十年前十年後 |
べつに特別な事もない、ただの天気が良いだけの日も全部憶えていられたらいいのに。
「何考えてるの?」
彼女の声に意識が現実に戻る。僕はあくびをかみ殺しながら答えた。
「んー。十年後に今日の事どのくらい憶えてるかなって」
「忘れてると思うよ」
「うん。試しに十年前の今日を思い出してみようとしたけどダメだった」
彼女は「やっぱりちょっと普通とちがうよね」と耳がくすぐったくなるような声で笑った。
その笑い声を聞いた僕は、やっぱり十年後もずっと今日を憶えていたいと思った。
説明 | ||
日常系短編。以前同人で出した短編の加筆です。ラブコメ | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
731 | 723 | 2 |
タグ | ||
オリジナル 短編小説 短編 掌編 ラブコメ 日常 創作 会話 恋愛 | ||
祝山さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |