東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第12話
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モクロとの対決を終え、輝夜はミラーワールドから帰還しようとしていた。

輝夜「はぁ〜・・・なんとかできたけど、これからの先が思いやられるわ・・・」

相当な疲れが出たのか、彼女のビジョンには闇だけしか見えていない。ライダーバトルの雲行きを怪しくしているモクロのことを思えば、彼女のライバルである藤原妹紅(ふじわらの もこう)は今頃どうしているのかと心配もする輝夜は、元の場所へと戻ってくる。しかしそこには誰もいる様子が無く、廊下のほうに鈴仙とてゐが外の様子を見ている姿があった。

輝夜「何してるの?」

鈴仙「あ、姫様!大変なんです!」

てゐ「泥棒が出てきて、星司が止めようとしてたんだけど・・・だけど星司が・・・」

輝夜も窓から星司達の様子を見て、その光景に目を疑う。

輝夜「ちょっと、あの黒いの何?」

鈴仙「それが・・・星司の変身した姿なんです・・・」

輝夜「ハァ!?」

 

 

===================================================

 

 

星司「ライダパァーンチッ!!」

星司は海籐に飛びつきながら渾身のパンチを当てる。たかがパンチといっても、一撃がキングストーンのエネルギーによって強化されており、海籐にとっては大きなダメージを体に乗ってしまう。

海籐「くっ・・・図に乗らないでもらいたい!」

 

≪KAMEN RIDE,KUUGA≫

 

ディエンドライバーにカードを装填して、井上やユウスケが変身するクウガを出現させる。また助っ人の力でも借りるのかと思いきや、さらにカードを装填し、クウガの背中に向けた。

海籐「痛みは一瞬だ」

 

≪FINAL FORM RIDE,KU.KU.KU.KUUGA≫

 

次の瞬間に海籐はDクウガを背後から撃った。まさかの仲間割れかと思いきや、Dクウガが突然変異を起こし、クワガタの姿をした生物『クウガゴウラム』に変形したのである。

星司「・・・!!」

突進してきたクウガゴウラムをかわす星司。普通なら何が起きているのか分からないゆえに焦るが、星司にはそんなものが通用せずに落ち着いた様子で海籐へ攻撃を仕掛けた。

海籐「僕をここまで楽しませてくれるのは嬉しいけど・・・そろそろシメにするよ!」

 

≪FINAL ATTACK RIDE,KU.KU.KU.KUUGA≫

 

クウガゴウラムは旋回して海籐をも混ぜた星司のもとへ飛んでくる。左右へ避けそうにもないと思ったその時、

永琳「星司君、伏せて!!」

その声に釣られて星司は素早く地面へ伏せる。

 

≪CLOCK UP≫

 

永琳は直ちに右腰のトレーススイッチをスライドしてクロックアップを起動。超高速と貸した彼女はドレイクゼクターをシューティングモードに切り替え、ヒッチスロットルを引く。

永琳「ライダーシューティング!!」

 

≪RIDER SHOOTING≫

 

永琳は集中をして、接近するクウガゴウラムの急所を狙い、発射する。弾のスピードは遅く見えるようだが、実際にはこれが流星以上の速さで飛んでおり、クウガゴウラムには避ける権利を与えずに命中。それと同時にクウガゴウラムが爆発を発生させ、ディエンドのファイナルアタックライドを不発に終わらせた。

海籐「・・・これは一本取られちゃったね・・・」

 

≪ATTACK RIDE,INVISIBLE≫

 

