I know... 4 |
『或る仕組まれた、四人の子供の最後の話』
Frolian
四番目の少年は、消えるはずだった。
そんな命を救ったのは、哀れにもたび重なった偶然だった。
望まれずに、生きてしまった少年。表面が優しいだけで、彼を疎む人たち。それはまるで、冷たく、何もない部屋に閉じ込められたかのように。
少年は、何も知らなかった。自分が何なのかさえも。でも、何も知らなくても判っていた彼は、どれだけ疎まれていても、笑っていた。
まるで、世界の全てを愛しているかのように。
ただ彼は嬉しかったのだ。唯一じゃないこの命に、名前をくれたことが。この先が平坦な道では無い事が判っていても、それでも嬉しかったのだ。自分が、唯一になったことが。
だからきっと、彼は今も笑っているだろう。茴芹のように暖かく、新雪のように静かに。
自分を唯一にしてくれた人を、愛しているのだろう。
Next→あとがき
後書きと言う名の反省だったりするかも知れない物。
短編のはずだった。最初は原稿用紙二枚分だった。
しかもほとんど漢字変換なしの。
この詩は一二月三〇日に書き始めたのですが、
小説の資料探しのために花言葉を見ていたところ、
今日の花言葉は
茴芹(アニス)=活力、
藪(やぶ)柑子(こうじ)=ふくよかな愛 明日 幸福、
蝋梅(ろうばい)=慈愛心、
葉牡丹(はぼたん)=慈愛。
という、創作意欲を湧かせるには十分な内容だったから、つい… ←言い訳
何が一番幸せなのかなぁ…って思って書いてみたのですが、
皆さんは誰が一番幸せだったと思いますか?
祝福された命? 大切な人を守った命? 人生に勝った命?
全てから疎まれながらも、生きた命?
私は、生きる事だけが全てじゃないと思います。
でも、死んで善いとは思いませんけど。
長さはどうであれ産まれたんだし、生きるだけなら誰でもできるんじゃないのかな?
もしそうなら大切なのは死に怯えるんじゃなくて、死を受け止めて、
そのうえで受け入れるまえに、何をするか、じゃないのかな。
私は変人だから判らないけど。
まぁ、とりあえず、彼らに、各々にとっての幸せが在った事を願って、
此処で一旦終わりたいと思います。
このお話が、貴方の心のどこかに引っかかることをひそかに願って。
一月七日
説明 | ||
TOA 第四弾。 今回は新雪っぽく。 生きている事が幸せなのか 守る事が幸せなのか 勝つことが幸せなのか 幸せを知るのは何時なのか 万人のそれを知る術を 貴方は知っていますか? |
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