真・恋姫†無双 月詠伝 第一話
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―――はやく・・・・はやく、あの人の元にいかなければ・・・・

 

月の光が木々の隙間から差し込む森を颯爽と駆ける者がいた

 

―――はやく、行かなければあの人が危ない!

 

その者はさらに駆ける速度を早めた。長年忘れることがなかった、自分の命を救ってくれた恩人が危機に陥っている事を知りいてもたってもいられずに走る、ただ走る!

 

―――今助けに行きます!・・・・・月様

 

 

 

 

 

兵士「ぐはぁーーー!!」

 

主を守ろうと立ち向かった兵士がまた殺された。

 

どうしてこんなことになったのか、近くの街を視察しそこの県令が不正をしている証拠掴んだまではよかった・・・・・だけど

 

月「どうして・・・・どうして、こんなことするのですか!」

 

二人の少女とそれを守ろうとする数人の兵士が立て込んだ小屋を囲むように多数の兵士が取り囲んでいた。二人の少女の内、儚く気品がある少女の名は董卓、真名は月。そして、その少女を背にして庇っているメガネを掛けた少女の名は賈駆、真名は詠。県令の不正を王朝に報告する途中、県令の奇襲に合い今の状態になっている

 

県令「そ、それは、き、きみが悪いんだ!ぼ、僕の邪魔をするから!」

 

取り囲んでいる兵士の中から丸く太った青年出てきた。この者が今回不正を行った県令である

 

詠「なにが邪魔をするからよ!悪いのはあんたじゃない!町の人から不正な税を徴収してそのお金いを使って出世しようとしている、そんなことが許されると思っているの!」

 

県令「だ、だまれ!僕は偉いんだ、だからなんだってできる、なんだって許される、そう、君たちを殺したって僕は許されるんだ!」

 

詠「狂ってるわねアンタ・・・」

 

県令「う、うるさい!お、お前たちさっさとこの子たちを殺せ!」

 

県兵「「「御意!!!」」」

 

県兵たちは月達を殺そうとジリジリと近づく。それを見て月たちを守っていた兵士たちが互いに顔を見合い頷く。

 

兵士「董卓様、賈駆様」

 

月「な、なんですか?」

 

兵士「俺達全員で手薄な所に突撃し穴をあけます。その穴からどうかお逃げ下さい」

 

月「そ、そんなことできません!皆さんを置いて行くなんて」

 

詠「・・・・・・」

 

兵士「俺たちのことは気にしないでください。主である貴女様を守れて死ねるなら本望。しかし、貴女様を守れずに死んでしまったら、俺たちは死んでも死にきれません」

 

月「でも・・・」

 

詠「おねがい・・・・できるかしら?」

 

月「詠ちゃん!!」

 

兵士「御意です。必ずや貴女様達を逃がしてみせます。賈駆様も董卓様のことよろしくおねがいします」

 

詠「わかっているわ、命に代えても月は守るわ」

 

月「詠ちゃん・・・・どうして?」

 

詠「月、今はこれしか方法がないの此処は堪えて頂戴・・・・」

 

月「そんなことできない!詠ちゃんは皆が死んでもいいの!」

 

詠「いいわけないじゃない!!」

 

月「!?」

 

月が詠の両腕に掴み揺さぶって問いかけると詠は顔を俯かせ悲痛の思いを叫ぶ

 

詠「私だって彼らが生き残れる方法を考えてたわ。でも、これが一番月を逃がせる方法なの、月はこんなところで死なせるわけにはいかないの!!」

 

月「詠ちゃん・・・・・・ごめんなさい・・・・」

 

詠「いいの、月は悪くない。悪いのはこんな事態を予想してなかった僕が悪いの」

 

月「ううん、詠ちゃんは頑張ったよ。あの県令さんの不正を暴いたのも詠ちゃんのおかげなんだよ。自分を責めないで」

 

詠「月、うぅ・・・ゆえ〜〜〜〜」

 

詠は涙を流しながら月に抱きつく、月は詠を優しく抱きしめ頭を撫でる

 

兵士「賈駆様守りの薄い箇所が見つかりました」

 

詠「グスッ、わ、わかったわ。月準備はいい?」

 

月「うん、詠ちゃん」

 

月は詠に答えると小屋に中にいる兵士たちの正面に立つ

 

月「皆さん・・・すみませんでした!」

 

月は深く頭を下げ兵士に謝罪する

 

