飛天の御使い〜第拾壱幕〜
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はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

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一刃side

 

「貴方は・・・・本当に・・・降らせるのですね、・・・・・・・・血の雨を・・・・」

 

目の前に居る女性が小さい声で発したその言葉は俺の心を貫いた。その言葉の意味に呆然とし思わず持っていた刀を落としてしまった。その女性の瞳には、何の感情も感じられなかった。そして、その瞳に何もかも見透かされたような気持ちになった。

 

(分かっていた事だ。でも俺はその事実を見ないようにしていたのかもしれない。)

 

そう考えていると、その女性は近付いてきて左頬の傷を触ってきた。その傷口からは血が流れていた。女性はその傷をなぞる様にして流れている血で指を染めた。その瞬間、フッと力が抜けたのか突然倒れたので慌てて抱きとめる。近くで見る女性の顔に思わず顔が赤くなったが、このままではと女性を抱えて元来た道を戻っていった。

 

「義兄上、その血は・・・・・・。」

 

ずぶ濡れになって頬からは血を流し、女性を抱えて帰ってきた一刃を見て愛紗は思わずそう声をかけた。

 

「愛紗、すまないがこの女性を俺が寝てた寝台にでも寝かせてくれ。」

 

そういうと女性を愛紗に託した。

 

「義兄上、とりあえずこれで頬の血を拭いてください。」

 

そういって手拭を渡してくる。

 

一刃は手拭で傷口を拭きながら、この傷を負ったときの事を思い出していた。

 

(・・・・偽りの正義を翳しておいて・・・・

      ・・・・貴様らのしていることは賊と同じ・・・・

           ・・・・俺は守ってみせる、都を、愛する者を・・・・)

 

(きっとあの男にもあったのだろうな、この洛陽の街に守るべき者が・・・・・)

 

そんな思考の海に落ちかけている一刃を後ろから愛紗がそっと抱きしめた。

 

「義兄上、一人で抱え込まないでください。私や鈴々だって義兄上の苦しみが分かります。私たちも同じ苦しみを、罪を背負っているんですから。それに私たちは義兄妹なのでしょう?あの時、あの桃園で3人で義兄妹の契りを結んだではありませんか。」

 

『我ら三人、姓は違えども兄妹の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、願わくば同年、同月、同日に死せん事を・・・・・』

 

「苦しみも悲しみも3人一緒に・・・・・・・。」

 

その愛紗の言葉に心が少し軽くなった気がした。

 

「そうだな、俺には愛紗や鈴々がいるもんな・・・・。」

 

そういうと愛紗は笑顔で「はい。」と答えた。そうしていると伝令の兵がやってきて

 

「一刃将軍、関羽将軍、北郷様が帰還されました。」

 

そう報告があったので一刃たちは出迎えるために部屋を出て行った。

 

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舞華side

 

―――――――――君、・・・・・・大丈夫かい?

 

(誰だろう?・・・誰かが私に呼びかけている?)

 

目を開けると優しげな青年の顔が映った。

 

(轟伎様?!)

 

―――――――――立てるかい?

 

そう優しい笑顔で手を差し伸べてくれる。

 

(あぁ、これは彼と初めて会ったときの記憶か・・・・。)

 

その手につかまり身体を起こす。

 

―――――――――君はどうしてこんなところで倒れてたんだい?

 

(わからない)

 

フルフルと首を横に振る。

 

―――――――――そっか、まぁ無理に思い出さなくてもいいよ。

 

優しい手で頭を撫でられる。その手に何とも言えない心地よさを感じた。

 

―――――――――この辺は賊とか多くて物騒だから、俺の街に連れて行ってあげるよ。

 

そういうとその青年は手を引き、乗ってきた馬に舞華を乗せる。

 

―――――――――俺の名は徐栄っていうんだ。姓は徐、名は栄、字はない。君の名前は?

 

(任紅昌。姓は任、名は紅昌。字は思い出せないの、ごめんなさい。)

 

そう謝る私に、気にしないでと首を振ってこたえてくれた徐栄。

 

こうして私は、徐栄に連れられ洛陽へ行き、そこでお義父様、王允様に引き取られる事になった。お義父様に引き取られた後も、彼は暇を見つけては逢いに来てくれた。お義父様以外に身寄りの無い私にとって、彼と過ごす時間はとても楽しくて、とても安らげる時間だった。そして私たちは互いの真名を預け合う仲にまでなっていた。

 

そうして私が洛陽に来てから5年という歳月が経った。その間、私は洛陽の都で文官として働くようになった。彼も一緒に文官の仕事をしていたのだが、

 

―――――――――舞華を守れるような強い男になるために武官に転身する事にした。

 

そう言ってきた。正直、私は優しい彼に戦事はして欲しくなかった。けれど、彼の真剣な気持ちに反対する事は出来なかった。そうして彼は戦に身を投じる事が多くなった。戦が起こる度、彼は最前線へ赴いた。私は、そんな彼が心配で心配で堪らなかった。彼がいなくなってしまうことがこんなにも怖い事なんだって。

 

そんな気持ちに押しつぶされそうになっていたとき、彼が私の元へやってきて

 

―――――――――今度の戦が終わったら、俺と一緒になってほしい・・・・。

 

突然のその言葉に、私は意味を理解できなかった。彼はそんな私の手を握り

 

―――――――――舞華、ずっと俺の傍にいて欲しい。俺を支えて欲しい。

 

意味を理解した私は、だんだん喜びと嬉しさに涙が溢れてくる。

 

―――――――――舞華、君は俺が一生守る。だから一緒になってくれるかい?

