飛天の御使い〜第九幕〜
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はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

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星side

 

公孫賛の陣を後にした星は、袁紹の陣へと来ていた。

 

「やっぱり様子がおかしいな・・・・。」

 

そう言葉を漏らしたのは、連合の陣の中にあって袁紹の陣だけ異様なまでに警備する兵が多いというところだ。連合の総大将ともなればそうなのかもしれないが、他の諸侯の陣と比べてもずば抜けている。その陣の中で、袁紹たちがいるであろう大天幕とは別に不自然なほど多くの警備兵をつけている天幕を見つけた。

 

「ここが怪しいな。」

 

星は、天幕の入り口ではない裏側に回りこんで中の様子を覗いてみた。

 

(!!朱里っ。)

 

そこには、天幕の柱にグルグル巻きに縛られた朱里の姿が見えた。すかさず警備の兵の死角から天幕へ忍び込み朱里に近付く。

 

「・・・朱里、大丈・・・ぶ・・・・か・」

 

そう発した声は尻窄みになって立ち消える。そこには痛々しい青アザが顔のいたるところに見受けられる。手や足にも同様のアザと剣で切りつけられたのか切り傷が見えた。

 

(これではまるで捕虜のような扱いではないか。同じ同盟で戦おうとしている者に対してやることではない。)

 

星は朱里のこの姿に、暴行したであろう袁紹たちへの怒りを漲らせた。しかし、ここは袁紹の陣。とりあえずは朱里を保護してそうそう立ち去らねば・・・・。そう考え、縛られている朱里の縄を切り拘束を解いた。

 

だが、

 

「星さん、危ない!」

 

「!!!っ」

 

ザシュッ

 

その瞬間、斬撃が星の背後から襲った。虚をつかれたのかまるっきり回避することも出来ず、背中を斬られてしまう。

 

「・・くっ・・・・・。」

 

とっさに朱里を抱え反転し、敵に目をやる。

 

(気配が全くなかった。注意はしていたはずなのに・・・・。思ったより傷が深いな。今戦ってもこちらが不利なだけ。今は・・・)

 

「朱里、とりあえずこの場は逃げるぞ。しっかりつかまっておけ。」

 

そういうと朱里を抱えて天幕を後にする。

 

(とりあえずは伯珪殿のところまで、・・・・・・もってくれ・・・)

 

必死の思いで公孫賛の陣を目指す。

 

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公孫賛side

 

洛陽へ放っていた斥候が戻ってきたのは、愛紗たちが洛陽へ向けて出陣してから3日後のことだった。

 

伝えられた内容は

 

『一刃・関羽・張飛率いる北郷軍7千が戦いを挑み敗北』

 

という内容だった。あの面子がそろって半日たらずで敗北。その事実にも驚いたが、それよりも驚いたのは、その軍勢を相手にしたのは北郷殿ただ一人だったということだ。あの華雄を瞬殺した一刃、飛将軍呂布・神速の張遼相手に互角の戦いを演じた愛紗や鈴々、そして精鋭を極める北郷軍7千を相手にして、たった一人でしかも半日もかけずに殲滅したのだ。もし洛陽に布陣している北郷殿たちの軍が連合本体に攻めてこようものなら間違いなく敗北は免れないだろう。いくら数において有利であっても、その数の利を一人ではじき返した北郷殿ならきっとたやすくこなしてしまうに違いない。そうなると、星の言っていたように連合離脱の準備もしておいたほうがいいだろうなぁ、と考えていると天幕の外から大きな声が聞こえてくる。

 

「ぱ、白蓮様。大変ですぅ。」

 

慌てて駆け込んできたのは、我が軍の唯一の将軍『関靖』だ。

 

「どうした、敵襲か?」

 

そう問うと関靖は

 

「いいえ、趙雲様が諸葛亮様を連れられて戻られました。ただ、・・・・・」

 

そう言葉を濁す関靖に、

 

「はっきり言わんと分からんぞ。」

 

というと関靖は

 

「はぁ、背中に傷を負われているらしく、陣に着いた途端倒れられまして。傷がかなり深いので衛生兵が軍医のところに連れて行って治療をさせておりますが、予断を許さない状況です。あと、諸葛亮様も全身にアザや傷などがありましたので併せて治療させております。」

 

関靖のその報告に驚いて思わず立ち上がって声を荒げた。

 