月「私が不甲斐ないばかりにこのような事になってしまい皆さんを助ける事ができなくて本当にごめんなさい」

 

下げた顔からポタポタと涙が床に落ちる。そして、頭を上げた月の顔は涙を流しながら優しい…優しい笑顔で兵士のお礼を言った

 

月「そして、私達を守ってくれてありがとうございます。皆さんのことは絶対に忘れません」

 

兵士たちは一様に顔を赤くし月に見惚れてしまった

 

兵士「も、勿体なきお言葉です///// ////」

 

兵士「俺たちは貴方様を守るそのためにここまで付いてきました//// ////」

 

兵士「貴方様を守れて我らは光栄です//// ////」

 

月「皆さん・・・・・ありがとうございます」

 

兵士「では、賈駆様俺たちが道を開きますので」

 

詠「わかったは・・・・・頼んだわよ」

 

兵士「「「「御意」」」」

 

兵士たちは小屋のドアを開き外に出て行く。月と詠はその後ろ姿を涙を溜めた目で見送る

 

 

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県令「ん?な、なんだ!お、お前らは?」

 

小屋から出てきた兵士たちは小屋の前で仁王立ちし県令たちを見据える

 

兵士「おい!このクソ太守!!」

 

県令「く、クソ太守だって!?」

 

兵士「そうだ!お前みたいな奴に董卓様を殺らせはしない!!」

 

兵士「お前など我らが蹴散らしてくれる!!」

 

兵士たちは剣や槍を構える

 

県令「ひ、人が黙って聞いていれば〜、殺して!そいつらを殺してよ!!」

 

県兵「「「おおぉぉぉ〜〜〜〜!!!」」」

 

県兵たちが小屋に向かい襲いかかる

 

兵士「まったく・・・なんでこんなことになったんだろうなぁ」

 

兵士「後悔しているか?」

 

兵士「まさか、あんな少女の姿を見せられたら後悔なんてするかよ」

 

兵士「俺はあの笑顔を見たときに萌死にしそうだった」

 

兵士「萌ってなんだ?まぁ、死ぬんなら道開けてから死ねよ。開けなかったらお前の死体を盾にして突っ込むからな!」

 

兵士「ヒドッ!!」

 

兵士「酷くない!お前も俺が死んだら盾にしろ!いいな!!」

 

兵士「お、おう!!」

 

兵士「さぁ、無駄グチもそれまでだ。それじゃ、いくぞ!!」

 

兵士「「「「「応!!」」」」」

 

ガキィンッ!!

 

ザシュッ!!

 

ドガァッ!!

 

シュッ!!

 

ドスッ!!

 

兵士たちは包囲が薄い右側に突撃する。敵の攻撃をかわし切り捨て邪魔にならないように蹴り飛ばすその間にも中間は腕を切られ矢を撃たれ次々と倒れて行きながらも敵の包囲陣に穴を開ける。

 

 

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兵士「董卓様!賈駆様!今です!」

 

兵士が小屋に向かい叫ぶと小屋から月と詠が飛び出し、兵士たちが開けた穴に向かい走る。

兵士たちは月達に敵を近付かせないように五体満足にない体で敵を押さえこむ。

 

県兵「この死にぞこないが!!」

 

兵士「へへ、もう死ぬんだからお前らなんか怖くもなんともないんだよ!!」

 

兵士「董卓様には触れさせゴハァッ!!」

 

ザシュッ!!

 

兵士「ここは絶対に通さねぇ!!」

 

ドスッ!!

 

月「皆さん・・・・・ありがとうございます」

 

月達は涙を流しながら兵士たちの間を走り抜け森の中へと入っていく

 

県令「お、追って!ぜ、絶対に逃がしちゃだめだよ!!」

 

県兵「「「応!!」」」

 

県令たちは月達が逃げ込んだ森へと追いかけ、残ったのは勇敢にも立ち向かいその命を散らした兵士たちの屍が横たわっているだけとなった

 

 

 

 

 

 

 

県令たちが去ってまもなく一つの影が兵士たちの屍に近づいてきた

 

―――少し遅かったかクソ!!あの人は・・・月様は無事か

 

影は辺りを見渡すも人の気配を感じない。念のため小屋の中を調べようと小屋に近づこうとすると横たわっていた屍が微かに動いた

 

―――こいつ、まだ生きているのか

 

影は息をしている兵士に近づく。兵士も何かが近づいてくる気配を感じ目を開けるも意識が朦朧としており目が霞んでしまう

 