 

その言葉に目に涙を溜めながら

 

(はいっ、轟伎様)

 

そういうと私は彼に抱きついた。彼がいなくならないようにギュッと強く・・・・・・。

 

 

数日後、彼は連合軍の進行を止めるため虎牢関へと出撃した。

 

私は、その彼の背中を見えなくなるまで見送った。

 

(この戦が終われば・・・・、彼と一緒になれる・・・・・・・、大好きな彼と一緒に・・・・・・。)

 

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しかし、私を待っていたのは非情な現実だった。

 

 

「報告いたします。虎牢関陥落、張遼、呂布両将軍は行方不明。 

                  徐栄、牛輔隊長は北郷軍によって討たれたそうです。」

 

その報告に、私の中の何かが、音を立てて崩れたような気がした。

 

 

 

それから数日して、虎牢関で守将をしていた呂布将軍と張遼将軍が帰還した。お二人は私の姿を

 

見つけると近付いてきて、

 

「あんた、徐栄の連れやったなぁ?あいつの形見っちゅわけでもないんやけど、これを・・・。」

 

そういって手渡されたのは綺麗な装飾の髪飾りだった。

 

「この戦が終わったらあんたに渡すんやって、徐栄が持っとったんや。あんたのところに届けてやらんと、あいつ死んでも死にきれんやろうと思うて持って帰ってきた。ウチらがもう少し強かったらこんな事にはならんかったんかもしれへんのやけど・・・・。」

 

そう浮かない表情で話す張遼さんに私は

 

「あの人は、立派に務めを果たしましたか?」

 

そう尋ねると張遼さんは、

 

「あぁ、武人として立派な死に様やったよ。」

 

そうおっしゃってくれました。それを聞いて

 

「ありがとうございます。」

 

とお礼を言って私は自分の部屋に戻りました。

 

部屋に戻ってから、ずっと髪飾りを眺めていました。そして、彼との思い出を振り返ります。

 

彼の言葉を思い出します。

 

"―――――――――今度の戦が終わったら、俺と一緒になってほしい・・・・。"

"―――――――――舞華、ずっと俺の傍にいて欲しい。俺を支えて欲しい。"

"―――――――――舞華、君は俺が一生守る。だから一緒になってくれるかい?"

 

(どうして私はあの時武官に転身しようとする彼を止めなかったのだろう。

                   どうして虎牢関へ行かせてしまったのだろう。)

 

彼の優しい言葉を思い出すたびに、その時の事への後悔の念にかられ、髪飾りを見ては優しかった彼を思い、ただ静かに涙で枕を濡らしながら、泣いていたのでした・・・・・・・。

 

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あとがき

 

今回は短めで、一刃と舞華編でした。

 

もう少し上手く表現できたらよかったとは思うのですが

 

やっぱり表現力ゼロの私の文章力ではこれが限界でした。

 

自分の無力さが恨めしい。

 

 

 

さて、皆様のご支援のおかげで注目のルーキーランキングで1位になりました。(今現在)

 

本当に感謝!感激!雨霰でございます。

 

これからも面白いと思ってもらえる作品にしていきたいと思いますので

 

どうぞ温かい目で見守っていただければと思います。

 

説明
恋姫†無双の二次創作です。
連合編も終わりましたが、今後の方針が
決まっていないため頭を悩ませております。
ということで今回は、一刃と舞華編です。

そういえば、皆様のおかげでルーキーランキング1位になっておりました。誠に感謝感謝です。

拙い未熟な文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら
幸いです。
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コメント
森番長さん これが徐栄の美学なのかもしれませんね。(eni_meel)
な・・・・徐栄・・・・お前・・・・・何死亡フラグ立てて出陣してるんだ(森番長)
スターダストさん 勝負事には必ず勝つものがいて負けるものがいる。負けたものには悲劇しか生まないのでしょうから。(eni_meel)
たっちゃんさん 一刃がどう償いの道を見つけるのか、一刀がどう導いていくのか、舞華はどう接していくのかがポイントになりそうです。(eni_meel)
誰かを傷つけたくないがために行った行動が、新たな罪の無いものの悲しみを生み出す・・・か・・・世の中ってのは皮肉なものだな。(スターダスト)
あぁ…あの悲しみがこのような形で再現されようとは…。一刃よ、君はこの罪を背負い切れるのか? これからも楽しませていただきます。頑張ってください!(たっちゃん)
宗茂さん ありがとうございます。これからも頑張ります。(eni_meel)
ルーキーランキング1位おめでとうございます! これからも楽しみにさせていただきます。(宗茂)
ねんどさん 徐栄は舞華を守るために強くなろうとしたはずなのに、結果舞華を残していく結果に・・・・。(eni_meel)
徐栄のバカヤロウが・・そんなフラグ立てるから・・・無茶しやがって(ねんど)
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恋姫 無印 アフター るろうに剣心 オマージュ 

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