海籐はカードを使った瞬間に姿が消えてしまう。驚く2人だが、海籐の声がこだまする。

海籐『少年君、今回は僕の負けだけど、この世界のお宝は僕の者にするよ。またどこかで会おう・・・』

そして海籐の気配は完全にこの場から去った。

体中を回っている力は一定まで静まり、さらに面から鈴仙達がやってくる。

輝夜「ちょっと星司!貴方本当に星司なの!?」

星司「な、なんですかいきなり・・・」

てゐ「黒いのになっちゃったからどうしたんだろうって思ってたんだけど、大丈夫みたいでよかった〜」

驚く以外に起こることは何もない。仮面ライダーBLACKへと変身した星司を見て回るてゐは心配をしていた様子であるが、星司は変身をといて彼女の頭を撫でる。

星司「しかし、随分と手荒い泥棒だったな。世界中の宝・・・か・・・」

蓬莱の薬やハイパーゼクターが狙われるのも過言ではないと星司は理解する。かといって海籐はまだ別の宝を盗みに行くのだとしたら、なんとも執念深い野郎だと思う。

だが天道から教えられたあの言葉、『人のものを盗む奴はもっと大事な物を失う』の凄さに改め、天道のお婆ちゃんに感謝する・・・と次の瞬間、足元に火花が散りだし、一同はビクッと驚く。

鈴仙「な、何なの!?」

星司「! あれは・・・」

星司が目の当たりにしたもの・・・竹林の影から現れるのは、黒いカブトムシのライダー、ダークカブト。それに変身する雫だった。

星司「黒いカブト・・・?だけどこいつに変身してるのはまるで別人・・・」

永琳「貴方は何者なの?」

まだドレイクに変身していた永琳はドレイクゼクターを構える。

雫「・・・ッ・・・」

 

次の瞬間に永琳が宙を舞い、地に倒れた。

 

鈴仙「師匠!?」

変身が解かれるが、そこにいる永琳は意識を失っていた。今一瞬だけ何が起きていたのかは星司だけしか知らない。

 

クロックアップだ。それも、星司では目を向けるほどのスピードの持ち主・・・。

 

雫「キングストーンを私に渡してください。南 誠二・・・」

今度は彼女のハッキリとした声が聞こえた。しかし彼女からは枯れた言葉に星司は、

星司「なんのつもりなんだ、お前は・・・」

言っていることが分からない。星司に言われた名前、そしてキングストーン・・・それ全てが星司の脳裏に入り込もうとするが、バリアによって弾かれる。

 

しかし、バリアが突然割れ始めた。

 

星司「っ!?」

突然脳裏が呼び起こす一つの記憶・・・

 

 

 

 

世界が突然、星司だけになった。

 

 

 

 

そして星司は、叫ぶ。

 

 

 

 

星司「うあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

阿鼻叫喚。それは彼がベッドの上で行われていることで起こっていることだ。

 

 

 

 

完成する・・・我ら、ゴルゴムの兵器・・・

 

 

 

 

しかし星司は、抵抗した。

 

 

 

 

星司「キングストォーン、フラァァーーーーーーーーシュッ!!!!!!!」

 

 

 

 

彼の周りが突如光に覆われ、彼はその場から消えてしまう。

 

 

 

 

辺りは、周りにいた者たちだけの手術室となる。

 

 

 

 

逃げられたか・・・南 誠司(みなみ せいじ)・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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星司「なんなんだ・・・この、記憶・・・!?」

雫「貴方は、カブトの世界の者でも、この時代の者でもありません・・・貴方は1988年、BLACKの世界でゴルゴムに改造された過去の人間です。そして貴方の本当の名前は、南 誠司・・・」

全貌を告げる雫の前に、星司は必死で頭を抱えながら抵抗した。

鈴仙「ちょっと待ちなさいよ!貴方が星司に何しようとするのかいまいち理解できないけど、師匠に酷いことするなんて許さないわ!!」

雫「私は邪魔な人だけを排除するだけです。けど安心してください、変身している間には一撃で死ぬことはありませんから・・・」

鈴仙「ふざけないで!!狂気の瞳!!」

次の瞬間に鈴仙の瞳が赤く輝いた。彼女は狂気を操り、精神をコントロールする能力を持っている。しかし雫はクロックアップで至近距離まで近づいて彼女を叩いた。変身しているとはいえ、加減無いような力に鈴仙も地面に倒れた。

