恋姫無双 3人の誓い 第二十三話「広がる悪」 |
蒼介と一緒に龍玄さん下で修行を始めて、一週間が経ったが、心体共にボロボロの状態だった。
その理由はもちろん修行の内容にある。
朝日が昇る頃に起き、まず始めるのが朝昼晩の食料調達。この修行では自給自足が基本になってくるが、これがまた難しいのなんの、ウサギ一匹捕まえるのにも苦労する始末だ。この前なんて、知らずに食ったキノコで腹に激痛が走って、一時間くらいは悶え続けていた。
食料調達が終わると、取った食材?でドキドキの朝食タイム。失敗する確率はこの一週間で五割近いという、野球選手顔負けの確率だ。
朝食が終わると次は本格的な修行に移るが、これがまたひどいものだ。鉄の錘を足に付けて、五台山の周辺を走り、そして真剣の素振り三千回を必死でやり終わる頃で午前の内容が終わる。
不安な昼食を食い終わると、午後からはひたすら龍玄さんを相手に地獄の組み手が始まる。
この前、春蘭と関羽が戦ったが、見てるより実際に戦ってみるとのではまるで違う。対峙する時の龍玄さんの怖さが尋常じゃないし、真剣ではなく木刀を使って戦っているが、俺達なんてすぐ吹き飛ばされ、生死の境を何度も行き来している。
そして夕食を食べると死んだように眠る。それの繰り返しだ。
本音を言わせてもらうと、
「「いっそのこと殺してくれ・・・」」
そんなくらいヤバイ状態だ。
「ん?どうした二人共。まだ日も暮れていないぞー、ほら、さっきよりも少し手加減してやるから♪」
「「あなた(あんた)のは手加減と言わない!」」
そんな眩しいくらいの笑顔で言われても、冗談にしか聞こえない・・・!
「まったく・・・修行してほしいと言ったのそっちだろ?強くなりたくないのか?」
「そ、それは強くなりたいですけど・・・素人の俺達にこれほどの厳しい修行は早すぎじゃないですか?」
「・・・お前達にそんな時間あるか?」
「うっ・・・な、ないですね・・・」
「そういうことだ。マトモにやるのに時間がないから、こんなやり方でやっているんだろ。」
・・・確かにそうだ。今こうして組み手をしてる間にも、貧困した村々があの黒装束の集団が襲われているかもしれない、なによりも飛鳥がどんな目に遭ってるのか・・・。
そんなことを考えているだけで胸の内が苦しくなってくる。
「・・・そうだな、一刀。こんなことで諦めてたら飛鳥を助けることなんて出来るわけないよな。」
蒼介も同じことを思ったんだろう。蒼介は膝を震わせながらも立ち上がり、木刀を龍玄さんの方へと構える。
「そう・・・だったな。俺達には時間がないんだ。挫ける暇も、悩んでる暇も・・・」
「その意気だ、青年達。さあ、死に物狂いで俺を打ち負かしてみろ!」
「はい!・・・うおおおおおおおおおおっ!」
「おう!・・・はああああああああああっ!」
そうだ。俺達には時間がないんだ。だからこそ必死になって、本気になって、強くならなくちゃいけないんだ・・・!
今日も二人の声が五台山に響き渡った。
一方その頃・・・。
暗い部屋の一室では、黒い影達がいつもの会議に集まっている。
「さて・・・現在の侵攻状況は?」
「はい。王湾と私で現在、西涼へと侵攻していますが、太守の馬騰の一族を筆頭に混戦状態が続いています。・・・ですが、数では私達が圧倒的に有利となっております、侵略するのも時間の問題かと・・・」
「そうですか・・・フフッ、これで大勢力の一つは落としましたね。・・・それであの二人の御使いの状況はどうです?」
不敵な笑みを浮かべながら環は、紅泉に問いかける。
「北郷一刀、天城蒼介に関しましては、未だに捕獲できずじまい・・・申し訳ありません。」
「なに・・・焦らなくてもいいですよ。いずれ時期がやってきますから。それに・・・」
話の途中で環が目をやった方向には、
「必ず彼らはこの人形を取り戻しにやってくるでしょう・・・そうでしょう?御使い殿。」
「・・・・・(コクッ)」
黒装束を着せられた飛鳥の姿があった。その瞳に感情の色はなく、ただ静かに佇んでいる。
「ハハハッ!見物ですな、闇に堕ちた友人の姿を見た彼らの顔が!」
環の冷酷な笑い声は暗い部屋の隅々に響き、周りの影達も同じように笑い出す。
悪魔がこの世に存在するとしたらきっとこのような者達を言うのだろう。
※どうもお米です。さて今回から修行編がスタートします。作中でも紹介されましたが龍玄の修行内容、普通に死ねますね。そして相変わらずの内容のまとまりのなさにため息がでますね・・・さて、次回は番外編をやりたいと考えております。お楽しみに。それでは失礼します〜。
説明 | ||
第二十三話目となります。最近はなにかと調子が良いせいか、妄想がよく働きます。この調子を継続していけたらと思っています。 | ||
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コメント | ||
>茶々さんコメント有り難うございます!一刀の場合、バケ〇ノというかケダ〇ノというか・・・ww(お米) むしろ午前中だけでよくあんな量をこなせる……くっ、天の御遣いはバケ○ノか!?(某赤い○星さん風)(茶々) |
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