「星にそんな深い手傷を負わせたやつがいるのか?星は、袁紹のところを探るとかいってたから袁紹のところのやつか。だとすると文醜か顔良しかいないが、あいつらは朱里にそんなヒドイことをするような心根の奴らじゃないと思うんだが・・・。とりあえず袁紹のところへ言って話をしたほうがいいかもしれんな。」

 

そう呟き、天幕を出ようとしたところへ伝令兵が駆け込んでくる。

 

「申し上げます。洛陽方面より騎馬隊の姿を確認。数は200ですが、旗印に『馬』と金色の『十文字』。おそらく洛陽に布陣していたものと思われます。」

 

その報告に陣内は緊迫した雰囲気に包まれる。

 

(袁紹の所にいくのは後回しだな・・・)

 

「よし、相手が騎馬隊なら我々『白馬隊』が迎撃に向かう。直ちに出陣準備せよ。」

 

そう指示を放つと出撃のための準備にうつる。

 

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連盟軍side

 

「久しぶりだね、公孫賛殿。」

 

睨みあっている両軍の先頭には金色の十文字を掲げる北郷一刀と、公孫の旗を掲げる白蓮の

 

姿があった。

 

「『白蓮』でいい、といったはずだぞ北郷殿。」

 

そう拗ねる様な口調で白蓮は答える。

 

「ははっ、それは失礼。白蓮殿はてっきり連合を離脱したと思っていたのだけれど・・・・。趙雲殿にそちらにお伺いして忠告してもらうように言っていたんだけど、こなかったのかな?」

 

そういうと、

 

「あぁ、星ならちゃんと来たさ。ただ、その星のことでゴタついてたからまだ出来てなかったんだ。」

 

そういう白蓮の言葉に一刀は表情を変える。

 

「趙雲殿に何かあったのか?」

 

その問いに白蓮は、先までのことを一刀に話す。

 

「あぁ。袁紹につかまっていた朱里を星が救出したんだが、星が手傷を負ってな。それがかなりの重傷で、予断を許さない状況が続いている。朱里も体中にアザや傷を負っていて今一緒に手当てをしているところだ。」

 

その報告に一刀の表情はみるみる怒りに染まってゆく。が、口調は冷静なままで、

 

「袁紹がやったのか?」

 

そう短く問う。白蓮は

 

「それは分からない。だから袁紹の元に行って真相を確かめようとしたところで北郷殿襲来の報が入ったってわけだ。」

 

そう答えた。その答えを聞いて一刀は

 

「俺たちは戦をしにきたわけじゃない。洛陽での真相と報告のつもりで来ただけだ。だから出来れば連合の陣へ連れて行ってもらえると嬉しいんだけど・・・・。」

 

そう話す一刀に白蓮はそっと胸をなでおろした。

 

「そう言ってくれると助かるよ。正直、北郷殿を止めるなんて私には無理な話だしな。しかし、なんで愛紗たちは殲滅したんだ?こちらと戦う意志がないのなら愛紗たちとも戦わずとも良かったのではないか?」

 

そんな疑問をぶつけてくる白蓮に対して

 

「まだ連合離脱を決断していなかったバカ弟子に対するお仕置きのようなもんだ。それにその時は朱里が袁紹に人質にされていると知らなかったからな。素直に愛紗たちが口を割れば、もう少しは穏便に済ませたかもしれんのにな。」

 

そういうとクスクス笑う。そんな姿に白蓮は苦笑いを浮かべる。

 

「まぁ、とりあえず連合の陣へ案内するよ。私が袁紹たちに取り次いでやるから。」

 

「出来れば、他の諸侯の代表者にもご同席願いたい。重要な案件もあるしな。」

 

そういうと一刀たちは連合の陣へと向かった。

 

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連合・大天幕

 

天幕の中には、白蓮の呼びかけに応じて各諸侯の代表者が集まっていた。曹操は夏侯惇・夏侯淵・荀ケを、孫権は周瑜・甘寧・陸遜を、公孫賛は関靖を引き連れている。そして遅れて、袁紹・文醜・顔良が帯剣して天幕に入ってきた。その姿に一刀は怪訝な表情を浮かべたが、すぐに取り直し話に入る。

 