てゐ「鈴仙!?」

助けようとするてゐだが、雫の持つゼクトクナイガンの鋭い刃に驚いて尻餅をつく。

てゐ「あ・・・ああ・・・」

泣き出しそうになるてゐ。しかし星司はフォローしようとてゐの頭をもう一度撫でて雫の前に立った。

星司「キングストーンを奪う理由は・・・世紀王になるためか?」

雫「私に質問は受け付けません。私の言う通りにしてください」

問答無用で来るようすな雫を見て、星司はガタックゼクターを呼び出す。

星司「輝夜さん、てゐを頼みます。変身」

 

≪HENSHIN≫

≪CHANGE STAG BEETLE≫

 

ベルトにつけ、キャストオスの状態に操作してガタックに変身する星司は、真っ先にガタックダブルカリバーを手に攻撃を仕掛け、対する雫はクナイモードにしているゼクトクナイガンで応戦する。武器の数は星司が有利だが、雫には余裕があるようにかわしつつ、反撃を狙う。

星司(全く隙が無い・・・まさかワームに擬態した者か・・・?)

ワームならより高度な反射神経を持つ。それとマスクドライダーシステムが組み合わされた場合には強敵とみなされ、倒すのが困難だ。そうだとしたら方法はただ1つだけ上げられる。

星司(ハイパーキャストオフでいくか・・・!)

そう決めた星司の左腰には、ハイパーゼクターがセットされる。

 

≪HYPER CAST OFF≫

≪CHANGE HYPER STAG BEETLE≫

 

ハイパーフォームへ変身した星司は素早くスイッチを押す。

 

≪HYPER CLOCK UP≫

 

次の瞬間に星司の姿が消える。スピードはクロックアップの数十倍なので、もはや誰もいない状態までの速さになっている星司は、一直線に雫へ捕捉する。

星司「ハッ!」

左足を上げ、雫の右肩にズトンと叩きつけると、ハイパーゼクターの角を下へと倒す。

 

≪MAXIMUM RIDER POWER≫

≪ONE,TWO,THREE≫

 

フルスロットルを3回押してゼクターホーンを左に操作し、星司は叫ぶ。

星司「ハイパーキック・・・!」

 

≪RIDER KICK≫

 

ゼクターホーンをキャストオフの状態にするとタキオン粒子が右足に流れ、星司は体を浮かせると同時に右足を雫の腹部にめがけてキックをかます。そしてその反動を利用しながら宙返りをしつつ地面へと着地する。かなり効いた雫には大ダメージが体中を響かせ、そのまま奥にある竹林をもろとも吹き飛ばされてしまう。

 

≪HYPER CLOCK OVER≫

 

ここでハイパークロックアップが停止される。これで相手は倒れただろうと思っていたが、彼は逆のことを思った。

星司(おかしい、手応えがあまり無い・・・まさか!?)

雫「そのまさかよ」

背後からハイパーキックを受けたはずの雫がゼクトクナイガンで星司の背中を切り裂く。追い討ちをかけるかのようにクロックアップを仕掛ける雫に、星司は上手く立ち直ることが出来ない。

輝夜(このままじゃ星司が危ない!)

こうなれば援護しようと輝夜は窓に向いてカードデッキを翳し、Vバックルを出現させる。

輝夜「変身!」

カードデッキをセットしてナイトへ変身した輝夜は、一枚目のカードを引き抜いてベントインする。

 

≪TRICK VENT≫

 

4体へと分身して雫へ攻撃を仕掛ける。その結果では、スピードには着いて来れなくても数でカバーしたおかげか、上手く雫を止めることに成功する。

雫「っ!・・・やってくれますね」

輝夜「それはこっちの台詞よ!勝手に人の家を在らなさいでくれる!?」

 

