東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第14話 |
井上「もうそろそろ出口か・・・」
井上は三月精と別れて森から出ようとしていたところだった。薄暗い闇に光が差し込んでおり、井上はビートチェイサーを走らせるが、突然と井上を誘うようなあるも光景を目の当たりにした。
一軒の建物を発見したのである。
少し気になり、そこまで行ってみるとそこは店のようで、看板には三文字の字が書かれていた。
井上「・・・こうりんどう・・・?」
変わった店だと思う井上は、中へ入ってみることにしようと入り口に向かう。すると面に本を読んでいる女の子がいて、井上は女の子に話しかけてみる。
井上「君、ちょっといいかな?」
少女「!」
井上に気づくと一目散に中へと入っていった。脅かしたつもりではないと思っていると、扉からさっきの女の子が別の女の子を連れて出てくる。
少女2「わっ、外からのお客さんを見るの久しぶりです!」
井上「???」
何か分かりづらいことで首を傾げる井上。すると今度は男性が出てくる。
男性「いらっしゃい。ここでは見かけない人だけど、外の人かな?」
井上「ああ、そうだが・・・」
男性「やっぱりね。とりあえず入ってよ」
井上は彼らに釣られて中へ入る。そこには懐かしい雰囲気を感じる品物がずらりと並んでいた。
井上「ここは古道具屋か」
男性「そう、ここでは外の世界の道具がまれに入ってきたりもするんだ。君はなにか懐かしさを感じてるみたいだけど、思い出でもあるのかい?」
井上「ええ。娘達と一緒に駄菓子屋に寄ったことがあるんです。ここは駄菓子屋じゃないけど、凄く懐かしいんです」
男性「娘さんかぁ・・・この子達みたいに若いのかい?」
そう言って男性の横にいるのは、先程の2人だった。
井上「う〜ん・・・若いというより幼い娘さ。三つ子の娘でね」
男性「そうか。ところで君の名前、まだ聞いてないよね?」
井上「俺か?俺は井上 隆次郎。スーツアクターをしている」
大したことではないが、井上が仮面ライダークウガだということは本人には内緒にする。
男性「井上か・・・僕はこの店の店主、森近 霖之助(もりちか りんのすけ)。普段は香林って呼ばれているからそれでいいよ。そしてこの2人は僕と一緒に生活している・・・」
少女2「平国風鈴(ひらぐに ふうりん)です!井上さんと同じ外の世界から来て、霖之助さんの店で世話になってます!それでこの人は妖怪の朱鷺子(ときこ)さんです!」
少女1「・・・よろしく・・・」
朱鷺子は本を抱きかかえながらお辞儀をする。
井上「・・・香林、品物を見て回ってもいいか?」
香林「いいよ。いい物をそろえているから見ていってよ」
早速見て回ると、古道具屋だけに昔懐かしい遊び道具(メンコやベーゴマ)や、幻となったレアな玩具等が並んでいる。
井上「ほぉ、悪くない物ばかりだな・・・ん?」
品物を見て回ろうとする井上だが、突然耳に聞きなれない音が飛び込んでくる。
キィィィィン・・・と不気味さが漂うが、ふと香林は真剣な顔に変わって奥の部屋へと入っていく。
井上「香林、どうかしたのか?」
香林「ごめんね、少し用事が出来たから続けて見ていってよ」
そう言って香林は自分の部屋にある鏡の前に立つ。ポケットからカードデッキを取り出して前へ翳すと、香林に異名な形をしたVバックルが巻かれた。
香林「変身!」
カードデッキをセットすると黒いライダー、オルタナティブ・ゼロに変身し、香林はミラーワールドへと入っていく。一方で井上はあれこれ見て回るのだが、心の中でどうしても気になってしまう。
井上(やっぱり聞き捨てならない。あの顔は何か隠し事が・・・)
風鈴「井上さん」
すると風鈴が井上に話しかけてきた。
風鈴「どうせなら武器でも買いませんか?」
井上「武器?」
突然と口から出てきた言葉、それは狩りに使う武器だ。
風鈴「妖怪と戦うなら、武器があれば楽になると思いますよ。この剣とかもいいですよ?」
そう言って剣を差し出す風鈴。少々井上は困り気味になり、風鈴に言った。