「俺は北郷。北郷軍の代表だ。そしてこちらが・・・・」

「儂は西涼の馬騰じゃ。」

「さて、みなさんに集まっていただいたのは他でもない。洛陽の都を舞台に行われた茶番劇の真相と、そこで起きた出来事の報告だ。まず聡明な諸侯の代表のみなさんはもうお気付きだとは思うが、洛陽で董卓の暴政は行われていない。そして、その洛陽では宦官の張譲が『帝暗殺』と『董卓への暴政の擦り付け』という謀略を行っていた。俺は、董卓配下の王允殿と協力をし、張譲の企みを阻止しようと西涼の馬騰殿と協力をして要請したのち張譲粛清を行った。残念なことに劉弁様は張譲の手によってすでに亡き者にされていた。しかし、その弟君である劉協様がその後を継ぎ帝となられた。その劉協様より、今回のことの報告もかねて会談したいと申し出があった。ということで洛陽へときていただきたいのだが・・・・・。」

 

そう話すと、各諸侯からはおおむね賛同の意を得ることが出来た。ただ一人、袁紹を除いては。

 

「あなたの話は分かりました。しかし、それが真実とは限りませんわ。そんな確証もない話に私が乗ると思いまして?」

 

そう突っぱねる袁紹を見ながら、一刀は首をかしげ曹操の方に視線を向けると

 

「曹操殿、さっきから気になったんだが総大将の袁紹殿はいらっしゃらないのか?」

 

そう尋ねる一刀に、曹操は不思議なものを見るような目で見つめ返し

 

「何を言っているの?あなたの目の前にいるじゃない?」

 

そう答える。すると一刀は孫権の方に視線を移し

 

「孫権殿、袁紹殿はどちらにおいでなのですかな?」

 

再びそう尋ねる。孫権は顔を引きつらせて

 

「何を言っている!目の前にいるといっておるではないか!」

 

そう一刀に怒鳴る。最後に公孫賛の方へ視線をやり

 

「もしかして白蓮殿も『袁紹は目の前にいる』って思ってる?」

 

そう問いかける一刀の言葉の意味が分からなかったのか首をかしげる白蓮。

 

「はぁ〜、そういうことか。」

 

そう呟く一刀に怒った袁紹が、

 

「さっきから何を言ってますの、あな・・・・・・・」

 

袁紹がそう言葉を発すると同時に一刀は、一瞬のうちに刀を抜き

 

袁紹・文醜・顔良の頸を跳ね飛ばした。

 

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「お前らが、劉弁殺害の黒幕だな!」

 

一刀の言葉が天幕中に響き渡った。

 

 

 

 

 

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あとがき

 

一刀と連合編です。

 

かなりの急展開になりそうな予感がします。

 

そして恋姫ワールドからどんどん離れて・・・・・、とならないように

 

しなければなりませんが。

 

表現力に磨きをかけたい今日この頃です。

 

拙い文章ではありますが、みなさんに

 

楽しんでもらえると嬉しいです。

 

説明
恋姫†無双の二次創作です。
一刀VS連合軍第二戦勃発ですかな。
あきらかにされていく真実にどう向かっていくのか・・・。
拙い未熟な表現力の文章ですが、
少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです。
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コメント
サイトさん それは次回分かりますよ。(eni_meel)
ああ!貴重な情報源が!っていってもこれってもしかして人形?(サイト)
ヒトヤさん それは次回で分かりますよ。(eni_meel)
この袁将偽者?(ヒトヤ)
2828  それは追々描かれる??はずです。(多分)(eni_meel)
本物どこいったw(2828)
アルトリアさん 原作の袁紹たちを思い浮かべながら読むと・・・・・。まぁ私の表現力はカスみたいなもんなので伏線のつもりが伏線になってないかも・・・・。(eni_meel)
はりまえさん そうですね。側近の二人の態度が不気味でしたから・・・・(eni_meel)
ずっと読んでたけどわからなかった。(neoken)
あれ!?偽もんだったの!?全く気付かなかった・・・・そういや一切後ろ二人喋らなかったもんな・・・・・(|□|)(黄昏☆ハリマエ)
ラガンさん 次は誰の終了のお知らせになるか・・・・・・。(eni_meel)
袁紹(偽)終了のお知らせww(ラガン)
投影さん あちらこちらに伏線を出してあったんでバレバレの展開でしょうけれども・・・・・。(eni_meel)
あっさり斬首。あまりにアッサリしすぎてどうなるか不気味です。袁紹たちが偽者なんて展開も?次の更新がんばってください。(投影)
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