4人なら怖い者なしだと、大波のように押しかけていく輝夜。しかし雫はまだまだ余裕でいた。

雫「数をこちらも増やさなきゃいけないかもね・・・そうでしょ?先輩さん」

その一言に空からスーパーショッカーの一味であるドクガンダーが出現する。

星司「新しいワーム!?」

ドクガンダー「ワーム?ワシはワームなんかでは無い。スーパーショッカーの小隊長、ドクガンダー様であるぞ!」

雫「・・・それじゃあ先輩さん、私に新しい人形を買ってくれるかしら?」

ドクガンダー「当然さ。変、身っ!!」

 

≪PUPPETEER≫

 

取り出すガイアメモリにドグガンダーの姿が、蛾から家鴨の顔をし人間へと変わる。

輝夜「な、何その姿・・・弱いような気が・・・」

見るからには弱そうである。しかしドクガンダーが変身した怪人、パペティアー・ドーパントは鉄製の縦笛を取り出し、息を吸い込むと同時に吹き始めた。

 

当然、物凄く煩い音で。

 

輝夜「うっ・・・何よこの音!!」

星司「抵抗できない・・・!」

トリックベントによる分身は消え、思わず耳を塞ぐ2人。雫は非難をしているために被害を受けずにじっと見物しており、パペティアーは吹きながら片方の手を輝夜に向けると、指先から発射されるワイヤーで輝夜の手足を捉えた。

輝夜「!?」

パペティアー「フフフフフ・・・さぁ来るがよい、仮面ライダーよ!」

吹くのを止めて、両手を前に出しながら輝夜をパペティアーの前へと近づかせる。

星司「輝夜さん!今助けに・・・」

パペティアーから遠ざけようと輝夜に近づく星司。そこをパペティアーは待っていたかのようにして両手をスナップさせた次の瞬間、輝夜は星司に向いて切りつけた。

星司「ぐあっ!・・・一体、何が・・・!?」

パペティアー「ワシの能力は、この糸で相手を操ることができるのさ。こいつにはもう意識は無い!私に従う人形だ!」

パペティアーは器用に輝夜を操り、星司をジリジリと追い詰めていく。このままではまずいと思っていた星司は、起き上がっていた鈴仙とてゐを見つける。

星司「鈴仙、てゐ。ここは逃げよう!このままじゃ危険だ!」

鈴仙「でも姫様はどうするの!?」

てゐ「このまま見捨てちゃうの!?」

星司「悔しいが止むを得ない!八意さんを連れて、早く!」

彼の言う通りにするしかないと鈴仙は永琳を背負い、星司は輝夜の腹にキックをして距離を空けながら彼女達の元へと来る。

星司「2人共、俺の肩に捕まれ!ハイパークロックアップ!!」

 

≪HYPER CLOCK UP≫

 

星司の周りに光が集まり、彼らは永遠亭から離脱をする。

雫「・・・逃げられましたか・・・」

変身を解いた雫だが、約束していた人形を手に入れたことにはさぞかし嬉しく思っている。

雫「先輩さん、私はこれから兄さんに会いに行ってきますので、捜索班の要請をお願いします・・・」

パペティアー「分かった。確か、彼は人里の辺りにいるみたいだぞ」

雫「分かりました・・・」

出現したオーラの中へと潔く消えてゆく雫の前に、そこから別の者がやってくる。今度は、メカみたいな左腕をした男性である。

男性「永遠亭。ここにある不老不死の薬なら、俺たちにとっては最高の気分に慣れそうかかもな・・・」

パペティアー「最高?というと?」

男性「俺達は、不死身の巨大組織になれることさ・・・そこでこの建物を利用するってことよ、フフフフ・・・」

こうして、彼等の住む永遠亭は・・・スーパーショッカーに占領されてしまったのである。

 

===================================================

 

その頃、自らアンデットと名乗った青年は迷いの竹林から自力で抜けて広い野原を歩き続けていた。

かと言って普通に歩いているわけではなく、下向きのままゆっくりと歩いている。どうやら相当落ち込んでいる様子だ。

青年(人気のない場所だと思ったら、ここにもいやがって・・・俺1人だけにしてほしかったのに、なんで・・・)