井上「君、銃刀法違反ってことは分かるよね?」
風鈴「確かにそうですけど、幻想郷には法律は無いんですよ?ですから私だってほら!」
彼女は懐から愛用の剣を抜く。当然本物である。
井上「・・・悪いけどいいよ。それに俺には武器なんて必要ないからな」
風鈴「何でですか?」
井上「それは・・・秘密さ」
やはり正体を暴くわけにはいかないと隠すことにした。すると井上の耳にまたあの音が聞こえてくる。
井上(何なんだあの音は・・・やっぱり何かが「邪魔するぜ」)
考える井上の前に外から誰かが入ってきた。今度は小さいカメラを吊るした青年である。
風鈴「あ、またお客さんだ!いらっしゃいませ!」
ニコッと笑顔で迎える風鈴だが青年はスルーそのまま通り過ぎ、店内を見渡す。
それと同時に青年はカメラを持ち、彼は撮影を始めた。店の雰囲気を一枚撮ると、次ぎに本を呼んでいる朱鷺子にカメラを向けて撮影・・・しようとしたその時に風鈴が横から飛び込んでくる。
青年「! 撮れないから少しどいてろ。それとも、撮ってほしいのか?」
風鈴「はい!出来るなら可愛くお願いします!」
さぞかし嬉しそうにしている風鈴を見て青年は受け入れると、カメラのピントを調節しつつ写真を撮っていく。
井上(随分と陽気な女の子ってことか・・・それよりも、さっきの音は一体なんだったんだろうか?)
奇妙な音は既に消えている。これは1つの空耳か、はたまた自分が寝ぼけているのか・・・井上には理解できないことだった。
井上「・・・さて、俺はそろそろ帰らせてもらうよ。この先に里があるって聞いたから、今そこへ向かっているんだ」
風鈴「え?でも、もうすぐ昼ご飯にするつもりだから食べていってもいいのに・・・」
状況を分かっているかのような言葉を聞いて、井上は時計を見た。確かに正午を過ぎていて、もう昼ご飯を食べている人はいるだろう。
井上「それでもいいんだ。じゃあ、これで・・・」
そう言って井上は立ち去ろうとする。その時、
青年「ちょっと待ちな」
突然、青年が井上を止める。
井上「・・・俺に何か用か?」
青年「まぁな、俺がここへ来たときにあったバイクがどうも気になった。お前、仮面ライダーだろ」
青年は井上に近づいて言う。
青年「仮面ライダークウガ。未確認生命体、グロンギを相手に戦う古代の戦士。それでもって、物質を自らの武器にすることができる」
井上「なっ!?何故その事を!」
青年が口にしたのは全て、クウガの特徴のことだ。誰も知らない筈の人間が知るのはこの世にはいないだろう・・・だが、彼はそれを打ち破った。青年は真実を見つめる目で井上を見る。
風鈴「あ、あの・・・どういうことなんですか?井上さんが、その・・・仮面ライダーって・・・」
青年「お前じゃ知らないだろうけど、こいつはただの人間じゃない。アマダムの力を得た戦士、クウガさ」
井上「・・・君は一体・・・?」
彼もまた、その目で青年を見る。すると青年はこう言った。
青年「門矢 士(かどや つかさ)、通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」
通りすがり・・・その言葉に彼も同じ別の世界の人だと感じた井上だが、突如耳にあの音が鳴り響く。
井上「! またあの音・・・ !?」
井上が後ろを見たときに身をかがめた。すると出入り口の窓ガラスから何かの足が出現し、そしてまた窓ガラスの中へと消えていった。見ていた風鈴はひゃあっと枯れた声をあげてしまう。
井上「な、何だ今のは!?何故窓ガラスから・・・!!」
士「なるほど、大体解った」
その中で何事も動じていなかった士はその窓ガラスの前に立つ。
井上「解ったって・・・何が解ったんだ?」
士「奴の正体さ。お前が今見たのは、ミラーモンスターっていう鏡の中に住む怪物だ」
井上「鏡だと?」
士「ああ。そいつは人間を捕食するために隙を突いて鏡の中へ引きずりこんでいる。無論、生身のままで鏡の中へ入ると死んでしまう」
井上「そんな・・・じゃあ、どうすれば!?」
士「簡単なことだ。変身して鏡の中、ミラーワールドへ行く」
