おとなりの嵐さん 2話
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ここに越してきて早くも3日が過ぎた・・

引越しの荷物も全て整理し終わり、ダンボールも全てまとめた。

「あとは仕事を探すだけか・・」

朝のニュースを見ながら俺は重大なことに気付いた

 

「冷蔵庫・・何も入ってないや・・」

 

外へ行く準備をし、何を買うか考えながらドアを開けた。

あたりを見回し、自分のマンションの構造を改めて確認する

5階建て、1階ごとの部屋数は10個、結構でかい

俺は二階の3号室に住んでいる。

自分の部屋から見て右隣は嵐さんの部屋、そして左隣は空き部屋

他にも住んでいる人はいるらしいがまだ出会ったことはない。

俺は階段を降り、地図を片手に天道町の中心区を目指すことにした。

 

街中を歩く途中、俺は改めてこの町の在り方を再確認した

 

この町は実力によって全てが動いているのだ、と

 

大して美味くない飲食店は数日と経たずに潰れていく

成功を逃した新社は誰にも知られることなく倒産する

こんなのが日常茶飯事・・建物が取り壊され、そしてまた新しい建物が作られていく。

この町に住んでいる人たちは皆とり憑かれたように働いている、そうじゃないと生きていけないからだ

一般的に考えるなら異常だと思うかもしれない

だが俺にとってはこの町はとても居心地が良い気がする。

成功するためなら何事も躊躇わず行動できるこの町

「・・・俺の地元とは大違いだ。」

 

と物思いにふけっていたその時

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ど ん っ

背中に何かぶつかった

振り向いてよく見るとそこには買い物袋を腕に提げた女の子の顔が俺の背中にめりこんでいた。

「・・・大丈夫?」

とりあえず声をかけてみる

すると背中に顔をつけたまま

「ご・・ごめんなさい!余所見しちゃってて・・」

と、返事が来た

身長は160くらいだろうか、女の子は顔を赤らめて頭を下げた

(・・かわいい)

口に出しかけたがなんとか抑えた。

女の子はフラフラと俺から2歩3歩離れて頭を下げまくる

「ごめんなさい・・前見てなかったから・・」

「大丈夫だよ、頑丈にできてるから」

半泣きで謝り続ける女の子をなだめて

「荷物重いなら持つよ、どこに住んでる?」

と聞いた、すると女の子は何やら恥ずかしそうに顔を上げ

「え・・あ・・・マンション「花畑」です・・」

 

ゑ?

 

まさかの同居人だった。

「そうなんだ、俺もそこに住んでるから一緒に帰ろうか」

「ほ・・ほんとですか!?じゃあご一緒に・・」

なんだ、こんなかわいい子も同じマンションに住んでるんだな、ヤッホィ

と、心の中でガッツポーズをキメて、女の子の荷物を持ってあげることにした。

帰る途中、様々な話で盛り上がり、女の子の緊張も解け、楽しく話ができた。

(もしかしてフラグ立っちゃうかもしれないね)

とか下らない妄想をしながらも気が付けばマンションへ着いていた、階段を登る途中

名前を聞き忘れていたので今のうちにと思い聞いてみた

「そういや名前聞いてなかったね、俺は凡田 平一、君は・・」

女の子は笑顔で答えた

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「五十嵐 旋風(つむじ)です!」

 

・・・・・・・

 

「ゑ?」

五十嵐・・・?

 

改めて五十嵐旋風と名乗る女の子をまじまじと観察する。

見た目はかわいい女の子、しかし、しかし、目を凝らしてみると・・

 

旋風のように螺旋を描いた緑の髪の毛

 

隣人と同じ青い目、大人しさはあれど似ている雰囲気

 

まさか・・・本当に・・

 

動揺してる間に後ろから嵐さんの声が聞こえてきた。

「おー!つむじ!買い物ご苦労さん!!」

そこからの

「あ!、お兄ちゃん!!」

の兄妹発言

 

本 当 に 兄 弟 だ っ た

 

あんな変なテンションのお隣さんに妹が・・・

しかもこんな・・・

遺伝子の悪戯にこれほど驚愕したことはなかった。

 

どれだけショックだったのか自分は覚えていないが・・・

その後ぶっ倒れたらしく、気が付いたら自分の部屋で寝てた。

説明
越してきて数日が経ち、平一は買い物ついでに町を散歩しに行くことにする。買い物を済ませ帰る途中、平一はある人物と出会う。
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