

 

「玖珂さん?どうしたんだこんな朝早くに?」

 

この声は北郷か

 

『お前たちが寝ている内に出て行くだげだが』

 

「そうか…やっぱり行くんですね」

 

『ああ、劉備が起きたら一言言ってくれ。“理想だけ見てるとお前の大切な物を失うぞ”ってな』

 

「わかりました。桃香にそう伝えときますね」

 

『それとこれは北郷お前にだ。“人の心を忘れるな”』

 

「人の心……ですか?」

 

『お前と劉備は大徳の持ち主だ。しかし人の心を忘れるとその大徳も無くなるぞ』

 

「俺が大徳の持ち主?」

 

『お前らは関羽たちの光になれ。そうすれば劉備の理想とやらに近づけるだろうさ』

 

お前ならできるさ

 

俺には無い物を持っているんだからな

 

『次に会うときまでにそれ以上でなければ俺がお前らを殺すからな』

 

北郷は俺の殺気に気づいたのか少し震えていた

 

俺は期待してるんだからな

 

 

 

 

            失望させるなよ

 

                  天の御使い

 

 

 

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あとがき

 

ども天戒です

 

ただ一言

 

 

桃香と鈴々が出てねええええぇぇぇぇぇぇえええええーーー!!!!!!!!!

 

 

はいすみません……

 

 

書いててここで天然と元気印出したら雰囲気壊れるくね?

 

てな感じと

 

わたくしに文才が無いだけ

 

てな感じで

 

色々と削りました

 

まぁ元々蜀の雰囲気はなんか好きになれないんですよね

 

メンバーは好きなんですが

 

一刀くんはちょいしっかり者みたいな感じに落ち着いていくと思います

 

桃香ちゃんがあれだしね

 

一応これからも頑張って書いていくので応援よろしくお願いしますのだ

 

 

でわでわ

 

 

 

説明
う〜ん……



相変わらずの駄文&自己満のSSですが読んでもらえると嬉しいです

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コメント
桃香って地に足がついてないというか、何処か飛んでるんですよね。で、周りがそれを放っているから好きになれないのでしょうか。(gmail)
分かるぜ、その気持ち(ヒトヤ)
メンバーは好きだけど雰囲気が好きではない、すごい分かるw(宗茂)
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