そう言って士はアイテムを取り出し、腰にあてると同時にベルトで巻かれた。左腰にはケースがありそこから一枚のカードを取り出す。
士「変身!」
≪KAMENRIDE DECADE≫
カードを機械に入れた瞬間、9人のライダークレストが出現して士を包み、マゼンダの戦士へと姿を変える。
井上「それがお前の姿・・・」
士「まぁな。だがこれを見て腰を抜かすなよ」
≪KAMENRIDE RYUKI≫
またカードを入れると、赤い龍の姿「仮面ライダー龍騎」へと変わる。
風鈴「わっ!姿が変わった!」
そのまま士が一歩前へ進むんだ瞬間に窓ガラスの中へと吸い込まれ、香林堂の外へと出てくる。するとそこには、先程襲ったミラーモンスターの正体である「ディスパイダー」とオルタナティブ・ゼロに変身している香林が戦闘している様子があるではないか。
士「少しは手伝うのもなんだが、さっさと片をつけてやるか」
≪FINAL ATTACKRIDE,RY.RY.RY.RYUKI≫
同時にドラグレッダーが出現し士は空中へとジャンプしつつ構えを取った。後ろへ回っていたドラグレッダーは口からエネルギーを放出し、士をディスパイダーへ急加速させる。
士「てやあああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
必殺であるドラゴンライダーキックは、ティスパイダーを5メートルほどぶっ飛ばして爆破させるほどの技だった。それとは別で、直撃した瞬間で目の当たりにした香林は何起きたのかに驚く。
香林「あれは・・・」
彼の前に立つのは当然、士が変身している仮面ライダーだ。するとこちらに気づいていたのか、士は香林のほうへと向く。
香林「何なんだ君は・・・まさか、ライダーバトルの参加者なのかい?」
士「生憎それには興味ない。ただあいつが邪魔だっただけだ」
香林「参加者ではない・・・じゃあ君は一体・・・?」
士「ただの通りすがりだ。ここではなんだか外に出るぞ」
そう言って士と香林は出口へ出ると、井上達が2人の様子を伺っていた。
井上「香林!君、何でガラスから出てきたんだ!?」
士「ミラーワールドから出てきたんだ。どうやらこいつがここの店主みたいだな?」
店主だと理解した士は再び香林に顔を向ける。
士「いろいろと教えて欲しいことがある。ここは何処なのかを詳しくな」
香林「・・・ああ、分かったよ・・・」
店主説明中・・・
士「・・・なるほど、大体解った。ここは現実の裏世界ってわけだな?」
井上は既に三月精から幻想郷のことを教えてもらっているので関係は無いが、香林が言っていることは非常に詳しいことだった。この世界ではさらに常識のルールが無いこと、つまりは非常識な世界だということ。それを知った井上や士にも納得いく価値がある。
士「俺もいろんな世界を回っているが、俺が最初にここへ来たときには響鬼の世界かと思ってた」
風鈴「響鬼の世界?」
その言葉に質問をしたのは風鈴だ。士はぺらぺらと話す。
士「その世界には、ここにいる妖怪とは違った魔化魍や鬼が存在している。なんでも、音の力を使って戦う鬼だからな」
香林「そんな世界が・・・それよりも、妖怪は別の世界でもいるなんて!」
士「まぁ俺が見た事実だし、この世界でも鬼がいるみたいだな」
香林「うん。だけどいるのは2人だけで、1人はよく神社にいるんだよ。けど、君は仲間とはぐれちゃったんだよね?」
井上「一人だけ別世界に飛ばされたのなら、会うことは無理じゃないのか?」
確かにそうだ。別世界なんて人の力で渡れるわけがないが、士には考えがあった。
士「俺達はそれぞれの世界を写真館で移動しながら旅している。もしここへ写真館が来ているのなら、仲間と会うことは可能だ」
香林「というと?」
士「いわば運次第。村とかがあればその場所にあるだろうし・・・そこまでどう行くかってのも知っているのか?」
香林「この森を出てすぐに、人里があるよ。もし見つからないというのなら、上白沢 慧音(かみしらざわ けいね)っていう人に会ってみてよ。それなら分かるはずだよ」
それなら話は早いと、士は面に出ようとする。