1人になりたい。一体過去で何かあったのだろうかと思ってしまうが、実はこの青年にはある悲劇のせいで変わってしまったのだ。

 

当時の過去に遡ること1年前、彼は間に両親もいない孤独の者で、泥棒ばかりをしていた。たとえ殺されようとも恐怖を浴びながら生き続け、人気もなく寒い森の中で凍えていたその時、彼の体に異変が起きた。姿がカミキリムシみたいなアンデット、ジョーカーへとなってしまったその後に彼はジョーカーの意思に飲まれながら、現代に蘇ったアンデットや建物などを容赦なく倒していった。そんな中でBOARDから派遣された仮面ライダーレンゲル、ブレイド、ギャレンの3人を相手に、バトルファイトが行われる。ジョーカーになってしまった彼も阿鼻叫喚を上げながら痛み、苦しみ、他のアンデットをなぎ払っていくうちに体内から生み出されるダークローチの進撃が始まった。この原因に気づいていたレンゲルはジョーカーと対面し封印しようとするが、ジョーカーの唸りが青年の悲しみ、暗い過去を語っているかのようにレンゲルをと惑わせる。

 

彼は、闇に取り付かれている・・・

 

そう思ったレンゲルは封印をやめて青年を助けようとするが、凶暴なアンデットにレンゲルの抵抗を意図も簡単に振り払ってしまう。ジョーカーはレンゲルに止めを刺そうとしたときに、レンゲルは言った。

 

レンゲル「ジョーカー!!お前は1人だからと言って、このまま自分を遠ざけたらいいと思っているのか!?」

ジョーカー「何!?」

レンゲル「人間は1人では生きてはいけない・・・けど誰かに力を借りれば、不可能なことを可能に出来るんだぞ!?重たい荷物を一人で持つよりはマシなこと、それを自分だけで持つことができるか!?」

ジョーカー「うるせぇっ!!俺は・・・俺はっ・・・!!」

ジョーカーはイライラしながらもレンゲルから離れる。それと同時にレンゲルは変身を解いて人間の姿へと戻った。青い髪をして、真剣な顔でいる青年だ。

青年「後戻りができないのなら、新しい道を作り直せばいい・・・それでいいんだ」

ジョーカー「作り・・・直す・・・?」

青年「うん。きっと君ならできるよ!それに、俺も手伝ってやる!必ず君を元の正しい心に戻してみせるよ!」

握り拳をしてジョーカーに約束をした。その時2枚のラウズカードがいつの間にか彼の右手にあり、そのカードを見てみた。

 

カテゴリーA、チェンジマンティス。

カテゴリー2、スピリット。

 

ジョーカーはスピリットをバックル部分にある緑色のベルト、ジョーカーラウザーに通す。

 

≪SPIRIT≫

 

ジョーカーは青年の姿へと戻る。バックルには緑のベルトではなく赤色のベルトへと変わっていた。

青年1「元の俺だ・・・」

青年2「アンデットになってしまった以上、本来の人間には戻れないけど、君が孤独にならないことであればまた狂暴化はしないよ。俺は河城一樹、一樹って呼んでくれ。お前は?」