兵士「ク・・・・ソ・・・・目が・・・見えない・・・・お、おい!・・・そこのアンタ!!」

 

兵士は最期の力を振り絞り誰だかわからない者に話しかける

 

兵士「た、頼みがある・・・・お、俺達の主を・・・董卓様を助けてくれ!!」

 

―――なに!?董卓様?コイツ月様の兵士か

 

兵士「あ、あの方は・・・俺達の希望な・・・んだ・・・」

 

兵士は片方しかない腕を上げ森を差す

 

兵士「董卓様は森にいる・・・・た、たの・・・・む・・・・」

 

兵士の腕は力を無くし地面に落ち兵士は伝えたい事を伝え息を引き取った

 

―――月様は森に・・・

 

「きゃあぁぁぁぁ〜〜〜〜」

 

森の奥から少女の悲鳴が聞こえた

 

―――今のは、まさか!?

 

影は森の奥を目指し走り出す

 

 

 

 

 

 

月「詠ちゃん!しっかりして詠ちゃん!!」

 

詠「ぐっ・・・・」

 

月達は崖を背に県令達に囲まれていた。詠の腕からは血が流れ出ており、詠は腕を押さえ痛みを堪えていた。月はそんな詠を抱き県令達から庇おうとする

 

県令「も、もう逃げられないよ」

 

月「もう、もうやめて下さい!私はどうなってもいいです!!だから、詠ちゃんだけは助けてください!」

 

県令「だ、駄目だよ。ふ、二人とも殺せってあの人が言ってた。そうしないと僕がおこられちゃうんだ!」

 

月「そんな・・・そんなのって・・・」

 

詠「ゆ、月・・・」

 

月「詠ちゃん!」

 

詠「ぼ、僕を置いて・・・逃げ・・・」

 

月「嫌だよ!詠ちゃんを置いて行くなんて、詠ちゃんが置いて行くくらいなら私はあの人たちと戦う!」

 

月は懐に入れてあった短刀を出し県令達に向ける。しかし、その手は恐怖によりガタガタと震えていた

 

県令「は、ははは。そ、そんな弱腰で構えても、こ、怖くないよ!」

 

月「うぅ、そ、それでも私は・・・」

 

詠「ゆ、月・・・・」

 

県令「も、もういいよね。こ、殺しちゃっても、いいよね!み、みんな殺しちゃって!!」

 

県兵「「「応!!」」」

 

県兵たちは一斉に月達襲いかかる

 

月「詠ちゃん!!」

 

詠「月!!」

 

二人は死を覚悟した。二人は互いに抱きしめ合いくるであろう痛みを待つ

 

しかし、いくら待っても痛みは来ない自分達はもう死んでしまったのか、それにしては何も感じなかったと変に思い。月は恐る恐るつぶっていた瞳を開けた。すると、その瞳に映ったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「大きいな・・・・犬さん?」

 

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あとがき

 

こんばんわ、どうだったでしょうか。初めての作品なのでうまく書けたのか不安で仕方がありません。皆さんにこの物語がうまく伝われば恐縮です。

 

私は恋姫の中で一番好きなのが月でした。心優しいのに他の諸侯に攻められて本当に可哀想だとおもいました。後、華雄さんも大好きです!あの人こそ真に幸せになってほしい人です。今度出る萌将伝で華雄さんが出なかったり酷い扱いを受けたら抗議の電話を掛けたいと思います。

この物語はそんな董卓軍がメインの作品です。よかったらコメントなどしてもらえたら嬉しいです。

 

 

 

 

 

説明
はじめまして
恋姫が大好きな者です。今回初めての投稿になりますが気に入ってもらえたら恐縮です。
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コメント
一刀様ありがとうございます。そうですね、まぁ設定としてはこっちはオリキャラなのですが(ゆきな)
ZERO様ありがとうごございます。まぁ、本当は犬じゃなく狼なのですが月が見間違えて犬だと言っただけです(ゆきな)
こっちも狼ww私の作品と一緒ですね>ω<(空良)
人と思いきや犬ですか。これからどうなるかがたのしみです。(ZERO&ファルサ)
sink6 様ありがとうございます。はい、狼です。次回を楽しみにしていてください(ゆきな)
カズト様ありがとうございます。その反応見たさに書きました(ゆきな)
月が大きな犬って言ったってことは狼・・・かな?次回が楽しみッス(sink6)
おっと?大きな犬っすかwww予想GAIですwww(スーシャン)
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