井上「士君!」
その時井上が彼を止めた。
井上「君は、どうして世界を旅したりしているんだ?」
士「・・・俺の世界を探すためさ。でももう見つけたんだけど、もう少し旅を続けるのも悪くない。自分の出来心だ」
井上「そうか・・・この世界でも、いい思い出がなればいいな」
士は自分の世界を探すために旅をしていた。クウガ、キバ、龍騎、ブレイド、ファイズ、アギト、電王、カブト、響鬼・・・9つの世界と新しい世界を長くわたって旅をし、そしてついに見つけた彼の世界・・・だが彼には分かっていた事実がある。世界は無限に存在する。そのために士達は旅をしているのだ。
士「お前もこれからどうするかは知らんが、機会があったらまた会おう」
鼻で笑うようにして士は外へと出て行く。
が、その時だった。
?「光秘伝、笑いのツボ!」
ブスッ!
士「くっ!?・・・ぷっ、あははははっははっ!!ナ、ナツミカン!!なんで、あはは、お前が、こんなとこに、いるんだ!?あはははははははっ!!」
不意に笑い出す士に一同は驚く。なにしろその場には彼女、光 夏美の姿があるからだ。
ついにディケイドがやってきたということで第14話の完成です。
自分は東方プロジェクトを知り続けているうちに、男1人もいないのかなぁと悩むことがあったのですが、香林のことを聞いてひと安心しました。(女だけの世界って良いようでなんか怖いような気がして・・・
しかしあんな若い彼が現代入りとかでもするのならきっと女性には人気があるのかもしれないですね。褌一丁を覗けばなんですけど・・・でもあのかっこよさといい、まさに大学生(?)見たいな彼に感動します!
【ライダーデータ】
◇オルタナティブ・ゼロ
登場作品:仮面ライダー龍騎
備考:香林堂の店主、森近 霖之助が変身するライダー。
オルタナティブ・ゼロとは龍騎などのライダーとは違った擬似ライダー、オルタナティブのプロトタイプモデルで、その戦闘能力は本物のライダーを凌ぐ程とされている。
契約モンスターは蟋蟀型モンスターのサイコローグ。目からミサイル弾を放つだけではなく、バイクモードに変形して香林を載せるとこもある。
必殺技はサイコローダーに搭乗し、コマのように高速回転しながら相手目掛けて突っ込んでいく「デッドエンド」。
◇仮面ライダーディケイド
登場作品:仮面ライダーディケイド
備考:世界の破壊者とも呼ばれている青年、門矢 士の変身するライダー。
ライドブッカーからそれぞれの世界に存在するライダーカードをディケイドライバーに装填すことでその力を発揮し、あらゆる戦いで有意に戦えることができる。
さらにディケイドには仮面ライダーを武器化(ファイナルフォームライド)に変身させることが可能で、彼曰く「ちょっとくすぐったいぞ?」との一言でライダーを変形させる。
必殺技は自分と標的との間に現れる複数のホログラムカードを通過することで、それらのエネルギーを自身に集中させて放つ飛び蹴りする「ディメンションキック」。
説明 | ||
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。こういった二次作品にあまり慣れない方は戻るボタンを押してください。 ※ディケイドの戦闘で『Decade』をBGMとしていただければかなり盛り上がります。 曲は↓からどうぞ http://www.youtube.com/watch?v=1iflEKi6dxc&feature=related |
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コメント | ||
自分の設定だけ詳しく書いて俺マンセーしてる暇が有ったらゲストの設定ちゃんと守れ五流作者が(ko-rin) 風鈴さんの苗字は「ひらぐに」ではなく「ことむけ」。香林や朱鷺子は呼び捨てだし、どんだけクロス先の原作レイプしてんだよお前、馬鹿じゃねえの?(ko-rin) |
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