青年1「・・・眞田春人(さなだ はるひと)」

春人は一樹の愛情によって心を取り戻した。彼はしかし1年後、春人は一樹をビルの屋上に呼び出してこう告げる。

春人「一樹。やっぱり俺はこの場から消えるよ」

一樹「えっ、どうして・・・!?」

春人「じゃあな・・・」

次の瞬間に春人はビルから飛び降りる。一樹はやめさせようとするが、下を見たときには春人の姿は影も形も無く消えていたのであった・・・。

そして彼はこの世界、幻想卿へと流れ着き、化け茸の瘴気を浴び続けながら意識を失い、ルーミアに助けられて今に至るのだ。

春人「アイツがいてくれたから変わった・・・けど、どうしてもジョーカーになってしまう恐怖が毎日出て、俺はどうしたら・・・」

?「そーなのかー」

突然人の声が聞こえた春人は後ろを振り向く。するとそこにはルーミアが両手を広げながら着いてきているではないか。

春人「何故着いてくる・・・」

鋭い目でルーミアを睨むが、

ルーミア「ん〜・・・なんとなく」

春人「嘘つけ、俺の話を聞いてただろ。それを知った以上、俺はどれだけ怖い奴かって分かったんだからとっとと帰れ。お前達人間に用は無い」

シッシッと手を振り払う春人だが、ルーミアは平然とした顔で言う。

ルーミア「けどルーミアだって人間じゃないもん。妖怪だよ」

春人「は?妖怪?」

ルーミア「うん、こう見えて妖怪なの」

見るからには普通の女の子だが、実際は闇を操る凶暴な妖怪で、それを封印するための赤いリボンが彼女についている。

春人「まさかと思うが、人間以外なら仲良くなれると思っているのか?」

ルーミア「あれ?分かってた?」

春人「おいおい、それも聞き返しか。お前はどんだけバカなんだよ・・・」

呆れる春人に対し、ルーミアはニコニコと笑いながら春人の前にくると、見たことないような木の実を取り出した。

ルーミア「よかったらこの木の実を食べてみて。とっても栄養があるの」

春人「・・・へっ、そんな物で俺の機嫌を直そうしても無駄だ。俺は1人になりたいんだしさ・・・」

木の実を受け取らずに立ち去ろうとする春人。しかし彼の動きが突然止まった。

春人「くっ・・・こんなときに・・・」

春人は地面に着きながら疲れ果ててしまう。永琳から栄養不足と診断された末に、体力が限界になっていたのである。

そこへルーミアが木の実を再び差し出す。

春人「・・・・・・分かったよ、食えばいいんだろ」

木の実を受け取って食べてみると、不思議な味が口に広がった。それだけではなく、体が急に軽くなる。

春人「この木の実・・・」

ルーミア「幻想郷にしかない木の実なの。美味しかった?」

味の感想までも聞くルーミア。春人は彼女からそっぽを向き、

春人「全然。けど・・・腹の満たしにはなった」

ルーミア「そーなのかー」

木の実を食べ終えて体を起こしてみると、不思議にも体が言うこと聞くようになっている。するとルーミアは春人の手を掴んで引っ張り始めた。

春人「お、おい、何処へ・・・!」

ルーミア「せっかくだから、私の友達を紹介してあげるね。一緒に遊ぼ♪」

このとき、春人は再び心を取り戻していく運命が近づいてきていた。ルーミアと出会ったその時から、彼の心に閉ざされている扉がゆっくりと引かれているのを彼ですら知らない無いままに・・・

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はいどうも、第12話でした。

永遠亭がまさかの壊滅!

と言われましても薬が保存されている倉庫はかなり厳重なために、本編では薬の利用はされませんのでご安心ください。

それと星司のことですが、彼のいた世界はあくまでもあの人がいる世界では無くパラレルワールドの設定とされていますし、BLACKのライバルであるシャドームーンは登場しません。昭和ライダーも何か出したいなぁと思いますが、気に入っていた昭和ライダーではこんな感じになっています。

 

一位:スーパー1

二位:BLACK RX

三位:1号

四位:ストロンガー

五位:スカイライダー

 

RXと1号には情熱がカバーされているからカッコイイ!特にPS2ソフト『正義の系譜』のラスボス撃破後に言ったこの台詞、

 

「いや、いつかまた必ず会えるさ・・・」

 

の一言には惚れます。1号も悪くは無いんですけどねぇ・・・能力が少し欲しいくらいです(無理だろw

だが、そんな情熱は幻想郷にいる彼らにもあります!

次回をお楽しみに!

説明
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。あまりなれない方は戻るボタンを押してください。
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仮面ライダー ガタック ルーミア 東方PROJECT 

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